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大学院の時分の話。高田馬場あたりの居酒屋で宴会、その時にタコ焼きがでてくる。その上には削り節がかかっているのだが、それを見た当時博士3年(今は講師)の留学生Hさんが
「これ、いつも美味しいとおもっているのですけど、なんのカスですか」
と聞く。
なんとなくだが。
「カツオの樹の根っこ、硬くて節になったトコロが美味しいからカツオ節という」
「律令の延喜式でもカツオは出て来る、カツオは土佐の国からの特産品で租庸調の調」
「根っこは水分を含むので、黴を付けて脱水する」
と教えてしまった。まあ、せっかくだから面白いことを教えたほうがいいかなという、いつもの一寸したサービス精神の発露なのだがね。
本人も「へえ」という。益々面白がって、最後にHさんのiPadを借りて画像をだして
「どれくらい硬いかというと、鉋で削る」
とみせたらいたく感心して、iPadがあるのに紙ににメモを取っていた。
たしか次の日か、すくなくともその週の間に「ウソを事実で補強するのはよくないです」と抗議のメールが来た。
日本に来て、それまで子供の読み物だと思っていたマンガにハマったネーチャンで、ゼミ前なんかは、大抵は暇そうにしている己に、学問以外のことをいろいろ聞いてくるのだが。
「刑事の訓読みは、普通は『デカ』」
「ちなみに、スラングで『カクソデ』という、カクソデはクソデカのアナグラム」
と、いつも適当に話を作って答えていると、やはり大抵はメモを取っていた。で、あとにまじめに調べていた様子。だから、その都度にあとから「微妙に事実を混ぜた嘘をつくな」と敬語表現で言われたよ。
ただし、たまに本当の事をいっても怒られたことがあった。北京の方の故宮博物院秘宝が東博に来た時、己は初週に行って混雑でエライ目にあった。翌週、その話をすると、博士課程のネーチャンは、妹分のような修士2年の、同じ留学生のネーチャンと行くという。それならばと、己が状況を説明した
「入場は3時間待ち」
「並ぶ人は前の人から『最後尾』の札をもらって高く掲げる」
「折りたたみの椅子と飲み物は必須、暇つぶしにゲーム機や本があると良い」
「会場前には門前に並んで、開門と同時にダッシュするべし、スタッフが走るなというのは無視しろ」
と教えてやった。妹分のほうが「どうしよう」という顔をして姉貴分を見るが、姉貴分は「いつもの通り白髪三千丈」だと多寡をくくっている様子。このあたりは漢字文化圏の留学生はわかりやすい。中国語の会話はわからないが、妹分に向かって大丈夫だとでも言っていたのだろう。
だが、二人で仲良く見に行った翌日だかのゼミで「本当なら本当だと言え」と怒られたよ。言われたとおり朝一番に並べば良かったとか、本当に走らなきゃ駄目じゃないですかと攻められたのだがね。嘘をつかないで怒られたのは腑に落ちないと思ったよ。まあ、妹分にもあわせて苦情というか、なんであんなに行列があるのですかとも言われたが、こっちも「八〇后は我慢ができない、あなたたちのご両親は配給に並んだんですよ」と適当に言い返しといた。
そういえば別の中国人留学生(これは男)だけど。アップル製品が大好きな奴がいた。(中国人はみんな好きだけどね)たしかiPhone4か4Sだかの時期に「銀座のアップルショップでは、iPhone6の試験発売が始まっている」「公表するとみんなが押し寄せるから、現地に行った人にしかわからないようにしている」「紹介者の名前が必要」と教えてやったことがある。
…まさか6を本気にするとは思わなかった。5と間違えたのかね。ほんとにプンプンしていて、ジュースやお菓子は飲み食いするが、それくらいでは買収されない。江戸川橋の焼きとん系飲屋に連れて行って、本人が頭のアガらない別の中国人研究者と一緒に「騙されたオマエが悪い」「だいたい6があるはずないだろ」といいながら、飯と酒を奢ってやった(己入れて3人分か)ことがあった。ご本尊は華北の人間(北京の辺りには豚の内臓料理がさかん)だけあって、豚の内臓料理をうまいうまいいいながらバクバク食っていたよ。
「これ、いつも美味しいとおもっているのですけど、なんのカスですか」
と聞く。
なんとなくだが。
「カツオの樹の根っこ、硬くて節になったトコロが美味しいからカツオ節という」
「律令の延喜式でもカツオは出て来る、カツオは土佐の国からの特産品で租庸調の調」
「根っこは水分を含むので、黴を付けて脱水する」
と教えてしまった。まあ、せっかくだから面白いことを教えたほうがいいかなという、いつもの一寸したサービス精神の発露なのだがね。
本人も「へえ」という。益々面白がって、最後にHさんのiPadを借りて画像をだして
「どれくらい硬いかというと、鉋で削る」
とみせたらいたく感心して、iPadがあるのに紙ににメモを取っていた。
たしか次の日か、すくなくともその週の間に「ウソを事実で補強するのはよくないです」と抗議のメールが来た。
日本に来て、それまで子供の読み物だと思っていたマンガにハマったネーチャンで、ゼミ前なんかは、大抵は暇そうにしている己に、学問以外のことをいろいろ聞いてくるのだが。
「刑事の訓読みは、普通は『デカ』」
「ちなみに、スラングで『カクソデ』という、カクソデはクソデカのアナグラム」
と、いつも適当に話を作って答えていると、やはり大抵はメモを取っていた。で、あとにまじめに調べていた様子。だから、その都度にあとから「微妙に事実を混ぜた嘘をつくな」と敬語表現で言われたよ。
ただし、たまに本当の事をいっても怒られたことがあった。北京の方の故宮博物院秘宝が東博に来た時、己は初週に行って混雑でエライ目にあった。翌週、その話をすると、博士課程のネーチャンは、妹分のような修士2年の、同じ留学生のネーチャンと行くという。それならばと、己が状況を説明した
「入場は3時間待ち」
「並ぶ人は前の人から『最後尾』の札をもらって高く掲げる」
「折りたたみの椅子と飲み物は必須、暇つぶしにゲーム機や本があると良い」
「会場前には門前に並んで、開門と同時にダッシュするべし、スタッフが走るなというのは無視しろ」
と教えてやった。妹分のほうが「どうしよう」という顔をして姉貴分を見るが、姉貴分は「いつもの通り白髪三千丈」だと多寡をくくっている様子。このあたりは漢字文化圏の留学生はわかりやすい。中国語の会話はわからないが、妹分に向かって大丈夫だとでも言っていたのだろう。
だが、二人で仲良く見に行った翌日だかのゼミで「本当なら本当だと言え」と怒られたよ。言われたとおり朝一番に並べば良かったとか、本当に走らなきゃ駄目じゃないですかと攻められたのだがね。嘘をつかないで怒られたのは腑に落ちないと思ったよ。まあ、妹分にもあわせて苦情というか、なんであんなに行列があるのですかとも言われたが、こっちも「八〇后は我慢ができない、あなたたちのご両親は配給に並んだんですよ」と適当に言い返しといた。
そういえば別の中国人留学生(これは男)だけど。アップル製品が大好きな奴がいた。(中国人はみんな好きだけどね)たしかiPhone4か4Sだかの時期に「銀座のアップルショップでは、iPhone6の試験発売が始まっている」「公表するとみんなが押し寄せるから、現地に行った人にしかわからないようにしている」「紹介者の名前が必要」と教えてやったことがある。
…まさか6を本気にするとは思わなかった。5と間違えたのかね。ほんとにプンプンしていて、ジュースやお菓子は飲み食いするが、それくらいでは買収されない。江戸川橋の焼きとん系飲屋に連れて行って、本人が頭のアガらない別の中国人研究者と一緒に「騙されたオマエが悪い」「だいたい6があるはずないだろ」といいながら、飯と酒を奢ってやった(己入れて3人分か)ことがあった。ご本尊は華北の人間(北京の辺りには豚の内臓料理がさかん)だけあって、豚の内臓料理をうまいうまいいいながらバクバク食っていたよ。
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