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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.12
07
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Category : 未分類
 前に「JR北は採算が取れない以上、札幌以北・以東を整理するしかないのではないかと書いた。http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-758.html その件について、北海道大学さんからコメントでご意見を頂いた。その内容は次のとおりである。
無知が語るな大ボラを
現実を無視してるね。
道東最大の都市 釧路と札幌の距離は351キロもある。年間利用者数160万人程。
釧路は国際バルク戦略港湾として北海道最大の国際穀物輸出入港がある一大物流拠点。
そのような実態を考慮できないのは知識が足りないからだ。


 ただ、年間利用数160万人と穀物輸出入港程度では、鉄道路線を維持する理由にはならない。

 まず、年間利用者数160万人は、相当に低い。

 長距離路線で比較すると、東海道新幹線は東京大阪間400kmで1日に50万人位運んでいる。年間2億人に相当する利用者数である。対して、札幌-釧路間での利用者数は160万人、つまり1/100にすぎない。東北新幹線で盛岡以北の利用者数や、上越新幹線の越後湯沢~新潟でも、10倍は運んでいる。

 長距離戦で年間160万人という例もないので、都市近郊線で探すと、どうみても採算とれない路線しかでてこない。年間160万人を具体的に挙げると、五日市線の御嶽-奥多摩や、上野動物園内モノレール程度にとどまる。都電荒川線でも10倍の利用者はいる。

 鉄道会社内の研究・規格部門の某さんに言わせると「国鉄改革の時の廃止基準が4000人/日[年間160万人だと1日4500人]だから廃止ギリギリってレベルだよねえ」とのことである。

 さらに、道東は人口流出傾向にある。釧路市にしても、国鉄処分の時代から、人口は2割も減っている。しかも人口は18万人しかいない。ここで政治力なりを使って無理に鉄道を残しても、結局は採算が取れる見込みもない。鉄道は廃止してバスにしたほうがいい。

 国際バルク戦略拠点についても、鉄道を残す理由にはならない。

 まずは、国際バルク戦略拠点そのものが、そうなったらいいなという程度の願望である。国交省や地元は「そうしたい」と思っているだろうが、今のところは「国際」の実態はない。そもそも、1国分の輸送であれば、トウモロコシや小麦の輸出港から直接その国に運ぶ。日本を経由するメリットはない。

 次に、釧路港で輸入した各地方向け穀物にしても、鉄道輸送はまったくリンクしていない。確かに、北米産玉黍について、日本向け輸出うち、小口分はニューオリンズから釧路に送り、そこから各地方に送られる。だが、釧路で降ろされた穀物は、内航船に積み替えられて日本各地に向かう。船舶より高くつく鉄道輸送はしない。

 北海道内での濃厚飼料需要にしても、調べたところ、鉄道輸送は使われていない。積み替えコストが高いためトラックが使われている。釧路港-(鉄道)-道内駅-(トラック)-需要家で運ぶくらいなら、多少運賃は高くとも、積み替えのコストを省ける釧路港-(トラック)-需要家で運ぶ。

 つまり、釧路港が国際バルク戦略拠点でも、そこで国内向けトウモロコシの一部を荷受していても、鉄道を残す理由とはならない。

 結局は、札幌から北と東では、鉄道事業は採算に合わない。JR北海道にしても、採算がとれないので整備できませんでしたという話である。そもそも経営的に成り立たないのだから、再生もありえない。よくわからない理由から、その地方の威信財として鉄道事業を残そうとお金を投じても、無駄金に終わる。それよりも専用路線を使う高速・大型バスや、沖縄県内で使うような短距離用の航空機をつかったほうが実情に合致しているのである。
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