Category : 未分類
国家基本問題研究所で、こんな記事を発見した。
西本由美子さんの「『美しい日本』を壊す防潮堤計画に異議あり」※ なのだが、西本さんの理屈なら河川改修や堤防は全て否定されてしまうのではないか。
西本さんは次のように述べている。「この防潮堤で防げるのは、数十年から百数十年に1度という比較的高い頻度で発生する一定程度の津波だけだ。」
しかし、逆に「比較的高い頻度で発生する一定程度の津波だけ」を防護できれば、効用は十分にあるのではないか。
西本さんが主張するは、景観の問題である。もちろん、景観や「海の眺望」は重要であることは言を俟たない。
しかし、景観や「海の眺望」を理由に、防潮堤を全否定するのは妥当ではない。本来主張するべきは、景観と調和する防潮堤や、不要な地区と必要な人口稠密地との切り分け、費用対効果といった観点の導入ではないかと思う。
ただ、不愉快さを感じるのは『美しい国日本』という観念を使えば、なんでも正当化できるのではないかという言い方である。
西本さんに限らず『美しい国日本』云々での言い方は、自分たちの嫌うものは『美しい国日本』にはあるべきではないという言い方で排除しようとしている
。嫌うのはいいだろう。しかし、それを排除しなければならない理由はどこにも示せていない。結局は説得力をもつ理由を説明できないので『美しい国日本』には要らないとするだけなのだろう。主張を論理で支えられないので、情緒で支えようとするものであるが
だから『美しい国日本』を使う文章を見つけると怪しむのである。さらに、それが国家基本問題研究所にあるだけで胡乱に見える。その中身を見ると、やはり残念な主張であるので得心した次第である。
もちろん、西本さんに対して悪意はない。景観と調和しない防潮堤計画であるのならば、そこには改善の余地もあるだろう。だが、それを論理無しで主張し、説得力不足を神がかり右派ばりに『美しい国日本』だけで補強する点には、あまりの手抜きではないかと冷やかしたくなるものである。
※ 西本由美子「『美しい日本』を壊す防潮堤計画に異議あり」(国家基本問題研究所,2013.12.9)http://jinf.jp/weekly/archives/11869
西本由美子さんの「『美しい日本』を壊す防潮堤計画に異議あり」※ なのだが、西本さんの理屈なら河川改修や堤防は全て否定されてしまうのではないか。
西本さんは次のように述べている。「この防潮堤で防げるのは、数十年から百数十年に1度という比較的高い頻度で発生する一定程度の津波だけだ。」
しかし、逆に「比較的高い頻度で発生する一定程度の津波だけ」を防護できれば、効用は十分にあるのではないか。
西本さんが主張するは、景観の問題である。もちろん、景観や「海の眺望」は重要であることは言を俟たない。
しかし、景観や「海の眺望」を理由に、防潮堤を全否定するのは妥当ではない。本来主張するべきは、景観と調和する防潮堤や、不要な地区と必要な人口稠密地との切り分け、費用対効果といった観点の導入ではないかと思う。
ただ、不愉快さを感じるのは『美しい国日本』という観念を使えば、なんでも正当化できるのではないかという言い方である。
西本さんに限らず『美しい国日本』云々での言い方は、自分たちの嫌うものは『美しい国日本』にはあるべきではないという言い方で排除しようとしている
。嫌うのはいいだろう。しかし、それを排除しなければならない理由はどこにも示せていない。結局は説得力をもつ理由を説明できないので『美しい国日本』には要らないとするだけなのだろう。主張を論理で支えられないので、情緒で支えようとするものであるが
だから『美しい国日本』を使う文章を見つけると怪しむのである。さらに、それが国家基本問題研究所にあるだけで胡乱に見える。その中身を見ると、やはり残念な主張であるので得心した次第である。
もちろん、西本さんに対して悪意はない。景観と調和しない防潮堤計画であるのならば、そこには改善の余地もあるだろう。だが、それを論理無しで主張し、説得力不足を神がかり右派ばりに『美しい国日本』だけで補強する点には、あまりの手抜きではないかと冷やかしたくなるものである。
※ 西本由美子「『美しい日本』を壊す防潮堤計画に異議あり」(国家基本問題研究所,2013.12.9)http://jinf.jp/weekly/archives/11869
Category : 未分類
南シナ海迂回ルートのコストは破滅的なのだろうか? 常々不思議に思うことだが「南シナ海を迂回するコストは日本経済に破滅的影響を与える」とする主張には頷けない。
特に原油をはじめとするエネルギー輸入では、南シナ海不通は全く影響しない。もともと輸送コストはタダ同然であって、市場価格変動に隠れてしまう。そのコストが1割程度増えても何も起きない。
この点で、北村淳さんの主張には違和感がある。北村さんの「想像以上のスピードで『近代化』している中国海軍」※ では、南シナ海が不通となった場合に、各種タンカーの運行経費が急騰し「電気をはじめとする日本のエネルギー料金は軒並み経験したことがない程度に高騰する。」と述べている。
しかし、迂回による経費増加は無視できる。
これは前にも「マラッカ・バシー海峡は、『死活的』であるか?」で述べたとおりである。ペルシア湾岸からの輸入については、距離が1割程度伸びるだけである。一般的に、船舶輸送コストの半分程度は積み込み、積み下ろしで費やされていることからすれば、行程が1割増加しても、コストは5%も増加しない。
資源エネルギー庁「石油輸送に関する現状について」(2008.2)※※ でも、同じ結論になる。7頁にあるとおり、増額分は「VLCCでは片道約$99,000(1,100万円弱)」にとどまる。増額分は、往復2200万円であるが、原油30万トンで割ればトンあたり80円弱に過ぎない。価格でみれば、1万円あたりで15円も増加しない。(1トン≒6バレル、バレル95ドル)
もともと、大型タンカーの経済効率は極めて高い。30万トンの原油を1.7万馬力14ktで輸送するが、船舶用ディーゼルは馬力あたり120g/時間にすぎない。1時間に使う燃料は2tであり、ペルシア湾への往復1600時間で3200t(しかも粗悪なC重油)しか使わない。
仮に南シナ海を迂回したとしても、その影響は極めて小さいということだ。
北村さんには、中国の脅威を必要以上に強調する傾向があるのではないか。現在の中国の脅威を正しく示すというよりも、中国の脅威は大きい、中国は危険であるという主張をしたいように見える。
今回の記事にある「空母『遼寧』よりも注意すべきは海南島海軍基地」もそうである。海南島にある基地がいかに危険であるかと述べたいのだろうが、具体的にはどう危険であるのかは全く説明されていない。
このあたり、中国の脅威の実相を説くのではなく、日本国内にある中国脅威論に乗じているようにしか見えないのである。
※ 北村淳「想像以上のスピードで『近代化』している中国海軍」『JBPress』(日本ビジネスプレス,2013.12.26)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39529
※※ 「石油輸送に関する現状について」(資源エネルギー庁,2008.2)http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g60214a08j.pdf
特に原油をはじめとするエネルギー輸入では、南シナ海不通は全く影響しない。もともと輸送コストはタダ同然であって、市場価格変動に隠れてしまう。そのコストが1割程度増えても何も起きない。
この点で、北村淳さんの主張には違和感がある。北村さんの「想像以上のスピードで『近代化』している中国海軍」※ では、南シナ海が不通となった場合に、各種タンカーの運行経費が急騰し「電気をはじめとする日本のエネルギー料金は軒並み経験したことがない程度に高騰する。」と述べている。
日本は尖閣はじめ南西諸島そして東シナ海が中国海洋戦力の直接的脅威を受けているが、中国が南シナ海をコントロールするようになると、日本経済、そして日本の国民生活は極めて深刻な影響を受けることになる。というのは、南シナ海には原油や天然ガスを積んで日本に向かう各種タンカーの航路帯(シーレーン)が縦貫しているからである。
北村淳「想像以上のスピードで『近代化』している中国海軍」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39529?page=3
もちろん、危険な海と化した南シナ海を迂回してフィリピン海そして西太平洋を迂回すれば日本に達することができる。しかしながら、このような迂回航路を各種タンカーが通航すると運賃や人件費などが急騰して、電気をはじめとする日本のエネルギー料金は軒並み経験したことがない程度に高騰する。
北村淳「想像以上のスピードで『近代化』している中国海軍」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39529?page=4
しかし、迂回による経費増加は無視できる。
これは前にも「マラッカ・バシー海峡は、『死活的』であるか?」で述べたとおりである。ペルシア湾岸からの輸入については、距離が1割程度伸びるだけである。一般的に、船舶輸送コストの半分程度は積み込み、積み下ろしで費やされていることからすれば、行程が1割増加しても、コストは5%も増加しない。
資源エネルギー庁「石油輸送に関する現状について」(2008.2)※※ でも、同じ結論になる。7頁にあるとおり、増額分は「VLCCでは片道約$99,000(1,100万円弱)」にとどまる。増額分は、往復2200万円であるが、原油30万トンで割ればトンあたり80円弱に過ぎない。価格でみれば、1万円あたりで15円も増加しない。(1トン≒6バレル、バレル95ドル)
もともと、大型タンカーの経済効率は極めて高い。30万トンの原油を1.7万馬力14ktで輸送するが、船舶用ディーゼルは馬力あたり120g/時間にすぎない。1時間に使う燃料は2tであり、ペルシア湾への往復1600時間で3200t(しかも粗悪なC重油)しか使わない。
仮に南シナ海を迂回したとしても、その影響は極めて小さいということだ。
北村さんには、中国の脅威を必要以上に強調する傾向があるのではないか。現在の中国の脅威を正しく示すというよりも、中国の脅威は大きい、中国は危険であるという主張をしたいように見える。
今回の記事にある「空母『遼寧』よりも注意すべきは海南島海軍基地」もそうである。海南島にある基地がいかに危険であるかと述べたいのだろうが、具体的にはどう危険であるのかは全く説明されていない。
このあたり、中国の脅威の実相を説くのではなく、日本国内にある中国脅威論に乗じているようにしか見えないのである。
※ 北村淳「想像以上のスピードで『近代化』している中国海軍」『JBPress』(日本ビジネスプレス,2013.12.26)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39529
※※ 「石油輸送に関する現状について」(資源エネルギー庁,2008.2)http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g60214a08j.pdf
Category : エネルギー
FT法で作られる燃料は、自衛隊が採用する必要もないし、品質も過剰にすぎる。経済性を考慮しても、実際に使われているように低品質燃料に混和するのが最もよい使い方ではないか。
藤原秀樹さんが、前々から、FT法について自衛隊の利用について述べている。最近では31日付の「日本の豊かな森林が生み出すクリーンなディーゼル燃料-自衛隊の利用でコストを下げ産業競争力強化を」がそれだ。
この藤原さんの記事は、FT法による燃料合成を丁寧に説明しており素晴らしいものである。
しかし、自衛隊に無理矢理にあてがう必要があるのか、品質についても高品質を強調し過ぎではないかといった点で、やや疑問がある。また、経済性についても、利用法や製造法について、現実に即していないように見える。FT法は他のバイオ燃料に比べて製造単価が高い。
自衛隊はそれほど高品質の燃料を必要としていない。
まず、航空燃料であるが、FT法100%純粋なケロシンは却って使いにくい。軽油や灯油には、芳香族と呼ばれる炭化水素が含まれている。匂いや黒煙そのほかの問題もあるのであまり好かれてはいない。しかし、その芳香族には配管をシールする作用がある。このため、ICAOではFT法100%のケロシンは使うな(半分に割ればOKとしている)としている。民間機も軍用機も、基本的には同じエンジンであるので、民間機で使えないものは、軍用機でも使えない。当然、自衛隊のジェット・ターボプロップでもそのままでは使えない。
艦艇燃料も、航空燃料と同じように適していない。今の護衛艦はガスタービンで動いている。飛行機に積んでいるエンジンと同じものであり、芳香族では同じ問題が発生する。また、コストの問題もある。艦艇燃料は航空燃料よりグレードの低い軽油2号を使っている。多少問題があっても、公開中でも機関科が面倒を見れるため、燃料は低グレードでいい。その点からすれば、ヨリ安価なバイオディーゼル、菜種油や天ぷら油を改質してできるような脂肪酸エステルで十分である。バイオディーゼルはFT法よりも更に安い。
陸上用の燃料としては、さらに適していない。陸上動力は、概ねディーゼル・エンジン(一部の艦艇も同じ)である。ディーゼルは何でも動く。極端な話、菜種油でも不良重油でも、灯油やアルコールで割ればそのまま動く。菜種油のたぐいの単価は、FT法どころではないくらいに安い。
つまり、自衛隊全体を無理してFT法燃料を使う必要はない。あっても、航空燃料の一部に混和する程度である。だが、米海軍は航空燃料にもバイオディーゼルをつかう実験をしている。エネルギー効率が悪いFT方法を主要する必要はない。
また、藤原さんが主張する経済性についても、疑問点がある。FT法の原料は、木材に限られたものではない。天然ガス液化(GTL)、石炭液化(CTL)、バイオマス液化(BTL)は全てFT法である。今日、同じFT法をとるのならば、アメリカのシェールガスやロシアの天然ガスを液化するのが一番安い。日本国内でも東京の地下にある南関東ガス田や、廃炭鉱や褐炭鉱からの低品質石炭、生ごみガス化をやったほうが、おそらく安価である。
経済性については、繰り返すが他のバイオ燃料との比較も必要である。既に述べたバイオ・ディーゼル(脂肪酸エステル)は、植物油脂ならなんでも利用できる。また、同じ木質原料を使うにしても、すでに稲藁でセルロースから触媒を使ったエタノールの商業製造に成功している。高温高圧を必要とし、エネルギー効率の悪いFT法よりも、エタノール製造のほうが効率が高い。
もちろん、FT法にもいいところはある。貧ガスや不良石炭を使用できる点はその長所である。
だが、その利用法としては、硫黄や燐、バナジウムを多く含む不良燃料への混和が一番経済的ではないか。改質が必要な燃料に混入し、改質なしで販売するのが一番安価だろう。あるいは、不快な匂いが無い点を活かしての、石油ファンヒータや石油ストーブ用としての販売だろう。
いずれにせよ、自衛隊が最初に使う必要はないし、自衛隊が必要とする燃料需要にも合致はしてないのである。
※ 藤原秀樹「日本の豊かな森林が生み出すクリーンなディーゼル燃料-自衛隊の利用でコストを下げ産業競争力強化を」(日本ビジネスプレス,2013.12.31)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39561
藤原秀樹さんが、前々から、FT法について自衛隊の利用について述べている。最近では31日付の「日本の豊かな森林が生み出すクリーンなディーゼル燃料-自衛隊の利用でコストを下げ産業競争力強化を」がそれだ。
この藤原さんの記事は、FT法による燃料合成を丁寧に説明しており素晴らしいものである。
しかし、自衛隊に無理矢理にあてがう必要があるのか、品質についても高品質を強調し過ぎではないかといった点で、やや疑問がある。また、経済性についても、利用法や製造法について、現実に即していないように見える。FT法は他のバイオ燃料に比べて製造単価が高い。
自衛隊はそれほど高品質の燃料を必要としていない。
まず、航空燃料であるが、FT法100%純粋なケロシンは却って使いにくい。軽油や灯油には、芳香族と呼ばれる炭化水素が含まれている。匂いや黒煙そのほかの問題もあるのであまり好かれてはいない。しかし、その芳香族には配管をシールする作用がある。このため、ICAOではFT法100%のケロシンは使うな(半分に割ればOKとしている)としている。民間機も軍用機も、基本的には同じエンジンであるので、民間機で使えないものは、軍用機でも使えない。当然、自衛隊のジェット・ターボプロップでもそのままでは使えない。
艦艇燃料も、航空燃料と同じように適していない。今の護衛艦はガスタービンで動いている。飛行機に積んでいるエンジンと同じものであり、芳香族では同じ問題が発生する。また、コストの問題もある。艦艇燃料は航空燃料よりグレードの低い軽油2号を使っている。多少問題があっても、公開中でも機関科が面倒を見れるため、燃料は低グレードでいい。その点からすれば、ヨリ安価なバイオディーゼル、菜種油や天ぷら油を改質してできるような脂肪酸エステルで十分である。バイオディーゼルはFT法よりも更に安い。
陸上用の燃料としては、さらに適していない。陸上動力は、概ねディーゼル・エンジン(一部の艦艇も同じ)である。ディーゼルは何でも動く。極端な話、菜種油でも不良重油でも、灯油やアルコールで割ればそのまま動く。菜種油のたぐいの単価は、FT法どころではないくらいに安い。
つまり、自衛隊全体を無理してFT法燃料を使う必要はない。あっても、航空燃料の一部に混和する程度である。だが、米海軍は航空燃料にもバイオディーゼルをつかう実験をしている。エネルギー効率が悪いFT方法を主要する必要はない。
また、藤原さんが主張する経済性についても、疑問点がある。FT法の原料は、木材に限られたものではない。天然ガス液化(GTL)、石炭液化(CTL)、バイオマス液化(BTL)は全てFT法である。今日、同じFT法をとるのならば、アメリカのシェールガスやロシアの天然ガスを液化するのが一番安い。日本国内でも東京の地下にある南関東ガス田や、廃炭鉱や褐炭鉱からの低品質石炭、生ごみガス化をやったほうが、おそらく安価である。
経済性については、繰り返すが他のバイオ燃料との比較も必要である。既に述べたバイオ・ディーゼル(脂肪酸エステル)は、植物油脂ならなんでも利用できる。また、同じ木質原料を使うにしても、すでに稲藁でセルロースから触媒を使ったエタノールの商業製造に成功している。高温高圧を必要とし、エネルギー効率の悪いFT法よりも、エタノール製造のほうが効率が高い。
もちろん、FT法にもいいところはある。貧ガスや不良石炭を使用できる点はその長所である。
だが、その利用法としては、硫黄や燐、バナジウムを多く含む不良燃料への混和が一番経済的ではないか。改質が必要な燃料に混入し、改質なしで販売するのが一番安価だろう。あるいは、不快な匂いが無い点を活かしての、石油ファンヒータや石油ストーブ用としての販売だろう。
いずれにせよ、自衛隊が最初に使う必要はないし、自衛隊が必要とする燃料需要にも合致はしてないのである。
※ 藤原秀樹「日本の豊かな森林が生み出すクリーンなディーゼル燃料-自衛隊の利用でコストを下げ産業競争力強化を」(日本ビジネスプレス,2013.12.31)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39561
Category : コミケ

上が、メインの『瀛報』です。左下が最新号、その右が13年夏号という順番に並べています。
・『中国との戦争はどのようになるか?-将来の対中戦』(13冬)
・『中国は第二列島線に進出できるか?』(13夏)
・『いずれ行き詰まるLCS』(12冬)
・『長江鉄道橋-中国戦争経済の殺所』(12夏)
・『対日攻勢機雷戦』(11冬)
・『掃討しかない』(11夏)
瀛報で「ようほう」と振ってます。国立国会の『日本環瀛水路誌』で昔「かんよう」って振ってた(いまは「かんえい」とふりなおしてある)ので、「よう」だと思ってました。いまさら改める気もないし、どうせ普通の人が一生使う文字でもないので「ようほう」で構わないんじゃないかと。
『瀛報』は、神保町の書泉グランデに委託しておりますので、ご覧の上に購入頂けるとありがたいです。遠隔地の方には、通販対応します。コミケ直販で599円です。通販時の価格は、送料込みで書泉さんの値段と按配式します。委託よりも安くするのは商道徳上どうよと思いますので。

こちらは、非委託の本誌と、毎回出すようにしているパンフ類です。国後島云々は、北方領土は対日戦を行う根拠地となりえないという中身です。パンフ類は、だいたい1回もっていってなくなる程度ですが、下の3つは評判がいいので正月2日に増刷しました。
B5の北方領土本がコミケ直販で499円、A5のノックス・リアンダー本が299円、A6のパンフが199円です。こちらは委託していませんので、通販のみになります。切り上げて500、300、200円と送料手数料(まあ300円でしょう)ですかね。
支払手段は、前は定額小為替でしたが、最近使いにくくなったので別の方法もOKです。とりあえずはアマゾンギフト(手数料なしで使えます)と、ヤフオク出品-落札ですかねえ。希望される方は、q_montagne@pop02.odn.ne.jpまで。
あと、写真は深夜にGRD3で撮ったんで、アンダーがすぎるんで、今日明日の昼間にでも差し替えます
Category : ミリタリー
ある方から教えてもらったSNSの記事なんだけれども、結構おもしろいものです
本人に伝わらない安心からか、小児的な感情反発を考えなしに何件ほどか文章にされています。まあ「隅田金属ぼるじひ社の電波論」程度なんですけどね。クローズされたSNSであって、反論を受けないという安心感からか脇の甘いことを述べていらっしゃる。(気の毒なので名は秘す)

でもねえ、公開範囲を「友人の友人」にしておけば大丈夫だろうと思った様子ですが、実は共通の友人がいたわけです。そうなると、己がそれを読めるという喜劇になるわけですな。
10式戦車が大好きで仕方がない「戦車に文句をつけるのは馬鹿だ」という感情的な爆発なのでしょう。ありえないシチュを列挙して、精神的優位を撮ろうとしているのでしょう。
まあ、結構おもしろい認識が一杯あるのですが、全部挙げるのもナンなので、その中で一つ選ぶとこんなものです。

上の網掛け部が、己の主張の切り取りで、下がそれに対する反応です。
当節に中国による日本本土上陸がリアルで、海外派遣はファンタジーという認識は、相当ズレているなと思います。海外派遣に出す戦力が治安維持用の歩兵、ヘリ、装甲車といった軽装備から、本気で戦争する戦車や大砲になるというのを、戦力の逐次投入と言い出すのも、政治レベルの話に戦闘レベルの反応しかできないあたりもお気の毒です。
あとは、「軍事クラスタ」とやらですが。結局は全体像を見ないで、全部を単純に軍事的妥当性だけでしか見えないのが偏頗なんですよねえ。実際にクラスタという言葉も軽く使い過ぎでしょう。日本語だと影響力をもった集団といったニュアンスを伴うわけですが、「北欧の海運クラスタ」といった用語はたまに聞きます。でもねえ、ツイッターで呟いている段階の連中については、影響力からそうは言えないでしょう。結局、彼らが必死に擁護したけれども、戦車は減ったわけだし。
本人に伝わらない安心からか、小児的な感情反発を考えなしに何件ほどか文章にされています。まあ「隅田金属ぼるじひ社の電波論」程度なんですけどね。クローズされたSNSであって、反論を受けないという安心感からか脇の甘いことを述べていらっしゃる。(気の毒なので名は秘す)

でもねえ、公開範囲を「友人の友人」にしておけば大丈夫だろうと思った様子ですが、実は共通の友人がいたわけです。そうなると、己がそれを読めるという喜劇になるわけですな。
10式戦車が大好きで仕方がない「戦車に文句をつけるのは馬鹿だ」という感情的な爆発なのでしょう。ありえないシチュを列挙して、精神的優位を撮ろうとしているのでしょう。
まあ、結構おもしろい認識が一杯あるのですが、全部挙げるのもナンなので、その中で一つ選ぶとこんなものです。

上の網掛け部が、己の主張の切り取りで、下がそれに対する反応です。
当節に中国による日本本土上陸がリアルで、海外派遣はファンタジーという認識は、相当ズレているなと思います。海外派遣に出す戦力が治安維持用の歩兵、ヘリ、装甲車といった軽装備から、本気で戦争する戦車や大砲になるというのを、戦力の逐次投入と言い出すのも、政治レベルの話に戦闘レベルの反応しかできないあたりもお気の毒です。
あとは、「軍事クラスタ」とやらですが。結局は全体像を見ないで、全部を単純に軍事的妥当性だけでしか見えないのが偏頗なんですよねえ。実際にクラスタという言葉も軽く使い過ぎでしょう。日本語だと影響力をもった集団といったニュアンスを伴うわけですが、「北欧の海運クラスタ」といった用語はたまに聞きます。でもねえ、ツイッターで呟いている段階の連中については、影響力からそうは言えないでしょう。結局、彼らが必死に擁護したけれども、戦車は減ったわけだし。
Category : ミリタリー
20時間近く寝ると頭が痛くなるもんですな。だいたい30時間ぶりに飯をくったところです
コミケで話したことなんだけどね。この手の趣味人は本が多くて困る。だから、家を作る段階で書庫を考える。
己は自分の家建てるときに、自分のスペースは2階にして、1階は倉庫にした。1階のうち24畳+4畳を書庫、2階の書斎に隣接する8畳を書庫にした。
その本棚も、2階はシナ集成材で、1階は躯体直付にした。
2階の棚は材料支給・工具貸与で隠居した指物屋に「青物大工なみに雑でいい」とお願いしてやってもらった。ロングベースのトラックがあるので、搬送はこっちもち。結果、一つ6000円でできた。材料代が4000円、手間が2000円。もっと手間を払ったのだが、「半端仕事だよ」と半分以上つっ返されたよ。

1階の棚は、構造材につくりつけ。不要な間柱で過剰強度なんだが、入れさせてそれをコンパネで覆ったもの。そこに枯れた1寸5分の杉板をおいただけのもの。2階もそうだが、柱間1200mmで作ってある。奥行き3間(5.4m)両側足して約11m、それを幅4間、6列66m長さ。別に図面等A2と、ほとんど読まない日本ほか、各国戦史叢書を収納する専用の書庫4畳がある。


いずれも、本棚は浅く作ってある。それがIKEAの類で買う作り付けと違う点。奥行きの深い本棚は使いにくい。本は取りにくい上に、2重に置くと奥の本は死ぬ。和綴じの和書を除くとは横積みも良くない。だから全部立たせる前提で、本棚ごとにB6、A5、菊判、B5、A4のいずれにか合わせて、それぞれのサイズに+20mmで奥行きと高さを揃えて作った。
どういう本棚を買うべきかという疑問があれば、なにかの参考にしてもらえればねえと
コミケで話したことなんだけどね。この手の趣味人は本が多くて困る。だから、家を作る段階で書庫を考える。
己は自分の家建てるときに、自分のスペースは2階にして、1階は倉庫にした。1階のうち24畳+4畳を書庫、2階の書斎に隣接する8畳を書庫にした。
その本棚も、2階はシナ集成材で、1階は躯体直付にした。
2階の棚は材料支給・工具貸与で隠居した指物屋に「青物大工なみに雑でいい」とお願いしてやってもらった。ロングベースのトラックがあるので、搬送はこっちもち。結果、一つ6000円でできた。材料代が4000円、手間が2000円。もっと手間を払ったのだが、「半端仕事だよ」と半分以上つっ返されたよ。

1階の棚は、構造材につくりつけ。不要な間柱で過剰強度なんだが、入れさせてそれをコンパネで覆ったもの。そこに枯れた1寸5分の杉板をおいただけのもの。2階もそうだが、柱間1200mmで作ってある。奥行き3間(5.4m)両側足して約11m、それを幅4間、6列66m長さ。別に図面等A2と、ほとんど読まない日本ほか、各国戦史叢書を収納する専用の書庫4畳がある。


いずれも、本棚は浅く作ってある。それがIKEAの類で買う作り付けと違う点。奥行きの深い本棚は使いにくい。本は取りにくい上に、2重に置くと奥の本は死ぬ。和綴じの和書を除くとは横積みも良くない。だから全部立たせる前提で、本棚ごとにB6、A5、菊判、B5、A4のいずれにか合わせて、それぞれのサイズに+20mmで奥行きと高さを揃えて作った。
どういう本棚を買うべきかという疑問があれば、なにかの参考にしてもらえればねえと