Category : 中国
今の政権は、対中包囲網やらという幻想に深入りし過ぎではないかね。そもそも中国と対立を選択する国は、日本くらいしかない。そこで頑張ったところで、インドあたりに手だまに取られて、孤立するのがオチではないか。場合によれば「日本一国だけの対中包囲網」になるのではないか。
中国と対立を選択する国はない。
米国は中国との通商を重視している。安全保障では敵であるが、経済的には仲間である。そして、現今の情勢では中国との安全保障の問題は全く重視する必要はない。経済問題に比べれば、オマケである。米国で対中強硬論を言う人々を見ても、共和党系の一部だけで、まったく力を持っていない。
東アジア、東南アジアで対立的な選択肢をとる国もない。東アジアで、それなりの力の規模を持つ台湾や韓国も対中融和である。東南アジアでは、対中融和ではない国はない。マレーシアとブルネイが安全保障の分野で警戒しているものの、経済的利益があるので対立までする気はない。あのベトナムでも基本は対中融和である。今、フィリピンは対中対峙をしているが、熱しやすい国なのですぐに方向転換する。そもそも、フィリピンは全くアテにならない。
南アジアでも、軍事的に対立しているインドにしても、経済的には中国と融和的であり、対立する気はない。シン首相は対中融和派である。日本の首相が来るとリップサービスをするが、それで利益を得られるのでそう言うだけの話だ。そもそも、インドは掌返しが多いので、何を行ってもアテにならない。
この状況で、日本だけ全面的な対中対立を選択していい事はあるのだろうか? 東アジアは世界経済の成長エンジンである。そこの政治的安定に水を差すなと、世界中に怒られるだろう。
実際に、アメリカには嫌味を言われている。毎日新聞「日米議連:米側『経済重視を』」が、それだ。
一番まずいのは、日本が疎外される構図になることだ。嫌味を言われるくらいならまだ良い。しかし、ボッチになってしまうのは避けなければならない。
その危機はある、中国がAPECに台湾代表を招き、習近平と馬英九が会談する事態がそれだ。中国がやる気になれば、2014年のAPECに馬英九が来る可能性はある。2014年のAPECは中国がホストである。そして、首脳会議でありながら、これまでAPECに台湾指導者を呼ばないのは中国の抗議があってのことである。この点は、野島剛「習近平と馬英九は会うのか会わないのか」に詳しい。※※
中国は台湾との関係改善を示すことにより、日本の孤立化を印象づけられる。最初に述べたように、両岸関係は対立的ではない。そもそも、中国と台湾には、人も金も自由に往来している。互いの指導者が(野島さんによれば、互いの立場も台湾地区指導者と大陸指導者で調整する話があるらしい)会うことに、政治的な障害はない。
それをされると、日本は面目を喪う。特に今回の靖国社参拝と絡められて、頑なのは日本だけということになるだろう。
※ 正月に宴会やるんで、靖国社で参拝がてら待ち合わせしたのだけれども。
大村益次郎の銅像って革命戦士の像だよなあと。毛沢東とか安重根とか金日成あたりと同じじゃないかね。ホセ・リサールとか孫文はもっと上のレベルの人物だし。
待ち合わせ中に「長州神社の部分は違和感あるよね」という話になった。確かに遊就館の長州征伐の展示も?なわけだ。
やっぱ、適当な儀式で革命戦士の墓と、長州神社の部分、あとは昭和受難者の皆さんを分離して引っ越してもらったほうがいいんじゃないのかねえ。
行き過ぎた保守や神社側は神様を外す操作は無いとか行っているけど、神道にそこまでの典礼もそれを禁ずるまでのドクトリンもないから、柔軟にやればいいんじゃない。祝詞みても「美味しいもの一杯用意したから、お互い分離してよ」って言えるよ。
戦後には、今日では、靖国社は戦死した息子に会いに来るとか、あったことのない父に会いに行く場所であって、党派により政治利用していい場所じゃないね。
※※ 野島剛「習近平と馬英九は会うのか会わないのか」『東亜』(霞山会,2013.12)pp.6-7.
中国と対立を選択する国はない。
米国は中国との通商を重視している。安全保障では敵であるが、経済的には仲間である。そして、現今の情勢では中国との安全保障の問題は全く重視する必要はない。経済問題に比べれば、オマケである。米国で対中強硬論を言う人々を見ても、共和党系の一部だけで、まったく力を持っていない。
東アジア、東南アジアで対立的な選択肢をとる国もない。東アジアで、それなりの力の規模を持つ台湾や韓国も対中融和である。東南アジアでは、対中融和ではない国はない。マレーシアとブルネイが安全保障の分野で警戒しているものの、経済的利益があるので対立までする気はない。あのベトナムでも基本は対中融和である。今、フィリピンは対中対峙をしているが、熱しやすい国なのですぐに方向転換する。そもそも、フィリピンは全くアテにならない。
南アジアでも、軍事的に対立しているインドにしても、経済的には中国と融和的であり、対立する気はない。シン首相は対中融和派である。日本の首相が来るとリップサービスをするが、それで利益を得られるのでそう言うだけの話だ。そもそも、インドは掌返しが多いので、何を行ってもアテにならない。
この状況で、日本だけ全面的な対中対立を選択していい事はあるのだろうか? 東アジアは世界経済の成長エンジンである。そこの政治的安定に水を差すなと、世界中に怒られるだろう。
実際に、アメリカには嫌味を言われている。毎日新聞「日米議連:米側『経済重視を』」が、それだ。
日米国会議員連盟の中曽根弘文会長らが10日、首都ワシントンで、米政府関係者らとの意見交換を総括する記者会見を開いた。議連側が安倍晋三首相の靖国神社参拝は「不戦の誓いが目的だ」と説明したのに対し、「米側から踏み込んでくる人はいなかった」とし、一定の理解が得られたとの認識を示した。ただ、経済発展を望む声が多かったといい、経済重視路線に戻ることを求める米側の考えがにじんだ。
毎日新聞「日米議連:米側『経済重視を』」(毎日新聞,2014.1.11)http://mainichi.jp/select/news/20140111k0000e030204000c.html
一番まずいのは、日本が疎外される構図になることだ。嫌味を言われるくらいならまだ良い。しかし、ボッチになってしまうのは避けなければならない。
その危機はある、中国がAPECに台湾代表を招き、習近平と馬英九が会談する事態がそれだ。中国がやる気になれば、2014年のAPECに馬英九が来る可能性はある。2014年のAPECは中国がホストである。そして、首脳会議でありながら、これまでAPECに台湾指導者を呼ばないのは中国の抗議があってのことである。この点は、野島剛「習近平と馬英九は会うのか会わないのか」に詳しい。※※
中国は台湾との関係改善を示すことにより、日本の孤立化を印象づけられる。最初に述べたように、両岸関係は対立的ではない。そもそも、中国と台湾には、人も金も自由に往来している。互いの指導者が(野島さんによれば、互いの立場も台湾地区指導者と大陸指導者で調整する話があるらしい)会うことに、政治的な障害はない。
それをされると、日本は面目を喪う。特に今回の靖国社参拝と絡められて、頑なのは日本だけということになるだろう。
※ 正月に宴会やるんで、靖国社で参拝がてら待ち合わせしたのだけれども。
大村益次郎の銅像って革命戦士の像だよなあと。毛沢東とか安重根とか金日成あたりと同じじゃないかね。ホセ・リサールとか孫文はもっと上のレベルの人物だし。
待ち合わせ中に「長州神社の部分は違和感あるよね」という話になった。確かに遊就館の長州征伐の展示も?なわけだ。
やっぱ、適当な儀式で革命戦士の墓と、長州神社の部分、あとは昭和受難者の皆さんを分離して引っ越してもらったほうがいいんじゃないのかねえ。
行き過ぎた保守や神社側は神様を外す操作は無いとか行っているけど、神道にそこまでの典礼もそれを禁ずるまでのドクトリンもないから、柔軟にやればいいんじゃない。祝詞みても「美味しいもの一杯用意したから、お互い分離してよ」って言えるよ。
戦後には、今日では、靖国社は戦死した息子に会いに来るとか、あったことのない父に会いに行く場所であって、党派により政治利用していい場所じゃないね。
※※ 野島剛「習近平と馬英九は会うのか会わないのか」『東亜』(霞山会,2013.12)pp.6-7.
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