Category : エネルギー
外貨が流出するから原発を動かすというのは、ボルビックを禁止して水道水飲めというようなものか。エルメスその他のブランド品に費やす外貨が無駄なので、国産品を使えというものと同じではないか。
甘利経済再生大臣の記者会見※で、いまどき外貨保護のようなことを言い、だから原発動かせというようなことを示唆している。
甘利大臣は「貿易収支、経常収支、国際収支、どれも基本は貿易[ママ]収支の黒字で、[今回の赤字により]その貿易立国の原点が今若干揺らいでいる」と、当世ではなかなか聞かなくなった外貨獲得方針を日本の方針だと主張したあとで、今回の赤字の「最大の原因は原発全停止による代替エネルギーの輸入」にあると述べている。
しかし、これは二重におかしいのではないか。
貿易立国とは、輸出立国ではない。海外に競争力のあるもの、価値のあるものを売るのと同じように、優れたもの、安いものがあれば海外から買う国である。そこで冬前に燃料需要が増え、原油高や為替で短期的に収支が赤字(9月までは黒字)になったからといっても、日本の経済基盤が傾いたわけではない。
そして収支に悪いから特定品目の輸入をやめさせようというのも、おかしい。 収支が悪いので、特定品目の輸入をやめるというのは、昔の保護貿易と同じではないか。これは、昭和30年に外貨獲得だけを目的として、贅沢品輸入に規制をかけていた昔に帰ろうというものだ。当時は、外国製エアコンやゴルフクラブは輸入禁止だった。
それをやるなら、天然ガス・原油以外にも収支を悪くするものはある、それも禁止すればよい。たかが電気を作るのに高価な天然ガス云々という意見があるが、それならたかが水を飲むのにボルビックやエビアンを買う必要はない。国民は水道水飲めといえばよい。エルメスの革細工を買う必要もない、ナイロンのバリバリ財布でも同じである。BMWベンツVWを買う意味もない。カローラかサニーで十分妥当である。そういうのと変わらない。国際収支云々を口にして、◯◯立国が揺らいでいるというのなら、そこまで主張すればよいだろう。
そもそも、なんでそこまで原発を動かしたいか分からない。電力会社がソロバンづくで原発を動かしたいのは分かるが、なんで政治がそれに付和雷同するのかが分からない。かつてのように、潜在的な核兵器開発能力云々は意味もない。日本は既に膨大な量のプルトニウムを持っている。他には、リスクだけでメリットはない。まずは金でも貰っているのでなければ説明もつかない。
電力会社もわざわざ高い燃料を買っている疑惑がある。総括原価方式とやらで、電気代が高ければ高いほど電力会社がトクをする仕組になっている。今どき国内炭を購入したり、海外炭も過剰に高品質炭を買っているという話もある。それで原価が高くなれば、利益も大きくできるというカラクリからだろう。原子力も同じ伝で、原価を高くできるからやったという話もある。
電力所要で国際収支云々を言うなら、そのコストカットをやらせたほうがいい。別に日本で電力を作る必要はない。夏のロシアには電力が余っている。夏季にはロシアから電力を買ってもよい。天然ガスも余っている。サハリンからパイプラインを引くなり、サハリンに日本の発電所を作るなりすれば、冬でも日本に安価に安定供給できるだろう。
※ 「甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年1月14日」(内閣府,2014.1.14)http://www.cao.go.jp/minister/1212_a_amari/kaiken/2014/0114kaiken.html
甘利経済再生大臣の記者会見※で、いまどき外貨保護のようなことを言い、だから原発動かせというようなことを示唆している。
(問)国際収支についてお伺いしたいのですけれども、今日発表された11月の国際収支で、過去最大の赤字となりました。大きな要因としては、円安によるエネルギー関係の輸入額が膨らんだことと、輸出がなかなか円安にもかかわらず思ったほど伸びてこないことかと思われますけれども、大臣としては今回の過去最大の赤字という結果についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)これは今までも申し上げてきましたけれども、これからも注意が必要だと思います。貿易収支、経常収支、国際収支、どれも基本は貿易収支の黒字で、その貿易立国の原点が今若干揺らいでいるわけであります。最大の原因は原発全停止による代替エネルギーの輸入、この輸入に円安が拍車をかけているということになります。そして、御指摘の通り、円安で輸出環境がよくなっているにもかかわらず、思ったほどスピーディに輸出が拡大していかない。もちろん輸入の増と輸出の増の関係にはタイムラグがあることは御案内の通りであります。
「甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年1月14日」(内閣府,2014.1.14)
http://www.cao.go.jp/minister/1212_a_amari/kaiken/2014/0114kaiken.html
甘利大臣は「貿易収支、経常収支、国際収支、どれも基本は貿易[ママ]収支の黒字で、[今回の赤字により]その貿易立国の原点が今若干揺らいでいる」と、当世ではなかなか聞かなくなった外貨獲得方針を日本の方針だと主張したあとで、今回の赤字の「最大の原因は原発全停止による代替エネルギーの輸入」にあると述べている。
しかし、これは二重におかしいのではないか。
貿易立国とは、輸出立国ではない。海外に競争力のあるもの、価値のあるものを売るのと同じように、優れたもの、安いものがあれば海外から買う国である。そこで冬前に燃料需要が増え、原油高や為替で短期的に収支が赤字(9月までは黒字)になったからといっても、日本の経済基盤が傾いたわけではない。
そして収支に悪いから特定品目の輸入をやめさせようというのも、おかしい。 収支が悪いので、特定品目の輸入をやめるというのは、昔の保護貿易と同じではないか。これは、昭和30年に外貨獲得だけを目的として、贅沢品輸入に規制をかけていた昔に帰ろうというものだ。当時は、外国製エアコンやゴルフクラブは輸入禁止だった。
それをやるなら、天然ガス・原油以外にも収支を悪くするものはある、それも禁止すればよい。たかが電気を作るのに高価な天然ガス云々という意見があるが、それならたかが水を飲むのにボルビックやエビアンを買う必要はない。国民は水道水飲めといえばよい。エルメスの革細工を買う必要もない、ナイロンのバリバリ財布でも同じである。BMWベンツVWを買う意味もない。カローラかサニーで十分妥当である。そういうのと変わらない。国際収支云々を口にして、◯◯立国が揺らいでいるというのなら、そこまで主張すればよいだろう。
そもそも、なんでそこまで原発を動かしたいか分からない。電力会社がソロバンづくで原発を動かしたいのは分かるが、なんで政治がそれに付和雷同するのかが分からない。かつてのように、潜在的な核兵器開発能力云々は意味もない。日本は既に膨大な量のプルトニウムを持っている。他には、リスクだけでメリットはない。まずは金でも貰っているのでなければ説明もつかない。
電力会社もわざわざ高い燃料を買っている疑惑がある。総括原価方式とやらで、電気代が高ければ高いほど電力会社がトクをする仕組になっている。今どき国内炭を購入したり、海外炭も過剰に高品質炭を買っているという話もある。それで原価が高くなれば、利益も大きくできるというカラクリからだろう。原子力も同じ伝で、原価を高くできるからやったという話もある。
電力所要で国際収支云々を言うなら、そのコストカットをやらせたほうがいい。別に日本で電力を作る必要はない。夏のロシアには電力が余っている。夏季にはロシアから電力を買ってもよい。天然ガスも余っている。サハリンからパイプラインを引くなり、サハリンに日本の発電所を作るなりすれば、冬でも日本に安価に安定供給できるだろう。
※ 「甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年1月14日」(内閣府,2014.1.14)http://www.cao.go.jp/minister/1212_a_amari/kaiken/2014/0114kaiken.html
スポンサーサイト