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昨今は少年犯罪が増えて嘆かわしい云々も、昔からの話である。別にスマホやLINEができる前には少年犯罪がなかったわけでもない。
昭和53年1月9日の新聞には、冬休みに盗みまわった中学生の記事がある。「中学生、悪に走った冬休み」(朝日新聞)であるが、これは川崎の中学生(15)二人組の窃盗道中を報道した記事である。
記事出てくる中学生は二人は、札幌から沖縄まで盗み回っている。
・ 家の金7万に手をつける(12月26日)
・ 札幌でハンドバックから4万1000円盗む(28日)
- 歯科医で治療中の主婦から盗む
・ 羽田のトラックから通帳と印鑑を盗む(31日)
- 28万引き下ろす
・ 那覇で電話代2万2000円を踏み倒す(1月4日)
・ 大阪で自動車を盗む、自家100万程度(7日)
・ 掛川まで運転してきた所を、おロープ
人を殺してはいないものの、大した窃盗である。これは携帯もスマホもLINEも出来る前の話であり、その手の技術進歩が少年犯罪云々というのは的外れということが分かるだろう。その伝で言えば、刈谷市の「スマホ夜間禁止」のような抵抗も、ピント外れだということだ。
昭和53年1月9日の新聞には、冬休みに盗みまわった中学生の記事がある。「中学生、悪に走った冬休み」(朝日新聞)であるが、これは川崎の中学生(15)二人組の窃盗道中を報道した記事である。
記事出てくる中学生は二人は、札幌から沖縄まで盗み回っている。
・ 家の金7万に手をつける(12月26日)
・ 札幌でハンドバックから4万1000円盗む(28日)
- 歯科医で治療中の主婦から盗む
・ 羽田のトラックから通帳と印鑑を盗む(31日)
- 28万引き下ろす
・ 那覇で電話代2万2000円を踏み倒す(1月4日)
・ 大阪で自動車を盗む、自家100万程度(7日)
・ 掛川まで運転してきた所を、おロープ
人を殺してはいないものの、大した窃盗である。これは携帯もスマホもLINEも出来る前の話であり、その手の技術進歩が少年犯罪云々というのは的外れということが分かるだろう。その伝で言えば、刈谷市の「スマホ夜間禁止」のような抵抗も、ピント外れだということだ。
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安倍外交とやらも、八方塞がりではないのか?
『外交』最新号に、アレ宰相のTRIM外交が特集されている。鈴木勝美さんの「安倍流『遠交近攻』外交の罠」※ と、TRIM各国との関係を論じる記事4つ。合計5ヶほとの面白い記事が掲載されている。ちなみに、TRIMとはトルコ、ロシア、インド、モンゴルを繋げたものであり、アレ宰相が重点視した国である。
このTRIM外交は、まずは成功していない状況にある。トルコ、ロシアは話の相手にならず、インドは両端首鼠であり、モンゴルには自主性がないためである。
このうち、トルコは現政権が死に体になっている。記事でも指摘しているが、安倍政権で、アレ宰相がいの一番にいった国だが、トルコのエルドワン政権は国内政治で指導力を失っている。現トルコ政権と仲良くしてもすでに良いことはない。成果とされる原発輸出も、エルドワンとの属人的な繋がりであれば、あまりあてにならないだろう。
ロシアはアメリカと対立を始めている。この点、記事ではウクライナ問題を指摘している。実際に、クリミア半島併合でロシアは米国だけでなく、先進各国と対立する状況になっている。この状況で、ロシアとはあまり仲良くし難い状況である。そもそも、靖国参拝で一気に悪化した米国との間で、関係改善を図ることが優先される。対露関係発展は、アレ政権の間はムリだろう。
インドについては、『外交』の記事は重要な点を明示している。インドは中国のADIZ設定を非難せず、中立の立場にある。これは鈴木さんの記事でもそうだが、各論にあたる堀本武功さんの「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」※※ でも「1月訪印した小野寺防衛相が問題提起できなかった点」までも指摘している。
さらに、双方とも中印経済関係深化も指摘しており、後者ではさらに
モンゴルについては、記事では「第三極としての日本」程度の表現に留まっている。だが、プレイヤーとしてのモンゴルは、中国に対立し得ない点は明らかである。中露双方からの板挟みになった時のために、日本と友好以上に仲良くしているだけであって、中国へのカウンターは期待できないだろう。
TRIM外交は八方ふさがりであるということだ。
さらに、鈴木さんは「TRIM外交は、ドーナツ外交ではないか」とも指摘している。中国と韓国とは一切関わろうとせず、外環部とだけ外交をしている点を比喩したものだ。アレ宰相は、これを遠交近攻と考えているのかもしれないが、政治的な課題となり、痛みを伴う中韓との外交を避けているだけとも言えるだろう。逆に、遠い国は大した利害関係もないので、首脳同士でキャフフすれば終わる。§ 問題を直視する必要も、解決で身を切られる心配もない。
アレ宰相は、外交でも逃避する傾向にあるということだ。アレの第一期の政権でもそうであったように、結局は問題に正対せず、ただ逃避する傾向にある。今回の消費増税でも財政削減には全く手を出さず、支援業界や支持層へのバラマキ政策をやっている。外交も同じだろう。
※ 鈴木勝美「安倍流『遠交近攻』外交の罠」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.16-20.
※※ 堀本武功「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.34-39.
§ 韓国大統領に韓国語で挨拶したのも、その伝ではないのか。対立関係にある相手に、真剣に立ち向かわず逃げる姿勢であるとも言える。
『外交』最新号に、アレ宰相のTRIM外交が特集されている。鈴木勝美さんの「安倍流『遠交近攻』外交の罠」※ と、TRIM各国との関係を論じる記事4つ。合計5ヶほとの面白い記事が掲載されている。ちなみに、TRIMとはトルコ、ロシア、インド、モンゴルを繋げたものであり、アレ宰相が重点視した国である。
このTRIM外交は、まずは成功していない状況にある。トルコ、ロシアは話の相手にならず、インドは両端首鼠であり、モンゴルには自主性がないためである。
このうち、トルコは現政権が死に体になっている。記事でも指摘しているが、安倍政権で、アレ宰相がいの一番にいった国だが、トルコのエルドワン政権は国内政治で指導力を失っている。現トルコ政権と仲良くしてもすでに良いことはない。成果とされる原発輸出も、エルドワンとの属人的な繋がりであれば、あまりあてにならないだろう。
ロシアはアメリカと対立を始めている。この点、記事ではウクライナ問題を指摘している。実際に、クリミア半島併合でロシアは米国だけでなく、先進各国と対立する状況になっている。この状況で、ロシアとはあまり仲良くし難い状況である。そもそも、靖国参拝で一気に悪化した米国との間で、関係改善を図ることが優先される。対露関係発展は、アレ政権の間はムリだろう。
インドについては、『外交』の記事は重要な点を明示している。インドは中国のADIZ設定を非難せず、中立の立場にある。これは鈴木さんの記事でもそうだが、各論にあたる堀本武功さんの「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」※※ でも「1月訪印した小野寺防衛相が問題提起できなかった点」までも指摘している。
さらに、双方とも中印経済関係深化も指摘しており、後者ではさらに
中国が東アジアに忙殺されていれば、南アジア、特に印中国境線では平穏が保たれる(堀本,38p)と述べている。実際にそのとおりであり、アレ宰相が無駄に反中国スタンスを表明し、日中関係が燃え上がれば燃え上がるほど、インドの利益である。アレ宰相やその大臣がくれば、飛行機買うよ程度の歓待もするだろう。
モンゴルについては、記事では「第三極としての日本」程度の表現に留まっている。だが、プレイヤーとしてのモンゴルは、中国に対立し得ない点は明らかである。中露双方からの板挟みになった時のために、日本と友好以上に仲良くしているだけであって、中国へのカウンターは期待できないだろう。
TRIM外交は八方ふさがりであるということだ。
さらに、鈴木さんは「TRIM外交は、ドーナツ外交ではないか」とも指摘している。中国と韓国とは一切関わろうとせず、外環部とだけ外交をしている点を比喩したものだ。アレ宰相は、これを遠交近攻と考えているのかもしれないが、政治的な課題となり、痛みを伴う中韓との外交を避けているだけとも言えるだろう。逆に、遠い国は大した利害関係もないので、首脳同士でキャフフすれば終わる。§ 問題を直視する必要も、解決で身を切られる心配もない。
アレ宰相は、外交でも逃避する傾向にあるということだ。アレの第一期の政権でもそうであったように、結局は問題に正対せず、ただ逃避する傾向にある。今回の消費増税でも財政削減には全く手を出さず、支援業界や支持層へのバラマキ政策をやっている。外交も同じだろう。
※ 鈴木勝美「安倍流『遠交近攻』外交の罠」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.16-20.
※※ 堀本武功「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.34-39.
§ 韓国大統領に韓国語で挨拶したのも、その伝ではないのか。対立関係にある相手に、真剣に立ち向かわず逃げる姿勢であるとも言える。
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「フランシーヌの場合」も探すとあるものだなと。
普段から、「3月30日」とか「おばかさん」とか「場合」という言葉が出ると、「フランシーヌの場合は」とか「あまりにもおバカさん」とか、節が口を出てくるものだね。「まあ、この」とか「あー」とか言う時に、角栄とか大平首相の口真似で「まこのー」とか「あー、うー」というようなものか。
でもねえ、日本の反戦歌ってあんまりね。むしろ反戦的なメッセージとして一番強烈なのは、ニュース映画で出てくる「海ゆかば」とか、学徒出陣の「抜刀隊」とかのほうがねえ。勘弁してくれという気持ちが想起されるんじゃないのかな。
コレ見て思うのが「屋根がないとオリンピックができない」って甘えだね。神宮外苑でそんなことを言い出すのは非常識ではないか。ほとんどの競技で学徒選手の戦死者だしてるんだから、「雨降ったらできない」なんて言うものではないと思うがね。
あとは、最近に大学が休講にしないことか。最近の早大だと、早慶戦で休みにしないんだけど、もともと戦後の早慶戦って、要は追善供養みたいなものだから、後世にわたって休講にすべきなんだがね。学部生だった平成初期なんか、学徒出陣した連中が先生やってたからまずは休講だった。あの世代も90超えて、今は背も海老みたいに曲がった死に損ないしか残っていないが、『最後の早慶戦』の類をみせると「アレはオレだ」だから。その気持は後世に伝えたほうがいいんじゃないかと思うよ。
フランシーヌから相当離れた話になったけどね
普段から、「3月30日」とか「おばかさん」とか「場合」という言葉が出ると、「フランシーヌの場合は」とか「あまりにもおバカさん」とか、節が口を出てくるものだね。「まあ、この」とか「あー」とか言う時に、角栄とか大平首相の口真似で「まこのー」とか「あー、うー」というようなものか。
でもねえ、日本の反戦歌ってあんまりね。むしろ反戦的なメッセージとして一番強烈なのは、ニュース映画で出てくる「海ゆかば」とか、学徒出陣の「抜刀隊」とかのほうがねえ。勘弁してくれという気持ちが想起されるんじゃないのかな。
コレ見て思うのが「屋根がないとオリンピックができない」って甘えだね。神宮外苑でそんなことを言い出すのは非常識ではないか。ほとんどの競技で学徒選手の戦死者だしてるんだから、「雨降ったらできない」なんて言うものではないと思うがね。
あとは、最近に大学が休講にしないことか。最近の早大だと、早慶戦で休みにしないんだけど、もともと戦後の早慶戦って、要は追善供養みたいなものだから、後世にわたって休講にすべきなんだがね。学部生だった平成初期なんか、学徒出陣した連中が先生やってたからまずは休講だった。あの世代も90超えて、今は背も海老みたいに曲がった死に損ないしか残っていないが、『最後の早慶戦』の類をみせると「アレはオレだ」だから。その気持は後世に伝えたほうがいいんじゃないかと思うよ。
フランシーヌから相当離れた話になったけどね
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水産庁資源管理のあり方検討会についてだが、二つの新聞記事を合わせて読むと面白い。
ひとつは毎日新聞「水産庁:漁獲量管理強化を検討…乱獲で上限設定」※ で、水産庁が資源保護にシフトしたことを報じる内容になっている。そこに漁業者や水産加工関連業者の反発や、地元自治体あるだろうともしている。
もう一つは東スポの「識者が警鐘“居酒屋や回転ずしから近海魚が消える!?”」※※ だが、これは「水産庁の資源保護はアリバイ工作だ」とする、検討会委員の勝川俊雄さんの意見にフォーカスしている。官製検討会のいつものアレ、何を言っても筋書きが変わらないアレな状況を報じ、資源保護の実は上がらないだろう点を示唆している。
記事として両者に優劣はない。
だが、前者はある種の職業的客観性を保っているが、問題の焦点がぼんやりしている。「漁業資源が涸渇しつつあるのではないか」や「水産庁は漁業・水産加工関連団体の言いなりではないのか」といった核心的な点を明示していない。
後者は、検討会全体の話はしていないが、最も危惧すべき点を明示していることで、非常に面白い内容になっている。スポーツ新聞特有の、単純化して正邪をつける携行はあるものの、問題の本質、「水産庁は、業界利権を守るため、形だけの規制でお茶を濁そうとしている」を明示している。
実際、水産庁は漁業資源保護に不熱心であり、既存利権を保護よりも優先しているように見える。具体的にはマグロ漁獲枠、南氷洋調査捕鯨、ウナギ保護である。中でもマグロとクジラでは、利権保護のためナショナリズムまで利用している。
マグロ漁獲枠と南氷洋捕鯨での交渉では、水産庁は日本国内にあったナショナリズムを煽り利用する方向であった。その主張も資源保護の観点ではなく、マグロ輸入量確保といった業界団体の意向や、IWCへの反発だけの経済的合理性や将来見通しの立たない反発だけで成り立っている。
特に南氷洋捕鯨は全く合理性がない。今度、南氷洋捕鯨についても国際司法裁判所からの判決が出るらしい。それについては朝日新聞が報じている「残る?廃止?調査捕鯨、岐路 国際司法裁31日判決」§ が詳しい。その中に
ウナギ保護も全く手をつけていない。国内のシラスウナギ保護も、国内の成魚保護も、海外でのウナギ資源乱獲への手当も全く行っていない。これでは取れるだけ取れと言っているようなものである。この辺りをみると、漁組や水産団体の傀儡であるように見えるのである。
漁業資源保護は、水産庁よりも環境省にやらせたほうがいいのかもしれない。環境省も露骨に省益確保、権限拡大をやっているが、保護の実をとるならそちらのほうがよい。
※ 「水産庁:漁獲量管理強化を検討…乱獲で上限設定」『毎日新聞』(毎日新聞,2014.3.24)http://mainichi.jp/select/news/20140325k0000m020094000c.html
※※ 「識者が警鐘“居酒屋や回転ずしから近海魚が消える!?”」(東京スポーツ,2014.3.26)http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/248724/
§ 「残る?廃止?調査捕鯨、岐路 国際司法裁31日判決」(朝日新聞,2014.3.28)http://digital.asahi.com/articles/ASG3K4QMBG3KULZU002.html
ひとつは毎日新聞「水産庁:漁獲量管理強化を検討…乱獲で上限設定」※ で、水産庁が資源保護にシフトしたことを報じる内容になっている。そこに漁業者や水産加工関連業者の反発や、地元自治体あるだろうともしている。
もう一つは東スポの「識者が警鐘“居酒屋や回転ずしから近海魚が消える!?”」※※ だが、これは「水産庁の資源保護はアリバイ工作だ」とする、検討会委員の勝川俊雄さんの意見にフォーカスしている。官製検討会のいつものアレ、何を言っても筋書きが変わらないアレな状況を報じ、資源保護の実は上がらないだろう点を示唆している。
記事として両者に優劣はない。
だが、前者はある種の職業的客観性を保っているが、問題の焦点がぼんやりしている。「漁業資源が涸渇しつつあるのではないか」や「水産庁は漁業・水産加工関連団体の言いなりではないのか」といった核心的な点を明示していない。
後者は、検討会全体の話はしていないが、最も危惧すべき点を明示していることで、非常に面白い内容になっている。スポーツ新聞特有の、単純化して正邪をつける携行はあるものの、問題の本質、「水産庁は、業界利権を守るため、形だけの規制でお茶を濁そうとしている」を明示している。
実際、水産庁は漁業資源保護に不熱心であり、既存利権を保護よりも優先しているように見える。具体的にはマグロ漁獲枠、南氷洋調査捕鯨、ウナギ保護である。中でもマグロとクジラでは、利権保護のためナショナリズムまで利用している。
マグロ漁獲枠と南氷洋捕鯨での交渉では、水産庁は日本国内にあったナショナリズムを煽り利用する方向であった。その主張も資源保護の観点ではなく、マグロ輸入量確保といった業界団体の意向や、IWCへの反発だけの経済的合理性や将来見通しの立たない反発だけで成り立っている。
特に南氷洋捕鯨は全く合理性がない。今度、南氷洋捕鯨についても国際司法裁判所からの判決が出るらしい。それについては朝日新聞が報じている「残る?廃止?調査捕鯨、岐路 国際司法裁31日判決」§ が詳しい。その中に
厳しい資金繰りが続く鯨研の頼みは税金による支援だ。毎年10億円前後のSS対策費が出るほか、民間の鯨肉加工拠点が宮城県石巻市にあるため、東日本大震災の復興予算などから11年度に25億円の支出を受けた。省エネ漁業にする制度を「特例」として適用され、年45億円を12年度から3年間受け取る。つまり、面子を保つだけの捕鯨に今でも年10-35億円を費やしており、国営化するとさらに数十億円の冗費が必要になるという。
水産庁内では「全部税金で運営する完全国営化しかない」との声も出るが、新たに数十億円規模の税金が必要。一方、食べられなくなっている鯨肉を、巨額の税金を使ってまで捕り続ける必要があるのか、という見方もある。
ウナギ保護も全く手をつけていない。国内のシラスウナギ保護も、国内の成魚保護も、海外でのウナギ資源乱獲への手当も全く行っていない。これでは取れるだけ取れと言っているようなものである。この辺りをみると、漁組や水産団体の傀儡であるように見えるのである。
漁業資源保護は、水産庁よりも環境省にやらせたほうがいいのかもしれない。環境省も露骨に省益確保、権限拡大をやっているが、保護の実をとるならそちらのほうがよい。
※ 「水産庁:漁獲量管理強化を検討…乱獲で上限設定」『毎日新聞』(毎日新聞,2014.3.24)http://mainichi.jp/select/news/20140325k0000m020094000c.html
※※ 「識者が警鐘“居酒屋や回転ずしから近海魚が消える!?”」(東京スポーツ,2014.3.26)http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/248724/
§ 「残る?廃止?調査捕鯨、岐路 国際司法裁31日判決」(朝日新聞,2014.3.28)http://digital.asahi.com/articles/ASG3K4QMBG3KULZU002.html
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新しい短SAMなのだが、高すぎて揃えられないらしい。11式地対空ミサイルだが、いまのところ1セット50億円する。装備調達本部の希望的観測でも、20年で45セット買っても、平均20億程度は掛かるとしている。実際には、高すぎるので45セットも買えないだろう。
そもそも、陸上用短SAMとして高価すぎるように見える。11式の射撃用レーダは、やや高級めのアクティブ式フェーズド・アレイ・レーダであり、ミサイル本体は無駄に高級なアクティブ・レーダ・ホーミングである。
しかし、ポイント・ディフェンス程度の短SAMを、それほど高級な装備とする必要があるのだろうか?
11式の射程は公表されていない。おそらく従前の81式の10km程度よりも長いのだろう。20km+もあるかもしれない。
だが、使い方は81式と変わらない。基本は飛行場や橋や補給拠点といったポイントを守る程度のものに過ぎない。それなら、従前程度の性能を多少改善すれば済む話である。
それにもかかわらず、いつもの開発したい病で無駄に高級・高性能とした。FCS側をアクティブ式のフェーズド・アレイ・レーダにし、シーカーもアクティブ式とした。
その結果、1セット50億以上の値段となり、毎年1-2セット買えるかどうかになってしまった。
本来なら、81式のミサイルのみの改修でよかったのではないか? 短SAMのキモはミサイルであり、FCSではない。性能向上についても、ミサイルだけを改良更新すればよかったのではないだろうか。
そのミサイルもわざわざ国産開発する必要もない。もともと短SAMは、陸海問わず空中発射用のミサイルの転用である。今の空体空ミサイルをそのまま使ってもよい。型落ちした空自のサイドワインダーの-Lや90式誘導弾でもよいし、新型の4式誘導弾を使っても良い。別に海外からサイドワインダーの-Xを買っても良かっただろう。
いずれもアクティブ・レーダ・ホーミングでもないので、単価は相当に安くなり、数も揃えられたと思うが、如何か。
そもそも、陸上用短SAMとして高価すぎるように見える。11式の射撃用レーダは、やや高級めのアクティブ式フェーズド・アレイ・レーダであり、ミサイル本体は無駄に高級なアクティブ・レーダ・ホーミングである。
しかし、ポイント・ディフェンス程度の短SAMを、それほど高級な装備とする必要があるのだろうか?
11式の射程は公表されていない。おそらく従前の81式の10km程度よりも長いのだろう。20km+もあるかもしれない。
だが、使い方は81式と変わらない。基本は飛行場や橋や補給拠点といったポイントを守る程度のものに過ぎない。それなら、従前程度の性能を多少改善すれば済む話である。
それにもかかわらず、いつもの開発したい病で無駄に高級・高性能とした。FCS側をアクティブ式のフェーズド・アレイ・レーダにし、シーカーもアクティブ式とした。
その結果、1セット50億以上の値段となり、毎年1-2セット買えるかどうかになってしまった。
本来なら、81式のミサイルのみの改修でよかったのではないか? 短SAMのキモはミサイルであり、FCSではない。性能向上についても、ミサイルだけを改良更新すればよかったのではないだろうか。
そのミサイルもわざわざ国産開発する必要もない。もともと短SAMは、陸海問わず空中発射用のミサイルの転用である。今の空体空ミサイルをそのまま使ってもよい。型落ちした空自のサイドワインダーの-Lや90式誘導弾でもよいし、新型の4式誘導弾を使っても良い。別に海外からサイドワインダーの-Xを買っても良かっただろう。
いずれもアクティブ・レーダ・ホーミングでもないので、単価は相当に安くなり、数も揃えられたと思うが、如何か。
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袴田事件を最新受理したニュースがあったのだけれども。それ以前に冤罪で死刑執行の可能性のある事件がある。足利事件のDNA鑑定の適当さが分かる寸前に死刑が執行された免田事件がそれ。
免田事件については、細かく述べない。この記事を読んでもらえばいいだろう。『9条マガジン』ということで、否定的な感情をもつ人もいるかもしれないが、その記事は真摯である。
こうなると、ウカと死刑は執行しないほうがいいのではないか。日本の刑事裁判制度は思ったよりもいい加減ということは、最近とみにあきらかになっている。平成の
御聖代となっても中世のような刑事取調、裁判をやっているわけだ。そこで出た間違いのない事実とやらも相当に怪しい。
たしかに、「○○は冤罪」という言葉には胡散臭いものを感じていた。特に左派から出た支援運動については、政治的な主張とつながるために、どうも眉につばを付けたくなる感じもあった。例えば、松川事件や狭山事件がそれだった。松川事件など、何故か国交回復以前の新中国が裁判を支援するという不思議さがあった。
しかし、政治的勢力等の主張を除けば、相当に頷けるところもある。細かい話は、松川事件や狭山事件について、古い記事の事実関係の部分を読めばいいだろう。
今までは死刑制度への賛否や、再審請求への賛否も、政治的対立でで相当にねじ曲げられていたように見える。乱暴に言えば保守なら「死刑はいいモノ」、革新は「死刑は野蛮」といった色分けであった。原発と同じ構図である。
なぜか保守は、死刑制度賛成、死刑執行はドンドンやれといっていた。※※ そのように頭の悪い支持者を見て、内閣は、法務大臣は死刑執行に躊躇わないというスタンドプレーをやることもあった。例えばアレな現宰相の内閣は、溜まっているのでドンドンやるというような立場で、前政権党の3倍以上のペースで執行している。
しかし、これも相当に頭の悪いやりかたであったのではないか。当然、冤罪について死刑執行してしまうリスクがある。さらに、それが明らかになった後で、責任追求の矛先が向く可能性もあるだろう。後者の点からしても、しても何もメリットのない死刑を執行することを誇る必要もないだろう。
※ 「冤罪と死刑、「足利事件」が投げかけたもの」『マガジン9』(magazine9,2010.9.6)http://www.magazine9.jp/koramuri/090610/
※※ 自衛隊の中でも、正論あたりの丸パクリで、それを課業整列とかの時に言い出すバカがいた。ライト・イズ・ライトだと信じ込んでいるなあと思ったけどね。
免田事件については、細かく述べない。この記事を読んでもらえばいいだろう。『9条マガジン』ということで、否定的な感情をもつ人もいるかもしれないが、その記事は真摯である。
こうなると、ウカと死刑は執行しないほうがいいのではないか。日本の刑事裁判制度は思ったよりもいい加減ということは、最近とみにあきらかになっている。平成の
御聖代となっても中世のような刑事取調、裁判をやっているわけだ。そこで出た間違いのない事実とやらも相当に怪しい。
たしかに、「○○は冤罪」という言葉には胡散臭いものを感じていた。特に左派から出た支援運動については、政治的な主張とつながるために、どうも眉につばを付けたくなる感じもあった。例えば、松川事件や狭山事件がそれだった。松川事件など、何故か国交回復以前の新中国が裁判を支援するという不思議さがあった。
しかし、政治的勢力等の主張を除けば、相当に頷けるところもある。細かい話は、松川事件や狭山事件について、古い記事の事実関係の部分を読めばいいだろう。
今までは死刑制度への賛否や、再審請求への賛否も、政治的対立でで相当にねじ曲げられていたように見える。乱暴に言えば保守なら「死刑はいいモノ」、革新は「死刑は野蛮」といった色分けであった。原発と同じ構図である。
なぜか保守は、死刑制度賛成、死刑執行はドンドンやれといっていた。※※ そのように頭の悪い支持者を見て、内閣は、法務大臣は死刑執行に躊躇わないというスタンドプレーをやることもあった。例えばアレな現宰相の内閣は、溜まっているのでドンドンやるというような立場で、前政権党の3倍以上のペースで執行している。
しかし、これも相当に頭の悪いやりかたであったのではないか。当然、冤罪について死刑執行してしまうリスクがある。さらに、それが明らかになった後で、責任追求の矛先が向く可能性もあるだろう。後者の点からしても、しても何もメリットのない死刑を執行することを誇る必要もないだろう。
※ 「冤罪と死刑、「足利事件」が投げかけたもの」『マガジン9』(magazine9,2010.9.6)http://www.magazine9.jp/koramuri/090610/
※※ 自衛隊の中でも、正論あたりの丸パクリで、それを課業整列とかの時に言い出すバカがいた。ライト・イズ・ライトだと信じ込んでいるなあと思ったけどね。
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北朝鮮がミサイルを発射した云々だが。北朝鮮にとって、エスカレーションなしに他国に存在感を与える方法は、ミサイルだけしかないが、その効果も落ち気味ではないのか。
北朝鮮は、ほぼ軍事的に何もできない状態にある。おそらく通常戦力を大規模に運用することもできない。北朝鮮は経済的には停滞したままであるため、軍事的にも大規模な動員もできない。特に原油価格高騰もあるので、まともに液体燃料を使えないはずである。戦時用ストックと、最低限の訓練と運用分しかない。
このため、北朝鮮は通常の軍事力で存在感を示せない。これは北朝鮮にとって困ったことである。北朝鮮は基本的にかまってちゃんなので、存在感がなくなると困る。体制維持でも経済援助にも障ることになる。
実際、北朝鮮は最近には、周辺国が緊張を強いられるような大規模演習等をしていない。
昔は、韓国や米国が何かをしても、その脚を引っ張るために示威行動を行えた。80年代には、米韓が軍事演習を行うと、北朝鮮も対抗して大規模な軍事演習を行っていた。作戦機も米韓の作戦機行動にあわせてバンバン飛ばしていた。
しかし、今日には、北朝鮮はなにもできていない。もちろん、体制引締を目的として、対内的には動員等もやっているのだろう。だが、少なくとも重装備や作戦機の大規模運用は伴っていない。鉄道と木炭車と自転車で動員だけして、小火器射撃訓練をやっているのかもしれないが、周辺国には屁でもない話である。
特殊部隊や工作もあまり意味はない。これらは相手に見えないようにやるので効果がある。相手に見えるようにやったら、タダの小火器をもった歩兵である。潜入手段のミゼットサブや工作船も見つけるのが大変なのであって、見つかればひとたまりもない。上陸前や上陸作業中に見つかってしまって、日韓に対策の成果を揚げさせてしまっては意味が無い。
北朝鮮が軍事的に存在感を示す手段は、ミサイルと核しかない。ミサイルであれば、発射すれば周辺国は、全く無視はできない。戦闘機を100機飛ばすよりも、強力な軍事力であるような印象を与えられる。核実験であれば、世界中は注目してくれるだろう。
しかし、ミサイルの存在感もなくなろうとしている。日米韓はミサイル慣れしている。海にしか落ちないミサイルをみても、またかという反応しかでてこない。今回の北朝鮮ミサイル発射は全くそのような反応だった。北朝鮮の軍事的な存在感を示す手段としては、もう効果は相当に薄れている。
今後、北朝鮮にできる方法もないのではないか。
核実験はホイホイできるものではない。保有する核兵器の数には限界もある。核実験となると、世界が北朝鮮を締め付ける口実になる。その後の食料や燃料確保にも影響するだろう。
長距離弾道弾も、作るカネもないし、高いのでスナック感覚で発射できない。長距離弾道弾を作り、アメリカの沿岸、ハワイやアラスカ、できれば本土近海に打ち込めば、米国は反応してくれる。構ってもらえるかもしれないが、その長距離ミサイルを開発し、量産し、直ぐに発射状態に維持する金もない。
できるのは、いまのミサイルの弾着点を陸上ほかに変える程度だろうか。ただ、これもやり過ぎると問題になる。韓国国内やその沿岸であればいい。あくまでも内戦中なので、報復でDMZ沿いに多少の攻撃をうけるだけだろう。しかし、日本の領海、さらに陸上に落とすと、日本が何をするかわからない。米国も付き合いで空爆するくらいはあるだろう。
北朝鮮は、ほぼ軍事的に何もできない状態にある。おそらく通常戦力を大規模に運用することもできない。北朝鮮は経済的には停滞したままであるため、軍事的にも大規模な動員もできない。特に原油価格高騰もあるので、まともに液体燃料を使えないはずである。戦時用ストックと、最低限の訓練と運用分しかない。
このため、北朝鮮は通常の軍事力で存在感を示せない。これは北朝鮮にとって困ったことである。北朝鮮は基本的にかまってちゃんなので、存在感がなくなると困る。体制維持でも経済援助にも障ることになる。
実際、北朝鮮は最近には、周辺国が緊張を強いられるような大規模演習等をしていない。
昔は、韓国や米国が何かをしても、その脚を引っ張るために示威行動を行えた。80年代には、米韓が軍事演習を行うと、北朝鮮も対抗して大規模な軍事演習を行っていた。作戦機も米韓の作戦機行動にあわせてバンバン飛ばしていた。
しかし、今日には、北朝鮮はなにもできていない。もちろん、体制引締を目的として、対内的には動員等もやっているのだろう。だが、少なくとも重装備や作戦機の大規模運用は伴っていない。鉄道と木炭車と自転車で動員だけして、小火器射撃訓練をやっているのかもしれないが、周辺国には屁でもない話である。
特殊部隊や工作もあまり意味はない。これらは相手に見えないようにやるので効果がある。相手に見えるようにやったら、タダの小火器をもった歩兵である。潜入手段のミゼットサブや工作船も見つけるのが大変なのであって、見つかればひとたまりもない。上陸前や上陸作業中に見つかってしまって、日韓に対策の成果を揚げさせてしまっては意味が無い。
北朝鮮が軍事的に存在感を示す手段は、ミサイルと核しかない。ミサイルであれば、発射すれば周辺国は、全く無視はできない。戦闘機を100機飛ばすよりも、強力な軍事力であるような印象を与えられる。核実験であれば、世界中は注目してくれるだろう。
しかし、ミサイルの存在感もなくなろうとしている。日米韓はミサイル慣れしている。海にしか落ちないミサイルをみても、またかという反応しかでてこない。今回の北朝鮮ミサイル発射は全くそのような反応だった。北朝鮮の軍事的な存在感を示す手段としては、もう効果は相当に薄れている。
今後、北朝鮮にできる方法もないのではないか。
核実験はホイホイできるものではない。保有する核兵器の数には限界もある。核実験となると、世界が北朝鮮を締め付ける口実になる。その後の食料や燃料確保にも影響するだろう。
長距離弾道弾も、作るカネもないし、高いのでスナック感覚で発射できない。長距離弾道弾を作り、アメリカの沿岸、ハワイやアラスカ、できれば本土近海に打ち込めば、米国は反応してくれる。構ってもらえるかもしれないが、その長距離ミサイルを開発し、量産し、直ぐに発射状態に維持する金もない。
できるのは、いまのミサイルの弾着点を陸上ほかに変える程度だろうか。ただ、これもやり過ぎると問題になる。韓国国内やその沿岸であればいい。あくまでも内戦中なので、報復でDMZ沿いに多少の攻撃をうけるだけだろう。しかし、日本の領海、さらに陸上に落とすと、日本が何をするかわからない。米国も付き合いで空爆するくらいはあるだろう。
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ポーランドの自主管理労組、連帯の記事を読もうと1981年の新聞を読んでいたら、韓国への砲身輸出事件が見つかった。
後に堀田ハガネ事件と呼ばれる事件だが、韓国が榴弾砲の砲身素材を日本から輸入しようとしたことがあった。ベトナム戦争以降のことで、米国がそれまでのように韓国を援助しなくなった。榴弾砲の供与も減ったので、自前で整備しようとして、その素材を日本から買ったというもの。
韓国は大阪の堀田ハガネに発注したが、それがどう回ってかバレて、武器輸出三原則の観点から国会質問になった。それはそれとして、その後追い報道がなかなか面白い。
81年1月28日『朝日新聞』には「韓国向砲身材料 砲撃で壊れるシロモノ」とある。要は、熱処理その他が不良であって、実射に耐えず倉庫に仕舞われているという話である。
砲身製造には、それなりのノウハウがいるが、それを持っている日本製鋼に発注すると、一発で砲身だとバレる。だから、堀田ハガネは山陽特殊鋼に発注した。山陽特殊鋼は仕様通りに鋼塊を作った。それを堀田ハガネが中ぐりと外部成形をして、韓国に送った。
しかし、仕様書は砲としては不完全で、韓国でライフリングを施し、実射すると使い物にならなかったという。
韓国は不完全であると堀田ハガネにクレームをつけた。おそらく、砲身用であることは伝えていたので、ある意味、当然のクレームである。
だが、その堀田ハガネも山陽特殊鋼にクレームをつけている。しかし、砲身用であることを知らない山陽特殊鋼は、仕様は満たしているとクレームを受け付けなかったというもの。
砲身用に作ったチューブが砲撃に耐えられないならともかく。砲身用と伝えずに組成と強度だけの仕様で発注すれば、砲撃に使えないとして文句は言えないだろう。どの顔をして山陽特殊鋼にクレームをつけ、損害賠償を迫ったのだろうかね。
ちなみに、堀田ハガネは管材として輸出の届け出をクリアしたらしい。しかし、そのチューブはライフリングはないものの、先が細くて元が太いという不可思議な形状をしている。後の防衛庁による鑑定では、「こんなチューブが民生用のわけないだろう」と、武器専用品と断じられている。(30日朝日新聞) たしかにそんな形状のチューブは考え難いものがある。
※ 「韓国向砲身材料 砲撃で壊れるシロモノ」『朝日新聞』(朝日新聞,1981.1.28)
後に堀田ハガネ事件と呼ばれる事件だが、韓国が榴弾砲の砲身素材を日本から輸入しようとしたことがあった。ベトナム戦争以降のことで、米国がそれまでのように韓国を援助しなくなった。榴弾砲の供与も減ったので、自前で整備しようとして、その素材を日本から買ったというもの。
韓国は大阪の堀田ハガネに発注したが、それがどう回ってかバレて、武器輸出三原則の観点から国会質問になった。それはそれとして、その後追い報道がなかなか面白い。
81年1月28日『朝日新聞』には「韓国向砲身材料 砲撃で壊れるシロモノ」とある。要は、熱処理その他が不良であって、実射に耐えず倉庫に仕舞われているという話である。
砲身製造には、それなりのノウハウがいるが、それを持っている日本製鋼に発注すると、一発で砲身だとバレる。だから、堀田ハガネは山陽特殊鋼に発注した。山陽特殊鋼は仕様通りに鋼塊を作った。それを堀田ハガネが中ぐりと外部成形をして、韓国に送った。
しかし、仕様書は砲としては不完全で、韓国でライフリングを施し、実射すると使い物にならなかったという。
韓国は不完全であると堀田ハガネにクレームをつけた。おそらく、砲身用であることは伝えていたので、ある意味、当然のクレームである。
だが、その堀田ハガネも山陽特殊鋼にクレームをつけている。しかし、砲身用であることを知らない山陽特殊鋼は、仕様は満たしているとクレームを受け付けなかったというもの。
砲身用に作ったチューブが砲撃に耐えられないならともかく。砲身用と伝えずに組成と強度だけの仕様で発注すれば、砲撃に使えないとして文句は言えないだろう。どの顔をして山陽特殊鋼にクレームをつけ、損害賠償を迫ったのだろうかね。
ちなみに、堀田ハガネは管材として輸出の届け出をクリアしたらしい。しかし、そのチューブはライフリングはないものの、先が細くて元が太いという不可思議な形状をしている。後の防衛庁による鑑定では、「こんなチューブが民生用のわけないだろう」と、武器専用品と断じられている。(30日朝日新聞) たしかにそんな形状のチューブは考え難いものがある。
※ 「韓国向砲身材料 砲撃で壊れるシロモノ」『朝日新聞』(朝日新聞,1981.1.28)
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いつの間にか高校野球をやっている。まったく興味もないものだが、それなりに世間の興味も引くようであり、街頭テレビやら夕刊の紙面にのっている。そこまで人気があるなら、賭博にして金を巻き上げられないものか。
高校野球は熱しやすい。郷土連隊が戦うようなものなので、割りとヒートアップしやすい様子である。実際は、その県でとれた人間で作った郷土連隊ではなく、SSの外国人義勇兵のように、他県から野球しかできない坊主を連れてきて野球をやらせているらしいが、見ている連中はそれを知りながらも、いい歳こいて地元を本気で応援している。山梨学院大のように、金にあかせて外国人、野球だからキューバ人を連れてきても、出身県の高校なら何も悩まず応援するのだろう。
その熱気を利用して金を巻き上げられないものか。どの高校が一等賞になるとか、どこが一番負けるかといったあたりを、公的な賭博にしてお金を回収できないものかね。
スポーツを賭博にする例は多い。競馬競輪競艇がそれだし、サッカーも賭博にしている。それなら、野球やオリンピックも賭博にしてテラ銭を巻き上げてもいい。入試で覚えた英語だが、スポーツにしてもsportingとすれば賭博という意味がある。もともと相当に近いものだ。
公認免許の賭博なら、国や自治体がテラ銭をとれる。国や地方自治体がやるなら25%は取ってもいい。汚い金だが、その金も綺麗に使うことができる。
高校生としての教育の一環とかいったキレイ事も無視して良い。どうせ選手も売り物買い物である。名門高校では、中学生を買うという。高校を卒業したあとも売り物となる。それなら高校生の時に博打のコマにしても問題はあるまい。
高校野球を賭博化すれば、相当儲かるのではないか。実際に高校野球の賭博は昔からある。職場で内々でやっているもの(昔、何回か見た)から、事件化するものまである。高校野球の賭博化をすれば、ほっとけば闇の組織に流れる金をみんなのために使える。
客も見巧者になり、その応援も熱が入るだろう。見ている客も真剣勝負である、応援も相当真剣なものになるだろう。
高校野球の偽善的な演出には反吐が出る。来る気になればいつでも来れる大阪の泥を、わざわざ持って帰るところを感傷的に中継するのは、見るに耐えない。返還前の沖縄だから許された行為である。返還後に、しかも近県の連中がやるものではない。それをさぞ高貴な行為であるかのように放送するのは、腹立たしいものだ。
そこに、真剣で応援した観客の「金返せ」や「この○○」といった評価を浴びせれば、その喜劇性も明らかになる。あの泥集めの間抜けさが示されれるだろうろ、想像するだけで嬉しくなるというものだ。
高校野球は熱しやすい。郷土連隊が戦うようなものなので、割りとヒートアップしやすい様子である。実際は、その県でとれた人間で作った郷土連隊ではなく、SSの外国人義勇兵のように、他県から野球しかできない坊主を連れてきて野球をやらせているらしいが、見ている連中はそれを知りながらも、いい歳こいて地元を本気で応援している。山梨学院大のように、金にあかせて外国人、野球だからキューバ人を連れてきても、出身県の高校なら何も悩まず応援するのだろう。
その熱気を利用して金を巻き上げられないものか。どの高校が一等賞になるとか、どこが一番負けるかといったあたりを、公的な賭博にしてお金を回収できないものかね。
スポーツを賭博にする例は多い。競馬競輪競艇がそれだし、サッカーも賭博にしている。それなら、野球やオリンピックも賭博にしてテラ銭を巻き上げてもいい。入試で覚えた英語だが、スポーツにしてもsportingとすれば賭博という意味がある。もともと相当に近いものだ。
公認免許の賭博なら、国や自治体がテラ銭をとれる。国や地方自治体がやるなら25%は取ってもいい。汚い金だが、その金も綺麗に使うことができる。
高校生としての教育の一環とかいったキレイ事も無視して良い。どうせ選手も売り物買い物である。名門高校では、中学生を買うという。高校を卒業したあとも売り物となる。それなら高校生の時に博打のコマにしても問題はあるまい。
高校野球を賭博化すれば、相当儲かるのではないか。実際に高校野球の賭博は昔からある。職場で内々でやっているもの(昔、何回か見た)から、事件化するものまである。高校野球の賭博化をすれば、ほっとけば闇の組織に流れる金をみんなのために使える。
客も見巧者になり、その応援も熱が入るだろう。見ている客も真剣勝負である、応援も相当真剣なものになるだろう。
高校野球の偽善的な演出には反吐が出る。来る気になればいつでも来れる大阪の泥を、わざわざ持って帰るところを感傷的に中継するのは、見るに耐えない。返還前の沖縄だから許された行為である。返還後に、しかも近県の連中がやるものではない。それをさぞ高貴な行為であるかのように放送するのは、腹立たしいものだ。
そこに、真剣で応援した観客の「金返せ」や「この○○」といった評価を浴びせれば、その喜劇性も明らかになる。あの泥集めの間抜けさが示されれるだろうろ、想像するだけで嬉しくなるというものだ。
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5年位前か、艦艇内にパソコン持ち込み禁止令が出たことがある。イージス情報を漏らした後の話だが、PS3(当時)の類もダメになったという話だった。
そのころ、教官だったので、艦艇から来た海曹も学生に取ったことがある。話を聞くと、色々なことをやっているという。パソコンがダメになったので、グッピーの飼育が流行っているとか、ポケモンのカードが流行っているとか、コマ回しが流行っているという話だった。
ポケモンのカードゲームやコマ回しそのものは、大人にとってはあまり面白いものとも思えない。だが、流行っているという。となれば……真剣勝負かね。
どんなものでも、真剣勝負なれば燃えるだろう。サイコロの目が偶数奇数であるといった他愛のない話でも、真剣勝負であれば燃える。将棋でも眼の色もかわるだろう。
と、そう考えたので、パソコン以下を駄目にした施策は間違いだったのではないかと思ったよ。
あの頃の海自上層部は、パソコン以外に夜勤明けに代休をつけないとか、下らないことを一生懸命にやっていた。上陸も制限したので、その煽りをくった経験がある士長や3曹がゴッソリ辞めた。上陸は下の階級ほどできない。制限すれば、下のものはほとんど外に出られなくなる。
その割には、問題の本質には手を出さなかった。あの手の資料集を作るのは、学生期間に試験にそれがでるからである。そして、資料集に入れるくらいだから、覚える必要のない細かい数字の話だろう。そういった試験を止めさせるといった判断もあったはずだが、それはしなかった。また、原因の半分はエロだったが、中でのエロを規制することもしなかった。
やったのは海自隊員を不自由にすることだけ。その結果生まれる反動も考えない施策だった。今から思い出しても大失敗であったよ。
そのころ、教官だったので、艦艇から来た海曹も学生に取ったことがある。話を聞くと、色々なことをやっているという。パソコンがダメになったので、グッピーの飼育が流行っているとか、ポケモンのカードが流行っているとか、コマ回しが流行っているという話だった。
ポケモンのカードゲームやコマ回しそのものは、大人にとってはあまり面白いものとも思えない。だが、流行っているという。となれば……真剣勝負かね。
どんなものでも、真剣勝負なれば燃えるだろう。サイコロの目が偶数奇数であるといった他愛のない話でも、真剣勝負であれば燃える。将棋でも眼の色もかわるだろう。
と、そう考えたので、パソコン以下を駄目にした施策は間違いだったのではないかと思ったよ。
あの頃の海自上層部は、パソコン以外に夜勤明けに代休をつけないとか、下らないことを一生懸命にやっていた。上陸も制限したので、その煽りをくった経験がある士長や3曹がゴッソリ辞めた。上陸は下の階級ほどできない。制限すれば、下のものはほとんど外に出られなくなる。
その割には、問題の本質には手を出さなかった。あの手の資料集を作るのは、学生期間に試験にそれがでるからである。そして、資料集に入れるくらいだから、覚える必要のない細かい数字の話だろう。そういった試験を止めさせるといった判断もあったはずだが、それはしなかった。また、原因の半分はエロだったが、中でのエロを規制することもしなかった。
やったのは海自隊員を不自由にすることだけ。その結果生まれる反動も考えない施策だった。今から思い出しても大失敗であったよ。
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「漂流漁民が薩摩から江戸まで3日で着いてしまうよ」という話がある。確か、荻生徂徠の『政談』だか『問答書』だったかと思う。「罪人を八丈島に流すとか言ってるけど、あそこはそんなに遠くもない」といった話のついでだから、たぶんそう。
太平洋岸には黒潮が流れており、そこそこは早い。黒潮はだいたい2-3ktで、1日で75マイル近く、150kmは流される。薩摩沖-江戸沖は約600km、3夜4日あれば、流されてつかないこともない。風やその他の影響もあれば、3日で着いてしまうこともあるだろう。
気になるのは、帰り道である。江戸期には、浦賀と走水に幕府の海上での出先機関があったが、そこから逆方向に、船で帰ることができたのだろうか?
太平洋岸を逆向きに行くのは難しい。江戸から薩摩までいくには、少なくとも紀州の御坊のあたりまで、外洋に面した太平洋岸をいかなければならない。世界的にみても風浪が強いところであり、なにかあるとまた黒潮に流されてしまう。
特に、石廊崎、御前崎、大王崎、潮岬を越えるのも、小型漁船にはかなりの難所になる。なかでも、御前先から大王崎の遠州灘は、避泊する港も、風よけできる地形もない。その先の熊野灘も、今でも自衛隊の水船等は、天気を見ながらでなければ移動しない難所である。江戸から石廊崎までの相州灘も、当時としては難所であることに間違いはない。
仮に漁船で帰るとした場合、3夜4日で流された後、2ヶ月程度はかかったのではないか。好天時の昼間だけしか航海はできないし、しかも風待ちもある。公表された水路誌や海図もなく、天気予報も無い時代には、そんなものだろう。
現実的には、陸路送還しかない。いつ着くかわからず、そもそも安全性に欠ける漁船による帰還はなかったのではないかと思う。
この辺りの国内遭難漁民について、簡単にググってみたものの、簡単な本はない。間違いなく、救難や送還制度はあったはずだし、紀要等でその手の記事も読んだ記憶があるのだが、今は直ぐに見つけられない。
対して、海外遭難漁民とその送還については、国際関係史や文化交流といった観点から、色々な本が出ている。一番面白いのは、メチエで出た池内敏さんの『薩摩藩士朝鮮漂流日記』(講談社,2009.8)か。武士階級が乗り込んだ帆船が朝鮮に着いて送還されるまでの話であるが、そこで朝鮮の士大夫階級と交渉・交流が述べられている。
太平洋岸には黒潮が流れており、そこそこは早い。黒潮はだいたい2-3ktで、1日で75マイル近く、150kmは流される。薩摩沖-江戸沖は約600km、3夜4日あれば、流されてつかないこともない。風やその他の影響もあれば、3日で着いてしまうこともあるだろう。
気になるのは、帰り道である。江戸期には、浦賀と走水に幕府の海上での出先機関があったが、そこから逆方向に、船で帰ることができたのだろうか?
太平洋岸を逆向きに行くのは難しい。江戸から薩摩までいくには、少なくとも紀州の御坊のあたりまで、外洋に面した太平洋岸をいかなければならない。世界的にみても風浪が強いところであり、なにかあるとまた黒潮に流されてしまう。
特に、石廊崎、御前崎、大王崎、潮岬を越えるのも、小型漁船にはかなりの難所になる。なかでも、御前先から大王崎の遠州灘は、避泊する港も、風よけできる地形もない。その先の熊野灘も、今でも自衛隊の水船等は、天気を見ながらでなければ移動しない難所である。江戸から石廊崎までの相州灘も、当時としては難所であることに間違いはない。
仮に漁船で帰るとした場合、3夜4日で流された後、2ヶ月程度はかかったのではないか。好天時の昼間だけしか航海はできないし、しかも風待ちもある。公表された水路誌や海図もなく、天気予報も無い時代には、そんなものだろう。
現実的には、陸路送還しかない。いつ着くかわからず、そもそも安全性に欠ける漁船による帰還はなかったのではないかと思う。
この辺りの国内遭難漁民について、簡単にググってみたものの、簡単な本はない。間違いなく、救難や送還制度はあったはずだし、紀要等でその手の記事も読んだ記憶があるのだが、今は直ぐに見つけられない。
対して、海外遭難漁民とその送還については、国際関係史や文化交流といった観点から、色々な本が出ている。一番面白いのは、メチエで出た池内敏さんの『薩摩藩士朝鮮漂流日記』(講談社,2009.8)か。武士階級が乗り込んだ帆船が朝鮮に着いて送還されるまでの話であるが、そこで朝鮮の士大夫階級と交渉・交流が述べられている。
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プーチンには、クリミアを編入しなければならない理由がある。クリミアを失うと、プーチン体制が持たないためである。このため、ロシアのプレイヤーであるプーチンは、民族主義ウクライナや、西側との対決を辞さずにクリミア編入を行った。
周知のとおりだが、クリミアはロシアからウクライナに移った経緯がある。クリミアは、ソ連時代に、二流市民(二級ほどの待遇ではない)として遇され不満を持つウクライナ人への飴として引き渡されたものだ。
ソ連時代は、クリミアがどの共和国でも問題はなかった。ソ連邦のソ連国民といったタテマエがあったため、所属する土地がどの共和国であるかは問題にならなかったためである。
しかし、ソ連がなくなると、クリミアがロシアであるか、ウクライナであるかは問題となる。クリミアに住んでいる連中は、自分たちはまずロシア人だと考えている。ロシア人も、教育や『セバストポリ物語』で染み付いた歴史的記憶からクリミアはロシアだと考えている。クリミア半島やセヴァストポリが、地図上でどこにあるかも知らない連中もそう考えていることは、尖閣諸島がどこにあるかを知らない日本のネトウヨや中国の憤青と同じである。
ロシア人にとって、クリミアはウクライナに預けてある程度の感覚なのだろう。ロシア人の頭のなかでは、クリミアはロシア領である。これは日本人にとっての北方領土や竹島、尖閣諸島と、略同じようなものだと考えて良い。さらに、クリミアでは歴史的経緯から自分がロシア人だと考え、ロシア語を母語とする連中が過半数を占めている。まず、ロシア人の頭のなかでは、クリミアはウクライナに預けてある、あるいは、ウクライナに租借させている程度の考えにすぎない。この点で、クリミアはロシアにとっての核心的利益であるといってよい。
そのクリミアの預け先を、反露的なウクライナに委ねられないというのが、今回のロシアによる武力進駐と編入である。いままでのウクライナは、ロシアの権益を認める立場であって、ロシア人の権利とセバストポリの租借権を保証していた。しかし、ロシア派を放逐し、敵対的となったウクライナ民族主義政権には、クリミアは委ねられない。ロシア人はそう考えた。
この段階では、プーチンには選択肢はない。
プーチンがフリーハンドであれば、軟着陸の方法もあった。ウクライナ、あるいは少なくともクリミアでのロシア人の内国民待遇や、セバストポリの租借権確認で済ませる方法があったかもしれない。
ただし、その過程で失敗すれば、クリミアは完全にロシアから切り離されてしまい、プーチンは放逐される。
プーチンには、ロシア人のナショナリズムに抑えつけるだけの力はない。プーチンは確かに独裁者であり、ロシアの社会体制は権威主義による抑圧体制であり、自由と民主主義は怪しい。しかし、ロシアの世論は無視できない。民衆も、権力基盤である警察組織も、軍隊も、クリミアを喪う、あるいはクリミアでのロシアの支配的立場を喪うことは許さない。それは、プーチンであっても同じである。クリミアを喪うことを坐視すれば、プーチンは権力から放逐される。
だから、プーチンはクリミア併合を行った。そうしないとプーチン体制が持たない。
その伝で言えば、北方領土の日本返還も似たようなものだということだ。ロシア人にとって北方領土はロシア固有の領土である。その神聖なロシアの領土を、日本人に割譲することは、ロシア人にはできない相談である。そのようなことをすれば、ロシアの政権は持たないだろう。それは、独裁的権力を持つ政権でも同じである。
反映直前のラジオを聞いて、追加。
TBSラジオの「土曜ワイドラジオ東京」でクリミア戦争についても解説(11時半)していたけど、ペトロハバロフスク焼打にも言及していた。「カムチャッカまで波及」という話だけどね。ハワイの沖合で英仏艦隊が集結して、ペトロと、後にサハリンも焼打したという話。
ペトロハバロフスクがあるカムチャッカや北・中千島、オホーツク内湾は今でも、いわゆるノーマンズランドなので、まあまともな海軍力があればどこの国でも焼打出来る状態であることもかわらない。厳密に言うと、ペトロだけ旅団規模の守備隊というか警備隊がいるが、その場所を除けばまともな戦力はない
周知のとおりだが、クリミアはロシアからウクライナに移った経緯がある。クリミアは、ソ連時代に、二流市民(二級ほどの待遇ではない)として遇され不満を持つウクライナ人への飴として引き渡されたものだ。
ソ連時代は、クリミアがどの共和国でも問題はなかった。ソ連邦のソ連国民といったタテマエがあったため、所属する土地がどの共和国であるかは問題にならなかったためである。
しかし、ソ連がなくなると、クリミアがロシアであるか、ウクライナであるかは問題となる。クリミアに住んでいる連中は、自分たちはまずロシア人だと考えている。ロシア人も、教育や『セバストポリ物語』で染み付いた歴史的記憶からクリミアはロシアだと考えている。クリミア半島やセヴァストポリが、地図上でどこにあるかも知らない連中もそう考えていることは、尖閣諸島がどこにあるかを知らない日本のネトウヨや中国の憤青と同じである。
ロシア人にとって、クリミアはウクライナに預けてある程度の感覚なのだろう。ロシア人の頭のなかでは、クリミアはロシア領である。これは日本人にとっての北方領土や竹島、尖閣諸島と、略同じようなものだと考えて良い。さらに、クリミアでは歴史的経緯から自分がロシア人だと考え、ロシア語を母語とする連中が過半数を占めている。まず、ロシア人の頭のなかでは、クリミアはウクライナに預けてある、あるいは、ウクライナに租借させている程度の考えにすぎない。この点で、クリミアはロシアにとっての核心的利益であるといってよい。
そのクリミアの預け先を、反露的なウクライナに委ねられないというのが、今回のロシアによる武力進駐と編入である。いままでのウクライナは、ロシアの権益を認める立場であって、ロシア人の権利とセバストポリの租借権を保証していた。しかし、ロシア派を放逐し、敵対的となったウクライナ民族主義政権には、クリミアは委ねられない。ロシア人はそう考えた。
この段階では、プーチンには選択肢はない。
プーチンがフリーハンドであれば、軟着陸の方法もあった。ウクライナ、あるいは少なくともクリミアでのロシア人の内国民待遇や、セバストポリの租借権確認で済ませる方法があったかもしれない。
ただし、その過程で失敗すれば、クリミアは完全にロシアから切り離されてしまい、プーチンは放逐される。
プーチンには、ロシア人のナショナリズムに抑えつけるだけの力はない。プーチンは確かに独裁者であり、ロシアの社会体制は権威主義による抑圧体制であり、自由と民主主義は怪しい。しかし、ロシアの世論は無視できない。民衆も、権力基盤である警察組織も、軍隊も、クリミアを喪う、あるいはクリミアでのロシアの支配的立場を喪うことは許さない。それは、プーチンであっても同じである。クリミアを喪うことを坐視すれば、プーチンは権力から放逐される。
だから、プーチンはクリミア併合を行った。そうしないとプーチン体制が持たない。
その伝で言えば、北方領土の日本返還も似たようなものだということだ。ロシア人にとって北方領土はロシア固有の領土である。その神聖なロシアの領土を、日本人に割譲することは、ロシア人にはできない相談である。そのようなことをすれば、ロシアの政権は持たないだろう。それは、独裁的権力を持つ政権でも同じである。
反映直前のラジオを聞いて、追加。
TBSラジオの「土曜ワイドラジオ東京」でクリミア戦争についても解説(11時半)していたけど、ペトロハバロフスク焼打にも言及していた。「カムチャッカまで波及」という話だけどね。ハワイの沖合で英仏艦隊が集結して、ペトロと、後にサハリンも焼打したという話。
ペトロハバロフスクがあるカムチャッカや北・中千島、オホーツク内湾は今でも、いわゆるノーマンズランドなので、まあまともな海軍力があればどこの国でも焼打出来る状態であることもかわらない。厳密に言うと、ペトロだけ旅団規模の守備隊というか警備隊がいるが、その場所を除けばまともな戦力はない
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小中学校に騒音対策事業でエアコンを据え付けても、維持費をケチって稼働しなかった様子。
子供の時分に暮らしたのが地域が入間基地に近かったせいもあるのだろう。旧施設庁の騒音対策事業が行われていた。
学校も、おそらく防衛予算で冷房がついていた。1980年代に校舎を建てた小学校と中学校に通っていたのだが、今から思えば空調ダクトが取り付けられていた。記憶をたどると、多分、空調機械室っぽい部屋もあった。
だが、冷房が全く行われなかった。
2000年ころか、旧施設局事業部から周辺対策の話を聞いたときには「対策事業の小中学校には冷房がある、それを運転しないのは電気代のせいだ」という話だった。防衛省負担で冷房設備は取り付けても、市町村負担の電気代(と整備代もあるのだろう)をケチって稼働させない。「だから、施設局は電気代補助も考えている」(当時)と言っていた。
他にも、横並び問題もあったのだろう。同じ市内で一部の小中学校だけが冷房だと、色々問題になる。小中学校の維持は市町村予算、教員は県予算である。学習環境として学校ごとの差があると、市町村議会で問題になる。同じように教員の労働環境として学校差があると、県で揉めるといった問題も起きかねない。
それなら、全部の小中学校を完全に冷房すればいいのだが、昔はそれも通らなかった。予算上の問題はともかく、贅沢とか、我慢強さとかくだらない意見をいいだす人々がいた時代である。教育関係者や議会関係者にも、夏の暑さに耐える心とかくだらないことを言い出していたのだろう。
しかし、冬の暖房はともかく、夏の冷房は生産性に直結する。冷房導入は東南アジアでの生産性向上に大きな影響を与えた。同じように、学習の公立や教員の生産効率を考えれば、もっと早期に冷房は入れてもよかっただろう。
「市長公約『小中へのエアコン設置』、議会認めず」をみて、そう思ったよ。まあ、この記事を見る限りは、積算が適当だったりしたのだろうけどね。予算案の中身がわからないのでなんとも言えないが、建設設備職を通さず、各学校に積算させた額をただ纏めただけとかをやって、冷房能力あたりの単価が学校ごとにぜんぜん違うとか、そういった話ではないか。そうでもなければ2000万ごときで議会でハネられることもあるまいよ。
※ 「市長公約『小中へのエアコン設置』、議会認めず」『読売新聞』(読売新聞,2014.3.21)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140321-OYT1T00200.htm
子供の時分に暮らしたのが地域が入間基地に近かったせいもあるのだろう。旧施設庁の騒音対策事業が行われていた。
学校も、おそらく防衛予算で冷房がついていた。1980年代に校舎を建てた小学校と中学校に通っていたのだが、今から思えば空調ダクトが取り付けられていた。記憶をたどると、多分、空調機械室っぽい部屋もあった。
だが、冷房が全く行われなかった。
2000年ころか、旧施設局事業部から周辺対策の話を聞いたときには「対策事業の小中学校には冷房がある、それを運転しないのは電気代のせいだ」という話だった。防衛省負担で冷房設備は取り付けても、市町村負担の電気代(と整備代もあるのだろう)をケチって稼働させない。「だから、施設局は電気代補助も考えている」(当時)と言っていた。
他にも、横並び問題もあったのだろう。同じ市内で一部の小中学校だけが冷房だと、色々問題になる。小中学校の維持は市町村予算、教員は県予算である。学習環境として学校ごとの差があると、市町村議会で問題になる。同じように教員の労働環境として学校差があると、県で揉めるといった問題も起きかねない。
それなら、全部の小中学校を完全に冷房すればいいのだが、昔はそれも通らなかった。予算上の問題はともかく、贅沢とか、我慢強さとかくだらない意見をいいだす人々がいた時代である。教育関係者や議会関係者にも、夏の暑さに耐える心とかくだらないことを言い出していたのだろう。
しかし、冬の暖房はともかく、夏の冷房は生産性に直結する。冷房導入は東南アジアでの生産性向上に大きな影響を与えた。同じように、学習の公立や教員の生産効率を考えれば、もっと早期に冷房は入れてもよかっただろう。
「市長公約『小中へのエアコン設置』、議会認めず」をみて、そう思ったよ。まあ、この記事を見る限りは、積算が適当だったりしたのだろうけどね。予算案の中身がわからないのでなんとも言えないが、建設設備職を通さず、各学校に積算させた額をただ纏めただけとかをやって、冷房能力あたりの単価が学校ごとにぜんぜん違うとか、そういった話ではないか。そうでもなければ2000万ごときで議会でハネられることもあるまいよ。
※ 「市長公約『小中へのエアコン設置』、議会認めず」『読売新聞』(読売新聞,2014.3.21)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140321-OYT1T00200.htm
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潜水艦救難艦は本当に必要なものなのだろうか? 今年度予算の話で思い出したが、新しい潜水艦救難艦、5600トンクラス、500億円ほどの建造費が含まれている。
しかし、必要な物はDSRVである。潜水艦から乗員を救い出すのは、小型潜水艇であるDSRVであり、救難艦はそれを運用するための台船に過ぎない。
DSRVを使うための台船は、別になんでも良い。米海軍は必要に応じて航空輸送を行い、現地の港から原子力潜水艦で潜水艦救難を行うことになっている。他国でも、その都度に適当な艦船に組み合わせて使う発想もある。専門の潜水艦救難艦が必須なわけではない。
同じ500億を使うのなら、費用対効果を考えるべきではないか。専用救難艦とDSRVを1セット買うのと、多数のDSRVを購入、各地方に配備するのとどちらが良いか。
DSRVも1セット100億はするまい。同時に多数発注すればさらに安くなる。1隻50億とすれば、500億で10隻買える。
それを満遍なく配備したほうが、救難体制としては優れているのではないか。海底捜索用のサイドスキャンソーナーと一緒に各総監部においてもいいし、沖縄や父島のような遠隔地にも置ける。別に秘密があるものでもない。商港に置いても良い。根室、仙台、銚子、舞鶴、高知、石垣あたりに置いてもいいだろう。
実働時には、護衛艦なり、場合によればタグや商船や巡視船で現場まで運べばいい。別に搭載する必要はない。曳航すれば済む話である。現地で海自に引き渡して、救難作業をすればいいはなしである。DSRVの操作要員や支援要員はヘリでも航空機でも容易に運べる。
あるいは、航空展開できるようにしてもよい。今のところDSRVは30tあり、日本の輸送機では積めないが、別に軽く作れないわけでもない。容積を多少切り詰め、救難回数を増やして20t未満にすればC-130にも積める、
基本的に丈夫なものなので、空投も不可能でもない。超低空で低速に飛べば、空投(LAPES)できないこともないだろう。あるいは、使い捨てグライダーの類で着水させてもよい。支援装備も同時に落としてもいいし、折角買ったUS-2を支援の母機としてもよい。
なんにしても、低速の専用救難艦での運用そのものが高く付くのではないかということだ。潜水艦救難体制が必要なわけであって、潜水艦救難艦が必要なわけではない。必須なのはDSRVだけであり、それを搭載する潜水艦救難艦は無くてもかまわない。
まあ、「ちよだ」か「ちはや」のどっちか忘れたけど。目黒の演習装置で戦争ごっこやるときに、ペトロハバロフスクにいた。潜水艦救難(ロシアの潜水艇が網に引っかかって、助けに行った頃の話)のお稽古のあと消すのを忘れたのだろう。あの演習装置は味方戦力なら自在に動かせるので、枯れ木も山のにぎわいと戦闘海域に向けて航行させたら、統裁部にバレて途中で沈められたよ。
(日付間違いしたので、いま反映しました)
しかし、必要な物はDSRVである。潜水艦から乗員を救い出すのは、小型潜水艇であるDSRVであり、救難艦はそれを運用するための台船に過ぎない。
DSRVを使うための台船は、別になんでも良い。米海軍は必要に応じて航空輸送を行い、現地の港から原子力潜水艦で潜水艦救難を行うことになっている。他国でも、その都度に適当な艦船に組み合わせて使う発想もある。専門の潜水艦救難艦が必須なわけではない。
同じ500億を使うのなら、費用対効果を考えるべきではないか。専用救難艦とDSRVを1セット買うのと、多数のDSRVを購入、各地方に配備するのとどちらが良いか。
DSRVも1セット100億はするまい。同時に多数発注すればさらに安くなる。1隻50億とすれば、500億で10隻買える。
それを満遍なく配備したほうが、救難体制としては優れているのではないか。海底捜索用のサイドスキャンソーナーと一緒に各総監部においてもいいし、沖縄や父島のような遠隔地にも置ける。別に秘密があるものでもない。商港に置いても良い。根室、仙台、銚子、舞鶴、高知、石垣あたりに置いてもいいだろう。
実働時には、護衛艦なり、場合によればタグや商船や巡視船で現場まで運べばいい。別に搭載する必要はない。曳航すれば済む話である。現地で海自に引き渡して、救難作業をすればいいはなしである。DSRVの操作要員や支援要員はヘリでも航空機でも容易に運べる。
あるいは、航空展開できるようにしてもよい。今のところDSRVは30tあり、日本の輸送機では積めないが、別に軽く作れないわけでもない。容積を多少切り詰め、救難回数を増やして20t未満にすればC-130にも積める、
基本的に丈夫なものなので、空投も不可能でもない。超低空で低速に飛べば、空投(LAPES)できないこともないだろう。あるいは、使い捨てグライダーの類で着水させてもよい。支援装備も同時に落としてもいいし、折角買ったUS-2を支援の母機としてもよい。
なんにしても、低速の専用救難艦での運用そのものが高く付くのではないかということだ。潜水艦救難体制が必要なわけであって、潜水艦救難艦が必要なわけではない。必須なのはDSRVだけであり、それを搭載する潜水艦救難艦は無くてもかまわない。
まあ、「ちよだ」か「ちはや」のどっちか忘れたけど。目黒の演習装置で戦争ごっこやるときに、ペトロハバロフスクにいた。潜水艦救難(ロシアの潜水艇が網に引っかかって、助けに行った頃の話)のお稽古のあと消すのを忘れたのだろう。あの演習装置は味方戦力なら自在に動かせるので、枯れ木も山のにぎわいと戦闘海域に向けて航行させたら、統裁部にバレて途中で沈められたよ。
(日付間違いしたので、いま反映しました)
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湯を浴びるのに特にバスタオルを使うようになったのはいつごろの話なのかね?
己は今でも使っていない。安物の三尺のタオルが一本あればいいし、なければ別に手ぬぐいでも構わない。ホテルに泊まればありがたく使うが、買うまでもないものだ。
バスタオルは、自衛隊で見たこともない。陸海空みんなそうだと思うのだが、お湯を使うときにバスタオルは見たこともなかった。大概はタオル一本で終わり。教育機関で隊舎にいれば、使ったタオルを絞ってベットの頭に掛けておいてオシマイ。乾いたらまた使う。
自宅でもバスタオルは使わない。20年以上前に死んだ母が生きていた時には使っていたが、それからは親爺は使わないし、己も兵隊に取られてからは使わなくなった。親爺の家(隣)の湯殿は見ていないが、たぶん今でもないだろう。
昔の銭湯時代でも、バスタオルを使う話を聞いたこともない。バスタオルを使う文化というのは、存外に最近のものではないのかね。温泉旅館の類にも、タオル干しはあったが、バスタオルは見たこともないような気もする。
まあ、湯殿で体を拭くことにしか使わないバスタオルを買うよりも、安物タオルをまとめて30本づつ買っといた方が良い。
タオルは洗面にも手洗いにも、食器拭きにも使える上、ダメになっても足拭きなり雑巾にも転用できる。さらに、洗って乾かすのも容易だ。
対してバスタオルはそれがない。大きすぎて手拭き他にも使い難い。汚れても、湯上がりマットへの転用程度が限界か。そもそも、乾かすのが容易じゃない。
ということで、買うときには、まとめ買いでやっている。半年くらいまえにそこそこ乾きやすい220匁のベトナム製、一枚120円位を48本買って、汚れたらさっさと雑巾にし、そのあとは捨てることにしている。
買うなら安物が良い。昔、米国で売っている、CANON印のタオルを大量に買ったことがある。匁が大きくて吸水力もあり、贅沢なものだと思うが、乾くまでに時間がかかって、その点では仕方がないものだった。単価も高いので捨てがたいものだった。
己は今でも使っていない。安物の三尺のタオルが一本あればいいし、なければ別に手ぬぐいでも構わない。ホテルに泊まればありがたく使うが、買うまでもないものだ。
バスタオルは、自衛隊で見たこともない。陸海空みんなそうだと思うのだが、お湯を使うときにバスタオルは見たこともなかった。大概はタオル一本で終わり。教育機関で隊舎にいれば、使ったタオルを絞ってベットの頭に掛けておいてオシマイ。乾いたらまた使う。
自宅でもバスタオルは使わない。20年以上前に死んだ母が生きていた時には使っていたが、それからは親爺は使わないし、己も兵隊に取られてからは使わなくなった。親爺の家(隣)の湯殿は見ていないが、たぶん今でもないだろう。
昔の銭湯時代でも、バスタオルを使う話を聞いたこともない。バスタオルを使う文化というのは、存外に最近のものではないのかね。温泉旅館の類にも、タオル干しはあったが、バスタオルは見たこともないような気もする。
まあ、湯殿で体を拭くことにしか使わないバスタオルを買うよりも、安物タオルをまとめて30本づつ買っといた方が良い。
タオルは洗面にも手洗いにも、食器拭きにも使える上、ダメになっても足拭きなり雑巾にも転用できる。さらに、洗って乾かすのも容易だ。
対してバスタオルはそれがない。大きすぎて手拭き他にも使い難い。汚れても、湯上がりマットへの転用程度が限界か。そもそも、乾かすのが容易じゃない。
ということで、買うときには、まとめ買いでやっている。半年くらいまえにそこそこ乾きやすい220匁のベトナム製、一枚120円位を48本買って、汚れたらさっさと雑巾にし、そのあとは捨てることにしている。
買うなら安物が良い。昔、米国で売っている、CANON印のタオルを大量に買ったことがある。匁が大きくて吸水力もあり、贅沢なものだと思うが、乾くまでに時間がかかって、その点では仕方がないものだった。単価も高いので捨てがたいものだった。
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西側にしても、侵略を認めるとバツが悪いということと、ウクライナの手前があるのでクリミアで嫌がらせをしときたい程度のものだ。
クリミア問題で西側が結束して対露制裁ということになった。時事通信「外相が談話、対ロシア制裁発表 クリミア住民投票受け 」では、日本の制裁参加も具体的に示されている。
西側にとって、残ったピザの一枚は、正直どうでもいい。西側は、ウクライナというピザの7/8を自分たちのものとした。そして「全部取られるのはかなわない」と、ロシアは残りの1/8を食べようと必死になっているといったところだ。
西側からすれば、残ったピザには正直、興味もない。クリミアそのものはどうでもいい。西側はウクライナ本体を自陣営に引き釣り込んでいる。ロシアが自分のものにしようとしているクリミアは、本体に較べれば大したものではない。
西側は、すでにウクライナ本体という果実を手に入れている。ウクライナはすでに親西側となった。ロシアとEUの間で宙ぶらりんな立場から、ハッキリと反ロシアに軸足を移している。EUからすれば、何やるか怪しいロシアとの国境線がウクライナの先まで伸びたということで、いいことである。そんなことは日米(そして英)からすればどうでもいい話だが、ロシアによる周辺国への政治介入が減ったことと、多少でもロシアの影響力があった市場が西側のものになったことは悪くはない。
しかし、西側はロシアに対して文句をつけている。それは、これまでの「侵略は良くない」とする西側の建前との兼ね合いと、ウクライナの手前、クリミア併合に抗議しないのわけにはいかない程度のものだ。
別にクリミアの住民運動で分離独立するのなら、西側も文句は付けない。ただ、隣国ロシアの介入でそれを行ったことは、一種の侵略であり、西側が常々口にしていた正義とは相容れない。だから西側は、従前の態度との整合性から、形だけでも文句をつけなければならない。
また、ウクライナに「俺たちを見捨てるのか」と言われないようにするためにも、クリミアには、西側はある程度政治的に介入しなければならない。
まず、そうしなければ、クリミアは西側を恨む。西側にとっては今後が良くない。
また、クリミア問題でウクライナに味方がいると思わせれば、ウクライナはこれからも面倒なロシアの足を引っ張ってくれるだろう。
ただし、西側にとっては、クリミアは向こうにいったほうがよい。将来のロシアの足を引っ張るなら、クリミアはロシアになったほうがよい。ウクライナは未回収のクリミアについてロシアを敵視してくれるようになる。また、ウクライナ国家・ウクライナ民族主義のの対ロシア強硬政策に楯突く、西側にとって不都合な民族ロシア人をウクライナから切り離す効果もある。将来的にはどうでもいいクリミア問題への関与も避けられるといったメリットもある。
日本にとっても、ロシア制裁への参加は、まず悪い話ではない。冷えきった日米関係を改善する要素にもなる。米国に協力できない中国との差異を見せつける効果もある。(北方領土に色目を使っていた現宰相は悔しいかもしれないが、その点は、のけ者同士の連帯で、プーチンなんか相手にしたせいもある。ザマーミロといったところか。)
日本に損もない。西に圧迫を受けたロシアは、唯一の出口である東に進もうとする。その時には日本に頭を下げてくる。ソ連時代から単独でのシベリア開発はムリである。日本と中国に頭を下げるしかないが、人口圧力を掛けられている中国の影響力はあまり増やしたくないから、日本を頼みにする。
なんにせよ、ロシアの勝利ではない。ロシアはクリミアに迅速に展開し、確保した。だが、ロシアはウクライナの大部を喪い、さらにクリミア進駐の段階でウクライナ民族主義に火をつけてしまった。今後、ウクライナはロシアに対しては強硬ベースになる。
まあなんだ、クリミア編入云々でプーチンの勝利と言ってるのは、近視眼的に過ぎるということだね。
クリミア問題で西側が結束して対露制裁ということになった。時事通信「外相が談話、対ロシア制裁発表 クリミア住民投票受け 」では、日本の制裁参加も具体的に示されている。
西側にとって、残ったピザの一枚は、正直どうでもいい。西側は、ウクライナというピザの7/8を自分たちのものとした。そして「全部取られるのはかなわない」と、ロシアは残りの1/8を食べようと必死になっているといったところだ。
西側からすれば、残ったピザには正直、興味もない。クリミアそのものはどうでもいい。西側はウクライナ本体を自陣営に引き釣り込んでいる。ロシアが自分のものにしようとしているクリミアは、本体に較べれば大したものではない。
西側は、すでにウクライナ本体という果実を手に入れている。ウクライナはすでに親西側となった。ロシアとEUの間で宙ぶらりんな立場から、ハッキリと反ロシアに軸足を移している。EUからすれば、何やるか怪しいロシアとの国境線がウクライナの先まで伸びたということで、いいことである。そんなことは日米(そして英)からすればどうでもいい話だが、ロシアによる周辺国への政治介入が減ったことと、多少でもロシアの影響力があった市場が西側のものになったことは悪くはない。
しかし、西側はロシアに対して文句をつけている。それは、これまでの「侵略は良くない」とする西側の建前との兼ね合いと、ウクライナの手前、クリミア併合に抗議しないのわけにはいかない程度のものだ。
別にクリミアの住民運動で分離独立するのなら、西側も文句は付けない。ただ、隣国ロシアの介入でそれを行ったことは、一種の侵略であり、西側が常々口にしていた正義とは相容れない。だから西側は、従前の態度との整合性から、形だけでも文句をつけなければならない。
また、ウクライナに「俺たちを見捨てるのか」と言われないようにするためにも、クリミアには、西側はある程度政治的に介入しなければならない。
まず、そうしなければ、クリミアは西側を恨む。西側にとっては今後が良くない。
また、クリミア問題でウクライナに味方がいると思わせれば、ウクライナはこれからも面倒なロシアの足を引っ張ってくれるだろう。
ただし、西側にとっては、クリミアは向こうにいったほうがよい。将来のロシアの足を引っ張るなら、クリミアはロシアになったほうがよい。ウクライナは未回収のクリミアについてロシアを敵視してくれるようになる。また、ウクライナ国家・ウクライナ民族主義のの対ロシア強硬政策に楯突く、西側にとって不都合な民族ロシア人をウクライナから切り離す効果もある。将来的にはどうでもいいクリミア問題への関与も避けられるといったメリットもある。
日本にとっても、ロシア制裁への参加は、まず悪い話ではない。冷えきった日米関係を改善する要素にもなる。米国に協力できない中国との差異を見せつける効果もある。(北方領土に色目を使っていた現宰相は悔しいかもしれないが、その点は、のけ者同士の連帯で、プーチンなんか相手にしたせいもある。ザマーミロといったところか。)
日本に損もない。西に圧迫を受けたロシアは、唯一の出口である東に進もうとする。その時には日本に頭を下げてくる。ソ連時代から単独でのシベリア開発はムリである。日本と中国に頭を下げるしかないが、人口圧力を掛けられている中国の影響力はあまり増やしたくないから、日本を頼みにする。
なんにせよ、ロシアの勝利ではない。ロシアはクリミアに迅速に展開し、確保した。だが、ロシアはウクライナの大部を喪い、さらにクリミア進駐の段階でウクライナ民族主義に火をつけてしまった。今後、ウクライナはロシアに対しては強硬ベースになる。
まあなんだ、クリミア編入云々でプーチンの勝利と言ってるのは、近視眼的に過ぎるということだね。
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分隊会、まあ戦友会みたいなのに行ってきたのだけどね。幹部候補生の時の分隊の寄り合いなんだが、まあ20年近く前の話が出てくる。候補生学校で最後の40人部屋、練習艦も国内巡航は最後の「かとり」だったので、次のクラスとは生活の断絶があった。
40人部屋は、まあタコ部屋そのもの。施設も古い。戦争中に適当に作ったものだから、海砂を使ったのかコンクリートが中性化している。甲板点検前の整備で、柱の中性化部分を穿っていたら、拳が入るほどの穴になり、しかも鉄筋が現れないということがあった。甲板係(後期)も適当で、表面だけ塗っておけ、奥は触るなといわれたよ。
その甲板係の話になって、前期の甲板係が寝言で「仕事が間に合わないよ」といっていた話も出た。まあ、防大出たくせに肝が座らず、細かいことを気に病む男で、総員起こし前に、ベットの中で靴下を履くような姑息なことをしていたので、隣の同じく防大卒にガツンとやられていた。総員起こしで後ろに並ぶとあんま評価がよくないあたりがその原因だが、そんなの戦闘でも己の評価はよろしくない。一番だと体操の号令官やらされるのがメンドイので、いつも中途で抜かれて3-5番のあたりで整列していた。
己が総員起こしで早いのはあたりまえだ。名前が最後尾なので、出口に一番近い。出口も階段もラッシュに巻き込まれずに整列位置に辿りつける。ただ、出入口に近いので、ベットもよく幹事付(お一人が最近に亡くなったと聞いて、若いのに気の毒だと思ったよ)に飛ばされていた。
幹事付も商売で、気軽に飛ばしていると思っていたので、己は慣れっこになっていた。エリートであるため、酷いことはするけど、理不尽なことはしなかった。そもそも、練艦隊とは別に、候補生学校で撲られたことは一度もない。ただベットがメチャクチャにされたり、ひっくり返したりされるだけで、金も命も取られない。だが、人によっては気に病んでいた。奥の方は普段はあまりチェックされないものだから、ベッドも手を抜きがちかで、回数は少ないものの散々やられる傾向にあった。
その点、己はベットが飛ぶのはいつものことだし、時間的余裕が相当あったので、ベットメイクを2回3回やることは大して苦にもならなかった。飯もヘタすれば朝昼夜に自前で用意し、風呂も5月連休明けから翌年3月末まで屋上露天冷水シャワーで済ませていた、体力練成も「要錬成」に留めた(持久走は、後半はあと6-12秒切れない状態で持たせた、それでも持久走はキツかったけど)、集団競技にならないようにしていたので、時間は余っていた。
候補生学校は時間を減らすことで圧迫しようとするが、飯と風呂を使わないという対策を取るとは想定外なのだろう。飯はレトルトを、熱湯温水器のお湯で戻して、温めて食っていた。おかずはふりかけ程度。ゴミはわからないように捨てる。授業中は眠気覚ましに煎餅を音を立てずに間食。幹事付はPXの食堂だけを警戒しているので、結局気づかれはしなかった。お陰で己は朝からゆっくりと朝日新聞が読めたし、昼も図書室で謎の本を読めた。
さらに試験もどうでもいいやと思っていたので、勉強で追い詰められもしなかった。試験前の自習時間もに当時のメチエ新刊の『ユダヤ教 - 一神教の誕生』とか『江戸のファーストフード』とか、東洋文庫版の『耳嚢』、岩波思想体系の『答問書』あたりを読んでいて分隊長に呆れられたことがあった。あとは、パソコン初期で勉強と区別がつかないので、同人の原稿を作っていた。己としては「1日8時間労働」とか「ILO条約」(日本は未批准)とかフカしていてそんなものだった。
割と傍観者だったのだろう。そう簡単に馘首にはできまいし、馘首になっても商売なんていくらでもあると考えていた。最悪でも氷菓子屋なんか面白かろうと思っていた。氷屋の自転車に、アイスキャンディー積んで鐘鳴らしながら「アイスクリーン」ってアレね。なれない海幕長になる勉強よりも、辞めて食っていける勉強のほうがいいなあともね。真面目な話だろ候補生学校の時には、解体旧民家から梁とか柱を回収する仕事を調べていた時期もあったよ。開業に必要な許認可と、出せそうな木材市場を探していた。
自衛隊の勉強なんかしないから、睡眠もぐっすり。同期会に来ていた潜水艦の艦長(予定者)と、来なかった掃海艦の艦長(予定者)と、己はさっさと寝た。特に後に掃海屋になるSは、歯磨きも先に済ませて、五省が9時45分に終わるとさっさと寝室でベットに入っていた。12時まで延灯(自習延長)して、その後も廊下の明かりや懐中電灯でやっている奴らとは睡眠時間が違うので、心の健康にも良く影響したのだろう。多忙な部隊勤務のときには、平日の睡眠は長くて5時間、下手をすると3時間未満しかなかったことに較べれば、よほど健康によい。
ベットの思い出だと、寝台向かいのM、旧軍でいう寝台戦友のMを思い出す。分隊は一般大が二人多かったので、己とMが隣同士で寝台も足を接する位置になった。たまに互いの足がぶつかって冷やっとする関係なのだがね。あの野郎、一回、寝ぼけて己のベットに腰掛けたか寝ようとしたことがある。用足しにいった帰りに、自分のベットと己のベットを間違えて着て、ああゴメンといわれたのだけどねえ。
翌日本人に聞いたらそんなことし知らんとのことだった。割りと勉強していたのだが、3尉任官してから辞めて、その後に経理系事務官で入り直した男だった。いや、それ待遇として最悪だろという話をしたよ。
寝ていて叩き起こされたこともあった。まあ、陸式の非常呼集のようなものだが、深夜に叩き起こされて発光を拾わされたことがあった。己は発光が苦手で、モールスも音で聞けば分かるのだが、光だとチカチカしているようにしか見えない。可能なときは、電鍵を叩く音で聞いてズルをしていたのだが、その時はなんとなくだが、飛ばし飛ばしに発光を拾えた。そこから意味のある文章をでっち上げて試験をパスしたのだがね。
そのことは分隊長以下、誰も覚えていないという。そんなことをやったのかとも言われたり、何か別の課程じゃないのかとも言われたが、発光なんて陸上配置では幹部候補生でしかやっていない。その記憶もあるのだが、回りにそう言われると、己の記憶の捏造ではないかと疑うものだよ。
40人部屋は、まあタコ部屋そのもの。施設も古い。戦争中に適当に作ったものだから、海砂を使ったのかコンクリートが中性化している。甲板点検前の整備で、柱の中性化部分を穿っていたら、拳が入るほどの穴になり、しかも鉄筋が現れないということがあった。甲板係(後期)も適当で、表面だけ塗っておけ、奥は触るなといわれたよ。
その甲板係の話になって、前期の甲板係が寝言で「仕事が間に合わないよ」といっていた話も出た。まあ、防大出たくせに肝が座らず、細かいことを気に病む男で、総員起こし前に、ベットの中で靴下を履くような姑息なことをしていたので、隣の同じく防大卒にガツンとやられていた。総員起こしで後ろに並ぶとあんま評価がよくないあたりがその原因だが、そんなの戦闘でも己の評価はよろしくない。一番だと体操の号令官やらされるのがメンドイので、いつも中途で抜かれて3-5番のあたりで整列していた。
己が総員起こしで早いのはあたりまえだ。名前が最後尾なので、出口に一番近い。出口も階段もラッシュに巻き込まれずに整列位置に辿りつける。ただ、出入口に近いので、ベットもよく幹事付(お一人が最近に亡くなったと聞いて、若いのに気の毒だと思ったよ)に飛ばされていた。
幹事付も商売で、気軽に飛ばしていると思っていたので、己は慣れっこになっていた。エリートであるため、酷いことはするけど、理不尽なことはしなかった。そもそも、練艦隊とは別に、候補生学校で撲られたことは一度もない。ただベットがメチャクチャにされたり、ひっくり返したりされるだけで、金も命も取られない。だが、人によっては気に病んでいた。奥の方は普段はあまりチェックされないものだから、ベッドも手を抜きがちかで、回数は少ないものの散々やられる傾向にあった。
その点、己はベットが飛ぶのはいつものことだし、時間的余裕が相当あったので、ベットメイクを2回3回やることは大して苦にもならなかった。飯もヘタすれば朝昼夜に自前で用意し、風呂も5月連休明けから翌年3月末まで屋上露天冷水シャワーで済ませていた、体力練成も「要錬成」に留めた(持久走は、後半はあと6-12秒切れない状態で持たせた、それでも持久走はキツかったけど)、集団競技にならないようにしていたので、時間は余っていた。
候補生学校は時間を減らすことで圧迫しようとするが、飯と風呂を使わないという対策を取るとは想定外なのだろう。飯はレトルトを、熱湯温水器のお湯で戻して、温めて食っていた。おかずはふりかけ程度。ゴミはわからないように捨てる。授業中は眠気覚ましに煎餅を音を立てずに間食。幹事付はPXの食堂だけを警戒しているので、結局気づかれはしなかった。お陰で己は朝からゆっくりと朝日新聞が読めたし、昼も図書室で謎の本を読めた。
さらに試験もどうでもいいやと思っていたので、勉強で追い詰められもしなかった。試験前の自習時間もに当時のメチエ新刊の『ユダヤ教 - 一神教の誕生』とか『江戸のファーストフード』とか、東洋文庫版の『耳嚢』、岩波思想体系の『答問書』あたりを読んでいて分隊長に呆れられたことがあった。あとは、パソコン初期で勉強と区別がつかないので、同人の原稿を作っていた。己としては「1日8時間労働」とか「ILO条約」(日本は未批准)とかフカしていてそんなものだった。
割と傍観者だったのだろう。そう簡単に馘首にはできまいし、馘首になっても商売なんていくらでもあると考えていた。最悪でも氷菓子屋なんか面白かろうと思っていた。氷屋の自転車に、アイスキャンディー積んで鐘鳴らしながら「アイスクリーン」ってアレね。なれない海幕長になる勉強よりも、辞めて食っていける勉強のほうがいいなあともね。真面目な話だろ候補生学校の時には、解体旧民家から梁とか柱を回収する仕事を調べていた時期もあったよ。開業に必要な許認可と、出せそうな木材市場を探していた。
自衛隊の勉強なんかしないから、睡眠もぐっすり。同期会に来ていた潜水艦の艦長(予定者)と、来なかった掃海艦の艦長(予定者)と、己はさっさと寝た。特に後に掃海屋になるSは、歯磨きも先に済ませて、五省が9時45分に終わるとさっさと寝室でベットに入っていた。12時まで延灯(自習延長)して、その後も廊下の明かりや懐中電灯でやっている奴らとは睡眠時間が違うので、心の健康にも良く影響したのだろう。多忙な部隊勤務のときには、平日の睡眠は長くて5時間、下手をすると3時間未満しかなかったことに較べれば、よほど健康によい。
ベットの思い出だと、寝台向かいのM、旧軍でいう寝台戦友のMを思い出す。分隊は一般大が二人多かったので、己とMが隣同士で寝台も足を接する位置になった。たまに互いの足がぶつかって冷やっとする関係なのだがね。あの野郎、一回、寝ぼけて己のベットに腰掛けたか寝ようとしたことがある。用足しにいった帰りに、自分のベットと己のベットを間違えて着て、ああゴメンといわれたのだけどねえ。
翌日本人に聞いたらそんなことし知らんとのことだった。割りと勉強していたのだが、3尉任官してから辞めて、その後に経理系事務官で入り直した男だった。いや、それ待遇として最悪だろという話をしたよ。
寝ていて叩き起こされたこともあった。まあ、陸式の非常呼集のようなものだが、深夜に叩き起こされて発光を拾わされたことがあった。己は発光が苦手で、モールスも音で聞けば分かるのだが、光だとチカチカしているようにしか見えない。可能なときは、電鍵を叩く音で聞いてズルをしていたのだが、その時はなんとなくだが、飛ばし飛ばしに発光を拾えた。そこから意味のある文章をでっち上げて試験をパスしたのだがね。
そのことは分隊長以下、誰も覚えていないという。そんなことをやったのかとも言われたり、何か別の課程じゃないのかとも言われたが、発光なんて陸上配置では幹部候補生でしかやっていない。その記憶もあるのだが、回りにそう言われると、己の記憶の捏造ではないかと疑うものだよ。
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JSFさんの発言なのだが。
https://twitter.com/obiekt_JP/status/444700874053410817
「バルチックスキームが迷彩だと説明なしに分かる人はそう多くない気がする。」と述べている。まあ、己は全く詳しくないのだが、識者によると昔の理解で、JSFさんの言い方を使えば「そんなことを言うのはどこのおじいちゃんですか」らしい。
複数の識者(JSFさんにも近い人もいるので、名は秘す)によると、塗装の主眼は垂直方向にある。航空機からの識別を主目的としており、横方向のペイントはオマケのようなものだとのこと。
そのあたりについて、ある識者は(誤爆防止の識別塗装が、迷彩だと言い切れるのは)「航空情報にも寄稿するだけあって[JSF]センセは博識だな」と述べている。またある識者は「[JSFさんの発言は]再び迷彩塗装の一種という理解に逆戻り」と、現在の知見との差異を嘆いてた。
そもそも、バルチック・スキーム自体が怪しい語句ではないのか。まず、英語であることが怪訝である。それはいいのだが、"Baltic Scheme”や、"Ostsee""Falbe"でググってもほとんど出てこない。出てくるのは模型の塗装だけである。
バルチック・スキームも、公的な計画ではなく、現象に対して戦後につけた名称ではないのか? とする疑問も湧く。同時期のドイツ海軍や部隊、個艦単位で実施した塗装について、漠然とした共通点があった。模型関係の考証家さんが、その現象について、戦後に後づけした名前ではないのか。※
同時期の塗装については、同様の傾向が生まれる。主戦場の自然環境や、戦術上の要求、あるいはペンキの供給問題や、ペンキの性能(保護性から色が制限されることもある)といった要素も絡む。
それらが総合した現象について、正横からの塗装パターンだけを見て「迷彩パターンです」と断じて、「バルチックスキームが迷彩だと説明なしに分かる人はそう多くない気がする。」(JSFさん)と啓蒙然と自慢するのは、むしろJSFさんが忌み嫌うデマに近いように見える。
ちなみに、絵を書いた漫画家さんは
まあJSFさんは「正しい知識の啓蒙普及を目指して」「デマを糾す」ことをしてきた人だ。だから「その正しくない点は指摘してもいいよね」と思っている人は己だけじゃないってことだ。というか、人気者のJSFさんのアサッテ発言はいつも酒の肴になっている。
もちろん、みんなは紳士でらっしゃるから「いまどきバルチック・スキームが迷彩なんて」とか「今では古い知識ですね、このひとはおじいちゃんですか」なんてJSFさんみたいな不躾な言い方はしないけど。
※ 戦闘機や戦車には例がある。Me109や4号戦車の生産型には、考証家が後から勝手に区別する名称をつけている。T-34やM4も、区別のために「どこどこ工場型」のように、後づけ区分をしている。

「バルチックスキームが迷彩だと説明なしに分かる人はそう多くない気がする。」と述べている。まあ、己は全く詳しくないのだが、識者によると昔の理解で、JSFさんの言い方を使えば「そんなことを言うのはどこのおじいちゃんですか」らしい。
複数の識者(JSFさんにも近い人もいるので、名は秘す)によると、塗装の主眼は垂直方向にある。航空機からの識別を主目的としており、横方向のペイントはオマケのようなものだとのこと。
そのあたりについて、ある識者は(誤爆防止の識別塗装が、迷彩だと言い切れるのは)「航空情報にも寄稿するだけあって[JSF]センセは博識だな」と述べている。またある識者は「[JSFさんの発言は]再び迷彩塗装の一種という理解に逆戻り」と、現在の知見との差異を嘆いてた。
そもそも、バルチック・スキーム自体が怪しい語句ではないのか。まず、英語であることが怪訝である。それはいいのだが、"Baltic Scheme”や、"Ostsee""Falbe"でググってもほとんど出てこない。出てくるのは模型の塗装だけである。
バルチック・スキームも、公的な計画ではなく、現象に対して戦後につけた名称ではないのか? とする疑問も湧く。同時期のドイツ海軍や部隊、個艦単位で実施した塗装について、漠然とした共通点があった。模型関係の考証家さんが、その現象について、戦後に後づけした名前ではないのか。※
同時期の塗装については、同様の傾向が生まれる。主戦場の自然環境や、戦術上の要求、あるいはペンキの供給問題や、ペンキの性能(保護性から色が制限されることもある)といった要素も絡む。
それらが総合した現象について、正横からの塗装パターンだけを見て「迷彩パターンです」と断じて、「バルチックスキームが迷彩だと説明なしに分かる人はそう多くない気がする。」(JSFさん)と啓蒙然と自慢するのは、むしろJSFさんが忌み嫌うデマに近いように見える。
ちなみに、絵を書いた漫画家さんは
島田 フミカネ@humikaneと述べている。用語について「当時のバルチック海での状態」とする理解であり、漫画家さんの理解の方が正しいように見える。
ビスマルクは改造することでバルチックスキームになります(細かいとこだと第一砲塔の測距儀を撤去) 入手された方は育ててやってください~
21:18 - 2014年3月14日
https://twitter.com/humikane/status/444688957859581952
まあJSFさんは「正しい知識の啓蒙普及を目指して」「デマを糾す」ことをしてきた人だ。だから「その正しくない点は指摘してもいいよね」と思っている人は己だけじゃないってことだ。というか、人気者のJSFさんのアサッテ発言はいつも酒の肴になっている。
もちろん、みんなは紳士でらっしゃるから「いまどきバルチック・スキームが迷彩なんて」とか「今では古い知識ですね、このひとはおじいちゃんですか」なんてJSFさんみたいな不躾な言い方はしないけど。
※ 戦闘機や戦車には例がある。Me109や4号戦車の生産型には、考証家が後から勝手に区別する名称をつけている。T-34やM4も、区別のために「どこどこ工場型」のように、後づけ区分をしている。
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渡辺の「辺」の字と、斉藤の「斉」の字は、社会的なコストも考えれば全部「辺」と「斉」にしてしまったほうがいいのではないか。
笹原宏之さんの「漢字の異体字の攻防」では、人名で使う渡辺の「辺」(磯辺の「辺」でもいいけど)は100種類を越えるという。斉藤の「斉」の字も同じであるともいう。
もともと、辺も邉も邊…も全部同じ文字である。島と嶋と〓(山の下に鳥)と同じ伝で、書き方の差に過ぎない。
江戸期の人に聞けば、渡辺も渡邊も渡邉も同じだと答えるだろう。当時はパソコンもワープロもない。手書きで書く上、メンドイから適当に省略したり書き癖がでる。もともと活字の辞書もないので、字も今ひとつ統一されない。邉や邊のような画数の多い文字はあやふやであり、人によって違う。
本人にしても、違う書き方をする例がある。下手をすると自分の名前について、渡辺と渡邊と渡邉が混在しても不思議はない。新選組始末かなにかだったか、新選組と新撰組どちらが正しいのかという説明で、新撰組が正しいとありながら、我々新選組では……といった表記もあったという。
笹原さんによると、渡辺が100通りの書きぶりになった理由は、書きぐせと転載時の誤記としている。最初に戸籍を作ってから、その戸籍の文字を正しいと考えて、自分は渡辺である、渡邊である、渡邉……と認識するようになった。さらに、戸籍係の書癖や、書き間違いもあり、康煕字典にないような邊や邉のバリエーションが生まれた。さらに、転出転入等でその文字を写すときに、さらに文字を間違えてバリエーションは増えた。そう述べている。
結局、大した理由でもないということだ。
だが、その大した理由でもないのに怒る人もいる。渡辺と斉藤は、発音すればみんな同じなのだが、ガミガミいうやつも多く、中には怒りだす奴がいる。
だが、もともとは同じ文字の書きぐせである。この辺り、メンドイから法律で統一してもいいのではないか。渡辺斉藤法(正確に言えば斉藤の斉は意味も違うのがあるが、姓で使う分には同じようなものだ)とかついでに吉田統一法とかね。佐藤斉藤内藤遠藤の藤の字も、始終出てくる度に手書きするのは面倒だから「草冠に乃」でいいんじゃないかと思うけどね。
あと、この笹原さん記事だと、「さいたま市」の「さ」の字についての分化もなかなか面白い。「ち」を裏返した2画の「さ」と、3画の「±」のような「さ」について、分化しているという話。住所で「さいたま市」と書くときには、漢字欄に2画の「さ」、ふりがな欄に3画の「さ」で使い分ける例があるという話である。
小学校の県庁所在地の試験で3画の「さ」を使うとバツを付けられたという話もある。笹原さんは大学院の時の先生なのだが、その手の話を集めていて、前には「薩摩の『薩』の字で、『文』にするか『立』にするかで正誤答にされた話もあるよ」と話していた。その手の例の2つ目なのだろう。
※ 笹原宏之「漢字の異体字の攻防」『日本語学』(明治書院,2014.2)pp.60-77.
笹原宏之さんの「漢字の異体字の攻防」では、人名で使う渡辺の「辺」(磯辺の「辺」でもいいけど)は100種類を越えるという。斉藤の「斉」の字も同じであるともいう。
もともと、辺も邉も邊…も全部同じ文字である。島と嶋と〓(山の下に鳥)と同じ伝で、書き方の差に過ぎない。
江戸期の人に聞けば、渡辺も渡邊も渡邉も同じだと答えるだろう。当時はパソコンもワープロもない。手書きで書く上、メンドイから適当に省略したり書き癖がでる。もともと活字の辞書もないので、字も今ひとつ統一されない。邉や邊のような画数の多い文字はあやふやであり、人によって違う。
本人にしても、違う書き方をする例がある。下手をすると自分の名前について、渡辺と渡邊と渡邉が混在しても不思議はない。新選組始末かなにかだったか、新選組と新撰組どちらが正しいのかという説明で、新撰組が正しいとありながら、我々新選組では……といった表記もあったという。
笹原さんによると、渡辺が100通りの書きぶりになった理由は、書きぐせと転載時の誤記としている。最初に戸籍を作ってから、その戸籍の文字を正しいと考えて、自分は渡辺である、渡邊である、渡邉……と認識するようになった。さらに、戸籍係の書癖や、書き間違いもあり、康煕字典にないような邊や邉のバリエーションが生まれた。さらに、転出転入等でその文字を写すときに、さらに文字を間違えてバリエーションは増えた。そう述べている。
結局、大した理由でもないということだ。
だが、その大した理由でもないのに怒る人もいる。渡辺と斉藤は、発音すればみんな同じなのだが、ガミガミいうやつも多く、中には怒りだす奴がいる。
だが、もともとは同じ文字の書きぐせである。この辺り、メンドイから法律で統一してもいいのではないか。渡辺斉藤法(正確に言えば斉藤の斉は意味も違うのがあるが、姓で使う分には同じようなものだ)とかついでに吉田統一法とかね。佐藤斉藤内藤遠藤の藤の字も、始終出てくる度に手書きするのは面倒だから「草冠に乃」でいいんじゃないかと思うけどね。
あと、この笹原さん記事だと、「さいたま市」の「さ」の字についての分化もなかなか面白い。「ち」を裏返した2画の「さ」と、3画の「±」のような「さ」について、分化しているという話。住所で「さいたま市」と書くときには、漢字欄に2画の「さ」、ふりがな欄に3画の「さ」で使い分ける例があるという話である。
小学校の県庁所在地の試験で3画の「さ」を使うとバツを付けられたという話もある。笹原さんは大学院の時の先生なのだが、その手の話を集めていて、前には「薩摩の『薩』の字で、『文』にするか『立』にするかで正誤答にされた話もあるよ」と話していた。その手の例の2つ目なのだろう。
※ 笹原宏之「漢字の異体字の攻防」『日本語学』(明治書院,2014.2)pp.60-77.
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防衛省の工事だから、一切の抗議を許すなとする意見はどんなものか。
半沢尚久さんの「海猿にバッシング 辺野古警備に『逃げ腰だ』」(産経新聞)だが、沖縄局による辺野古埋立について、海保と警察は特別扱いしろと主張している。抗議は許さず、特別法を使って取り締まれというものだ。「それをしない海保と警察は勇気に欠ける」とする主張もしている。
半沢さんは、辺野古埋立工事について、他の工事との公平な取り扱いを求める海保と警察に対して、「防衛省の担当者があぜんとするのも無理はない」と否定的にとらえている。
しかし、防衛局工事と他の工事との間について、卑賤の差はない。民間のビル建設や、国交省直轄工事として行われるダム建設と、防衛省直轄工事として行われる辺野古埋立には、工事として法的には卑賤の差異はない。このため、取り扱いを変える理由はない。
海保や警察にしても、防衛工事だけ厳重に取り締まる理由も立たない。実際は、政治的にややこしい工事なら、公安に相当する警備課が局の相談に乗ってくれたり、不発弾発見については民間よりも早く処理してくれる。だが、それ以上のことはできない。
「防衛の工事だけは、抗議行動を許すな」ということは、警察も公平の観点からできない話だということだ。これが、原子力関連のような、危険性を伴うものであれば理由も立たなくもないのだが、やるのは単純な埋立工事である。その点でも、他の民間や地方公共団体、国の行う工事と差はない。
また、半沢さんは、駐留軍にかかる刑特法を適用しろと主張しているが、これもあまり使えない法律である。
まず、刑特法については、海上ではあまり四面四角には運用した例もない。佐世保でも米軍基地と漁民の間でトラブルがあるが、刑特法を使ったという話もない。そもそも、米軍との水面争いで漁民を逮捕しても裁判で勝てない状態が続いていた。普天間でも、同じように海面争いをしても、国は勝てるとは限らない。そうなれば、やるだけ無駄である。
また、海上の1線を越える、あるいは越えたからどうこうという前例はない。陸上での土地侵入とは異なり、水面だと入った入ってないで、相手の船に乗り込んで強制的に追いだすとか、逮捕したという話るような話は聞いたこともない。道路でのデモ対応と同じで、出て行ってくれといいながら、圧迫して追い出す程度でしかない。そして追い出せば、捕まえる必要もない。
いずれにせよ、筋が悪すぎる。これらの前提もあるので、警察組織としての海保が積極的に動くことはない。防衛省・沖縄防衛局の片方にだけ肩入れするような警備をしても、海保が恨まれるだけで何もいいことはない。大げさな言い方かもしれないが、海保にとって60年安保の治安出動をリクエストされたようなもので、恨まれることは真平御免といったところである。
なんにせよ、海保は国交に属する。防衛に言われたから動く組織ではない。普天間は大事だという防衛サイドだけの理由で、「[海保は]『反基地活動家の妨害排除に逃げ腰だ」(首相官邸筋)との批判」をしたり、「『BRAVE HEARTS(勇者たち)』。[という、海猿]映画のタイトルに恥じない職務遂行を期待したい。(半沢尚久)」と言うのは、完全に筋違いだろう。
そもそも、この手の強権的な取締は、やればやるほど反対運動も盛り上がるというものである。辺野古埋立そのものが県民の支持を得ているようには見えない。そこで、国が強行的な工事をやった場合には、成田の二の舞いになる可能性もある。
辺野古埋立は、県内世論や、ジュゴンの件もあり、嘉手納や自衛隊基地への波及の可能性もある。その伝でいれば、やらないのが一番良いが、やるにしても、時間がかかることを覚悟し、地元感情を汲んでもっと穏当にやらなければならない。時間はいくらでも伸ばせる。揉める事業だから、別に明許繰越でも事故繰越でも問題はない。
だが、いくら相手が産経だからといって、抗議運動に対して政府関係者が「[海保は]『反基地活動家の妨害排除に逃げ腰だ」(首相官邸筋)との批判」をするようでは、普天間埋立も上手くいかないのではないか。
※ 半沢尚久「海猿にバッシング 辺野古警備に『逃げ腰だ』」『産経新聞』(産経新聞,2014.3.8)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140305/plc14030517510012-n1.htm
半沢尚久さんの「海猿にバッシング 辺野古警備に『逃げ腰だ』」(産経新聞)だが、沖縄局による辺野古埋立について、海保と警察は特別扱いしろと主張している。抗議は許さず、特別法を使って取り締まれというものだ。「それをしない海保と警察は勇気に欠ける」とする主張もしている。
半沢さんは、辺野古埋立工事について、他の工事との公平な取り扱いを求める海保と警察に対して、「防衛省の担当者があぜんとするのも無理はない」と否定的にとらえている。
昨年12月、沖縄県の仲井真弘多知事が辺野古の埋め立てを承認したことで主要な手続きは完了した。それを受け政府は、現地で調査を行う際の反基地活動家らの過激な妨害に備える警備態勢の検討に入った。
焦点は海保と沖縄県警の対応だ。
「自主警備でやってもらえませんか」
担当者レベルの協議で海保にそう告げられ、防衛省側はあぜんとしたという。海保のいう自主警備とは、防衛省が契約する民間業者による警備を指す。
[中略]
海保は民間ガードマンの警備に委ねるべきだとの考えを示し、「不介入」も宣言したに等しい。防衛省の担当者があぜんとするのも無理はない。(半沢,2014)
しかし、防衛局工事と他の工事との間について、卑賤の差はない。民間のビル建設や、国交省直轄工事として行われるダム建設と、防衛省直轄工事として行われる辺野古埋立には、工事として法的には卑賤の差異はない。このため、取り扱いを変える理由はない。
海保や警察にしても、防衛工事だけ厳重に取り締まる理由も立たない。実際は、政治的にややこしい工事なら、公安に相当する警備課が局の相談に乗ってくれたり、不発弾発見については民間よりも早く処理してくれる。だが、それ以上のことはできない。
「防衛の工事だけは、抗議行動を許すな」ということは、警察も公平の観点からできない話だということだ。これが、原子力関連のような、危険性を伴うものであれば理由も立たなくもないのだが、やるのは単純な埋立工事である。その点でも、他の民間や地方公共団体、国の行う工事と差はない。
また、半沢さんは、駐留軍にかかる刑特法を適用しろと主張しているが、これもあまり使えない法律である。
まず、刑特法については、海上ではあまり四面四角には運用した例もない。佐世保でも米軍基地と漁民の間でトラブルがあるが、刑特法を使ったという話もない。そもそも、米軍との水面争いで漁民を逮捕しても裁判で勝てない状態が続いていた。普天間でも、同じように海面争いをしても、国は勝てるとは限らない。そうなれば、やるだけ無駄である。
また、海上の1線を越える、あるいは越えたからどうこうという前例はない。陸上での土地侵入とは異なり、水面だと入った入ってないで、相手の船に乗り込んで強制的に追いだすとか、逮捕したという話るような話は聞いたこともない。道路でのデモ対応と同じで、出て行ってくれといいながら、圧迫して追い出す程度でしかない。そして追い出せば、捕まえる必要もない。
いずれにせよ、筋が悪すぎる。これらの前提もあるので、警察組織としての海保が積極的に動くことはない。防衛省・沖縄防衛局の片方にだけ肩入れするような警備をしても、海保が恨まれるだけで何もいいことはない。大げさな言い方かもしれないが、海保にとって60年安保の治安出動をリクエストされたようなもので、恨まれることは真平御免といったところである。
なんにせよ、海保は国交に属する。防衛に言われたから動く組織ではない。普天間は大事だという防衛サイドだけの理由で、「[海保は]『反基地活動家の妨害排除に逃げ腰だ」(首相官邸筋)との批判」をしたり、「『BRAVE HEARTS(勇者たち)』。[という、海猿]映画のタイトルに恥じない職務遂行を期待したい。(半沢尚久)」と言うのは、完全に筋違いだろう。
そもそも、この手の強権的な取締は、やればやるほど反対運動も盛り上がるというものである。辺野古埋立そのものが県民の支持を得ているようには見えない。そこで、国が強行的な工事をやった場合には、成田の二の舞いになる可能性もある。
辺野古埋立は、県内世論や、ジュゴンの件もあり、嘉手納や自衛隊基地への波及の可能性もある。その伝でいれば、やらないのが一番良いが、やるにしても、時間がかかることを覚悟し、地元感情を汲んでもっと穏当にやらなければならない。時間はいくらでも伸ばせる。揉める事業だから、別に明許繰越でも事故繰越でも問題はない。
だが、いくら相手が産経だからといって、抗議運動に対して政府関係者が「[海保は]『反基地活動家の妨害排除に逃げ腰だ」(首相官邸筋)との批判」をするようでは、普天間埋立も上手くいかないのではないか。
※ 半沢尚久「海猿にバッシング 辺野古警備に『逃げ腰だ』」『産経新聞』(産経新聞,2014.3.8)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140305/plc14030517510012-n1.htm
Category : アニメ評
謀略のズヴィズダー、原作のネタバレを含みますのでご注意。
旧正月に首都で蜂起してからの展開が、まずは見逃せません。最初は老人と子供のポルカが頭に浮かんでしまった『謀略のズヴィズダー』ですが、やはり原作は読むものです。TVマンガ版のネタバレとなるので細かくは言えませんが、やはり終盤での追い込みは力強いものです。
まずは、TVでの第12話に相当する『首都東京最後の日』でしょうか。題名からも伺えるように、明らかにレインボーマンでの悪魔部隊DACの蜂起がモチーフとなっておりますが、ズヴィスダは、それまでの人間関係がレインボーマン以上に密に構築されているため、見逃せないでしょう。
物語の西ウド川市での地下活動に専念していたズヴィスダは、ついに旧正月に義起を起こします。『ロボ執事』放映が突然途絶し、ジャックされた放送によってゼネストが呼びかけられ、ズヴィズダ構成員が一斉に蜂起します。警察に潜む分子は警備状況を撹乱し、地方自治体の分子は警察の指示と勝手に契約土木会社を使い、拒馬や土のうで道路網を閉塞させ、ズヴィズダの行動を援護します。その情景はレインボーマン最終話のDAC蜂起そのものです。
しかし、東京義起は失敗してしまいます。ホワイトライトや東京都は、義起参加者をテロリストとして即時に処刑する。13話相当の『死刑執行人もまた死す』ですが、組織内での地位向上を掛け、決死の覚悟でホワイトイーグレット刺殺に成功したヤスの見せ場となっています。
TVクルーを引き継れて、白昼、公然にイーグレット刺殺に成功するヤスですが、因果はめぐるもので、同じく白昼にホワイトファルコンに軍事裁判抜きで、生中継で路上公開処刑されてしまう。杭に縛り付けられ、マスクを外されたヤス、ヤスはそこでの匂いから、ファルコンがかつて情を通じた香織姐さんであることに気づき、惨めにも命乞いを懇願するものの、怒りに震えるファルコンには通じない。そのコメカミにリボルバーを直付するファルコン。頭の位置を銃口から必死でそらそうとするヤス。そして発砲。読者はそこでロビンへの嫌悪感が充満しますが、原作・監督である岡村天斎の思うがままといったところでしょう。
再び地下に潜るズヴィズダですが、文字通り地下に隠れます。14話相当の『地下水道』では、蜂起が失敗直後の、下水道を用いた都市ゲリラ戦を描いていますが、やはり戦況は芳しくなく、戦闘員は散り散りになる。ケイトにしても、もともと東京都の外からの援軍を期待して蜂起したものの、江戸川を挟んだ千葉は戦後のズヴィズダ影響力排除を狙い、静観するばかり。ごく一部の県外亡命者を部隊を差し向けるだけで、まともな援助がない状況では、八方ふさがりといったところでしょう。
そこに、物理的な閉塞感もくわかります。下水道での戦いで、地上側から脱出口を尽く塞がれた絶望感は、尋常なものではありません。そこからのケイトと明日太の脱出行とその結末は、冷たいものでした。ネタバレに関わるので言えませんが、○○○を集めて閉塞部を破壊し、地上にでた二人の会話からはクライマックスでしょう。後続しているはずの戦闘員を呼べといった明日太と、それに対するケイトの「後続の戦闘員の話は嘘だ。オマエを私だけを助ければいいのだ」返事、そこで起きる☓☓のあと、仲間を呼ぶために再び下水道に入る明日太。その姿をどのように映像化されるかは見ものです。
あとは戦後を描いた派生作品でしょうか。TV放映されるか、BDに入るかわかりませんが、『謀略のズヴィズダー 灰とダイヤモンド』は欠かせません。
ズダズダに切り裂かれた社会。戦争に一つの家族が東京都という権力と、ズヴィズダといった反体制に別れ、かつての恋人も反政府組織と、傀儡軍の手先に分かれてしまった。引き裂かれたのは上流・中産階級だけではない。戦前は血の団結を誇ったマフィアも、体制と反体制に別れて殺し合いをした。その戦争の後、平和なはずの社会の修羅道を描いた傑作です。
組織間の闘争は戦後になっても終わらない。たしかに、表面は平和になっている。そこで、一般市民としてかつての関係を取り戻そうとする平和な明日太と蓮華のキャフフもある。だが、実態としてはかつての敵や、あるいはかつては仲間であった組織内の敵対分子を始末する暗殺者であり、しかも互いに秘しておりそれをしらない。ズヴィズダ参加の経歴では仕事もなく、仕方なく闇の稼業に手を染める明日太と、明日太との関係を旧ズヴィズダ摘発として正当化した蓮華。そして「これを最後に」と、互いが組織を足抜きするために選んだ最後の暗殺対象の相手の皮肉……。
やはり、かつての出身母体がそのまま政治的立場になり、暗殺や弾圧を含めた手段でヘゲモニーを競う姿を描いた『灰とダイヤモンド』は『謀略のズヴィズダ-』の締めくくりにふさわしい作品でしょう。
いつものことだが、なんでこんなものを書くのかわからないのだけれどもね。
買い物していたら『ストライクウィッチーズ劇場版 - ゆきゆきて神軍』というフレーズがでてから、割りと止まらない『ストライクウッチーズ - 真空地帯』とか『ストライクウィッチーズ - きけ、わだつみの声』とかね。
そうとう前に酒席でした話だが、坂本大佐が武装解除しない宮藤に、戦争中の全員のC/Sで呼びかけるシーンで「みんな死にました」とだけ応答するイメージの前に、神軍平等兵として部隊関係者のところをブイブイ荒らしまわる宮藤の姿が追加されて駄目さが一気に増加していい感じだったよ。
ちなみに、ストライクウィッチーズは一回も見ていないのだけれども。
旧正月に首都で蜂起してからの展開が、まずは見逃せません。最初は老人と子供のポルカが頭に浮かんでしまった『謀略のズヴィズダー』ですが、やはり原作は読むものです。TVマンガ版のネタバレとなるので細かくは言えませんが、やはり終盤での追い込みは力強いものです。
まずは、TVでの第12話に相当する『首都東京最後の日』でしょうか。題名からも伺えるように、明らかにレインボーマンでの悪魔部隊DACの蜂起がモチーフとなっておりますが、ズヴィスダは、それまでの人間関係がレインボーマン以上に密に構築されているため、見逃せないでしょう。
物語の西ウド川市での地下活動に専念していたズヴィスダは、ついに旧正月に義起を起こします。『ロボ執事』放映が突然途絶し、ジャックされた放送によってゼネストが呼びかけられ、ズヴィズダ構成員が一斉に蜂起します。警察に潜む分子は警備状況を撹乱し、地方自治体の分子は警察の指示と勝手に契約土木会社を使い、拒馬や土のうで道路網を閉塞させ、ズヴィズダの行動を援護します。その情景はレインボーマン最終話のDAC蜂起そのものです。
しかし、東京義起は失敗してしまいます。ホワイトライトや東京都は、義起参加者をテロリストとして即時に処刑する。13話相当の『死刑執行人もまた死す』ですが、組織内での地位向上を掛け、決死の覚悟でホワイトイーグレット刺殺に成功したヤスの見せ場となっています。
TVクルーを引き継れて、白昼、公然にイーグレット刺殺に成功するヤスですが、因果はめぐるもので、同じく白昼にホワイトファルコンに軍事裁判抜きで、生中継で路上公開処刑されてしまう。杭に縛り付けられ、マスクを外されたヤス、ヤスはそこでの匂いから、ファルコンがかつて情を通じた香織姐さんであることに気づき、惨めにも命乞いを懇願するものの、怒りに震えるファルコンには通じない。そのコメカミにリボルバーを直付するファルコン。頭の位置を銃口から必死でそらそうとするヤス。そして発砲。読者はそこでロビンへの嫌悪感が充満しますが、原作・監督である岡村天斎の思うがままといったところでしょう。
再び地下に潜るズヴィズダですが、文字通り地下に隠れます。14話相当の『地下水道』では、蜂起が失敗直後の、下水道を用いた都市ゲリラ戦を描いていますが、やはり戦況は芳しくなく、戦闘員は散り散りになる。ケイトにしても、もともと東京都の外からの援軍を期待して蜂起したものの、江戸川を挟んだ千葉は戦後のズヴィズダ影響力排除を狙い、静観するばかり。ごく一部の県外亡命者を部隊を差し向けるだけで、まともな援助がない状況では、八方ふさがりといったところでしょう。
そこに、物理的な閉塞感もくわかります。下水道での戦いで、地上側から脱出口を尽く塞がれた絶望感は、尋常なものではありません。そこからのケイトと明日太の脱出行とその結末は、冷たいものでした。ネタバレに関わるので言えませんが、○○○を集めて閉塞部を破壊し、地上にでた二人の会話からはクライマックスでしょう。後続しているはずの戦闘員を呼べといった明日太と、それに対するケイトの「後続の戦闘員の話は嘘だ。オマエを私だけを助ければいいのだ」返事、そこで起きる☓☓のあと、仲間を呼ぶために再び下水道に入る明日太。その姿をどのように映像化されるかは見ものです。
あとは戦後を描いた派生作品でしょうか。TV放映されるか、BDに入るかわかりませんが、『謀略のズヴィズダー 灰とダイヤモンド』は欠かせません。
ズダズダに切り裂かれた社会。戦争に一つの家族が東京都という権力と、ズヴィズダといった反体制に別れ、かつての恋人も反政府組織と、傀儡軍の手先に分かれてしまった。引き裂かれたのは上流・中産階級だけではない。戦前は血の団結を誇ったマフィアも、体制と反体制に別れて殺し合いをした。その戦争の後、平和なはずの社会の修羅道を描いた傑作です。
組織間の闘争は戦後になっても終わらない。たしかに、表面は平和になっている。そこで、一般市民としてかつての関係を取り戻そうとする平和な明日太と蓮華のキャフフもある。だが、実態としてはかつての敵や、あるいはかつては仲間であった組織内の敵対分子を始末する暗殺者であり、しかも互いに秘しておりそれをしらない。ズヴィズダ参加の経歴では仕事もなく、仕方なく闇の稼業に手を染める明日太と、明日太との関係を旧ズヴィズダ摘発として正当化した蓮華。そして「これを最後に」と、互いが組織を足抜きするために選んだ最後の暗殺対象の相手の皮肉……。
やはり、かつての出身母体がそのまま政治的立場になり、暗殺や弾圧を含めた手段でヘゲモニーを競う姿を描いた『灰とダイヤモンド』は『謀略のズヴィズダ-』の締めくくりにふさわしい作品でしょう。
いつものことだが、なんでこんなものを書くのかわからないのだけれどもね。
買い物していたら『ストライクウィッチーズ劇場版 - ゆきゆきて神軍』というフレーズがでてから、割りと止まらない『ストライクウッチーズ - 真空地帯』とか『ストライクウィッチーズ - きけ、わだつみの声』とかね。
そうとう前に酒席でした話だが、坂本大佐が武装解除しない宮藤に、戦争中の全員のC/Sで呼びかけるシーンで「みんな死にました」とだけ応答するイメージの前に、神軍平等兵として部隊関係者のところをブイブイ荒らしまわる宮藤の姿が追加されて駄目さが一気に増加していい感じだったよ。
ちなみに、ストライクウィッチーズは一回も見ていないのだけれども。
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桜井よしこさん「中韓が国家戦略として歴史攻撃 日本は冷静かつ十分に反論を」※に、東京都の尖閣募金詐欺を思い出すような集金が呼びかけられている。
中国や韓国による「歴史攻撃」(桜井さん)に対抗するために、金を寄越せというものだ。
しかし、名前が胡散臭い。「歴史の真実の会」とは何事だろうか。事実ならまだ良いが、真実となると胡乱である。日帝への抵抗は、新中国や韓国の建国神話を形作っている。中国の対日抵抗は事実であるが、韓国のそれは怪しい。だが、韓国人からすると歴史の真実である。
真実は、事実よりも偉い言葉であり、事実と異なっていても許されるものだ。「歴史の真実の会」※※ という名前を見ると、韓国人の建国神話と同じように、日本は朝鮮支配や大陸進出で善行をしたとでも言い出しかねないような雰囲気がある。
その中身も怪しい。歴史真実委員会とあるが、中身はいつもの神がかり右翼である。5人の名前が書いてあるが、すぎやまこういち、屋山太郎、櫻井よしこ、花岡信昭、西村幸祐と、いつも判子を押したように出てくる面子に過ぎない。
さらに、集めた金を何に使うとも書いていない。活動実績はホームページをひとつ作っただけ。「いわゆる従軍慰安婦について歴史の真実から再考するサイト」がそれだが、中身は何もない。金集めのお願いをするなら、何に使うのかを書くものだが、そこはいつものネトウヨ作文を載せているだけ。何にお金がかかるのかを述べていない。
桜井よしこさんは、米国での訴訟支援に使うようなことを行っているが、歴史真実委員会側にはその趣旨は一言も書いていない。その点で、あまりにも杜撰な集金であるように見える。
ある意味で、東京都の尖閣防衛詐欺募金よりも酷いかもしれない。尖閣詐欺は、一応は目的は示していたし、東京都が受け皿になった。思慮の足りない自称愛国者から詐欺的にお金を集めたが、都がもっているので横領はないし、今後の使い方についても議論され、公表される。決算もあるだろう。
対して「歴史の真実の会寄付金口座」は、目的も示されなければ、お金についての取り扱いについての説明もない。おそらく、使ったお金について、使途や決算もないだろう。
そのような、あやしい募金を信じるものではない。同じように、金を投じることだけで愛国的満足感を得るのならば、保守系でも日本財団や三笠保存会に寄付したほうがよいだろう。日本財団は欲望にまみれた汚い金でも世のために綺麗に使っている。三笠保存会は三笠保存以外に金の使い道もない。あとあと後悔することもないが如何か。
※ 桜井よしこ「中韓が国家戦略として歴史攻撃 日本は冷静かつ十分に反論を」(櫻井よしこ オフィシャルサイト、2014.3.8)http://yoshiko-sakurai.jp/2014/03/08/5184
※※ 「歴史事実委員会」『いわゆる従軍慰安婦について歴史の真実から再考するサイト』(歴史の真実の会)http://www.ianfu.net/sinjitu/rekishijijitu.html
中国や韓国による「歴史攻撃」(桜井さん)に対抗するために、金を寄越せというものだ。
米国は訴訟社会であり、[「歴史攻撃」とやらに反撃する]裁判には高い費用がかかる。日本にいて出来ることは経済的支援である。支援の宛先は「歴史の真実の会寄付金口座」、三井住友銀行六本木支店(支店番号619)、口座番号は普通預金口座の7544532である。と、集金を呼びかけている。
桜井よしこ「中韓が国家戦略として歴史攻撃 日本は冷静かつ十分に反論を」
しかし、名前が胡散臭い。「歴史の真実の会」とは何事だろうか。事実ならまだ良いが、真実となると胡乱である。日帝への抵抗は、新中国や韓国の建国神話を形作っている。中国の対日抵抗は事実であるが、韓国のそれは怪しい。だが、韓国人からすると歴史の真実である。
真実は、事実よりも偉い言葉であり、事実と異なっていても許されるものだ。「歴史の真実の会」※※ という名前を見ると、韓国人の建国神話と同じように、日本は朝鮮支配や大陸進出で善行をしたとでも言い出しかねないような雰囲気がある。
その中身も怪しい。歴史真実委員会とあるが、中身はいつもの神がかり右翼である。5人の名前が書いてあるが、すぎやまこういち、屋山太郎、櫻井よしこ、花岡信昭、西村幸祐と、いつも判子を押したように出てくる面子に過ぎない。
さらに、集めた金を何に使うとも書いていない。活動実績はホームページをひとつ作っただけ。「いわゆる従軍慰安婦について歴史の真実から再考するサイト」がそれだが、中身は何もない。金集めのお願いをするなら、何に使うのかを書くものだが、そこはいつものネトウヨ作文を載せているだけ。何にお金がかかるのかを述べていない。
桜井よしこさんは、米国での訴訟支援に使うようなことを行っているが、歴史真実委員会側にはその趣旨は一言も書いていない。その点で、あまりにも杜撰な集金であるように見える。
ある意味で、東京都の尖閣防衛詐欺募金よりも酷いかもしれない。尖閣詐欺は、一応は目的は示していたし、東京都が受け皿になった。思慮の足りない自称愛国者から詐欺的にお金を集めたが、都がもっているので横領はないし、今後の使い方についても議論され、公表される。決算もあるだろう。
対して「歴史の真実の会寄付金口座」は、目的も示されなければ、お金についての取り扱いについての説明もない。おそらく、使ったお金について、使途や決算もないだろう。
そのような、あやしい募金を信じるものではない。同じように、金を投じることだけで愛国的満足感を得るのならば、保守系でも日本財団や三笠保存会に寄付したほうがよいだろう。日本財団は欲望にまみれた汚い金でも世のために綺麗に使っている。三笠保存会は三笠保存以外に金の使い道もない。あとあと後悔することもないが如何か。
※ 桜井よしこ「中韓が国家戦略として歴史攻撃 日本は冷静かつ十分に反論を」(櫻井よしこ オフィシャルサイト、2014.3.8)http://yoshiko-sakurai.jp/2014/03/08/5184
※※ 「歴史事実委員会」『いわゆる従軍慰安婦について歴史の真実から再考するサイト』(歴史の真実の会)http://www.ianfu.net/sinjitu/rekishijijitu.html
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佐藤正久さんのブログで発見したのだが、危機管理主任とやらがあるらしい。(「危機管理協会」の取り組み)相当に褒めているのだが、中身は何もなさそうだ。
まず、聞いたこともない「危機管理協会」「危機管理主任」という言葉だけで、防災士と同じようにバカにしたくなってしまう。一言で言えば「ペーパーテストだけで危機管理か」といったものだ。通信教育のネイリスト資格とか、通信空手の段位と同じ伝である。
実際「危機管理主任」を見てもマヌケさしか見えない。
危機管理主任4級は、3000-4000円振り込んで、ネットか郵送で受験するそうだ。その段階で試験もないものだが、資格は2年間の期限付きで、更新にはまた3000円かかるとのこと。金儲け以外に何も考えていない中身である。(危機管理主任4級 試験情報)
その上にある、3級・2級・1級も駄目。
3級の段階でも、相当にレベルが低い。実技講習が「心臓蘇生法、AEDその他」で「日本赤十字社や消防署等で救急救命講習の受講をされた方は、実技講習は免除」なら、その程度のレベルである。8000-9000円払う内容の試験でもない。その後の、資格更新のためのフォローアップ研修も、低レベルで1万円位をかっぱごうと言った頭なのだろう。
2010年から始めているのに、2級と1級の試験内容を決定できず、実施できない点でも、危機管理協会の水準を推し量る材料になる。2級で「情勢判断講習」、1級で「図上演習研修」とある。スゲーことをやるんだぞという虚仮威しだろうが、そんなのは準備だけで大変で、受検者はやっていられない。だいたい、ビルの一室でやっている組織にできる試験内容ではない。
1級については「国家資格への以降を目指します」とあるが、地方支部もない組織にできることではない。地方組織については、「協会概要」を見ても、「各都道府県支部 ●現在調整中」と書いてある。つまりどこにもなく、目処も立っていないということだ。その程度の零細組織に、国家資格化ができるのだろうか?
結局は、士商法の代表、防災士の二匹目のドジョウを狙ったものだろう。ジュニア防災検定と同じである。しかし、資格商法のビジネスに、○○の匂いにそれなりの人数が事務局に集まったジュニア防災検定でさえ、子供が集まらないで無料受検の体たらくなのに、1/10以下の組織規模で全くメディアに露出しない危機管理協会がうまくいくはずもない。
その協会が、佐藤さんに泣きついてできたのが、最初に示したブログ記事である。佐藤さんも防衛OBの言うことなら、何でも肯定しなければならない。中身が空虚であっても、金儲けしか考えてなさそうな士商法であっても、政治的に支持してくれるとか、アレげな自衛隊OBとのつながりもあるので、無下にはできないし、そこに安全保障とか危機管理という言葉がつくと、アヤしげな士商法でも盲目的に肯定し、片棒を担ぐことも躊躇しない立場なのだろう。
まあ、国防超大事の議員は、国政も地方も問わずそんなものだ。自衛隊出身だと、世間知らずも多いので、この手の商売だけではなく宗教にも弱い。安全保障大事、防衛超大事と言っている連中には甘くなる。
商売ならまだマシだが、宗教はヤバイのもある。母体が神道だろうが仏教だろうがキリスト教だろうが、新興宗教には国難主張系も多い。自衛隊出身議員が、怪しい商売の片棒担ぎに躊躇しないところを見ると、怪しい宗教の連中にも、いずれ侵食されるか、あるいはすでに侵食されているのではないかねえ。
まず、聞いたこともない「危機管理協会」「危機管理主任」という言葉だけで、防災士と同じようにバカにしたくなってしまう。一言で言えば「ペーパーテストだけで危機管理か」といったものだ。通信教育のネイリスト資格とか、通信空手の段位と同じ伝である。
実際「危機管理主任」を見てもマヌケさしか見えない。
危機管理主任4級は、3000-4000円振り込んで、ネットか郵送で受験するそうだ。その段階で試験もないものだが、資格は2年間の期限付きで、更新にはまた3000円かかるとのこと。金儲け以外に何も考えていない中身である。(危機管理主任4級 試験情報)
その上にある、3級・2級・1級も駄目。
3級の段階でも、相当にレベルが低い。実技講習が「心臓蘇生法、AEDその他」で「日本赤十字社や消防署等で救急救命講習の受講をされた方は、実技講習は免除」なら、その程度のレベルである。8000-9000円払う内容の試験でもない。その後の、資格更新のためのフォローアップ研修も、低レベルで1万円位をかっぱごうと言った頭なのだろう。
2010年から始めているのに、2級と1級の試験内容を決定できず、実施できない点でも、危機管理協会の水準を推し量る材料になる。2級で「情勢判断講習」、1級で「図上演習研修」とある。スゲーことをやるんだぞという虚仮威しだろうが、そんなのは準備だけで大変で、受検者はやっていられない。だいたい、ビルの一室でやっている組織にできる試験内容ではない。
1級については「国家資格への以降を目指します」とあるが、地方支部もない組織にできることではない。地方組織については、「協会概要」を見ても、「各都道府県支部 ●現在調整中」と書いてある。つまりどこにもなく、目処も立っていないということだ。その程度の零細組織に、国家資格化ができるのだろうか?
結局は、士商法の代表、防災士の二匹目のドジョウを狙ったものだろう。ジュニア防災検定と同じである。しかし、資格商法のビジネスに、○○の匂いにそれなりの人数が事務局に集まったジュニア防災検定でさえ、子供が集まらないで無料受検の体たらくなのに、1/10以下の組織規模で全くメディアに露出しない危機管理協会がうまくいくはずもない。
その協会が、佐藤さんに泣きついてできたのが、最初に示したブログ記事である。佐藤さんも防衛OBの言うことなら、何でも肯定しなければならない。中身が空虚であっても、金儲けしか考えてなさそうな士商法であっても、政治的に支持してくれるとか、アレげな自衛隊OBとのつながりもあるので、無下にはできないし、そこに安全保障とか危機管理という言葉がつくと、アヤしげな士商法でも盲目的に肯定し、片棒を担ぐことも躊躇しない立場なのだろう。
まあ、国防超大事の議員は、国政も地方も問わずそんなものだ。自衛隊出身だと、世間知らずも多いので、この手の商売だけではなく宗教にも弱い。安全保障大事、防衛超大事と言っている連中には甘くなる。
商売ならまだマシだが、宗教はヤバイのもある。母体が神道だろうが仏教だろうがキリスト教だろうが、新興宗教には国難主張系も多い。自衛隊出身議員が、怪しい商売の片棒担ぎに躊躇しないところを見ると、怪しい宗教の連中にも、いずれ侵食されるか、あるいはすでに侵食されているのではないかねえ。
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毎日新聞「書類送検:海自幹部候補生の暴行暴言受け同期生自殺未遂」※の曹長だが、海曹として粗暴ゆえに幹部候補生にしかなれなかったのだろう。
36歳海曹長が20代候補生を、ということから、海曹から幹部になるB幹、部内幹部候補生での話だろう。
大学出が対象になるA幹、一般幹部候補生のコースは22-28歳で36はいない。最近は減らされたC幹、幹部予定者のコースは40-50の1曹-准尉のオトッツァンで構成されており、候補生にはならない。
B幹は、3曹-2曹の海曹あがりで、入校するときに曹長※※ になる。つまり、この36歳はもともと曹長ではない。そもそも「海自関係者によると、[曹長は]暴力行為などで過去に停職や戒告などの懲戒処分を少なくとも4回受けていたという。」(毎日新聞)ような問題児は昇任させない。
おそらく、昇任ほかに行き詰まって幹部候補生になったのだろう。海自は幹部になりたがる海曹は希少である。幹部になってもいいことはあまりない。給料に合わない仕事だと忌避されている。おそらく、3曹どまりが素行もあって昇任できないので、幹部候補生になったといったところだ。あるいは、そのマークに居られなくなったということもあるかもしれない。B幹は、幹部になる時には、おおむね元マークの幹部になるが、職域変更も可能である。
実際、粗暴で昇任させない海曹は結構いる。人手不足から、誰でも昇任させたバブル3曹で、そこから粗暴や素行不良で昇任できないヤツは何人もいた。
逆に、多少成績が悪くとも、下の面倒を見られて、真面目なら昇任はさせる。頭が悪いことは問題ではない。花壇に水をやれといって、雨の日に雨合羽着てジョウロで水をくれるような実直な奴は、それはそれで信頼できる。部下指導できなくとも、後輩が困っていることを先任海曹に伝えられればそれで構わない。
だが、それすらやらないで3曹のまま40代といった例を何人か見たことがある。その中には、粗暴な海曹も結構いた。
大概は、陸上部隊で誰の迷惑にもならない、どうでもいいところにつける。給料でて遊び放題なのだから、その境遇に満足すればいいのだが、どうも回りから役立たずと思われることに耐えられない。愚連隊やカミナリ族のように強い自分を実現ないことに不満なのだろう。そこで会社的に下位にある、後輩3曹や海士を見つけて暴力を振るう。ニワトリが下位個体を突くようなもの。
でも、下に抜かれる。当たり前の話だ。自分の仕事も全部、後輩3曹にやらせて自分は遊び呆けている。本人は上手くやっているつもりなんだが、そんなもの周りから見れば一目瞭然としている。やらされた後輩3曹が至って真面目なら、直ぐに昇任する。業務を捌いた実績や、捌く能力、その過程で積む経験で、後輩の昇任序列はハネ上がる。
実見した例でもそうだった。出島とかボンドとか呼んでいた倉庫に配置された粗暴3曹がいたが、事務室にいる後輩に仕事を全部ブン投げていた。それくらいならできるだろうという食需伝票や小出庫(補給のコンビニ)管制額どころか、棚卸しやそのリストも後輩3曹がやっている。
逆にそれほど仕事をして、しかも仕事を回せる上、己等他所のセクションの頼みもよく聞く後輩3曹は、周囲の引きもよい。当然、先に昇任するし、周囲も昇任させる。
そうなった時に、粗暴海曹は、とりあえず後輩に一暴力、二暴力と振るう。結局、本人はそれで無限ループする。粗暴海曹の大概はそれだ。
だが、その境遇に耐えかねて、昇任しようとするとなると、幹部候補生になるしかない。
海曹内での昇任試験では、粗暴海曹に全く勝ち目はない。2曹には昇任試験はない。実績と素行で決まるので、昇任の目はない。仮に2曹になれても、粗暴や素行不良は1曹以上の昇任試験を突破できない。1曹以上の昇任試験は、簡単すぎるので差が出ない。試験を頑張っても意味はない。そこでまた粗暴や素行不良でハネられる。
逆転チャンスは幹部候補生しかない。海曹は幹部候補生になりたがらない。不人気試験なので通りやすい。中身は海曹連にとって、それなりに難しいものが、別に点数を取る必要もない。部隊も、幹部候補生に放り出せばまず原隊復帰はないので、厄介払いできるメリットもある。
今回の36歳もそういった類だろう。一番いいのは、粗暴海曹をキチンと飼い殺しなり、パージする仕組みをつくることだ。だが、海自は人不足で飼い殺し部隊なんかは作れない。パージする仕組みも、海曹定年を50以上にあげた結果、身分保障が強すぎてできない。一番いいのは、3曹定年40歳とか、3曹昇任後10年といった定年制度なのだが。※※※
※ 「書類送検:海自幹部候補生の暴行暴言受け同期生自殺未遂」『毎日新聞』(毎日新聞,2014.3.10)http://mainichi.jp/select/news/20140310k0000e040166000c.html
※※ 曹長だが、曹長の階級章は付けない。幹部階級章そっくりの候補生徽章をつけ、服装も幹部に準じ、幹部用をつける。具体的には黒短靴はストレートチップ付、夏は白短靴を履く。階級章(幹部候補生徽章)は袖か肩になるし、制帽も金バンドの幹部用(帽章のみ海曹用)をつける。
※※※ 実際にその手の制度を作っても、成績不良でも心正しい3曹はクビにはしない。周囲はどうにか寸前に昇任させようとする。出来レースで仕事実績を積ませればよい。
36歳海曹長が20代候補生を、ということから、海曹から幹部になるB幹、部内幹部候補生での話だろう。
大学出が対象になるA幹、一般幹部候補生のコースは22-28歳で36はいない。最近は減らされたC幹、幹部予定者のコースは40-50の1曹-准尉のオトッツァンで構成されており、候補生にはならない。
B幹は、3曹-2曹の海曹あがりで、入校するときに曹長※※ になる。つまり、この36歳はもともと曹長ではない。そもそも「海自関係者によると、[曹長は]暴力行為などで過去に停職や戒告などの懲戒処分を少なくとも4回受けていたという。」(毎日新聞)ような問題児は昇任させない。
おそらく、昇任ほかに行き詰まって幹部候補生になったのだろう。海自は幹部になりたがる海曹は希少である。幹部になってもいいことはあまりない。給料に合わない仕事だと忌避されている。おそらく、3曹どまりが素行もあって昇任できないので、幹部候補生になったといったところだ。あるいは、そのマークに居られなくなったということもあるかもしれない。B幹は、幹部になる時には、おおむね元マークの幹部になるが、職域変更も可能である。
実際、粗暴で昇任させない海曹は結構いる。人手不足から、誰でも昇任させたバブル3曹で、そこから粗暴や素行不良で昇任できないヤツは何人もいた。
逆に、多少成績が悪くとも、下の面倒を見られて、真面目なら昇任はさせる。頭が悪いことは問題ではない。花壇に水をやれといって、雨の日に雨合羽着てジョウロで水をくれるような実直な奴は、それはそれで信頼できる。部下指導できなくとも、後輩が困っていることを先任海曹に伝えられればそれで構わない。
だが、それすらやらないで3曹のまま40代といった例を何人か見たことがある。その中には、粗暴な海曹も結構いた。
大概は、陸上部隊で誰の迷惑にもならない、どうでもいいところにつける。給料でて遊び放題なのだから、その境遇に満足すればいいのだが、どうも回りから役立たずと思われることに耐えられない。愚連隊やカミナリ族のように強い自分を実現ないことに不満なのだろう。そこで会社的に下位にある、後輩3曹や海士を見つけて暴力を振るう。ニワトリが下位個体を突くようなもの。
でも、下に抜かれる。当たり前の話だ。自分の仕事も全部、後輩3曹にやらせて自分は遊び呆けている。本人は上手くやっているつもりなんだが、そんなもの周りから見れば一目瞭然としている。やらされた後輩3曹が至って真面目なら、直ぐに昇任する。業務を捌いた実績や、捌く能力、その過程で積む経験で、後輩の昇任序列はハネ上がる。
実見した例でもそうだった。出島とかボンドとか呼んでいた倉庫に配置された粗暴3曹がいたが、事務室にいる後輩に仕事を全部ブン投げていた。それくらいならできるだろうという食需伝票や小出庫(補給のコンビニ)管制額どころか、棚卸しやそのリストも後輩3曹がやっている。
逆にそれほど仕事をして、しかも仕事を回せる上、己等他所のセクションの頼みもよく聞く後輩3曹は、周囲の引きもよい。当然、先に昇任するし、周囲も昇任させる。
そうなった時に、粗暴海曹は、とりあえず後輩に一暴力、二暴力と振るう。結局、本人はそれで無限ループする。粗暴海曹の大概はそれだ。
だが、その境遇に耐えかねて、昇任しようとするとなると、幹部候補生になるしかない。
海曹内での昇任試験では、粗暴海曹に全く勝ち目はない。2曹には昇任試験はない。実績と素行で決まるので、昇任の目はない。仮に2曹になれても、粗暴や素行不良は1曹以上の昇任試験を突破できない。1曹以上の昇任試験は、簡単すぎるので差が出ない。試験を頑張っても意味はない。そこでまた粗暴や素行不良でハネられる。
逆転チャンスは幹部候補生しかない。海曹は幹部候補生になりたがらない。不人気試験なので通りやすい。中身は海曹連にとって、それなりに難しいものが、別に点数を取る必要もない。部隊も、幹部候補生に放り出せばまず原隊復帰はないので、厄介払いできるメリットもある。
今回の36歳もそういった類だろう。一番いいのは、粗暴海曹をキチンと飼い殺しなり、パージする仕組みをつくることだ。だが、海自は人不足で飼い殺し部隊なんかは作れない。パージする仕組みも、海曹定年を50以上にあげた結果、身分保障が強すぎてできない。一番いいのは、3曹定年40歳とか、3曹昇任後10年といった定年制度なのだが。※※※
※ 「書類送検:海自幹部候補生の暴行暴言受け同期生自殺未遂」『毎日新聞』(毎日新聞,2014.3.10)http://mainichi.jp/select/news/20140310k0000e040166000c.html
※※ 曹長だが、曹長の階級章は付けない。幹部階級章そっくりの候補生徽章をつけ、服装も幹部に準じ、幹部用をつける。具体的には黒短靴はストレートチップ付、夏は白短靴を履く。階級章(幹部候補生徽章)は袖か肩になるし、制帽も金バンドの幹部用(帽章のみ海曹用)をつける。
※※※ 実際にその手の制度を作っても、成績不良でも心正しい3曹はクビにはしない。周囲はどうにか寸前に昇任させようとする。出来レースで仕事実績を積ませればよい。
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天然ガス戦略は使えないのではないか。
「ロシアには欧州向け天然ガスの蛇口がある。これをもってロシアは欧州エネルギー事情の生殺与奪を握っており、ウクライナ問題で欧州に強い立場にある」とする主張がある。
だが、果たしてそうだろうか?
ロシアは、天然ガス禁輸を切り札にはできない。中東戦争でアラブは石油禁輸を切り札とした石油戦略を行ったが、ロシアはウクライナごときではそれはできない。
一回、天然ガス戦略を使うと、ロシアの天然ガス離れは一気に進む。欧州はロシア産天然ガスへの依存度を可能な限り減らすことになる。
天然ガスや石油はロシアでしか取れないわけではない。
天然ガスや石油は、他の地域からでも入手できる。中東でも北米でも、中南米やアフリカからも輸入はできる。
欧州にも資源はある。イギリスやノルウェーには北海油田があり、石油と天然ガスがとれる。ドイツには褐炭があるし、スウェーデンにも泥炭はある。
他にも、ドイツが好きな再生可能エネルギーもあるし、あんまり気は進まないだろうが非常用に原発を増やすというオプションもある。
一度でもロシアが天然ガス戦略を使うと、欧州は2回目を警戒してロシア産天然ガス依存をやめることになる。
ロシア産天然ガス離れは、ロシアにも経済的打撃を与える。ロシア経済は一次産品に依存している。ソ連時代も一次産品頼みだったが、ソ連崩壊以降、外貨獲得は鉱工業製品、特に石油と天然ガス頼みである。今のロシア経済も、原油・天然ガスの価格高騰によって支えられている。
そのロシアにとって、ロシア産天然ガス離れは、耐えられるものではない。天然ガス輸出量減少により、ロシア経済は大打撃を受けることになる。
そもそも、天然ガス戦略の段階で、外貨が稼げなくなるロシア経済は打撃を受ける。ウクライナ問題程度では、現実的には実施不能である。
……とまあこんなものじゃないかね。飯食っている時に「ロシアはウクライナ問題ごときで天然ガス戦略は取れないんじゃないか」と思って整理してみたのだけれどもね。
「ロシアには欧州向け天然ガスの蛇口がある。これをもってロシアは欧州エネルギー事情の生殺与奪を握っており、ウクライナ問題で欧州に強い立場にある」とする主張がある。
だが、果たしてそうだろうか?
ロシアは、天然ガス禁輸を切り札にはできない。中東戦争でアラブは石油禁輸を切り札とした石油戦略を行ったが、ロシアはウクライナごときではそれはできない。
一回、天然ガス戦略を使うと、ロシアの天然ガス離れは一気に進む。欧州はロシア産天然ガスへの依存度を可能な限り減らすことになる。
天然ガスや石油はロシアでしか取れないわけではない。
天然ガスや石油は、他の地域からでも入手できる。中東でも北米でも、中南米やアフリカからも輸入はできる。
欧州にも資源はある。イギリスやノルウェーには北海油田があり、石油と天然ガスがとれる。ドイツには褐炭があるし、スウェーデンにも泥炭はある。
他にも、ドイツが好きな再生可能エネルギーもあるし、あんまり気は進まないだろうが非常用に原発を増やすというオプションもある。
一度でもロシアが天然ガス戦略を使うと、欧州は2回目を警戒してロシア産天然ガス依存をやめることになる。
ロシア産天然ガス離れは、ロシアにも経済的打撃を与える。ロシア経済は一次産品に依存している。ソ連時代も一次産品頼みだったが、ソ連崩壊以降、外貨獲得は鉱工業製品、特に石油と天然ガス頼みである。今のロシア経済も、原油・天然ガスの価格高騰によって支えられている。
そのロシアにとって、ロシア産天然ガス離れは、耐えられるものではない。天然ガス輸出量減少により、ロシア経済は大打撃を受けることになる。
そもそも、天然ガス戦略の段階で、外貨が稼げなくなるロシア経済は打撃を受ける。ウクライナ問題程度では、現実的には実施不能である。
……とまあこんなものじゃないかね。飯食っている時に「ロシアはウクライナ問題ごときで天然ガス戦略は取れないんじゃないか」と思って整理してみたのだけれどもね。
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『家族の灯り』を承知の上で見てきたのだが、まあなんともね。『ぴあ映画生活』によると「105歳の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督が、ポルトガルの作家ラウル・ブランダンの戯曲を映画化した人間ドラマ。」なのだが、まずは御年105歳を除けば、見るものはない。
演劇をそのまま映像にしたようなもので、まずは話は平板で、やたら喋って、動きもない。ドラマツルギーにも欠。まずは退屈で、中途にはやはりイビキが聞こえてくる。それでも3週目の岩波ホールで開場前に90人から100人、終わって観客を勘定すると掴みで150人もいたのは驚いた。
不思議なのは、終わったあとのエレベータで好意的に評価しているところ。まずは六十七十の婆様なんだが、無理矢理に良かったといっている。まずは「いい映画」という前提を否定してはいけないので、頑張っているのだろう。
映画評も似たようなもので、頑張ってよかった探しをしている。朝日新聞「映画評 『家族の灯り』」や日経新聞「家族の灯り 聖なる映画、極限の家族劇」がそれだ。日経に至っては「★★★★★ 今年有数の傑作」としているが、到底そうとも思えない。
(ちなみに「ある家族の愛の形」とか、感動風に書いているけど、そんな部分は全くない)
中でも一番驚いたのが、スタッフロールにSFX担当が居たところ。最初の1カットが港の岸壁で、あとは店舗兼住宅兼会計事務所、多分、短く4カット程度その店の外をとったカット以外は全部室内で、俳優が話しているのを撮っているだけ。そこにSFXなんか入る余地もないし、入っているのにも気づかない。旦那が女房を押しのけた時に飛び散った小銭がSFXなのかね。リュミエール兄弟の「製糸工場の女」だかでSFXがあると言われて驚いた感じか。
面白くない映画だと承知で行ったのだが、まあ、おもしろくなかった。別にオリヴェイラさんに含むところはなにもないのだが、前の『コロンブス 永遠の海』も、まずはそんな感じだったので、そんなものだろうなと思ったのだけれども。
まあ、二〇若いワイダだと、『菖蒲』でアレっと思ったあとに『ワレサ』を撮っているので、番狂わせもあると思うけど、106歳だと、撮れるだけ偉いので、中身について責めるのは酷で、良かった探しをしろなのオリヴェイラ監督だ拝め拝めといったあたりか。
それよりも、予告編の『みつばちの大地』に期待が高まった。
なんせ、岩波ホールで堂々とお交尾シーンを見せるというのはなかなかない。もちろん、ミツバチのお交尾。だけども、ドキュメンタリーとして相当に面白そうなので楽しみであるよ。
演劇をそのまま映像にしたようなもので、まずは話は平板で、やたら喋って、動きもない。ドラマツルギーにも欠。まずは退屈で、中途にはやはりイビキが聞こえてくる。それでも3週目の岩波ホールで開場前に90人から100人、終わって観客を勘定すると掴みで150人もいたのは驚いた。
不思議なのは、終わったあとのエレベータで好意的に評価しているところ。まずは六十七十の婆様なんだが、無理矢理に良かったといっている。まずは「いい映画」という前提を否定してはいけないので、頑張っているのだろう。
映画評も似たようなもので、頑張ってよかった探しをしている。朝日新聞「映画評 『家族の灯り』」や日経新聞「家族の灯り 聖なる映画、極限の家族劇」がそれだ。日経に至っては「★★★★★ 今年有数の傑作」としているが、到底そうとも思えない。
(ちなみに「ある家族の愛の形」とか、感動風に書いているけど、そんな部分は全くない)
中でも一番驚いたのが、スタッフロールにSFX担当が居たところ。最初の1カットが港の岸壁で、あとは店舗兼住宅兼会計事務所、多分、短く4カット程度その店の外をとったカット以外は全部室内で、俳優が話しているのを撮っているだけ。そこにSFXなんか入る余地もないし、入っているのにも気づかない。旦那が女房を押しのけた時に飛び散った小銭がSFXなのかね。リュミエール兄弟の「製糸工場の女」だかでSFXがあると言われて驚いた感じか。
面白くない映画だと承知で行ったのだが、まあ、おもしろくなかった。別にオリヴェイラさんに含むところはなにもないのだが、前の『コロンブス 永遠の海』も、まずはそんな感じだったので、そんなものだろうなと思ったのだけれども。
まあ、二〇若いワイダだと、『菖蒲』でアレっと思ったあとに『ワレサ』を撮っているので、番狂わせもあると思うけど、106歳だと、撮れるだけ偉いので、中身について責めるのは酷で、良かった探しをしろなのオリヴェイラ監督だ拝め拝めといったあたりか。
それよりも、予告編の『みつばちの大地』に期待が高まった。
なんせ、岩波ホールで堂々とお交尾シーンを見せるというのはなかなかない。もちろん、ミツバチのお交尾。だけども、ドキュメンタリーとして相当に面白そうなので楽しみであるよ。
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ウクライナが親日であるという発言に「中国に空母を売った」から親日ではないという反論は、ズレている。
いつものとおりJSFさんの発言だが
しかし、ウクライナが親日であるに対し「中国に空母を売った」(JSFさん)からといって、親日ではないという説明にはならない。中国と武器輸出で親しい関係にあるとは言えるかもしれないが、それだけの話だ。
だが、JSFさんはそれを以て「だから親日ではない」と、主張している。中国に武器を売ることを、反日と見做す発想である。JSFさんにとっては、基本的に世界は親日と反日で出来ているとでも思っているのだろう。
しかし、ウクライナに反日という発想があっただろうか? そもそも、ウクライナに対日戦に使う空母を売った認識はない。ウクライナが売ったのは、公式にはあくまでもハルク、あるいは鉄くずである。しかも1998年のことであり、今のような日中の対立が激しくなる前の話だ。中国に空母(の鉄くず)を売ったからといって、それは反日ではないし、少なくとも親日を否定する証拠にはならない。
実際のところ、ウクライナは親日でもなければ反日でもない。日本から見ても好いているわけでも、嫌っているわけでもない。
もちろん、外交関係もあるので、互いに友好はアピールする。会えば互いに親日であり親ウクライナであるとも言うだろう。たが、その程度の関係に過ぎない。
それを、反ロシア感情から、親日と期待を込めて呼ぶのも行き過ぎだが、中国に武器を売った程度で「親日ではない」といきり立つのも、奇妙な話だ。
JSFさんのように、中国に武器を売ったから親日ではないと、各国を反日国扱いしたらキリもない。ロシアを始めとして、フランス、ドイツ、イタリアは中国に武器や関連装備を売っている。今でもアメリカも艦艇用ガスタービンの予備部品を売っているだろう。UH-60の民生用版、S-70も解放軍は使っているので、武器を売ったとも言える。各国に対しても、同じように「親日ではない」といきり立つのだろうか?
そもそも、中国を強くしたという罪科で「親日ではない」というなら、日本はどんなものかね。実際は賠償のようなものだが、日本は中国に相当の援助をしていた。天安門事件の後にも
天皇訪中で最初に中国の国際社会復帰を助けた経緯もある。それで中国が強くなり、JSFさんたちが示唆するように「反日」になった。その伝で言えば、日本は第一級の反日国ではないということになるまいか。
まあ、普通に空母と言っているのはまともなところか。Wikipediaあたりを見ると「重航空巡洋艦」とか「大型対潜艦」みたいな、奇矯な現地名に拘泥する他愛なさはねえ、どうも頂けないものだよ。物事をシンプルに言えないヤツというのは、大概は大した主張もないものだけどね。
いつものとおりJSFさんの発言だが
JSF@横鎮元帥と述べている。
@obiekt_JP「ウクライナは親日国」という右翼さんのツイートを見て吹いた。中国に空母を売ったのはウクライナさんやで・・・
3:48 - 2014年3月8日
https://twitter.com/obiekt_JP/status/442265536118792192
しかし、ウクライナが親日であるに対し「中国に空母を売った」(JSFさん)からといって、親日ではないという説明にはならない。中国と武器輸出で親しい関係にあるとは言えるかもしれないが、それだけの話だ。
だが、JSFさんはそれを以て「だから親日ではない」と、主張している。中国に武器を売ることを、反日と見做す発想である。JSFさんにとっては、基本的に世界は親日と反日で出来ているとでも思っているのだろう。
しかし、ウクライナに反日という発想があっただろうか? そもそも、ウクライナに対日戦に使う空母を売った認識はない。ウクライナが売ったのは、公式にはあくまでもハルク、あるいは鉄くずである。しかも1998年のことであり、今のような日中の対立が激しくなる前の話だ。中国に空母(の鉄くず)を売ったからといって、それは反日ではないし、少なくとも親日を否定する証拠にはならない。
実際のところ、ウクライナは親日でもなければ反日でもない。日本から見ても好いているわけでも、嫌っているわけでもない。
もちろん、外交関係もあるので、互いに友好はアピールする。会えば互いに親日であり親ウクライナであるとも言うだろう。たが、その程度の関係に過ぎない。
それを、反ロシア感情から、親日と期待を込めて呼ぶのも行き過ぎだが、中国に武器を売った程度で「親日ではない」といきり立つのも、奇妙な話だ。
JSFさんのように、中国に武器を売ったから親日ではないと、各国を反日国扱いしたらキリもない。ロシアを始めとして、フランス、ドイツ、イタリアは中国に武器や関連装備を売っている。今でもアメリカも艦艇用ガスタービンの予備部品を売っているだろう。UH-60の民生用版、S-70も解放軍は使っているので、武器を売ったとも言える。各国に対しても、同じように「親日ではない」といきり立つのだろうか?
そもそも、中国を強くしたという罪科で「親日ではない」というなら、日本はどんなものかね。実際は賠償のようなものだが、日本は中国に相当の援助をしていた。天安門事件の後にも
天皇訪中で最初に中国の国際社会復帰を助けた経緯もある。それで中国が強くなり、JSFさんたちが示唆するように「反日」になった。その伝で言えば、日本は第一級の反日国ではないということになるまいか。
まあ、普通に空母と言っているのはまともなところか。Wikipediaあたりを見ると「重航空巡洋艦」とか「大型対潜艦」みたいな、奇矯な現地名に拘泥する他愛なさはねえ、どうも頂けないものだよ。物事をシンプルに言えないヤツというのは、大概は大した主張もないものだけどね。
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最初に不審船が来たのは、八戸で機力除雪隊の直長をやっていた。除雪隊も2年目の終わりで、3直制の1直長だったが、実態は3直全部の面倒を見る感じだった。
前日の午後、2空だか4空だかの副長に「理由は言えないが、明日は念入りに除雪してくれ」と言われたよ。何のことかわからないが、しかも「所属の八戸航空基地隊司令にも、司令からよく言っとくから」とのこと。
管制隊からなら「規則通りにしかやらね」「(除雪開始条件になっている)雪の厚さはオレが計測する」なんだが、飛行隊の副長から、何気なリクエストなら無視はできない。「明日はスペシャルでやっときます」と返答した。
もちろん、何かあるんだろうなとは思いながら、聞いても教えてくれるわけでもなし、そもそも知る必要もない話なのは分かりきっている。待機所にいる直の先任に、明日の朝は念入りにやるよとだけ言って伝えといた。
しばらくすると厚生隊の給養班長が来る。向こうは定年間近の幹部予定者出身で、同じく予定者の営繕班長や先任海曹とはツーカーで遊びに来るのだが、己に用があることはほとんど無い。もちろん、同じ基地隊で、色々関係※ もあるが、何かあるとお互い様ではある。でも、己に用事なんて今までなかったことだった。
で、開口一番に「なにか変わったことがなかったか」と言われた。給食の食数が一気に跳ね上がったとのこと。こっちも「明日は、依頼でスペシャル対応になりました」というと、航空加給食のアイスだかプリンの類をくれた。
翌日の海警行動の準備だったわけだ。少なくとも何かあるとは思ったので、除雪隊の直先任のところに行って「なんかあるから、直交代まで本気でやってください。人数が足りないとか、事故とかなしでね」※※ と言っといた。直先任も「そうしましょうか」といって、メシや風呂も早めにさせますかと納得していた。多分、どっかから聞いたのだろう。
その晩に雪掻きしたかどうかは覚えていない。多分、掻くほどの雪は降らなかったのではないかと思う。ただ、翌朝の融氷剤はスペシャルで撒いた。水で2-3倍希釈なんだが、管制隊が始終撒けと煩いので、普段はもっと希釈していた。それを原液でしっかり散布した。
そして翌日、ニュースで工作船云々をやっているのを見て、ようやく何をやっていたかが分かった。今調べると、海警行動が出たのはさらにその日の深夜となっている。だが、日中にP-3Cに対潜爆弾§ 積んで出て行った記憶がある。整備隊が帽振れしていた覚えがある。昼間に「八戸の捕虜収容所を作る」みたいな話を海幕(だったか)にされた記憶や、防空警衛隊主導で陸八戸に己達も泥縄で射撃訓練(これは中止)とかいった話もあった。このあたり、正直言って、今思い出しても混乱している。
あと覚えているのは、後の東奥日報だが陸奥新報だかの新聞に、新潟で15日(記憶による、事件のまとめを見ると多分18日だろう)だかから、県警が警備していたのを解除したような記事があった。「警察-公安系は先に情報を掴んでいたのね」と思ったよ。
※ 実際に、除雪隊とは一種共生関係にあった。給養班駐車場や荷降ろし場所の除雪を好意で除雪隊がやっている関係で、除雪員にタダ飯をくれたりする。毛ガニやウニが給食ででる時には、己も「食ってけ」と言われたりしていた。どちらも食数あまりの残飯喫食という名目だが、もちろんサラの飯が出てくる。
※※ 今から思えば、命令口調って使ったことはなかった。儀仗隊の指揮官や当直士官での号令以外は、大抵は「~してください」「~お願いしますね」だし、○○海曹じゃなくて○○さんと呼んでいた。「そんなことやっても無駄っすよ」と文句言われても「そこはそうだけど、まあ命令だということで」と命令していた。緊急事態じゃないとそんなものだよ。
§ 最初の海警行動の時、武整隊の曹士が対潜爆弾に落書きしていたところを、普段は温厚で「何でもやれ」の先任幹部がやめさせたという話を、3術校で後に聞いた。なにかの拍子で不発弾として北朝鮮に回収された時に、面白半分で戦争していると宣伝に使われたらどうするかという話だったそうだ。
そういえば、対潜爆弾のケース(というか、保管用の枠)も、整備部隊ではスツールやテレビ台によく転用されていた。
前日の午後、2空だか4空だかの副長に「理由は言えないが、明日は念入りに除雪してくれ」と言われたよ。何のことかわからないが、しかも「所属の八戸航空基地隊司令にも、司令からよく言っとくから」とのこと。
管制隊からなら「規則通りにしかやらね」「(除雪開始条件になっている)雪の厚さはオレが計測する」なんだが、飛行隊の副長から、何気なリクエストなら無視はできない。「明日はスペシャルでやっときます」と返答した。
もちろん、何かあるんだろうなとは思いながら、聞いても教えてくれるわけでもなし、そもそも知る必要もない話なのは分かりきっている。待機所にいる直の先任に、明日の朝は念入りにやるよとだけ言って伝えといた。
しばらくすると厚生隊の給養班長が来る。向こうは定年間近の幹部予定者出身で、同じく予定者の営繕班長や先任海曹とはツーカーで遊びに来るのだが、己に用があることはほとんど無い。もちろん、同じ基地隊で、色々関係※ もあるが、何かあるとお互い様ではある。でも、己に用事なんて今までなかったことだった。
で、開口一番に「なにか変わったことがなかったか」と言われた。給食の食数が一気に跳ね上がったとのこと。こっちも「明日は、依頼でスペシャル対応になりました」というと、航空加給食のアイスだかプリンの類をくれた。
翌日の海警行動の準備だったわけだ。少なくとも何かあるとは思ったので、除雪隊の直先任のところに行って「なんかあるから、直交代まで本気でやってください。人数が足りないとか、事故とかなしでね」※※ と言っといた。直先任も「そうしましょうか」といって、メシや風呂も早めにさせますかと納得していた。多分、どっかから聞いたのだろう。
その晩に雪掻きしたかどうかは覚えていない。多分、掻くほどの雪は降らなかったのではないかと思う。ただ、翌朝の融氷剤はスペシャルで撒いた。水で2-3倍希釈なんだが、管制隊が始終撒けと煩いので、普段はもっと希釈していた。それを原液でしっかり散布した。
そして翌日、ニュースで工作船云々をやっているのを見て、ようやく何をやっていたかが分かった。今調べると、海警行動が出たのはさらにその日の深夜となっている。だが、日中にP-3Cに対潜爆弾§ 積んで出て行った記憶がある。整備隊が帽振れしていた覚えがある。昼間に「八戸の捕虜収容所を作る」みたいな話を海幕(だったか)にされた記憶や、防空警衛隊主導で陸八戸に己達も泥縄で射撃訓練(これは中止)とかいった話もあった。このあたり、正直言って、今思い出しても混乱している。
あと覚えているのは、後の東奥日報だが陸奥新報だかの新聞に、新潟で15日(記憶による、事件のまとめを見ると多分18日だろう)だかから、県警が警備していたのを解除したような記事があった。「警察-公安系は先に情報を掴んでいたのね」と思ったよ。
※ 実際に、除雪隊とは一種共生関係にあった。給養班駐車場や荷降ろし場所の除雪を好意で除雪隊がやっている関係で、除雪員にタダ飯をくれたりする。毛ガニやウニが給食ででる時には、己も「食ってけ」と言われたりしていた。どちらも食数あまりの残飯喫食という名目だが、もちろんサラの飯が出てくる。
※※ 今から思えば、命令口調って使ったことはなかった。儀仗隊の指揮官や当直士官での号令以外は、大抵は「~してください」「~お願いしますね」だし、○○海曹じゃなくて○○さんと呼んでいた。「そんなことやっても無駄っすよ」と文句言われても「そこはそうだけど、まあ命令だということで」と命令していた。緊急事態じゃないとそんなものだよ。
§ 最初の海警行動の時、武整隊の曹士が対潜爆弾に落書きしていたところを、普段は温厚で「何でもやれ」の先任幹部がやめさせたという話を、3術校で後に聞いた。なにかの拍子で不発弾として北朝鮮に回収された時に、面白半分で戦争していると宣伝に使われたらどうするかという話だったそうだ。
そういえば、対潜爆弾のケース(というか、保管用の枠)も、整備部隊ではスツールやテレビ台によく転用されていた。
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特殊警備隊もモウ終わりだろうという話が出た。飲んでいての話なのだが、今後に使い道があるか考えてみろと言われれば、たしかにない。中のモチベーションも相当に下がっているんじゃないかという話だ。
海自特殊警備隊は、最初に北朝鮮不審船が来たあとに作られた。だからもう15年近く経つが、実戦投入をするような話はない。
二回目に不審船が来た時にも、結局は使わなかった。計画当時に運用として考えられた不審船への乗り込みも、今後にはまずない。二回目に不審船が来てから、10年ほど不審船が来ていないことからすれば、海保・海自警戒網に通用しないと判断して、不審船運用をやめたのだろう。そうなれば、特殊警備隊は当初の使い道はない。
特殊警備隊に所属する連中も、相当にモチベーションが下がっているのではないかという話だ。特殊警備隊の隊員は、各部隊から集められる。終わった奴も各部隊に戻るわけで、断片的な話は出てくる。そこでの話を聞くと、どうもということらしい。
もともと、特殊警備隊は意識の高い隊員が行く部隊だった。同期の江田島同分隊で、小隊長(1尉クラスがやる)2人出たが、どちらも防大出で国防意識は高い隊員である。己のような意識の低い系とは明らかに異なる。しかも、○○や??にエリミネートされたので、それを払拭するためか、まあクソ真面目だった。
しかし、意識が高いだけに、使い道がないという現実との落差に直面すると、相当に悩むのだろう。結構、待機とかさせられても、実動がないとなると、まあ疲れるだけだ。内面は相当に荒廃しているのではないかという話だった。
実運用がないのに、好待遇も続けられるのかという問題もある。特殊警備隊の海曹は何でも好待遇だった。給与は潜水艦並みの、本給5割相当の手当がつく。ボーナスの成績評価(分隊間の勤務評定資料で過去の成績率は出てくる)は、たしか常にSだった。だが、潜水艦や航空機のように実働実績もないのに、過剰な高待遇も続けられるかは怪しい。危険があるから好待遇にしても、大事故は一件だけで、しかもイジメで殺したものだ。
特殊警備隊も、減らす時期ではないのかね。今後にも大した使い道もない。潜水艦からゴムボート2隻に載せて、潜望鏡で引っ張って上陸させるアレ位しかないんじゃないのかという話になったよ。
※ そいや、あの訓練施設なんだが、予算計画書だと建物の外形だけで、中身は真っ白だった。とはいえ、計画作った人に言わせれば大したものではないということ。その人は特警で潤った人で、回りからは「必要もないのにイギリスの施設研修にタダ旅行できて羨ましい」と言われていたよ。奥さんは外国の方だけど、それでも別に構わない程度の秘密なんだろう。所詮は訓練施設だし。
あの施設も回りの草刈りが全然で、それを安全保障商売の連中の有料セミナーでネタにされて……という、海自の陸上警備担当の話もあった。まあ、秘密保持は熱心なのはいいけど、その割に警備上は問題かねとは言えなくもない。ただ、あんなところ襲っても何の価値もないし、拘束云々にしても短時間で返り討ちがイイトコだと思うけど。
海自特殊警備隊は、最初に北朝鮮不審船が来たあとに作られた。だからもう15年近く経つが、実戦投入をするような話はない。
二回目に不審船が来た時にも、結局は使わなかった。計画当時に運用として考えられた不審船への乗り込みも、今後にはまずない。二回目に不審船が来てから、10年ほど不審船が来ていないことからすれば、海保・海自警戒網に通用しないと判断して、不審船運用をやめたのだろう。そうなれば、特殊警備隊は当初の使い道はない。
特殊警備隊に所属する連中も、相当にモチベーションが下がっているのではないかという話だ。特殊警備隊の隊員は、各部隊から集められる。終わった奴も各部隊に戻るわけで、断片的な話は出てくる。そこでの話を聞くと、どうもということらしい。
もともと、特殊警備隊は意識の高い隊員が行く部隊だった。同期の江田島同分隊で、小隊長(1尉クラスがやる)2人出たが、どちらも防大出で国防意識は高い隊員である。己のような意識の低い系とは明らかに異なる。しかも、○○や??にエリミネートされたので、それを払拭するためか、まあクソ真面目だった。
しかし、意識が高いだけに、使い道がないという現実との落差に直面すると、相当に悩むのだろう。結構、待機とかさせられても、実動がないとなると、まあ疲れるだけだ。内面は相当に荒廃しているのではないかという話だった。
実運用がないのに、好待遇も続けられるのかという問題もある。特殊警備隊の海曹は何でも好待遇だった。給与は潜水艦並みの、本給5割相当の手当がつく。ボーナスの成績評価(分隊間の勤務評定資料で過去の成績率は出てくる)は、たしか常にSだった。だが、潜水艦や航空機のように実働実績もないのに、過剰な高待遇も続けられるかは怪しい。危険があるから好待遇にしても、大事故は一件だけで、しかもイジメで殺したものだ。
特殊警備隊も、減らす時期ではないのかね。今後にも大した使い道もない。潜水艦からゴムボート2隻に載せて、潜望鏡で引っ張って上陸させるアレ位しかないんじゃないのかという話になったよ。
※ そいや、あの訓練施設なんだが、予算計画書だと建物の外形だけで、中身は真っ白だった。とはいえ、計画作った人に言わせれば大したものではないということ。その人は特警で潤った人で、回りからは「必要もないのにイギリスの施設研修にタダ旅行できて羨ましい」と言われていたよ。奥さんは外国の方だけど、それでも別に構わない程度の秘密なんだろう。所詮は訓練施設だし。
あの施設も回りの草刈りが全然で、それを安全保障商売の連中の有料セミナーでネタにされて……という、海自の陸上警備担当の話もあった。まあ、秘密保持は熱心なのはいいけど、その割に警備上は問題かねとは言えなくもない。ただ、あんなところ襲っても何の価値もないし、拘束云々にしても短時間で返り討ちがイイトコだと思うけど。