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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.03
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Category : 未分類
 『家族の灯り』を承知の上で見てきたのだが、まあなんともね。『ぴあ映画生活』によると「105歳の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督が、ポルトガルの作家ラウル・ブランダンの戯曲を映画化した人間ドラマ。」なのだが、まずは御年105歳を除けば、見るものはない。

 演劇をそのまま映像にしたようなもので、まずは話は平板で、やたら喋って、動きもない。ドラマツルギーにも欠。まずは退屈で、中途にはやはりイビキが聞こえてくる。それでも3週目の岩波ホールで開場前に90人から100人、終わって観客を勘定すると掴みで150人もいたのは驚いた。

 不思議なのは、終わったあとのエレベータで好意的に評価しているところ。まずは六十七十の婆様なんだが、無理矢理に良かったといっている。まずは「いい映画」という前提を否定してはいけないので、頑張っているのだろう。

 映画評も似たようなもので、頑張ってよかった探しをしている。朝日新聞「映画評 『家族の灯り』」や日経新聞「家族の灯り 聖なる映画、極限の家族劇」がそれだ。日経に至っては「★★★★★ 今年有数の傑作」としているが、到底そうとも思えない。


(ちなみに「ある家族の愛の形」とか、感動風に書いているけど、そんな部分は全くない)

 中でも一番驚いたのが、スタッフロールにSFX担当が居たところ。最初の1カットが港の岸壁で、あとは店舗兼住宅兼会計事務所、多分、短く4カット程度その店の外をとったカット以外は全部室内で、俳優が話しているのを撮っているだけ。そこにSFXなんか入る余地もないし、入っているのにも気づかない。旦那が女房を押しのけた時に飛び散った小銭がSFXなのかね。リュミエール兄弟の「製糸工場の女」だかでSFXがあると言われて驚いた感じか。

 面白くない映画だと承知で行ったのだが、まあ、おもしろくなかった。別にオリヴェイラさんに含むところはなにもないのだが、前の『コロンブス 永遠の海』も、まずはそんな感じだったので、そんなものだろうなと思ったのだけれども。

 まあ、二〇若いワイダだと、『菖蒲』でアレっと思ったあとに『ワレサ』を撮っているので、番狂わせもあると思うけど、106歳だと、撮れるだけ偉いので、中身について責めるのは酷で、良かった探しをしろなのオリヴェイラ監督だ拝め拝めといったあたりか。

 それよりも、予告編の『みつばちの大地』に期待が高まった。

なんせ、岩波ホールで堂々とお交尾シーンを見せるというのはなかなかない。もちろん、ミツバチのお交尾。だけども、ドキュメンタリーとして相当に面白そうなので楽しみであるよ。
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