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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.04
30
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12:00
Category : 未分類
 7年前の日記を見ていて見つけたのだがね。

 「昭和30年代に定められた部課のアルファベット標記と略称見直し」というものがあり、NHK方式でリジェクトを食らったことがある。当時、3術校教育技術科で、インストラクター・トレーニング・コースでITCだった。だが、略称だけだと何のことかわからない。

 だから、科の改正案としてKGKとして出してやったことがある。何書いて出してもいいということで、半分嫌がらせでのローマ字起源の頭文字として出したのだけれどもね。まあ、本部の偉い人が「真面目にやれ」「そんな略し方はどこにもない」と怒った。

 そのオトッツァン(定年前の2佐)は大嫌いだったので「NHKもそうですし、KEK(高エネルギー研究所、しかもEnerugiね)もそうですよ」と口答えしてみると、顔を真赤にする。面白いので「日本海軍もIJNではなくて、KMやLWみたいにKai-Gunとする例もありますね」とか言ってみた。

 その時は、副校長だかの「別にそれに変えると決めるわけじゃないから。いいんじゃないの」で終わり。もともと本気で変えようとする話でもない。その後にも、そのとおりになる訳もなく、ITCのままだった。

 そう言えば、それとは別のオトッツァンに、名前のネームプレート※ で怒られたこともあった。大概は漢字かローマ字なのだが、面白く無いのでひらがなとカタカナの交ぜ書きにした。「もンたに」みたいな感じ。「いやあ、防衛対象国のスパイにわからないようにね」とうそぶいていた。漢字の国だから「歩兵四六三連隊本部」と書くとまるわかりだけど、「ほヨンろクさんほンぶ」※ とかくと、パッと見分からないというアレ。だが、総務課長に「例規上の穴で禁止できないけど、頼むからやめてくれ」と言われたよ。

 まあ、防衛記念章も、勤続十年の赤灯だけをわざと一ツしかつけてなかったし、スコードロンも嫌いなので略帽被っていた。夏の白略帽は格別で、まあどの基地に行っても己しか被っていない。

 記念章は「着用することができる」だし、そもそも、賞詞を貰っても、記念章は一切請求していないので付けようがない。帽子に関しては、略帽がむしろ正規なので、何かの行事で統制取る場合でもなければ、スコードロンを被れとはいえない。

 なんつーか、軍隊機構にバカバカしさを感じたり、職業軍人への反抗心とかあった。仕事がキツイこともあって、そこら辺は好きにやらせてもらっていた。当時は、普段も10時すぎまで残業、3ヶ月に1週間は1時2時まで残業で、それでいて朝は7時半には登庁しないといけないという状態だった。

 今なら、相当量の仕事をスッポかすのだけど、当時は統計みたいなどうでもいいやつだけを除いて、あまりスッポかしはしなかった。そうすれば、体も壊れるもので、仕事がキツくなると喘息が出てきたり、口内炎ができた。アレはストレス反応だったのだろう。


※ 後に、中国人留学生に、漢字を使わず、ひらがなとカタカナ交ぜ書きで書くと、日本の古文書読める専任講師レベルの中国人でもヤッパリ大混乱した。

※※ アレも正規に作らせると高いものなので、転出者のプレートに、厚めの紙にプリンターで白黒反転させたものを製本ボンドで貼って作った。カラーレーザの溶融トナーで作ると艶が出るので、公式行事でもバレない。ちなみにこの時には、紙色が透けないように、紙の裏側からマジックとピグマで、文字部分を除いて黒く塗りつぶすのがコツ。
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2014.04
30
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11:59
Category : 未分類
 上の記事を書いていて思い出したのだが。

 場所は秘するが、防衛本省には謎の出入口がある。ネルフの入口みたいなところで、できたのもエヴァンゲリオンの5年位後の時期。そこの番太郎を管理する仕事をしていた時に、個人の出入もチェックできる立場にあった。

 運用支援課かどっかの同期のヤツを見ると、月曜朝に入って、金曜日まで深夜に毎晩仮眠所で寝ている。遡ると毎週そう。それじゃ体に良い訳もない。ご本尊に体持つかねというと、持たないねえといっていた。頭にも十円ハゲが出来たとかいっていた。

 だが、幕間には相当に差がある。海と空はそんなメチャクチャな勤務だが、そうでない幕はだいたい10時前に上がっている。もちろん、良いことであるし、本来はそれでも遅いほうだ。

 しかし、その程度の段階で、別の場所で激務云々を行っているのを読んで、何を言ってやがるとも思ったよ。海だと「幕勤務」と聞くと「勘弁してくれ」と嫌な顔をするが、彼らからすれば出世のステップだし、作業員も取れる環境で、自分を飾るように激務というと鼻白んだものだよ。 
2014.04
29
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12:00
Category : 未分類
 最初の上海事変で日本軍の前に立ちふさがったのが十九路軍。ヘルメットではなく、竹の笠に墨で「十九路軍」と書いてある程度の、地方軍隊に近い組織なのだが、それでも第一次上海事変で日本軍と四つに組み合い、崩れることはなかった。

 その装備も相当に貧弱。十九路軍は60師、61師、78師で編制されるが、1ヶ師には機関銃20-24、砲は6-10門、迫撃砲は10-20門しか保有していない。

 完全装備状態となっても、軽機が1連(中隊)に3丁、重機が1営(大隊)に1門、軽迫が1団(連隊)に4門、砲は1師に砲兵1営4門、山砲1営4門しかない。通信手段は営以上に有線、無線は旅と師の間にしかない。

 しかし、十九路軍はナショナリズムを武器に日本軍と戦った。なんだかんだ言って日本軍を2ヶ月以上拘束し、久留米の旅団長を戦死させている。また、中国人民も、日本軍に対して積極的なサボタージュをしている。日本軍にトラック運転手として徴発された胡阿毛は、愛国行動として弾薬トラックごと呉淞江に沈んでいる。

 丘国珍『十九路軍興亡史』には、そのあたりも細かく書いてあるとのことである。伝聞なのは、1969年『アジア経済』での書評欄で読んだものなので、現物には当たっていないため。

 なんにせよ、ナショナリズム高揚期の中国をまともに戦争をにしたのが、日本最大の失敗だったと言えるだろう。特にナショナリズムが高揚していた長江デルタでは、民衆も挙って抗日に参加している。二回目の上海事変でも、日本は華北のようにはいかず大苦戦した。負け戦以降でも、八百壮士のように抗戦する民国軍には民衆は惜しみない支援をしている。

 そのようなナショナリズム高揚についても、「支那は支那なり」と甘く見て、戦争を吹っかけて、最終的に無条件降伏に至ったのが戦前日本なのだろう。

 まあ、米海兵隊あたりが大陸にチョッカイ掛けると、同じことになるんじゃないのかね。海兵隊はいつものごとく存在意義がアレになりかけているけど、その辺りを払拭するために中国と喧嘩したがるかもしれないが、大陸に入ると大火傷するんじゃないかと思っているよ。
2014.04
28
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12:00
Category : 未分類
 一時期、缶詰工場があった云々ともいうが、無住で誰も住んでないような島を固有の領土と言っても、欧州からすれば「そんな島しらない」という話だ。

 英国は、尖閣諸島は、日中どっちのものとの言えないと判断しているという。毎日新聞「尖閣:英国71年『日中いずれも領有権の歴史的証拠ない』」によれば、「日本、中国のいずれにも領有権を証明する歴史的証拠はないと判断、どちらも支持しない立場」であるという。

 そもそも、尖閣が問題になったのは、70年代の海洋新秩序が原因である。島に領海とは別のEEZを認める状況となったため、各国とも島を囲い込もうとした。それ以前は、どうでもいい話であった。

 もちろん、国民国家の成立からこの方、領土は神聖であり、他国に取られることは耐えられないものである。だから、その国の教育行政は、国内でも教科書等で「尖閣は固有の領土」と宣伝しなければならない。同じように対外宣伝部署も、「尖閣は固有の領土」と世界中でも宣伝するのだろう。

 だが、対外宣伝しても効果はほとんど見込めない。「尖閣は日本のものである」あるいは「釣魚は中国のものである」と世界に宣伝に努めても、実際には何の効果もない。

 直接関係もない国からすれば、あんな島は興味もなくどっちのものでも構わない。日中共に、フォークランドが英領だろうがアルゼンチンのものだろうが知ったことではないことと変わらない。英国人からすれば、尖閣諸島がどこの国の島でも同じ話である。

 しかし、世論というものもある。対外宣伝で「尖閣は日本の島である」と言わないと国民は怒る。だから、外務省やら総務省も、「そんなことを言っても効果がない」と承知しつつ「尖閣は日本の島である」と宣伝しているのだろう。まずやる気のないWEB頁には、やる気が無いだけの理由があるということもわかる。

 やって無駄なことと承知しているが、やって無駄なこともしなければならない。効果が無いとは知りながら、効果があるという建前を取らなければならないのも世間だろう。「尖閣が日本のものだ」とする対外宣伝も、ある意味で、事故から一週間立った後の生存者捜索に似たようなものだ。

 それを言えば、日中とも、国民は自分のものと思っているので、国内で宣伝しても詮ないし、外国に宣伝しても興味ないから、金の無駄遣いであることだよ。





※   「尖閣:英国71年『日中いずれも領有権の歴史的証拠ない』」『毎日新聞』(毎日新聞,2014.4.27)http://mainichi.jp/select/news/20140428k0000m030082000c.html

※※  教科書に「固有の領土」って書くのはいいけど、「固有の領土」ってなんだろうね。本当に「固有の領土」というなら、誰が見ても日本の一部で、編入手続きなんかもないほどの古来からの領土ということなのだろうが、アレ、日清戦争に勝った後で編入しているしね。

※※※ まあ、何にしてもどうでもいい、取るに足りない島だけど、あの島がなくなると政権は確実に倒れるし、政府の権威も危うくなるから、日中共に必死になるということだね。
2014.04
27
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13:42
Category : 未分類
 読売新聞「離島占拠に『対抗措置』、自衛隊法改正へ」なのだが。コレ、相手が外国の武装した集団なら防衛出動で、非武装の民間有志なら治安出動でいいのではないか。

 目的については、おそらくは自衛権と警察権の中間で、警職法以上の武器使用を使いたい頭なのだろう。「機動的対処」は、その辺りを指すようにも読める。※※
政府は、正規の軍隊ではない武装集団などによる離島占拠といった安全保障の「グレーゾーン事態」に機動的に対処できるようにするため、自衛隊法に、自衛権と警察権の中間にあたる「対抗措置」という自衛隊の出動規定を新設する方針を固めた。
だが、相手が集団で、自動火器で武装していれば、政治的にも防衛出動で無制限の火力を使っても問題はない。逆にその武装が刀槍程度なら、無制限に火力を使うと不味くはないか。

 そこに「対抗措置」として、相手が刀槍程度でも無遠慮に銃砲を使えるようにするというのも、行き過ぎに見える。内局あたりの、法で許容させておいて、あとは自分たちが好きにできるROEに落とし込みたいという頭ではないのか。そう勘ぐるのだが、この類の微妙な事態には、政治がコントロールしたほうがいい。

 そもそも、多少の事はあっても、主は警察組織にやらせたほうがいいのではないか。この手の物事は、軍隊が出ると揉める。多少の手間はかかっても、入国管理なり税関なり警察なりでやらせた方が角は立たない。もちろん、後ろに自衛隊を置いても良いし、警察組織に自動火器を持たせても良い。

 実際に、コーストガードや海上保安庁は、軍隊ではありません、軍艦でもありませんという形にして角を立たなくしている。そうすれば、これは国家による戦争行為ではなく、あくまでも事務的な行政作用ですよと言い抜けることもできる。



 そいや、治安出動の要件にある都道府県知事の要請の部分だが、コレ、戦前の地方長官の出兵要請権の引き写しだねえと。

※   「離島占拠に『対抗措置』、自衛隊法改正へ」(読売新聞,2014.4.27)http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140426-OYT1T50180.html

※※  措置という言葉から、首相が単独で出せる命令といったニュアンスを作ろうとしているようにも見える。弾道ミサイル対処の、破壊措置命令は閣議を要しないからだ。しかし、海警行動が閣議決定を要する点からすれば、対抗措置も閣議決定としなければ平仄は合わない。少なくとも法制局はそう言うだろう。
   まあ、ブラック企業のボンボン社長が「労働契約はオレが解釈する、顧問弁護士は言うこと聞くやつ呼べ」といっているような状況だから、「あの馬鹿が『オレ解釈で充分』といってる今がチャンスだろ」なのかもしれないけどね
2014.04
26
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12:14
Category : 未分類
 機動戦闘車も、作った奴が満足する装備になるのだろう。

 まず、性能が過剰で、使わない機能の分、エラく高くつく。性能要求では、歩兵への直協火力提供と敵装甲車を撃破できる程度に過ぎない。まずは人力操作、目視照準の機関砲、あるいは小口径砲で済むところを、対戦車車両にしている。無駄に105mm砲を積み、過剰なFCSを積みめば高くつく。

 無駄に重くしたので、運ぶのに苦労をする。26tもあるので、揚陸戦でも主力輸送ヘリであるCH-47でも吊れないし、空輸でも輸送機の主力であるC-130には積めない。C-2で空輸可能と称しているが、C-2なんていつ使い物になるのか、何機買うのかわかったものでもない。

 そこまで高く、重くしても、戦力的には、74式戦車と大差はない。砲は同じで、装甲はやや劣る程度。機動性については、路上で長距離移動できるかもしれないが、車輪なので多少劣る。

 それをわざわざ5億円以上掛けて買う必要があるのだろうか。

 どうせ使わない、念のため装備なら今ある74式で充分である。エンジンと足回りの調子が悪いなら、そこだけ改修して大事に使えば良い。1億もあればできる話だ。別に戦車戦をするわけではない。歩兵の直協と装甲車イジメなら、FCSなんか直視照準器でよい。戦略機動性なら、そこらへんの普通科施設科の駐屯地に2-4両づつバラまいておけばよい。

 あるいは、上陸戦や海外派兵に使うなら、もっと軽くて簡易で安価な車両にすればよい。車輪式のサラディンやAML90ならCH-47でも吊れる。60年代に作れた車両なら、10年代にはもっと軽く強力に作れるだろう。ストライカーの大砲積んだやつなら、C-130にも積める。どうせ米軍でも装備は余る。それを買えば開発費はかからない。とにかく安価にしたいなら、現用の96式装甲車に旧軍の41式山砲でもパックハウザーでも積めばよい。直接支援ならそれで問題はない。対装甲車なら、砲身の上にジャベリンでもくっつくようにしとけばいいだろう。

 なにもわざわざ機動戦闘車を買う必要もない。機動戦闘車は使う側の要求性能に合わせたものではなく、開発側と製造側の都合に合わせたものである。
2014.04
25
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12:00
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 チョット前に戦略研究でメシ食ってる同期と飲んだ時の話なんだけどね。

 まず、台湾は中立化するだろうという話になった。

 台湾と中国は、すでに敵対関係ではない。台湾が親米反中である時代は相当前に終わっている。中国も、台湾や、その政治システムを中国の敵とは見做していない。

 台湾は中国と対峙する必要はない。実際、台湾は中国の経済圏に相当リンクしている。いまさら中国との対峙をすると、経済的には相当の不景気を起こすことになる。もちろん、台湾は相当の防衛努力はしているものの、経済的繁栄を捨ててまで新中国と本気で対立する気はない。

 中国も、無理に台湾を回収する必要を感じていない。台湾が一つの中国の枠内にありつづけるのならば、今のままで良い。台湾省を、中国人である台湾人が政治をしているだけなら、それは香港と変わらない。中国も大国として相当に自信をつけている。台湾が多少のことをやっても鷹揚に許せるようになっている。台湾が外国軍を引き釣り込んで、あるいは外国と結んで独立を言い出しでもしなければ、実力回収はやらない。

 日米も、台湾が安全保障で中国の味方をしなければ、それで御の字だと思っている。

 確かに台湾が中国と対峙してくれるのは、これまで利益であった。中国を牽制する要素であり、中国も台湾問題があるので日米に下手に出てくる部分はあった。

 だが、強くなった中国に対し、今となっては台湾に中国と軍事対立してくれとも言えない。そもそも台湾にその気もないが、仮にそうするにしても、それならそれなりの経済・軍事的な援助をしてくれという話という話になる。しかし、日米にはそこまで台湾に援助する金もない。台湾にとって、いま中国から得ている以上の経済的利益は与えられないし、台湾が満足するほどの、中国を圧倒するほどの軍事援助や軍事的プレゼンスも提供できない。

 つまり、日米中とも、台湾が中立であれば文句はない状態になっている。中国は日米の手先にならなければ、台湾を責めることもない。日米も、台湾が中国の手先にならなければ、同じように台湾を責めない。具体的には、台湾が中国、あるいは日米に基地を貸さなければよい、台湾軍が中国、日米と共同して敵対しなければよいというものだ。

 中立は、日米中だけではなく、台湾にとっても利益である。中国と日米との対立に、軍事的にも経済的にも巻き込まれず、特段の脅威もなしに双方と商売をし続けられる立場は、非常によろしいものである。

 台湾の中立化は、これからも進むだろう。中期的には、まだ中国が強くなり、米国が弱くなる傾向にある。もちろん、中国が米国を超える大国になる見込みはないが、そも、東アジア最大のパワーであった米国がオフショア・バランシングに傾きつつある状況では、台湾が中国に靡くのは仕方がない話である。



 まあ、日米としては、台湾が中立化からその先に向かったら、どういうことになるかの釘は刺して置いたほうがいいけどね。仮に中立化から先に行ったら、その時は、日米は経済的に台湾をエライ目に合わせた上で、軍事的な圧力も加えるとでも言っといたほうがよい。実際には、中国に近づきすぎるのも、中立の利益を得られなくなるので、台湾もそこまでもしないだろうけれども。
2014.04
25
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11:59
Category : 未分類
 日米共同声明での話なのだが、日本がTPPで妥協しなければ、米国は尖閣発言の部分を落とすと言っているという話がある。

 だが、落としたければ落とせばいいのではないか。いつも書いているが、尖閣は日米安保の対象というのも、リップ・サービスである。どうせ中国には領土問題には関与しないとも言う。どっちにせよ、こと本番となると狼狽えるのが、米国の立場でもある。その程度の発言に右往左往する必要もない。

 まあ、TPPにしても、同じようにどうでもいい話であるけれどもね。TPPが妥結しても流れても、極端な変化もない。TPPは政治的に重大な案件とはなり、日米首脳が振り回されているが、報道される中身を見ても、毒抜きした結果、薬にもならないシロモノになっている。
2014.04
24
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22:01
Category : 未分類
 報告事項でのプレゼンばかりに目が眩んで、関連事項を調べておこうとしないのは問題だと思ったよ。

 10年位前か、三術校で当直士官をやっていた時に、学生隊から幹部学生の女の子が来て、翌日にやる当直報告をやらせてみろという話があった。当直報告とは、朝のオペレーションで最初にやる報告。

 所詮は学校での報告なので、実オペレーションへの影響はない、だから、失敗しても構わない。だから、前日午前中にフォーマットだけ渡して「しくじっても何も起きません。だから好きにおやんなさい、わからないとこは教えるから」と放置しておいた。

 夕刻になって、学校長見送りか国旗卸し方の頃に当直室に入ると、すでに女の子がいる。女の子なのでクソ真面目で、一語一句を覚えようとしている。

 しかし、天気予報なんて当日の朝にならないとわからない。飛行場がVFRなのかIMCなのか、滑走路がゼロワンなのかワンナイナーなのかもその時にならなければわからない。

 それよりも、文面を見ながら報告するのはよろしくない。

 学校長の顔見ながらでなければ、テープレコーダが話しているのと変わらない。学校長が怪訝な顔をしている、あるいは興味ありそうなら細かく説明して、知っているから先にいけという面をしていれば、スットばす。副校長や部科長クラスで発言しそうな奴がいるかどうかも確認しなければならない。

 話すスピードも問題がある。スットばせるところはスットバシて良い。だが、面倒な部分はゆっくり言わないと、聞いている連中の、頭のなかにある、かな漢字変換が間に合わない。

 そう言うのだが「課程主任が文面どおりに正確に読め」といって、丸暗記をやめようとしない。そのうち、当の○○課程主任が来て、一語一句正確に読めといって帰っていく、己が言ってももう駄目な感じ。

 そこにファックスが来る。MH-53Eについているエンジンでの故障速報の類で、それも報告だねというと「どうしましょうか」という顔をする。当直海曹が懇意の回転翼(ただし電気)の海曹で、前に岩国で勤務している。だから「彼に聞けば技術的な問題は分かるよ」というと「そんなことよりも報告要領です」という。

 でもねえ、新品のA幹3尉に、ヘリに付いているエンジン部品はどこにあるどういったものかは知らないはず。試しに聞いてもわからない。それを海曹が説明するが、それよりも報告要領としてのしゃべり方しか気にしていない。「いや、報告要領よりも、商売モノの部品の役割とか場所を知らないと話にならない「明日一番に航空発動機科に聞きに言ったほうがよい」というと、頷くものの、多分、まともに聞こえていない。

 翌日、やや早めに、新品3尉の課程主任が出勤してくる。事故速報の話をして、航空発動機に話を聞きに行かせたほうがいいというと「そんなことよりも報告要領だ」と己が赤入れた事故速報の原稿を暗記させようとする。課程主任は着替えるとまた当直室に来て、リハーサルをやらせると、女の子と当日の学生(体験)当直士官を会議室に連れて行った。

 で、当直報告。ヤッパリ丸暗記で駄目。その日に学校が関与する飛行作業もないのに、天気予報は結局、全部読んだ。人員現況も、しゃべり方だけを覚えていて、表の読み方を理解していなかったので間違えた上で質問にも誤った答えをする。なによりも事故速報で、原稿の通りに読むものの、技術的な質問(というか、答え知っているから試験のようなもの)には、シドロモドロ。本当はしてはいけないが、己がカンペを見せても、どこを読んだらよいかわからない。

 最後に、研究部長が表面上、叱った。人員現況や事故速報の中身について当直士官が正しい状況を知らなければ、誰に聞けばいいのか。報告の形式は間違えてもいいけど、報告内容は承知しておかないといけない、というもの。帰りに部長・科長とその件を話になると、「学生の報告が毎回そうだから、課程主任に怒っているんだよ」とのこと。あそこの課程の発表そのものが、プレゼン技術ばかりに凝って、結局、発表学生はあんま理解させていないからねえともね。

 まあ、プレゼン技術だけを磨いてもねということだね。
2014.04
23
CM:3
TB:0
19:07
Category : 未分類
 尖閣諸島について、米国は基本的に「どーでもいい」と考えている。だが、あそこで日中が争えば、米国は調停者として利益を得ることができる。

 調停者としての利益といっても、別に問題解決に寄与する必要もない。日中それぞれにリップ・サービスをするだけである。

 というのも、今晩の大統領訪問では、尖閣は日米安保の対象地域であるとコメントするらしいというニュースが流れているためだ。「尖閣は日米安保の対象である」とでもいうのだろう。アメリカはそう言えば、日本人は喜ぶ。日本側からおみやげが貰える。日本側もそう言って貰えるように、アメリカ側に配慮の一つもするし、交渉事で何か譲歩することもあるだろう。

 ただ、アメリカ側は中国に行っても、同じようにリップ・サービスをする。中国に対しては、「アメリカは日中間の領土問題には関与しない」と言う。そう言えば、中国人は喜ぶ。中国もオミヤゲなり譲歩なりするだろう。

 つまり、その程度の発言に過ぎないということだ。

 しかし、日本のアレな宰相はそれを成果であると誇ろうとするだろう。何の意味も無いことは、アノ当人でも承知しているが、「安全保障で頑張るオレ」という、アレ宰相本人のプライドからすれば、それがないことには耐えられない。だから、空虚な発言であっても成果として、来週にでも自慢するのだろう。

 特に今回は、日米で話すこともない。TPPなどは、無理に決着させるものでもない。決まれば決まったでいいし、決まらなければ決まらなかったでもいい。TPP以外となるとさらにどうでもいい問題しかない。日本が、憲法を政府解釈でどうこうして集団自衛権を認める云々は、米国からすれば差し迫った具体的利益でもない。

 結局は、対中安全保障面での成果を示すくらいしかない。日本に対して毎回、米政府がするリップ・サービスを、また引っ張り出すだけの話である。報道をみても、今回話すこともないことを見越して「尖閣防衛への言及焦点=オバマ米大統領が来日-24日に首脳会談」 と興味を引き立てようとしているが、まあ盛り上がらないことはこの上ないものである。いつものように日本では「尖閣諸島は日米安保の対象地域」と述べて、次に中国に行くと「アメリカは日中間の領土問題には関与しない」と述べるのだろう。

 まあ、アレ宰相の靖国問題での失敗糊塗と、打つ手のなくなった人気取りのために付き合わされるわけだ。そりゃ、おかみさんも連れてこないだろうし、夜に到着、早朝出発でなるべく手早く済ませたいだろう。
2014.04
22
CM:8
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12:00
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 中国で商船を差し押さえ食らった点だが、「日本の船」といった点で感情的になっているのではないか。

 別に拿捕されたわけではない。あくまでも商船三井が中国国内向けに運航している船を、中国国内で差し押さえされたという話である。ついでに言えば、間違いなく船隻は日本でも中国でもない。日本船や、日本で運航している船が「日本から中国に行った途端に、船が拿捕された」わけでもない。

 商船も、結局は個人の持ち物に過ぎない。私人である商船三井の動産(まあ不動産みたいな扱いだけどね)を、中国が国内の判決にしたがって差し押さえたという話である。

 商船には、この種の訴訟で特に保護される権利はない。軍艦であれば不可侵であるし、公船であれば国家の主権に属するために保護される。だが、商船は特段の保護もなく、普通に差し押さえされる。商船には外国に勝手に行けるとか、相手の無害通航なら領海に入ってもいいよとか、保税扱いだよいった権利はあるが、訴訟から保護される権利はない。
 だから、他例でも差し押さえられた前例がある。例えば、バングラディッシュで海軍艦艇と衝突事故を起こした韓国船籍の日本運航船は、損害賠償のカタに現地海軍に差し押さえられた。(最終的には船舶放棄で終わった)

 結局は、海外展開している民間企業の現地民間資産が差し押さえられた話だ。中国国内においといた自動車を差し押さえられたという話と変わらない。これ、三菱が、三菱鉛筆や三菱サイダーが戦前に中国に工場持っていたとして、そこでの契約不履行で、今、営業車を差し押さえられたという話に過ぎない。

 もちろん、日中関係の悪化を示すバロメータとしての価値はあるニュースである。中国の裁判所なので、裏に政治的な意図があるだろうという推測はできる。

 日本政府にしても、危惧し、関与する理由もある。特に高額な日本企業の資産を中国に差押えられたという点、その裏に政治があるのではないかといった点がそれだ。

 しかし、中国がやった差押えはルール違反ではない。中国は日中平和友好条約に触れないとしているし、特にそこでの対日請求権放棄は堅持していると述べている。また、中国にある日本資産も法に則って保護するとも述べている。実際にこれらの主張と実際の行動に明確な矛盾はない。

 これは、日本側の官房長官の声明でも明らかである。「日中国交正常化の精神を根底から揺るがしかねない」(21日、菅官房長官)と、中国側の差押えについて、明確な条約違反も法規違反も指摘できず、精神を揺るがすものだ程度にしか発言できてない。

 結局は、現地民間資産が差押られただけである。その背景に日中関係悪化がある。時効とか和解の話はどうなっているのかといった疑問もある。しかし、中国としても法的手続きを踏んでいる。革命無罪の国際法に反する無法の行いでもない。あまり問題視するのもナンだといった事件にすぎない。




 まあ、日本側での当惑や反発は「日本から中国に行った途端に、船が拿捕された」って思い込みなんだろうけどね。

※ リアル三菱だと却ってメンドイので、鉛筆とサイダーにしたけど、中国でもヤッパリ戦争に加担した産業資本、悪魔企業とか勘違いされるのかね。
2014.04
22
CM:2
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11:59
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 海自カレーのニュースを、昨日の昼のゆうゆうワイドでしてたのだけれども、結局はカレーでカレーの味しかしない。広報やまちおこしで使うのは結構なのだが、それにあんまり期待されても困るのではないのかね。

 確かに、海自は週末の昼飯はカレーになっている。昔は半ドンの土曜昼だったらしいが、己達の時には完全週休2日なので金曜昼間がカレーだった。学校でもカレー、練習艦隊でもカレー、部隊に配置されても、有料で隊内喫食するとカレー、隊内喫食をやめても金曜に当直士官に経つと、副長代理の検食官(航空基地隊だとあった)でもカレーだった。

 しかし、極端に旨いカレーというのもない。もちろん不味くもないのだが、学生時分に鶴巻町にあったインド料理屋のカレーのほうが旨いと思っていた。

 逆にまずくて食えないカレーというものもないのだがね。ココイチみたいな、お湯でルーを溶いただけみたいなジャブジャブカレーでもない限りは、大概はきちんとしたカレーはカレーとして美味しい。あのココイチのカレーでも、不味くて食えないということもない。

 海自のカレーも、マズイものでもないが、食ってみて他所のカレーよりうまいというものでもない。まあ、食ってみようという興味を起こして食ってみても、どうこう言うほどのものでもないよ。

 もちろん、給養員は頑張って工夫している。他自衛隊は知らないが、海の給養員は結構プライドが高い。そのため、自分が一番のカレーを作ろうと努力をする。昔はインスタント・コーヒー入れるとか、鶏脂?を入れるとかやっているが、結局はスパイスの味に負けている。

 ただ、カレー作りで苦労するなら、インド料理屋の海老カレーやほうれん草カレーといった多種のカレーを作ったほうがいい。そう思っていた。この点は陸自の方が優れていた。陸自施設学校に入校した時に、麺類の日にはラーメン、そば、うどんが選べる。ああいった方向に工夫したほうが実際には満足度は高くなるだろう。



 もちろん、経補幹部ではないので、休養員にそんなことは一言も言っていない。蟹やウニが出るときには闇給食とか貰っていたし、格納庫でのバーベキューの時には闇で肉貰ったり、検食官のときもいつもオマケをもらえたので、そういうことは言えたものではない。こっちも給養には闇で色々やっていたけれどもね。
2014.04
21
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12:00
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 自分の商売で使っているものの見当がつかないのは、どんなものかね。

 商売モノの迫撃砲について、重さの3/4が砲身だとか見当をつけている自称プロの、だよもんさんがいる。60mm迫撃砲M2について
帰ってきただよもん‏@V2ypPq9SqY
@BJ246 当時の韓国軍が運用してた一番軽いのでも19.05kg 砲身だけだから多少は軽くなるとしても主は砲身なんだから15kgはあるはずでどうやったのかは気になるところ 16:14 - 2014年4月19日
https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/457658446209249281
と言い出している。

 でもねえ、迫撃砲は大概はベースプレートとバイポッドが同じ重さ。上陸戦の件で各種迫撃砲の重さを調べていたのだが、重量級から軽量級までベースプレート・バイポッド・バレルは、だいたい同じ重量で、全体に占める重さではそれぞれ1/3づつ。

 それ知ってたので、チョイチョイ調べるとやはり1/3、7kgだったよ。19.05kgの迫撃砲は多分60mmだろうと調べると、全く同じ重量のM2が出てくる。ただし、個別部品の重さは出てこない。次のタイプM19には載っており、その数字を見ると全体が20kg、ベースプレートが6kg、バイポットが7.5kg、砲身は7kgだった。

 これは迫撃砲の重量配分なんか知らなくとも、仕事上の一般常識でも類推できる。

 コマンドタイプの迫撃砲が5kg程度しかない点から、60mmの砲身が15kgということはない。手持ち式の、ほぼ砲身のみのコマンドタイプの迫撃砲については、大概は5kg程度しかない。今調べると旧軍擲弾筒(50mm)は4.7kg、フランスのF1(51mm)が4.8kg。それと威力も射程もほぼかわらない60mm迫撃砲で、砲身だけでなんで15kgになるのかね。

 商売モノについて、だいたいの見当がつかないというのはマズイんじゃないのとは思うよ。

 確かに、商売モノだからといって別に正確に覚える必要はない。迫撃砲の重さは19.05kgなんて覚えずに、20kgくらいでいい。M2重機の重さも37kgではなく、約40kgでいい。

 しかし、全体の33%を75%と2倍以上も間違えるのは、商売に障る。海でもM2の弾薬の重さを軽く見積もって少人数で作業をさせて、運んでいた海曹の指先を失くさせた事故もあった。

 まあ「砲身以外は軽いんだよもん」とかいって、兵隊に迫撃砲のベースプレート運ばせてギックリ腰にしたりするんじゃないの。

 ちなみに、M19の重さについて、彼のように無意味に正確に書くと21.03kg/5.79kg/7.42kg/5.25kgだけどね。10g単位で書いたところで、砲によっては製造段階や摩耗で±5g以上の誤差があると思うので大雑把で書いていい。

 逆に、そういった所の数字ばっか気にしていると、肝心なところを間違えるものだ。正確に間違える奴というのは、得てしてそういうものだ。

 だよもんさんはも前に上陸戦輸送所要をAOCで習ったLCM換算だの総トン換算の数字だけで解決すると言っていた。でも、図面に落とした固縛所要や、天井高と荷物背を確認しない物資搭載をやると、大概は半分も入らなくなってしまうものなのだがね。



 古いの見てきたけど、https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/454599403630632960あたりみると、定数と予算とか、訓令定員と予算定員の関係が全くわかってない様子。だいたい給与等人件費分分だけ予算つけても、実際に隊員は集まらないし、処理できる以上の新隊員とっても困るから、予算は執行できないのにね。
 普通の人にはこんな直截には言わないけど、だよもんさんは、JSfさんと同じでお互い様だからね。
2014.04
20
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16:42
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 北朝鮮の多連装ロケットは、韓国にとってそれほどの脅威だろうか?

 高橋浩祐さんの「北の脅威を一気に高める新兵器『KN-09』」は、興味ふかい記事である。北朝鮮が新型多連装ロケットを保有している点と、その内実について知られている限りの情報を提供して、その全体像や効果について論じており、なかなか面白い。

 そこで高橋さんは、KN-09とされる多連装ロケットの射程をもって脅威と述べている。射程が在来型多連装ロケットの3倍にあたる190-200kmと言った点を評価してのことだ。

 しかし、KN-09は大した脅威の積み増しにはならない。KN-09をロケットとする前提で述べるが、命中精度は期待できず①、威力は少ない②、新しい心理的効果も見込めない③、ためである。

 ① まず、KN-09の命中精度には余り期待できない。多連装ロケットそのものが精度を発射数で補う発想に基づくものであり、ロケット弾の命中精度は高くはない。

 多連装ロケットの命中精度は、近距離でも1%近くに達する。射程10km程度のロケットでも、距離方向に射程の0.5%、方位方向に1%の散らばりがでる。この散らばりは距離が伸びれば伸びるほど大きくなる。

 KN-09については、おそらく命中精度としてはまぐれ当たりしか期待できない。その命中精度が200km先で1.5%とすれば、直径3kmの円のどこかに落ちる程度に過ぎない。通常弾頭では混乱を起こす(輸送網に対してはそれなりに効果があるだろう)ことはできても、何かを確実に壊したり、軍隊等狙った人員を確実に殺傷することは期待できない。

 ② また、威力が少ないといった問題もある。結局はロケット弾であり、弾頭はそれほど大きくもない。砲弾に比べると、ロケット弾の弾頭は軽く、存速も遅く、一般的に弾殻も薄い(厚くもできるけれども)ので、榴弾威力そのものは小さい。威力が低めになる点は、弾道弾と比較しても同じである。空中爆発であれば、地下壕程度でも耐えられる程度に過ぎない。

 ③ そして、新しい心理効果は生まれない。北朝鮮はすでに短距離弾道弾を多数保有し、韓国全土を射程に収めている。後方地帯でも北朝鮮に攻撃されるといった心理的効果はすでに存在している。そこに、ヨリ短射程でヨリ低威力のロケット弾が登場しても、新しい恐怖、心理的な脅威は生まれない。

 これらの点からみても、KN-09は結局は2門目、3門目のパリ砲にすぎないのでは無いか。パリ砲とは、第一次世界大戦でドイツが使った長距離砲で、パリを直接砲撃した実績を持つ砲であるが、結局は大した混乱も起こせなかった。しかも、③で述べたように、北朝鮮はすでに短距離弾道弾を持っている。この点からすると、パリ砲が増えた程度であり、大した恐怖の積み増しにはならない。

 さらに、北朝鮮としても、それほど魅力的な装備とも思えない。射程200kmまでの短距離弾道弾の代わりとしても、命中精度も弾頭威力も低い。しかし、ロケット弾としては高価である。相手に見せる兵器としてはいいかもしれないが、実用性に加えて価格面でもあまりメリットはないように見える。

 なお、高橋さんはミサイルの可能性も否定できないとしている。もちろんそうだが、仮に誘導機構を持つミサイルだった場合には、精度は上がるが、価格はそれ以上にハネ上がる。威力を考えれば、割が合わない兵器だろう。



※ 高橋浩祐「北の脅威を一気に高める新兵器『KN-09』」『東洋経済オンライン』(東洋経済新報社,2014.4.9)http://toyokeizai.net/articles/-/34898
2014.04
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 満州事変以降の日中衝突を見ると、だれでも日中関係に火をつけられる状態だったのではないか?

 昭和初期の日中衝突は、どちらの政府が意図したものでもない。現地にいる個人レベルの行動が原因となっている。日本の一部軍人や、日本居留民、日本右翼が中国に対して敵対行動を取り、あるいは中国愛国者が対日暴動やテロを行うと、多くはそのまま日中衝突につながった。

 だれでも日中関係に火種を投げ込むことができたということだ。上海事変でも、愛国的中国兵士の大山大尉殺害や、日本側工作機関による日蓮宗の坊主襲撃で日中関係は簡単に発火している。

 日中どちらの政府もコントロールはできない構造であった。※ 一度発火したら最後、両国民の国民感情が爆発するからだ。仮に政府が事態収拾を図ろうとしても、自国民から「腰抜け」と言われてしまう。マスコミも強硬策以外は許さない状態であった。

 昭和初期の日中関係は、簡単に火は着くが、消す方法がないといったものだろう。

 この構造だが、今の尖閣も同じではないか。

 尖閣に火をつけたのは、ただの中国人漁民であり、無思慮に映像を公開した海上保安官の仕業である。どちらも個人としての行動であり、それが日中関係をエスカレーションさせた。

 そこでは、日中政府はなにもできない。内心、尖閣諸島はどうでも良いと考えているだろう。しかし、国民世論に一度火がつくと、日中政府は共に強硬策しかとれなくなる。そういう構造になっている。

 そう考えると、尖閣で一番いいのは、両国民を島にアクセスさせないことではないか。
 中国は自国漁民や本土・香港の愛国者について島へのアクセスを中止させている。これは個人の行動で事態エスカレーションを防止する上で効果がある。

 対して、日本は訳の分からない石垣市議や愛国運動家が島に接近することを許している。これは将来的に事態を発火させるリスクを伴う。そういった連中が島に上陸し、旗の一つも立てると面倒になるのは明らかである。

 だから、日本も民間セクターの島へのアクセスを禁止すべきではないのか。島を起点に半径12マイルを航泊禁止にし、余計なことをする漁船を追っ払ったほうがよい。尖閣の領海では海保と海関だけが入り込み、仲良く睨み合うのが一番よい状態である。



※ 日本の中国侵略や排日運動は、この構造が原因である。だが、わかりにくいので「日本には中国を侵略する計画がある」といった与太が流行った。それが田中上奏文である。田中上奏文の立場は、今のアレ右翼のいう「中国には世界侵略の計画がある」とする「2050年の世界地図」と同じものだ。
2014.04
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 南シナ海での中国海軍を邪魔するために、日本も潜水艦を展開させると面白いのではないかね。カムラン湾あたりによく見えるように潜水艦と母艦を置いて、乗員を飛行機で交代させる感じで運用できれば、中国は潜水艦脅威を無視できないのではないか。

 中国海洋進出の焦点は南シナ海にある。日本では第一列島線突破や、尖閣諸島、東シナ海大陸棚や防空識別圏が問題になるためわかりにくい。だが、最も力を入れているのは南シナ海での海洋権益確保や、領土化にある。

 その南シナ海に日本が艦艇を派遣すると、中国はそれなりに困るのではないか。中国海軍は特に対潜戦能力が低いので、潜水艦を置くと嫌がってくれるのではないか。

 中国に見えるように、普段は露頂どころか浮上状態で運用してもいいだろう。たまに潜って、中国艦艇の直ぐそばで浮上すれば潜水艦脅威を感じてくれるのではないか。ちなみに、相当の対潜ソーナーを持っている艦艇でも、電池で走っている潜水艦は見つからない。

 潜水艦脅威を感じてくれれば、中国の艦艇建造や海軍力成長を遅らせる要素になる。艦艇にはヨリ高価な対潜器材を積まざるを得なくなるし、ヘリも増やさないといけなくなる。そのヘリも常時在空させる必要が出るので、燃料代を無駄にさせる効果もある。対潜機の開発調達や、対潜戦データベース構築を強要させることにもなる。結果として、対潜戦関連でコスト増加するので、海軍力成長を邪魔することができる。

 もちろん、日本が持っているのは在来潜であり、毎回、南シナ海まで往復するのが面倒くさい。一番いいのは、どこかの港に潜水艦を置かせてもらうことである。別に施設はいらない。魚雷と燃料と予備電池を積み、搭載用のクレーンと休養設備をつけた程度の商船改造の潜水母艦で充分である。潜水艦や母艦乗員もそこに配置する必要もない。飛行機で往復させればいい。

 問題は置かせてくれる国である。大概の国は中国とのトラブルを恐れる。これは領土的、軍事的に中国と対立している国でも同じである。

 フィリピンはアテにならない。いまのところフィリピンは勇ましいことを言っているので置かせてくれそうだが、あの国もあまり終始一貫しない。合意しても振り回されることは目に見えている。

 その点、骨のあるのはベトナムか。あの国も中国以上に怪しい政治体制で、デモの自由すら無いが、中国との対峙は躊躇わない。その点で、日越互いに利益になる日本潜水艦への港湾提供はできない話でもないだろう。まずはカムラン湾あたりかね。あそこに潜水艦を置かせてもらえれば、中国への嫌がらせになるのではないか。
2014.04
17
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 東京書籍の教科書を使うと、尖閣諸島の防衛に影響するそうだ。仲新城誠さんは「竹富町、ルール無視の教科書採択 県教委の傲慢さが尖閣防衛に影響」で、そのように主張している。

 仲新城さんは、教科書の中身を尖閣諸島と自衛隊スタンスだけで評価している。
育鵬社版は、尖閣諸島が日本固有の領土であることを詳述し、自衛隊の役割も高く評価している。東京書籍版には尖閣の記述がわずか2行程度。自衛隊も憲法違反を疑う声があると記述している。
東京書籍の教科書は、尖閣諸島を大きく取り上げず、自衛隊をヨイショしないのでヨクナイ、対してアレな育鵬社版は尖閣諸島の問題だけを重視し、自衛隊のやることは何でも讚めるので素晴らしいと述べている。

 そして、教科書採択について、ついに国益を持ちだしている。中国が嫌う育鵬社を使わない竹富町を国益にそぐわないとし、アレ文科大臣の好みの育鵬社を使うことが国益にそぐうとも述べている。
尖閣強奪を虎視眈々と狙う隣国が応援する竹富町と、教科書の変更をルール通りに求める文科省。どちらが国益に沿った動きをしているのか、答えは言うまでもないだろう。


 しかし、その国益とはなんだろうか? 尖閣は日本の領土とはどこの教科書でも述べている。その分量が2行から20頁に増えると、国益になるのだろうか? 自衛隊についても、新憲法との兼ね合いがあるので、「違憲じゃないかという人もいるよ」と書くと、何か国益は損なわれるのだろうか? 

 実際は、国益ではなく、愛国心なのだろう。東京書籍を使うのは愛国心が足りない。なぜなら、尖閣への愛や自衛隊への愛が足りないからだ。育鵬社を使わないのも愛国心が足りない。敵である中国が嫌がる教科書は愛国的であるからだ。そういったものだろう。

 さらにいえば、彼らの愛国心表明は、国家への隷属を競う忠誠心ゲームである。如何に盲目的に隷属しているかの表明を競うようなものだ。北朝鮮で、自分が如何に首領のロボットとしてに隷属しているか、あるいはブラック企業で如何に経営者の反社会的行為に加担しているかを競うものと似ている。

 竹富島の教科書問題は、アレ宗教での信心表明に近い。自分が如何に愛国心あふれる人間であるのかを表明するために、他人が如何に愛国心に欠如しているかを責めている構図そのものだろう。教科書無償措置法のような、予算支出を行うためのだけのアリバイ法を振り回して合法性云々しているは、まったくそのような行いである。



※ 仲新城誠さんは「竹富町、ルール無視の教科書採択 県教委の傲慢さが尖閣防衛に影響」『Zakzak』(産経新聞,2014.4.11)http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140411/plt1404110830001-n1.htm
2014.04
16
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 古新聞で見つけたのだが。70年前にファックスを使った電子郵便サービスを導入する予定があったらしい。昭和18年の朝日新聞によると「今秋に導入」といった記事がある。

 「手軽にご利用ください -お待兼の"葉書電報"今秋開始ゆく〓は加入制に」がそれ。下駄は踊り字で「ゆくゆくは」になる。

 要は、ファックスである。中間調なしハガキ大の電送写真サービスで、とりあえずは東京・大阪・名古屋・京城(ソウル)・新京(長春)をつなぐというもの。ファクシミリそのものと考えて良いだろう。

 郵政によるファックス郵便といった発想では、後の電子郵便サービス、レタックス(1981)を先取りしたものである。今はどうか知らないが、20年前の大学受験では、レタックスは合格者速報で使われていた。レタックスは差出局から受信局までファックスで送り、そこで封筒に入れて速達する仕組みだった。

 なお、電送自体はそれ以前からあった。ベルリンオリンピックの時には中間調(もちろん、白黒テレビと同じAMアナログ式)の写真を短波無線で送っている。日華事変以降の戦時下新聞も、戦地からの電送写真は連日掲載されている。

 また、興味深いのは、松前重義の名前が大きく示されているところ。松前さんについて「松前重義現工務局長が調査課長時代に作った」とまで書いてある。後に懲罰動員される松前さんは、以前からアイデアマン(実際は研究家とテクノクラートを兼ねた人だけどね)として国民層にも高名だったのだろう。

 ただし、本当に昭和18年秋に導入されたかわからない。郵政150年史の類に載っているのかもしれないので、いずれは調べようかとは思っているのだけれども。

 ちなみに、米国では戦前からテレビの商用放送は始まっている。その段階で小型軽量のテレビカメラと超短波の通信器材を作っており、飛行機からの空中撮影・生放送を行っている。まず、これが電子・通信関係の技術格差というものだ。



※  「手軽にご利用ください -お待兼の"葉書電報"今秋開始ゆく〓は加入制に」『朝日新聞』朝刊(朝日新聞,1943.5.12)p.3
   〓は踊字「く」、「開始 ゆくゆくは」である。
2014.04
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12:17
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 櫻井よしこさんは、日華事変での中国側犠牲者は3500万人ではない、だから悪くないと言っている。しかし、500万人であれば日本は負い目はないのだろうか?

 桜井さんは、国家基本問題研究所の直言欄で「歴史通になって対日歴史戦争に勝とう」を掲載している。その骨子は
・ 日華事変での大陸側犠牲者3500万人は嘘
・ 南京大虐殺は嘘
である。

 数字についての主張はさておこう。中国側が主張する犠牲者数は、確かに毎回増えている。昔、示した数から増えている点には、なんらかに意図があるのではないかと疑う余地はあるだろう。

 しかし、3500万人ではないので悪くないとか、30万人殺していないので大虐殺ではなく、日本は悪くないとする言い方は、主張として相当にオカシイ。

 そもそも、日本は、大陸に善行を施しにいったのだろうか。昭和初期からの華北への侵攻は、侵略そのものである。上海事変以降の日中全面的な戦闘で内陸に向かっての侵攻でも、南京入城を含めて、民間人も含めて乱暴に相当数を殺している。日本は胸を張れる立場ではない。

 日本は戦争については、充分に悪いことをしている。中国や韓国との対抗から、厚顔無恥な主張をしろというのもよろしくはない。

 日本は胸に傷持つ身である。そこで「3500万人までは殺していないから悪くない」とか「30万人殺してないから大虐殺ではない」といいだせば、今まで以上の反発が生まれるだろう。

 あの戦争は良い戦争だったとか、アジアは日本が戦ってくれてありがとうと感謝しているとか間抜けなことを言い出せば、アジアの怒り(古い言い方だけどね)を呼び起こすだろう。中(あと韓・星か)の強硬派だけではなく、対日関係を改善しようとする連中を敵に回すことになる。

 それどころではなく、今は収まっている東南アジアも大反発をする。あのインドネシアでも日本軍政には反発があった。わだかまりはあるものの、戦後の援助や対中関係もあって、気にしていない風を装っているフィリピン、ベトナム、タイも怒り出すだろう。

 だいたい、不祥事を起こした当事者は黙っているものである。とりあえず許して貰った件について、後々になって、当の本人が「あれは悪くなかった」とか「あいつらの言っている被害は嘘」とか言い出しても、何もいいことはない。

 中国でも、民間人相当数を殺していることは間違いはない。それはゴメンナサイの話であって、その区区たる数に文句をつけて、だから悪くはないと言い出すのは、悪手の極みであることだよ。



※ 櫻井よしこ「歴史通になって対日歴史戦争に勝とう」『直言』241(国家基本問題研究所,2014.4.7)http://jinf.jp/weekly/archives/12540
2014.04
14
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12:56
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 野戦用の対空ミサイル、中でも短SAM、近SAMの類だが、全国の師団旅団に満遍なく配るのは無駄ではないのかね。高射特科も野戦に出す可能性のある部隊だけに配備して、あとは対空兵器抜きでいいのではないか。

 まず、短SAMは野戦に出ない部隊には持たせても、なんの役に持た立たない。

 都会の部隊にまで短SAMを持たせても、都市防空には性能的には何の役にも立たない。短SAM射界は極小な点に過ぎず、都会に置いても、都市の防空にはなんの役にも立たない。81式短SAMの射程は10km、理想状態なので実際には7掛程度だろう。できるミサイル交戦圏は直径15km程度しかない。近SAMはもっと短い。関東平野、近畿、中京といった都市圏に2-3セットおいても仕方がない。

 警備部隊にもたせても仕方がない。どうでもいいような、外国に面してもいない田舎に配置した部隊に持たせても何の意味もない。そんなところに経空脅威はこないし、来てもポイントディフェンスのミサイルで待ち受けても仕方がない。航路もない太平洋のド真ん中に機雷を一個置くようなもので、何の役にも立たない。実質警備旅団と警備大隊である仙台の6師団、北関東の12旅団、四国の14旅団にまで対空ミサイルを持たせる必要もない。

 渡すのは、戦争をやる可能性のある部隊だけで良い。配備してもいいのは、九州と沖縄の師団と旅団、まずは攻めてこないが北海道の師団と旅団に、海上機動する可能性のある10師団と13旅団がいいところであり、これらの中でも野戦をやらない部隊には渡す必要もない。

 野戦用SAMは、北海道の7師団、九州の4・8師団、中京10師団と広島の13旅団だけで充分ではないか。それ以外の部隊の短SAMは廃止して、余った予算・人員は空自のペトリに付け替えたほうがよい。野戦に投入されない部隊に短SAMを100セットを渡すよりも、その分で1セットのペトリを用意したほうが、都市防空や、戦闘地域での全般防空でも有利になるだろう。
2014.04
13
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16:27
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 戦前、硫黄島ではコカが栽培されていた。コカインを作る原料となるコカで、もちろん合法栽培なのだけれども。硫黄島産業株式会社と入植者200戸が地主と小作といった関係で栽培していた様子である。まずは、戦前の大東諸島と同じ構図である。

 昭和53年、朝日新聞「硫黄島 くすぶる小作制度」といった記事がある。これにはコカ栽培や小作制度、硫黄島産業株式会社についてのあらましが載っている。

 だが、気になるのは戦前のコカ栽培だけではない。

 戦争中にこの会社、どうも小作人を騙し、島に放置して自分たちだけで内地に帰ってきたらしい。ニセ徴用事件とでもいうものだが、生存者の証言によると、会社は小作人に「軍の徴用に入った」と嘘をついて会社の倉庫仕事をやらせ、さらに民間人引き上げでも回収しないで放置したというもの。民間人引き揚げの後、残った小作人を見て、軍は「なんで引き揚げなかった」と言われて当人たちは気づいたという話。

 硫黄島は玉砕したので細かい点は分からないが、生存者はそう語っている。それに対して会社のオーナーは「それがそうだとしたら大変申し訳無い話だが、なんせみんな死んじゃったのでよくわからない」とのこと。

 ちなみに、硫黄島産業株式会社は昭和53年も残っていて、基地使用料を貰って、小作人(当時も小作権を持っていたということだ)56人と配分するのが、唯一の事業とのこと。ただ、オーナーもそれが本業ではなく、「○不動産」といった会社のオーナーがメインになっていると書いてある。

 昭和53年になっても、硫黄島の植民会社は存在し、そこの小作人がいて、さらに硫黄島の事件を引きずっていたということだ。



※ 「硫黄島 くすぶる小作制度」『朝日新聞』朝刊(朝日新聞,1978.1.12)※※

※※ ページ数はメモするのを忘れた。
2014.04
12
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12:00
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 劉傑先生曰く「日本の国内問題も、日米関係も、結局は『対中関係をどうするか』といった話ではないのか」とのこと。

 こないだ、久しぶりに劉先生の話を聞く機会があったのだが。明治以降、日本外交も、日米外交も、日本国内問題も対中関係をどうするかがテーマではないかと仰っていた。明治後半での外交や、戦前での中国市場問題、最近政治テーマとなっている安全保障・防衛関係は、全て中国問題をどうするかである。

 そういう観点で見れば「田中角栄は『日中国交回復をすれば、日本国内の政治問題も相当に解決する』と述べた」(劉先生)というのも、分かる話である。戦後国内にあった左右対立構造は、相当の部分は中国問題である。

 新中国にどのような関係を持つのか、魅力的な中国の市場にどうアクセスするのか、中国との政治的対立をどうコントロールするのか、これらは昭和20年から40年までの左右対立の底流であった。

 日本国内の経済政策でみても、結局は日中関係と言える部分がある。国交のない中国市場にアクセス出来ないので、東南アジアに行こうとしたり、将来の国交回復、アクセス拡大を見越したLT貿易をやったりとダッチロールしていた。

 政治的対立でみても同じである。自社の左右対立や、自民党内の左右対立、それ以外の野党についても、中国問題についての立場を明示すると非常に分かりやすい。各政権の色付けも同じである。

 そもそも、昭和30年代以降の日中対立は今の比ではない。新中国は日帝をひっくり返せといっているし、日本も大陸反攻という寝言を言う台湾の国府を支援している。国府には武器まで売っている始末である。尖閣やガス田での対立どころではない。

 そして、この問題は日中国交回復で全部解決した。日中国交回復は、パンダを貰うだけの話ではない。巨大な中国市場へのアクセスを可能とし、日中の政治的対立を全部解決するどころか、東アジアを安定させる妙手でもあった。アメリカとソ連に加えて、日本と中国が話しあえば東アジアの問題はたいてい解決する。

 この伝からいえば、今の政治状況も、結局は中国とどう向き合うかの話なのだろう。アレ宰相は、単純な機械じかけの右派なので感情だけで動いているのだろうが、要は対中全面対立であり、それに必要な政策を行おうとしている。

 しかし、アレ宰相の政策のかなりの部分は、中国との関係緩和ができれば不要になるものだ。集団的安全保障はまったくそれであり、中国との対立を緩和できれば当座はどうでもいい話である。失敗しつつあるTRIM外交http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-985.htmlと、政治的に怪しいそれらの諸国との経済的交流拡大も、政治的な対中包囲網や中国市場依存からの脱却を目指したものだ。原発輸出や武器輸出についても、その文脈で捉えることもできる。もちろん、TRIM市場で日本企業がボロ儲けできる保障はどこにもないのだけれどもね。



※ 劉先生とか敬語を使うのは、ファンだから。学部の時にはおらっしゃらなかったが、院の時に去年単位をとった講義を次の年も自主的に参加してりしていた。論文も副査をして頂いた。
2014.04
11
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 10式戦車なんだが、なんでわざわざ「ヒトマル-シキ」と読めと強要するのかね。一般向けの記事読んでもわざわざ「ヒトマル」と読めとあるが、あれはシャバの読み方ではない。そもそも、国語の正規表現的に「ヒトマル」を10と書くことはない。普通に「ジッシキ」、「ジュウ-シキ」と読めばいい。己はいつもジッシキと読んでいる。

 「自衛隊でそう読むから正しい読みだ、シャバでもそう読め」というのも無理な話だ。その理屈で言えば、「医者はコウクウとよむから、『口腔外科』の正しい読みはコウクウ外科だ」ということになるだろう。「いや、医者は慣習の読みであり、自衛隊には内部文書がある」といっても、何もかわらない。内部文書は外部には影響力を及ばさない。

 年式名の読みとしても慣習となるほど権威のある読みではない。

 制式年の数字を通信読みするのは、昭和3年後半、88式騎槍以降の話にすぎない。それ以前は数字を普通に読んでいた。旧軍の11年式軽機は「ジュウイチ年式」だった。実際には「エムジー」とすら呼ばれた、つまりMGで終わりだ。

 さらに、10の0をマルと呼ぶ慣習は、さらに昭和30年からの話である。九〇式練習機は「キュウ-ゼロ」あるいは「キュウ-レイ」であり、一〇〇式重爆は「ヒャク式」、零式艦戦は「レイ式」あるいは「ゼロ式」である。

 もっとおかしいのか、07式アスロックの類である。「ナナ式」と読めばいいのに、なんでわざわざ「マルナナ」と「マル」をつけるのかね。5+3は、マルゴ+マルサンか。なんにせよ、命名基準もおかしければ、読み方もおかしい。

 そもそも、自衛隊で数字は全部、通信よみすると思ったら大間違いである。航空機を固有識別するときは、機体番号でP-3C、5302機というように書くが、この時は「五千・三百・二・機」と読む。そもそも固有名詞である、それを「ゴーサンマルフタ」と読むのなら、山本五十六は「山本ゴーロク」か、塚原二四三は「塚原フタサンヨン」かということになる。

 他にも、八を「ハチ」以外に読むこともある。おそらく海自だけなのだが、結構「ヤ」と読む。0800iは「マルヤマルマル(・インディア)」だし、66式測距儀で測距時をするときには、880mは、「8 . 80」、つまり「ヤー点ヤーマル」と読む。0は結構ゼロとも読む。通信よみが常に正しいと思うと大間違いだということだ。
2014.04
10
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17:55
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 軍事研究の自分の記事を読んでいて気づいたのだが。5月号95pに書いた「陸兵からGPS座標貰っても、そのままだと艦砲射撃(NGFS)で砲弾ブチ込めないかもしれない」問題なんだが。その後、詳しい奴、ぶっちゃけ関連の担当に聞いたら「現状でブチ込めない」だって。

 己が原稿に書いた「もしかしたら『あたご』にはGPSブッコミのサブ・システムあるかもね」は「まだない」ということです。

 確かに、先に陸兵がその手のオモチャ持たないと意味もないけどね。水上艦にサブシステム作るのもそれほど面倒でもないけど、なにより陸兵がその手のデータ送出手段もってなければ何にもならない。そのフォーマットもないのにシステムは組めないなあといったところじゃないの。

 まあ、陸兵にスマホ持たせて、スマホから統合型の通信機にBluetoothかUSBか、アップルの金儲け専用ケーブルで繋げば解決だけどね。
2014.04
10
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12:00
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 今日付発売の『軍事研究』で上陸戦の記事を書かせてもらいました。全3回の1回目で、・ 日本が必要とする上陸戦戦力はどんなものか
・ 上陸戦に必要な物はなにか
・ そのうち今の日本に足りないものは何か
について書きました。

 …「『限定的な海空支配で上陸戦ができる』というのは誤り」「『海空戦力で上陸戦が阻止された例はない』というジンクスを信じて上陸戦をするバカはいない」とか書いてるね、己。
2014.04
09
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 去年末のNAVINTの記事だが、中国の輸出用潜水艦について潜在的な市場規模を25億ドル超と見積もっている。"Enter the Dragon:China's naval export drive pick up speed"と題した記事に、今まで中国艦を買った国や、旧式艦の入れ替え時期にある国の需要について推計し、全部足した数字を示している。

 しかし、実際に中国製潜水艦はそれほど売れるのだろうか?

 確かに、中国製軍艦の輸出は堅調である。中国は第三世界ほかに向けて、フリゲートやミサイル艇といった手頃なサイズの軍艦を売っている。性能も一昔前の輸出型水上艦とは明らかに異なる。機関も兵装も近代化され、なによりデザインも結構垢抜けている。

 だが、最近は潜水艦を売った実績はない。確かに中国は、かつて第三世界や非同盟諸国向けに、中国は自国製のロメオ-明型を売ったり供与したりしていた。だが、その後の宋型やそれ以降は売っていない。

 おそらく、新世代の中国潜水艦には価格面での絶対的な優位性がない。

 新しい中国潜水艦は、安価ではない可能性が高い。宋以降については、中国は外国製部材を使っているという話がある。フランス製ソーナーやドイツ製エンジンを使っているという話もある。水上艦からの類推では、イタリア製システムが入っていても不思議はないだろう。高額な外国製部品を多用するとなると、中国製でも、それまでとは違い、それなりの価格になってしまう可能性も高い。

 同じ価格帯では、中国製潜水艦はロシア製潜水艦に勝てるとは思えない。中国の新型潜水艦の輸出価格が、ロシアのキロ級と同価格帯となると、国際市場では中国には勝ち目はない。ロシアのキロ級には自国使用や輸出の実績があり、高性能といった評価を受けている。対して、中国の潜水艦にはそれはない。同じ価格帯ならキロを選ぶことになる。

 だが、NAVINT記事も市場規模推計としては間違っているわけではない。おそらく、NAVINTが提示した国の海軍は中国製潜水艦も選択肢に入れるだろう。そのように中国製が選択肢に入った潜水艦調達の規模は、合計すれば10隻20隻にもなり、25億ドル超ともなるだろう。

 しかし、実際に中国製が売れるかどうかは別の話である。中国潜水艦は、フランス製戦闘機ラファールのようなものだ。一時期、先進・中堅国での戦闘機調達では、フランスのラファールが常に選択肢に入っていた。そのようにラファールが選択肢に含まれた戦闘機調達は、合計すると、間違いなく300億ドルは超えていただろう。だが、結局ラファールは輸出されていない。同じ性能ならSu-27を買うし、同じ価格帯ならF-35が選ばれた結果である。同じように中国潜水艦はキロ級に敗れるだろう。



※ Scott,Richard "Enter the Dragon:China's naval export drive pick up speed""Jane's Navy International" (IHS,London,2013.12)pp.26-30.
2014.04
08
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 そろそろお迎えも近いだろうワイダ監督の『ワレサ 連帯の男』を見てきたよ。



 ここだけの話だが、ネタバレするとワレサと連帯がポーランド労働者党独裁体制に勝つ中身になっている。それはさておき、それよりもワイダが描く社会主義ポーランドの工場経営のアレ加減にマネージャーは何をやっているのだろうと思ったよ。

 コメコン体制下でポーランドは造船を受け持っていた。ソ連は軍艦を作り、ポーランドは商船や輸送艦を受け持つ体制であった。そのため、造船業に重点を置いた工業生産をしていた。その象徴がグダニスク造船所であり、ワレサはそこの電気工であった。

 しかし、その重点生産が上手くいかない。社会主義的生産でいつも出てくるノルマを割り振るのだが、結局、ノルマは達成できない。その原因は労働量投下の問題ではなく、大本は停電と鋼材不足による。労働者は手空きを強制される。

 また、労働効率を上げる工夫にも欠ける。ケレン工か塗装工なのだが、防塵マスクがない。ワレサは防塵マスクを支給されていない労働者を責任者のところに連れて行くが、マネージャークラスは(官製の)労働組合に掛け合えというだけ。

 そこで、マネージャーは何をやっていたのだろうか。もちろん、映画であって無能なポーランド社会主義生産体制を強調しているのだろうけど。一番貧しい労働者を買収して「ノルマ未達は自分たち労働者の責任だから、自分たちの給与を下げよう」と提案させる程度なのか。

 結局、戦時下の日本のアレな徴用工場と同じではないのかね。戦時下日本では、工場は利潤や原材料割当も確保されたので、経営者は何もしなくなった。社会主義ポーランドの工業生産も、エリート工場であるグダニスク造船所でもそうだったということなのか。

 もちろん、マトモなマネージャーもいたと思うよ。戦時日本でも、現有の工場設備を最大限に回転させようとした経営者や軍監督官がいた。戦後の日本生産性本部はそういった連中が作ったものだし、戦後の科学的経営の萌芽でもあった。同じように、ポーランドにもいたはずだろう。

 戦時日本の工場でも、マトモなマネージャーは生産性を維持するために、なんでも工夫をした。映画で言えば防塵マスクの類がそれでコネや賄賂を使っても手に入れたし、鋼材品切や停電があっても手空にならないように工夫をした。食糧が問題なら闇で直接購入もした。

 しかし、映画で出てくるグダニスク造船所のマネージャーは何もしていない。もちろん、現実には優先割当そのほかを要求したのだろうが、おそらくそのあたりで終わりだろう。映画の中でおそらく事実である部分、労組の大会で無様な小細工を弄して失敗したり、不穏の空気を予察できず、突然のストに狼狽えたりするようでは駄目ではないのか。



※  アンジェイ・ワイダ『ワレサ 連帯の男』(アルバトロス・フィルム,2013)

※※ ポーランド労働者党独裁体制でも、政治犯罪でも逮捕から48時間しか拘束できず釈放する。このあたり、中世の司法制度運用をしている日本よりも自由を大事にする国じゃないのかね。

§  オレ、酒飲まないから、路上飲酒検問もイイねと思った。飲酒運転の検問じゃなくて、歩行者への飲酒そのものの検問ね。それを理由に付き合い酒を断れるからねえ。

§§  映画が始まる前に、配給そのほかの会社のロゴCGが10以上でる。数えると面白いと思うよ。
2014.04
07
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12:00
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 唐家璇さんがトキを見に行くのは、佐渡にあるレーダサイトのスパイが目的だと言いたいらしい。

 産経ニュース「ガメラレーダー 日本海の要、接近 中国重鎮の思惑」は、あまりにも残念な内容になっている。「【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(1)】」とシリーズ化しているが、読んで「佐渡ヶ島が危ない」と危機感を想起できるものではない。もし仮に、読者で危機感を想起した方がいたなら、その精神状態に危機感を抱いて貰うべき内容である。

 そもそも、中国が佐渡を狙っているとする主張がよくわからない。産経新聞では
 総領事館の開設と不動産取得。佐渡での新潟国際芸術学院進出と唐家●氏の訪問。この時期、中国では有事の際に国と軍が民間のヒトやモノを統制する国防動員法が施行され、北朝鮮の羅津港や清津港の長期租借が決まった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040611310008-n5.htm
と述べている。前段の新潟・佐渡と、後段の国防動員法とやらと、租借の話をどう結びつけていいのかわからない。

 そもそも、それぞれのトピックも「だからなんだ」というようなものだ。

 唐家璇さんが、レーダのスパイだと示唆するあたりについては、よくこんな記事が通ったものだとしか思えない。記事では、唐家璇さんは佐渡ヶ島のトキ繁殖施設を見に行くついでに、景勝地である山を通ったことをさも重大事の様に述べている。
[唐家璇さんと佐渡市長さん御一行が]佐渡・妙見山(標高1042メートル)中腹の峠の茶屋「白雲台」で休息を取っていた。山頂にそびえ立つ航空自衛隊佐渡分屯基地のガメラレーダーとの距離はわずか3キロ。佐渡の市街地や両津湾も一望できる。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040611310008-n1.htm
スパイとでも言いたいのだろうが、やるなら秘密裏に技術者が専用機材の一つも持ってくるだろう。カストロ議長が国連総会に来た時に「この時、ウオール街まで約3km」と言って、世界経済中枢への攻撃準備だというようなものだ。

 また、中国が北朝鮮に租借権を確保したことを「日本海に強力な中国海軍が出現する」と主張するのもズレている。
羅津港と清津港はいずれも針路を東に取れば津軽海峡に、南下すれば佐渡島に行き着く。防衛省幹部によると、中国の空母・遼寧の動向が大きな懸念材料だという。「60機、70機の戦闘機を搭載できるので、1つの航空団並みの大きさになる。それがそのまま、日本海を動いているのと同じようになり、脅威になる。中国は今、太平洋進出を狙っているので気が抜けない」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040611310008-n2.htm
中国海軍が、自分から日本海に空母を置いて雪隠攻めになるとでもいうのだろうか?

 中国には、日本海に艦隊を置くメリットはない。まず、対馬・津軽・宗谷海峡を通過しないとどこにもいけない。何かあって中国海軍が集結するにも、日本との関係次第では日本海に置いた艦隊は、遊兵になる可能性が高い。そもそも、北朝鮮にまともな艦隊支援施設もない。日常的な整備でも対馬海峡を通るようなところに、唯一の虎の子空母を置く理由がわからない。60-70機の戦闘機云々といい、本当に「防衛省幹部」とやらに聞いたのかも怪しいものだ。

 佐渡農協の不良資産を、中国系企業が掴まされた話を「深まる中国支配」とするのも、相当にズレている。要は、JA佐渡が作り、全く採算が合わない「道の駅」を、元中国人の学校法人が買ったというだけの話である。実際は掴まされたようなものだ。

 不良資産を掴ませた話では発展しないので、新潟に中国領事館を作ろうとした話にリンクさせて「『新総領事館が完成すると、治外法権で対応できない場所が拡大される』」という発言とくっつけている。だが、そもそも領事館問題自体が牽強付会なので、これもどうしようもない内容である。

 いずれにせよ、中国人が新潟にトキを見に来た話と、中国系日本人が新潟で不良債権を掴まされただけの話である。どこをみても「[佐渡ヶ]島が危ない」とはならない。この記事を読んで「佐渡が危ない」と危機感をドライブされた読者がいたら、その危機感を感じる脳内の経路、あるいは精神状態に危機感を抱くべきである。



※  「ガメラレーダー 日本海の要、接近 中国重鎮の思惑 -【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(1)】」産経ニュース(産経新聞,2014.4.6)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040611310008-n1.htm

※※ まああれだ、記事の先頭にある「ブログに書く」と「ツイートする」の数字をクリックして出てくるネトウヨを見ると、「中国」という文字を見るだけで脳内ニューロンが興奮状態になっているみたいだけどね。サイン刺激なんだろう。赤く半塗りした棒に必死で突っかかるイトヨとか、鏡をみて必死に産卵しようとする蚊のようなものか

§ https://twitter.com/search?q=http%3A%2F%2Fsankei.jp.msn.com%2Fpolitics%2Fnews%2F140406%2Fplc14040611310008-n1.htm まあ、こんなものだ。お気の毒に。
2014.04
06
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12:00
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 今となってはアスロックは要らないのではないか?

 アスロックは、ASROC:Anti-Submarine ROCketで、その名の通り短魚雷を運ぶロケットである。ミサイルというほど偉いものではなく、水平方位を合わせて45度で発射、時間に合わせて無線で対潜用短魚雷を切り離すというもの。VLS用はもう少し複雑なのだろうが、その程度のものだ。

 しかし、今となってアスロックを使うことは、あまり考えられない。

 水上艦による対潜戦は艦載ヘリで終始するようになったためである。このため、アスロックは出番を喪った。

 殆どの場合、艦載ヘリは水上艦よりも先に潜水艦を探知する。艦載ヘリの方が捜索エリアは広く、遠い。捜索手段も複数持ち、MADを使えばピンポイントで位置も確定できるため、確実である。

 また、艦載ヘリは見つけた潜水艦を、その場でそのまま攻撃できる利点がある。MADで位置が確定すれば、その場で短魚雷を落とせばよい。短魚雷の探知パターンの関係から、ホバリングして魚雷を落とすほうが確実という話もあるが、当たらなければもう一度攻撃をすればよい。

 対して、水上艦によるソーナー探知のエリアは基本的に狭い。特に静かになったといわれる潜水艦については、近距離探知しかないだろう。その時もアクティブ探知かもしれない。その距離では、最低射程や捜索パターンでメンドいアスロックを発射するよりも、艦艇に積んだ短魚雷の方が手っ取り早い。

 仮に、水上艦が遠距離で探知(CZとかBBね)できても攻撃に足る精度ではない。実際に、その時は艦載ヘリを飛ばして確実な探知を狙うことになる。結局、その時もアスロックは出る幕もない。

 これらの点から見れば、アスロックは要らない。

 それからすれば「ゆき」や「きり」のペッパーボックス・タイプは転用したほうが良い。取っ払って別の兵装を積むか、中に対艦ミサイルやシー・スパロー、あるいはSM-2でも積んだほうがよいだろう。(SM-2を誘導する方法はしらないが) ランチャーの後ろ、艦橋基部にある装填室も物置くらいには使える。

 また、「あめ」以降も、アスロックは積まないほうが良い。そのスペースがあれば、対空ミサイルの類を積んだほうが良いということになる。

 実際に「あめ」以降は、おそらくアスロックを積もうという考えはそれほどないのではないか。実際には、「別に積むミサイルも高額であるので、VLSを埋められないからそこにアスロックを積んでいる」程度ではないかと疑うものである。

 なによりも、一番の無駄は、07式アスロックである。正式名「07式垂直発射魚雷投射ロケット」(ググった)は、対潜戦大事、国産開発大事として作られた兵器だが、できた頃にはアスロックはいらない子になっていた。「何かあった時のために垂直式アスロックが必要」としても、すでにアメリカから垂直発射式アスロックは導入されていた。その伝から見ると、全く無駄な開発であった。※



※ 特に、米国製の垂直発射アスロックよりも高性能を目指していたこともマヌケだった。開発要求の段階では、射程100マイルとかバカなことも抜かしていた。開発したい病や高性能・高価格・低実用性の極みのような兵器であることだよ
2014.04
05
CM:7
TB:0
12:00
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 電力が足りないから景気に障るという話もナンだ。だから原発を再起動するといいたいのだが、話は逆で、電力会社のバランスシートのために原発を再起動したいから、電力が足りないと言い張っているのだろう。

 しかし、電力は別に足りないわけではない。電力が足りないのは、電力を安売りしている結果に過ぎない。電力は一物二価どころではない。相手に応じて大幅割引をしている。例えば信号や農業向け電力がそれだ。

 信号向けの電力は、家庭用の1/3の価格で販売している。また、街頭も種類によるが、同じような価格である。これらは公共用ということで、安く抑えているが、無駄遣いされる原因にもなる。

 農業用の電力は、効率ほかは全く無視して、概ね家庭用の半額になっている。食料生産優先の時代の名残なのだろう。当然、全く節電努力をしない。

 極端には安くはないが、大口需要家にも電力は安売りしている。特高受電にすると電力料金は半額になる。もちろん、その代わり受電設備や要因は企業持ちになるので、総合的に単純半額とは言えない。だが、設備と人員を揃えてしまえば、電力は安いので目一杯使おうとする。一応、企業には経費削減もあり、効率化や節電はしているものの、その努力は電力料金に釣り合ったところでやめる。

 この種の電力料金を家庭用と同水準に引き上げるだけで、電力は余る。信号用や農業用は需要的にそれほど多いものではないが、大口需要家分は家庭用よりも多い。仮に特高受電の電力単価を家庭用と同額にして、受電設備分を割引く形にすれば直ぐに電力は余る。受電経費を揃える分のインセンティブ云々というなら、その経費の五割でも一〇割で割増してやれば良い。

 電力が高くなれば、電気の無駄使いはなくなる。雪国だと「信号に雪がかかるのでLED化しない」と言っているが、電力料金が3倍になれば話も変わる。国も県も市町村も警察の言いなりに無駄に信号をつけたりはしなくなるし、既存の信号も入れ替える。信号機も降雪期にはヒータの類をつけるだろうし、ヒータの電気代を節約するために、信号機の形状を工夫したり、テフロン加工をする程度のこともするだろう。