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陸海空とも、高性能化に伴い、装備ほかの値段が上がっているわけで、数が減るのは仕方がない。
佐藤守さんが「『力なき正義は無効』・わが国の防衛政策に思う」http://blogos.com/article/80547/が陸海空戦力の減少を問題視している。民主党政権批判や、中国は必ず攻めてくるといった部分はお歯が合わないのでさておく。
その最後に「新防衛大綱の目指すべきもの」という節がある。毎回の防衛大綱について「『軍縮ムード』」を指摘しており、その具体的な提示として陸自人員や海空主要装備の減少を挙げている。
しかし、各大綱での陸海空戦力縮小は「『軍縮ムード』」による戦力削減なのだろうか?
まず、陸自定数は陸自戦力を図る指標として正しくはない。陸自は定数を満たしたことはない。定数18万時代も、実数は16万に達したことはほとんどない。そして、今の定数15.4万は実数約14万に近い。この観点からみれば、陸自はあまり人員削減をしていない。(現今の環境と陸自の必要性低下から、もっと削減の余地はあるがそれはココでは述べない)
また、陸自戦力の強化も無視している。昭和50年代の陸自と今の陸自は違う。かつてはごく一部の正面部隊を除けば、あとは火力も乏しい徒歩歩兵であり、旧式の供与装備が残っていた。しかし今日は、ほぼ全ての部隊が強化されている。
実質的には、戦力は強化されている。当座の必要がない陸自でありながら、人員はほとんど減らず、装備は高性能化・高額化している。人員が実数15.5万から実数14万に減少したかもしれない。だが、戦車やヘリは高性能化し、装甲車や長射程の野砲は山陰や近畿の警備部隊まで引き渡されている。
海空自も同じようなものだ。少しばかり数は減っても、戦力全体では増強されている。
水上艦の数は60隻から48隻に減ったかもしれないが、沿岸でしか使えないような、ヘリもミサイルも積まないDDKの類から、外洋で使え、ヘリもミサイルも積んでいる大型の「ゆき」以降に切り替わっている。DDGの数は8隻確保され、しかもそのうち6隻はイージスである。
空自作戦用機も、430から340に減った以上に強化されている。戦闘機はF-104、F-86からF-15,F-2となり、F-35に変わろうとしている。輸送機はC-46からC-130に、存在しなかったAEWやAWACSも世界有数の数を持ち、空中給油機もそれなりに確保している。
つまり、陸海空戦力は年を追うごとに成長しているということだ。これは相対的に見ても同じである。他国との関係でみても、確かに中国は軍事力を成長させているかもしれないが、米国は伸び悩み、かつての脅威ソ連はロシアになり、極東や太平洋では無視できる戦力に落ちぶれている。
戦力が強化されている以上、数が減ることを、それほどに責めることもないだろう。
そもそも、高価格化で数が揃えられない状況がある。戦車はM4(タダ)から、61式(1億)、74式(4億)、90式(10億)、10式(実質10億+)に値段が上がっている。艦艇も、当時一番安い新造艦、ちくご型後期で80億円(初期型は30億程度)だったものが、イージス艦となると1隻1000億を超えている。戦闘機も、F-104(10億)、F-4(30億)、F-15・F-2(100億)、F-35(実質100億+)となっている。
この状況で、高性能装備をかつてと同じ数を揃えろというのは無茶な話である。宗教的情熱で「戦車が1200両なければ国が滅ぶ」と言うのなら、買う戦車をT-55にでも変えないと駄目な話である。
佐藤守さんが「『力なき正義は無効』・わが国の防衛政策に思う」http://blogos.com/article/80547/が陸海空戦力の減少を問題視している。民主党政権批判や、中国は必ず攻めてくるといった部分はお歯が合わないのでさておく。
その最後に「新防衛大綱の目指すべきもの」という節がある。毎回の防衛大綱について「『軍縮ムード』」を指摘しており、その具体的な提示として陸自人員や海空主要装備の減少を挙げている。
3自衛隊とも、例えば51大綱で18万人であった陸自定数は16万⇒15万5千⇒15万4千に、海自護衛艦数は60隻⇒50隻⇒47隻⇒48隻に、空自の作戦用航空機数は430機⇒400機⇒350機⇒340機と戦力がどんどん削減され続けてきた
しかし、各大綱での陸海空戦力縮小は「『軍縮ムード』」による戦力削減なのだろうか?
まず、陸自定数は陸自戦力を図る指標として正しくはない。陸自は定数を満たしたことはない。定数18万時代も、実数は16万に達したことはほとんどない。そして、今の定数15.4万は実数約14万に近い。この観点からみれば、陸自はあまり人員削減をしていない。(現今の環境と陸自の必要性低下から、もっと削減の余地はあるがそれはココでは述べない)
また、陸自戦力の強化も無視している。昭和50年代の陸自と今の陸自は違う。かつてはごく一部の正面部隊を除けば、あとは火力も乏しい徒歩歩兵であり、旧式の供与装備が残っていた。しかし今日は、ほぼ全ての部隊が強化されている。
実質的には、戦力は強化されている。当座の必要がない陸自でありながら、人員はほとんど減らず、装備は高性能化・高額化している。人員が実数15.5万から実数14万に減少したかもしれない。だが、戦車やヘリは高性能化し、装甲車や長射程の野砲は山陰や近畿の警備部隊まで引き渡されている。
海空自も同じようなものだ。少しばかり数は減っても、戦力全体では増強されている。
水上艦の数は60隻から48隻に減ったかもしれないが、沿岸でしか使えないような、ヘリもミサイルも積まないDDKの類から、外洋で使え、ヘリもミサイルも積んでいる大型の「ゆき」以降に切り替わっている。DDGの数は8隻確保され、しかもそのうち6隻はイージスである。
空自作戦用機も、430から340に減った以上に強化されている。戦闘機はF-104、F-86からF-15,F-2となり、F-35に変わろうとしている。輸送機はC-46からC-130に、存在しなかったAEWやAWACSも世界有数の数を持ち、空中給油機もそれなりに確保している。
つまり、陸海空戦力は年を追うごとに成長しているということだ。これは相対的に見ても同じである。他国との関係でみても、確かに中国は軍事力を成長させているかもしれないが、米国は伸び悩み、かつての脅威ソ連はロシアになり、極東や太平洋では無視できる戦力に落ちぶれている。
戦力が強化されている以上、数が減ることを、それほどに責めることもないだろう。
そもそも、高価格化で数が揃えられない状況がある。戦車はM4(タダ)から、61式(1億)、74式(4億)、90式(10億)、10式(実質10億+)に値段が上がっている。艦艇も、当時一番安い新造艦、ちくご型後期で80億円(初期型は30億程度)だったものが、イージス艦となると1隻1000億を超えている。戦闘機も、F-104(10億)、F-4(30億)、F-15・F-2(100億)、F-35(実質100億+)となっている。
この状況で、高性能装備をかつてと同じ数を揃えろというのは無茶な話である。宗教的情熱で「戦車が1200両なければ国が滅ぶ」と言うのなら、買う戦車をT-55にでも変えないと駄目な話である。
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