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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.04
06
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12:00
Category : 未分類
 今となってはアスロックは要らないのではないか?

 アスロックは、ASROC:Anti-Submarine ROCketで、その名の通り短魚雷を運ぶロケットである。ミサイルというほど偉いものではなく、水平方位を合わせて45度で発射、時間に合わせて無線で対潜用短魚雷を切り離すというもの。VLS用はもう少し複雑なのだろうが、その程度のものだ。

 しかし、今となってアスロックを使うことは、あまり考えられない。

 水上艦による対潜戦は艦載ヘリで終始するようになったためである。このため、アスロックは出番を喪った。

 殆どの場合、艦載ヘリは水上艦よりも先に潜水艦を探知する。艦載ヘリの方が捜索エリアは広く、遠い。捜索手段も複数持ち、MADを使えばピンポイントで位置も確定できるため、確実である。

 また、艦載ヘリは見つけた潜水艦を、その場でそのまま攻撃できる利点がある。MADで位置が確定すれば、その場で短魚雷を落とせばよい。短魚雷の探知パターンの関係から、ホバリングして魚雷を落とすほうが確実という話もあるが、当たらなければもう一度攻撃をすればよい。

 対して、水上艦によるソーナー探知のエリアは基本的に狭い。特に静かになったといわれる潜水艦については、近距離探知しかないだろう。その時もアクティブ探知かもしれない。その距離では、最低射程や捜索パターンでメンドいアスロックを発射するよりも、艦艇に積んだ短魚雷の方が手っ取り早い。

 仮に、水上艦が遠距離で探知(CZとかBBね)できても攻撃に足る精度ではない。実際に、その時は艦載ヘリを飛ばして確実な探知を狙うことになる。結局、その時もアスロックは出る幕もない。

 これらの点から見れば、アスロックは要らない。

 それからすれば「ゆき」や「きり」のペッパーボックス・タイプは転用したほうが良い。取っ払って別の兵装を積むか、中に対艦ミサイルやシー・スパロー、あるいはSM-2でも積んだほうがよいだろう。(SM-2を誘導する方法はしらないが) ランチャーの後ろ、艦橋基部にある装填室も物置くらいには使える。

 また、「あめ」以降も、アスロックは積まないほうが良い。そのスペースがあれば、対空ミサイルの類を積んだほうが良いということになる。

 実際に「あめ」以降は、おそらくアスロックを積もうという考えはそれほどないのではないか。実際には、「別に積むミサイルも高額であるので、VLSを埋められないからそこにアスロックを積んでいる」程度ではないかと疑うものである。

 なによりも、一番の無駄は、07式アスロックである。正式名「07式垂直発射魚雷投射ロケット」(ググった)は、対潜戦大事、国産開発大事として作られた兵器だが、できた頃にはアスロックはいらない子になっていた。「何かあった時のために垂直式アスロックが必要」としても、すでにアメリカから垂直発射式アスロックは導入されていた。その伝から見ると、全く無駄な開発であった。※



※ 特に、米国製の垂直発射アスロックよりも高性能を目指していたこともマヌケだった。開発要求の段階では、射程100マイルとかバカなことも抜かしていた。開発したい病や高性能・高価格・低実用性の極みのような兵器であることだよ
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