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去年末のNAVINTの記事だが、中国の輸出用潜水艦について潜在的な市場規模を25億ドル超と見積もっている。"Enter the Dragon:China's naval export drive pick up speed"と題した記事に、今まで中国艦を買った国や、旧式艦の入れ替え時期にある国の需要について推計し、全部足した数字を示している。
しかし、実際に中国製潜水艦はそれほど売れるのだろうか?
確かに、中国製軍艦の輸出は堅調である。中国は第三世界ほかに向けて、フリゲートやミサイル艇といった手頃なサイズの軍艦を売っている。性能も一昔前の輸出型水上艦とは明らかに異なる。機関も兵装も近代化され、なによりデザインも結構垢抜けている。
だが、最近は潜水艦を売った実績はない。確かに中国は、かつて第三世界や非同盟諸国向けに、中国は自国製のロメオ-明型を売ったり供与したりしていた。だが、その後の宋型やそれ以降は売っていない。
おそらく、新世代の中国潜水艦には価格面での絶対的な優位性がない。
新しい中国潜水艦は、安価ではない可能性が高い。宋以降については、中国は外国製部材を使っているという話がある。フランス製ソーナーやドイツ製エンジンを使っているという話もある。水上艦からの類推では、イタリア製システムが入っていても不思議はないだろう。高額な外国製部品を多用するとなると、中国製でも、それまでとは違い、それなりの価格になってしまう可能性も高い。
同じ価格帯では、中国製潜水艦はロシア製潜水艦に勝てるとは思えない。中国の新型潜水艦の輸出価格が、ロシアのキロ級と同価格帯となると、国際市場では中国には勝ち目はない。ロシアのキロ級には自国使用や輸出の実績があり、高性能といった評価を受けている。対して、中国の潜水艦にはそれはない。同じ価格帯ならキロを選ぶことになる。
だが、NAVINT記事も市場規模推計としては間違っているわけではない。おそらく、NAVINTが提示した国の海軍は中国製潜水艦も選択肢に入れるだろう。そのように中国製が選択肢に入った潜水艦調達の規模は、合計すれば10隻20隻にもなり、25億ドル超ともなるだろう。
しかし、実際に中国製が売れるかどうかは別の話である。中国潜水艦は、フランス製戦闘機ラファールのようなものだ。一時期、先進・中堅国での戦闘機調達では、フランスのラファールが常に選択肢に入っていた。そのようにラファールが選択肢に含まれた戦闘機調達は、合計すると、間違いなく300億ドルは超えていただろう。だが、結局ラファールは輸出されていない。同じ性能ならSu-27を買うし、同じ価格帯ならF-35が選ばれた結果である。同じように中国潜水艦はキロ級に敗れるだろう。
※ Scott,Richard "Enter the Dragon:China's naval export drive pick up speed""Jane's Navy International" (IHS,London,2013.12)pp.26-30.
しかし、実際に中国製潜水艦はそれほど売れるのだろうか?
確かに、中国製軍艦の輸出は堅調である。中国は第三世界ほかに向けて、フリゲートやミサイル艇といった手頃なサイズの軍艦を売っている。性能も一昔前の輸出型水上艦とは明らかに異なる。機関も兵装も近代化され、なによりデザインも結構垢抜けている。
だが、最近は潜水艦を売った実績はない。確かに中国は、かつて第三世界や非同盟諸国向けに、中国は自国製のロメオ-明型を売ったり供与したりしていた。だが、その後の宋型やそれ以降は売っていない。
おそらく、新世代の中国潜水艦には価格面での絶対的な優位性がない。
新しい中国潜水艦は、安価ではない可能性が高い。宋以降については、中国は外国製部材を使っているという話がある。フランス製ソーナーやドイツ製エンジンを使っているという話もある。水上艦からの類推では、イタリア製システムが入っていても不思議はないだろう。高額な外国製部品を多用するとなると、中国製でも、それまでとは違い、それなりの価格になってしまう可能性も高い。
同じ価格帯では、中国製潜水艦はロシア製潜水艦に勝てるとは思えない。中国の新型潜水艦の輸出価格が、ロシアのキロ級と同価格帯となると、国際市場では中国には勝ち目はない。ロシアのキロ級には自国使用や輸出の実績があり、高性能といった評価を受けている。対して、中国の潜水艦にはそれはない。同じ価格帯ならキロを選ぶことになる。
だが、NAVINT記事も市場規模推計としては間違っているわけではない。おそらく、NAVINTが提示した国の海軍は中国製潜水艦も選択肢に入れるだろう。そのように中国製が選択肢に入った潜水艦調達の規模は、合計すれば10隻20隻にもなり、25億ドル超ともなるだろう。
しかし、実際に中国製が売れるかどうかは別の話である。中国潜水艦は、フランス製戦闘機ラファールのようなものだ。一時期、先進・中堅国での戦闘機調達では、フランスのラファールが常に選択肢に入っていた。そのようにラファールが選択肢に含まれた戦闘機調達は、合計すると、間違いなく300億ドルは超えていただろう。だが、結局ラファールは輸出されていない。同じ性能ならSu-27を買うし、同じ価格帯ならF-35が選ばれた結果である。同じように中国潜水艦はキロ級に敗れるだろう。
※ Scott,Richard "Enter the Dragon:China's naval export drive pick up speed""Jane's Navy International" (IHS,London,2013.12)pp.26-30.
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