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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.04
12
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Category : 未分類
 劉傑先生曰く「日本の国内問題も、日米関係も、結局は『対中関係をどうするか』といった話ではないのか」とのこと。

 こないだ、久しぶりに劉先生の話を聞く機会があったのだが。明治以降、日本外交も、日米外交も、日本国内問題も対中関係をどうするかがテーマではないかと仰っていた。明治後半での外交や、戦前での中国市場問題、最近政治テーマとなっている安全保障・防衛関係は、全て中国問題をどうするかである。

 そういう観点で見れば「田中角栄は『日中国交回復をすれば、日本国内の政治問題も相当に解決する』と述べた」(劉先生)というのも、分かる話である。戦後国内にあった左右対立構造は、相当の部分は中国問題である。

 新中国にどのような関係を持つのか、魅力的な中国の市場にどうアクセスするのか、中国との政治的対立をどうコントロールするのか、これらは昭和20年から40年までの左右対立の底流であった。

 日本国内の経済政策でみても、結局は日中関係と言える部分がある。国交のない中国市場にアクセス出来ないので、東南アジアに行こうとしたり、将来の国交回復、アクセス拡大を見越したLT貿易をやったりとダッチロールしていた。

 政治的対立でみても同じである。自社の左右対立や、自民党内の左右対立、それ以外の野党についても、中国問題についての立場を明示すると非常に分かりやすい。各政権の色付けも同じである。

 そもそも、昭和30年代以降の日中対立は今の比ではない。新中国は日帝をひっくり返せといっているし、日本も大陸反攻という寝言を言う台湾の国府を支援している。国府には武器まで売っている始末である。尖閣やガス田での対立どころではない。

 そして、この問題は日中国交回復で全部解決した。日中国交回復は、パンダを貰うだけの話ではない。巨大な中国市場へのアクセスを可能とし、日中の政治的対立を全部解決するどころか、東アジアを安定させる妙手でもあった。アメリカとソ連に加えて、日本と中国が話しあえば東アジアの問題はたいてい解決する。

 この伝からいえば、今の政治状況も、結局は中国とどう向き合うかの話なのだろう。アレ宰相は、単純な機械じかけの右派なので感情だけで動いているのだろうが、要は対中全面対立であり、それに必要な政策を行おうとしている。

 しかし、アレ宰相の政策のかなりの部分は、中国との関係緩和ができれば不要になるものだ。集団的安全保障はまったくそれであり、中国との対立を緩和できれば当座はどうでもいい話である。失敗しつつあるTRIM外交http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-985.htmlと、政治的に怪しいそれらの諸国との経済的交流拡大も、政治的な対中包囲網や中国市場依存からの脱却を目指したものだ。原発輸出や武器輸出についても、その文脈で捉えることもできる。もちろん、TRIM市場で日本企業がボロ儲けできる保障はどこにもないのだけれどもね。



※ 劉先生とか敬語を使うのは、ファンだから。学部の時にはおらっしゃらなかったが、院の時に去年単位をとった講義を次の年も自主的に参加してりしていた。論文も副査をして頂いた。
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