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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2014.04
17
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Category : 未分類
 東京書籍の教科書を使うと、尖閣諸島の防衛に影響するそうだ。仲新城誠さんは「竹富町、ルール無視の教科書採択 県教委の傲慢さが尖閣防衛に影響」で、そのように主張している。

 仲新城さんは、教科書の中身を尖閣諸島と自衛隊スタンスだけで評価している。
育鵬社版は、尖閣諸島が日本固有の領土であることを詳述し、自衛隊の役割も高く評価している。東京書籍版には尖閣の記述がわずか2行程度。自衛隊も憲法違反を疑う声があると記述している。
東京書籍の教科書は、尖閣諸島を大きく取り上げず、自衛隊をヨイショしないのでヨクナイ、対してアレな育鵬社版は尖閣諸島の問題だけを重視し、自衛隊のやることは何でも讚めるので素晴らしいと述べている。

 そして、教科書採択について、ついに国益を持ちだしている。中国が嫌う育鵬社を使わない竹富町を国益にそぐわないとし、アレ文科大臣の好みの育鵬社を使うことが国益にそぐうとも述べている。
尖閣強奪を虎視眈々と狙う隣国が応援する竹富町と、教科書の変更をルール通りに求める文科省。どちらが国益に沿った動きをしているのか、答えは言うまでもないだろう。


 しかし、その国益とはなんだろうか? 尖閣は日本の領土とはどこの教科書でも述べている。その分量が2行から20頁に増えると、国益になるのだろうか? 自衛隊についても、新憲法との兼ね合いがあるので、「違憲じゃないかという人もいるよ」と書くと、何か国益は損なわれるのだろうか? 

 実際は、国益ではなく、愛国心なのだろう。東京書籍を使うのは愛国心が足りない。なぜなら、尖閣への愛や自衛隊への愛が足りないからだ。育鵬社を使わないのも愛国心が足りない。敵である中国が嫌がる教科書は愛国的であるからだ。そういったものだろう。

 さらにいえば、彼らの愛国心表明は、国家への隷属を競う忠誠心ゲームである。如何に盲目的に隷属しているかの表明を競うようなものだ。北朝鮮で、自分が如何に首領のロボットとしてに隷属しているか、あるいはブラック企業で如何に経営者の反社会的行為に加担しているかを競うものと似ている。

 竹富島の教科書問題は、アレ宗教での信心表明に近い。自分が如何に愛国心あふれる人間であるのかを表明するために、他人が如何に愛国心に欠如しているかを責めている構図そのものだろう。教科書無償措置法のような、予算支出を行うためのだけのアリバイ法を振り回して合法性云々しているは、まったくそのような行いである。



※ 仲新城誠さんは「竹富町、ルール無視の教科書採択 県教委の傲慢さが尖閣防衛に影響」『Zakzak』(産経新聞,2014.4.11)http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140411/plt1404110830001-n1.htm
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