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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.05
31
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09:32
Category : 未分類
 政府は北朝鮮と交渉したらしい。拉致被害者の現況を知らせて、返してくれれば独自制裁を止めるという。ロイター「北朝鮮が拉致再調査に同意、日本は独自制裁解除へ」ではそう言っている。

 だが、その間に核実験とかミサイル発射をしたら、政府はどうするのだろうね。

 もちろん、拉致被害者が帰してくれるのに較べれば、核もミサイルも大した問題ではない。核もミサイルもいままであったものであり、新しく出来るものでもない。技術進歩で困るのは米国であり日本ではない。その点で、知ったことではないといえば知ったことではないのだけれども。

 ただし、保守だから対米従属、対米従属だから保守って頭の現内閣はその辺りを整理できているかというと、疑問もある。役人側も想定としては検討していて、そのスタンスペーパーでも読ませているのだろう。「拉致被害者が帰ってくるならそっちが優先、核とミサイルは見て見ぬふり」なんだろうが、そのときになって、その優先順位の通り押しきれるのだろうかね。今のアレな宰相は右往左往するんじゃないの。

 なんにしても、北朝鮮問題も放置しかない。20年前、サージカル・レイドが選択肢から外れた段階で、北朝鮮は北朝鮮のままで放置という路線になっている。それ以上のやりようもない。

 そもそも当事者のはずの韓国に統一する気が全くないし、統一された朝鮮半島は日本やその他の周辺国にとって、面倒な国になることも明らかでもある。拉致被害者を返してさえくれれば今のままでいいのだろう。

 救う会とやらも、実際に被害者が帰ってくる段になると揉めるんじゃないの。とにかく帰ってくれることを期待する家族サイドと、対北批難することによって政治的利益を得ている自称保守の政治活動家との間で軋轢がでてくるんじゃない。

 まあ、北に金をくれて拉致問題を解決するのも、被害者を返してさえくれれば別に悪く無いと思うよ。そのまま経済援助をして、金で心を汚してしまえばいい。人道問題や食糧問題も南ベトナム程度に開戦するのではないのかね。拝金主義で心を惑わせてしまえば、金にもならない人権侵害よりもビジネスに必死になるだろう。食糧問題も金があれば解決する。今のどうしようもない独裁体制が、南ベトナムやバナナ共和国程度の腐敗独裁体制程度には改善するでしょ。

 北をゼニゲバ資本主義にして、経済回復させると韓国を牽制し、米国を日本だよりにもできる。通常戦力を再建すれば韓国のけん制になり、韓国の日本への当たりも柔らかくなる。米本土に届く核とミサイルができれば、米国も極東の安定した同盟国として日本を大事にしてくれるんじゃないのかな。もちろん、北朝鮮が核とミサイルを日本に使わない前提だけどね。



※   「北朝鮮が拉致再調査に同意、日本は独自制裁解除へ」(ロイター,2014.5.29)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0E90VB20140529

※※  普通、分断国家って統一が悲願で、何があってもそれを優先するものだ。ベトナム、イエメン、ドイツと経済的不利益を承知で頑張ったのだが、韓国がそれほど頑張らないのはなんでだろうかねえと思うよ。
   もちろん、ハッスルされて統一朝鮮半島ができても困る。ナショナリズムから特に日本にキツく当たるだろうし、中国やロシアといった周辺国としても、ババを引くのが日本ならまあいいやということになって、日本にとってあんまいいこともなさそうだけど。

※※※ 清朝整理方式で、金正雲さんを政治権力なき元首にして、三代の間、宮殿と本人限りの不逮捕特権、年5億ドルの宮廷費でもくれてやるとかでいいんじゃないのかね。四代目から朝鮮半島高家筆頭にでもしてね。
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2014.05
30
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05:14
Category : 未分類
 かもめーる販売始めの新聞記事がでているのだけれども。

 年賀状も出さなきゃ暑中見舞いも出さない。どうしても義理を欠かせないところは、年賀やお中元代わりの同人持って直に行くようにしている。それでも年賀状は数枚は来るが、暑中見舞いは1枚も来ない。親爺はそれなりの商売やってるんで年賀状も相当に来るのだが、それでも暑中見舞いは来た覚えもない。お中元は来るのに。

 さて、かもめーるなんて売れているのかね。暑中見舞いが帰ってきたのは秋だったとかいう故事も聞いたこともあるのだが、当節、貰った試しもない。あんなの車屋かデパートだけが出しているのではないかね。

 もともと、年賀も暑中見舞も、主人が小僧連れて華客に扇子やらを配るのが本式だろう。それを書状で代行するのも、わからなくもない。明治期あたりのテキトー崩し字の暑中見舞はそれなりに手間がかかったものだ。

 しかし、ペラ1枚に印刷して配ってどうなるもんでもないだろう。

 郵便局は、大正期に年賀はがきで大当たりして、それを延々と続けている。
昭和の御聖代には民営化以前は外で売り出しなんかしなかったが、今は駅やらで卑屈になって売っている。

 しかし、紙ペラ一枚程度です挨拶なぞ、メールでやっても大差はない。だから年賀状は大量に売れ残るようになった。それでもなお刷り、郵便局員や果たしてバイトまで強制的に売りつけているという。

 かもめーるも、同じ酷さではないのかね。新聞その他も、季節の話題として、いいこと気分で報道している。だが、それよりも背後にある強制割付とか、ノルマとか、金券屋での値崩れを報じれば面白いと思うのだが、いかがかね。

 そいや、全逓って今何しているのだろうかね。昔は強かったのだが、今はトンと聞かないものだ。年賀状やらの強制買い取りの話を聞く度に、かつての年賀状配達ボイコットを再び始めても、かもめーるボイコットくらいやってもいいと思うのけどねえ。あんなものはメール便のDMと同じで配らなくても支障ないものだ。




 ちなみに、己は郵便が大好きで、引越も郵便でやった。転勤先や官舎手配がギリギリなので、引越し屋は使えない。他にも高い本やらが多すぎる。だから、引受も配達日時も拒否できない郵便小包で出した。アレは書留と高額な保険が掛けられるから便利で、小包一つなくなれば200万は儲かる計算とほくそ笑んでいたが、一度として届かなかったことも破損したこともない。

 一番の思い出は、官舎から汽車での超長距離転勤当日の早朝に、起床後に最期に残った敷布団と掛け布団を丸めて差し出したこと。クラフト紙で包んで紐で縛って、24時間局(500m先にあった)まで頭の上に載せて歩いて差し出した。車は前の週に実家送りしていたので、その時にはない。その後、職場に出仕して、転勤書類受け取って、中途、実家数泊のあと、任地についた時には官舎に日付指定の布団も到着していた。
2014.05
29
CM:5
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12:00
Category : 未分類
 日高義樹さんの記事「ワシントンは集団的自衛権に好意的も日本に関心がないオバマ政権」だが。例によって仲間内でキャッチボールしているだけではないのか?

 集団的自衛権について、アメリカは好意的であるとしているが、意見交換をしたのは例のハドソン研究所というもの。そこで集団的自衛権や解釈改憲が高く評価されているというのだが、それって、反捕鯨団体がシーシェパードに話を聞きに行っているのと同じではないのか。

 集団的安全保障も、結局はアレ宰相とその仲間にある現憲法への反感だけでやっているものだ。米側としては、反対はしないが、別段是非ともやってくれとは思わない。確かに、米政府は昔、リクエストをした経緯がある。だから今の米政権も反対しない。だが、イランとの関係を改善し、イラクやアフガン派兵も終わらせる今日では、別にどうでもいい話になっている。

 解釈改憲でも、思い通りに都合の良い反応を拾っている。
 もう一つ、この会議で取り上げられたのは「憲法の解釈を変えて軍事力を持つ」という安倍首相の考え方である。
 「憲法について、それぞれの政府が時に応じた解釈を行ったり、判断を下したりするのは、極めて当たり前」
 ハドソン研究所の学者はこう指摘した。憲法を変えず、解釈を変更して新しい国際戦略を展開することは、現在の国際情勢から見て、極めて適切という見方がワシントンでは有力だ。
これって、本当にワシントンでは有力なのだろうか。ハドソン研究所では、身内にはそういうのが流行っているだけれではないのかね。

 実際、議会すら賛同しない解釈改憲なんか、外見が悪いことこの上ない。中南米あたりのクーデターと憲法停止と大差はない。

 確かに、どうしても必要なら仕方がない部分はある。自衛隊を作るとか、宗教団体が作った学校にも補助するような話ならわからなくもない。その国の議会や国民も納得していれば、周りの国もそういうこともあるよねくらいには見てくれる。

 しかし、大した必要もないのに、指導者の押し付けで強引にやればバカにされる。反対意見も相当強い中、宰相の宗教的情熱だけで、憲法を変えられないから解釈を変えるなんてことをやる国は、その程度のものだ。

 実際に、憲法に三選禁止規定があるのに、それを解釈で変える独裁者、独裁国があればバカにするだろ?

 しかし、それも褒めなければならないのは、保守紙ではなく右派紙の宿命だろう。普通の保守派から見ても、相当に筋悪な主張でもヨイショしなければならない。仕方がないから、好意的な反応を返してくれる相手を探して話を聞いてこなければならならない。それが、上で述べたハドソン研究所である。

 集団的安全保障も、何が何でも悪いわけではない。実際、具体的な必要性が出てきて、どうしても必要といった情勢になれば、その範囲では国論は明許するだろう。コレまでの憲法問題にしても、カンボジアPKOや、ペルシア湾機雷除去、インド洋給油では相当の論議は伴ったが、明許はされた。必要があれば、それ以上の活動も可能となる。

 だが、何の具体的必要性もないときに、宗教的情熱で言い出されても国論はよしとはしない。結局は、アレ宰相の一人危機感であって、周りは今その話をする必要性を感じてはいない。アレ宰相は、救国の愛国者になりたがっているが、そんな危機はどこにもないというのが現状である。

 賛同しているのも、幇間追従者か、同じように勝手に国家的危機感を感じるネトウヨのたぐいだけである。後者はどうみても、終末系の新興宗教に毒されているとしか思えない。

 それを解釈改憲でやるというのもねえ。結局はクーデターで憲法停止を言い出す、発展途上国の救国戦線なみの発想なのだろうね。まあ、発展途上国のクーデターは、その国の知的エリート出身者や官僚実力層が主導するけど、アレ宰相はねえ。



※ 日高義樹「ワシントンは集団的自衛権に好意的も日本に関心がないオバマ政権」『ZAKZAK』(産経新聞,2014.5.28)http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140528/dms1405280830003-n1.htm

※※ 「おじいちゃんみたいに立派な人になりたい」とか思っているのかもしれないけど、おじいちゃんは高文通った素材だからねえ。中身が違いすぎるような気がするね。
   まあ、いまのようにやっていれば、少なくともそのうち同じように言われるよ。おじいちゃんは、かつては大デモを起こして「岸を倒せ、岸を○せ」と言われたけど、このままやっていれば、そこは同じになれるんじゃないのかね。

※※※ 一番不思議なのは、宰相やっても出身大学から名誉博士号貰えないとこ。大概ははどんな奴でも貰えるのだけれども、それがないというのは、大学としても、どんな憲法課目なの?と言った製造物責任やら、恥の上塗りを避ける気持ちがあるんじゃないの?
2014.05
28
CM:1
TB:0
12:00
Category : 未分類
 政府の許可があれば判決を無視して大飯原発を再稼働させるというのだが。実際にそれができるものかね。日経によると「関電社長『控訴審判決前でも再稼働』 大飯原発、政府了承なら」そのように言っている。だが、野田首相の時に再稼働した時にも、永田町での交通が麻痺するような大デモがあった。今度はその上に地裁判決がある。前回よりも抵抗は大きくなり、実現は非現実的ではないのかね。

 似たような話で、原子力学会とやらが地裁判決に文句をつけている。「関西電力大飯原発3、4号機運転差止め裁判の判決に関する見解」なのだが「次は事故は起こさないからと信用しろ」というのが骨子になっている。でもねえ、福島以前にも事故は起きないと言ってた連中が、また同じような事を言ってもね。あんま信用してもらえないんじゃないの。

 一番すごいのは、奈良林直さんの「工学者が見る大飯原発差し止め判決の誤り」 かね。「原発防護体制についての裁判官の無知と誤り」と題して、「裁判官は無知、オレの言うとおり原発は絶対に壊れない」とか言っている。何よりもスゴイのは
原子炉等規制法第43条の3の23にもとづいて原子炉に停止命令を出せるのは、原子力規制委員会だけである。
[中略]
[裁判所の]事実関係の誤りの多い判決が、不必要な混乱を招くことは遺憾である。(奈良林)
だね。

 これ、一種の原発統帥権の主張じゃないの。原発のゴー・ストップは裁判所ごときの関与してよい分野ではない。原発大権は神聖であり、原発統帥権は原子力規制委員会だけが行使できるという発想ではないかね。

 まあ、規制委員会も推進派だけで固めるみたいだし、後には政府や議会の言うことを聞かないで勝手に運用する原発関東軍が出てきたり、かつての朝鮮軍の無断越境みたいに裁判所のいうこと聞かないで無断再稼働するようなことやる原発朝鮮軍が出てきたりするんじゃないのかね。

 実際、震災時にも、東電は政府の言うこと聞こうとしなかった。最近出てきた、吉田所長の聞き取りについての話だと、現地の福島原発では勝手に撤退しようとした敵前逃亡の疑惑もある。今から思えば、あの時は菅直人が首相だったから粛軍ができたんじゃないかと思うよ。安倍だったらアワアワして終わりだったんじゃないかね。
2014.05
27
CM:3
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12:00
Category : 未分類
 「26歳警官、警棒なくして同僚から盗んだ容疑 愛媛」だが、失くしたものについて、真面目に員数を付けようとしたのは、ある種伝統として認めてやってもいいのではなかったか。「日本警察の伝統であって部内でも処罰しない慣習であり、処罰権を乱用したもの」とか反論すれば面白いと思うが、如何か。

 ただし、問題は、隣の同僚から員数をつけた点にある。同じ職場で員数つけるのは御法度である。だが、寝ていたときに装備を採られた奴も間抜けである。それで騒ぐのではなく、戦友愛を発揮し、一緒に他所から員数をつけるべきではなかったか。

 そもそも、警棒などタダの棒切に過ぎない。それに管理番号をつけるほうがオカシイ。無くしたり壊したりした時に面倒くさいことこの上ない。あんなものは、武器扱いせずに、市販品と区別できないようにするべきだろう。何も困ることはないし、管理も楽になる。自衛隊の制服なんかみんなそうだ。

 上司も上司でどうかしている。やったのは身内だということはハッキリしている。それなら、スーパーでスリコギでも買わせてきて、それにマジックで番号を書いて、そこら辺のグレーチングで渾身の力でポッキリ折って交換させればいいのではないか。

 オレが分隊長ならそうするし、そうさせる。鉄砲を員数つけるのではない。所詮は棒きれである。担当にも物品管理に困っているのでこうしたいので頼むといえばどうとでもなる。実際に、靴や雨衣はそうやったことがある。

 候補生の時、被服検査の前にズックを捨てた奴がいた。ズックをもう使わない段階だったし、穴の空いたズックなど何の価値もない。普段も運動靴を履けばいいので問題もないのだが、検査があると聞いて青い顔をしていた。所詮役所だからどうとでもなるだろうと、己のズックを底の部分で二つに切って、靴底のないズックと、靴底だけのズックを二足にしておいておいたら、分隊長は嫌な顔をしたものの検査は通った。

 幹部になった後で、他所の部隊か応援に来た海士が、制服・作業服兼用の雨衣を失くした海士がいた。だが、先任は他所とわらしべ長者のような物々交換で、最終的には正規の員数外雨衣を手に入れてどうにかしていた。まあ、管理上はアレな話なのでアレだが、蛇の道は蛇だと思ったし、必要があってやったことと、面白かったので何も言わなかった。そもそも、どう考えても初任幹部よりも先任の方がエライので文句もつけるものではない。そういうやり方もあるなあと思ったよ。

 警察も消防も軍隊と大差はない組織である。警棒ごときの部内限りで闇に葬れそうな話をなんで正規処分したのか分からない。そんなことでは業務もマトモに回るまいと思うのだがねえ。


※ 「26歳警官、警棒なくして同僚から盗んだ容疑 愛媛」『朝日新聞Digital』(朝日新聞,2014.5.17)http://www.asahi.com/articles/ASG5J5GK8G5JPFIB00M.html
2014.05
27
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11:59
Category : 未分類
相場が上がった日だけ電話をかけてくる先物屋のようなもの

 古森義久さんは、中国に対する意見の片方しか送らないのではないか。ZAKZAKの「【あめりかノート】融和策に限界『中国はやはり敵』 硬化するワシントンの対中姿勢」を見ても、米国にある対中強硬論だけを拾って、日本に送っているように見える。

 古森さんは
いまやワシントンの国政の場では中国への姿勢が超党派で劇的に硬化した。オバマ政権の誕生以来5年半近く、ついに米中新冷戦が本格的に始まったようなのである。
と述べている。

 だが、これは願望に過ぎない。

 現実には、日米と中国の関係は、冷戦期の東西関係とは異なっている。単純に互いは打倒すべき敵ではなく、経済的には仲間であるためである。政治・軍事的側面を重視すれば確かに敵であるが、経済的側面では協力関係にある仲間である。

 普通の人は、二つの視点を案配式にする。安全保障では敵対しているが、経済的には豊かになるために協力関係にあると理解して、バランスを取る。これは、日本でも米国でも中国でも変わらない。

 しかし、古森さんと、古森さんの読者は、そういったバランスはとらないし、取れない。相手を不倶戴天の敵と信じているため、そう表現しなければ許せない。だから、ニュースにしても「相手国は世界の敵である、相手国はいずれ滅ぼされなければならない」という話だけを拾って、記事化して送るのである。このZAKZAKの記事も、全くそれである。

 これは、株屋や先物屋が持ってくるニュースと同じではないか。株屋や先物屋は、将来上がるとしか言わない。持ってくるニュースも、相場が上がった日の話だけである。当然、常に結論は「これからは儲かる」といったものだ。

 普通は、そういった話には眉に唾を塗るものだが、世間には喜んで騙されて消費する連中もいる。それが古森さんの記事の読者であり、中国脅威論だけしか言わない連中なのだろう。その大概が中国包囲網ができつつあるとか、共通の価値観を持ち友情で結ばれた日本とインドとの同盟とか本気で言っているのを見ると、どこにも養分となる人間は居るものだと思うものだ。円天に金を突っ込んだ連中もそんなものだったのだろう。



※   古森義久さんは、中国に対する意見の片方しか送らないのではないか。ZAKZAKの「【あめりかノート】融和策に限界『中国はやはり敵』 硬化するワシントンの対中姿勢」『ZAKZAK』(産経新聞,2014.5.26)http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140526/frn1405261531006-n1.htm
2014.05
26
CM:4
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12:00
Category : 未分類
 結局は、JSFさんとそのお仲間は、兵器のスペックしか興味がないのではないか。ツイッターを見ても、人民解放軍が陸軍そのものを指すこともご存じない様子である。

 JSFさんとDragonerさんは、ツイッターで人民解放軍の英語名称について語っているが、英語名称を知らないことよりも、人民解放軍そのものに無知であることに驚かされる。PLA.jpg
dragoner‏@dragoner_JP
初歩的な疑問になってしまうのだけども、人民解放軍をPLAにすると、中国人民解放軍陸軍、海軍はどうなんの? と。海軍はPLAN? PLN?
https://twitter.com/dragoner_JP/status/470577855399591936

JSF‏@obiekt_JP
@dragoner_JP 人民解放軍陸軍はPLA ArmyでPLAA。海軍はPLAN
https://twitter.com/obiekt_JP/status/470578406078160897
これらのツイートは、二人して人民解放軍の成り立ちや、その構造を知らないことを示している。その発言は、中国の軍隊について、西側的な同格な陸海空軍が分立している構造にあるという思い込みそのものである。

 しかし、中国人民解放軍は、三軍が並立する軍隊ではなく、事実上陸軍組織そのものである。成り立ちも、現組織もそうであって、陸軍組織に海軍や空軍、第二砲兵が属している形態になっている。陸海空同格なのは、儀仗隊位なものだ。

 歴史的に見ても、人民解放軍の海軍や空軍は、成り立ちからしても陸上戦闘部隊に、起義した艦艇や、捕獲された航空機が参加する形になっている。海軍は1949年にできたことになっているが、当座は軍区海軍であり、その地の陸軍にくっついている形であった。

 組織をみてもも同じようなものだ。

 総参謀部での部局をみても、海空軍が陸軍組織に従属している様子が伺える。陸軍はその職域に対応した部もあるにも関わらず、海軍と空軍に対応するのは、陸軍組織が仕切る作戦部の下に、一ランク下の海軍局と空軍局を持つだけにすぎない。

 あるいは、実際の指揮系統を見ても、陸軍組織と海空軍にレベルに高低があることが明らかである。軍区司令官と海軍司令官が同格であるあたりや、空軍は独立せず軍区に属する点、制度上にも、海空軍が陸軍組織は同格ではない。

 そもそも、人民解放軍陸軍といった言い方もあまりしない。JSFさんが後に「人民解放軍陸軍」について
JSF‏@obiekt_JP
@dragoner_JP @BigCalibre_John すみません、正式な外文名はPLAGFでした。PLAAだと国防大学ですね・・・
https://twitter.com/obiekt_JP/status/470581495527006209
と言い出している。だが実際には、PLAで終わりで、PLAGFとはそれほどいわない。さらに、それが指すのも人民解放軍の内の陸上戦闘関係部署程度の意味であり、海空軍と第二砲兵を抜いた程度のニュアンスにすぎない。

 結局JSFさんほかは、解放軍が陸軍そのものであることを理解していない。だから、自分たちの常識である同格・並立の陸海空三軍を解放軍に見つけだそうとしているわけだ。

 JSFさんもDRAGONERさんも、中国製戦車や戦闘機のスペックや、強いとか弱いとかいう話をしていても、中国の軍事制度や、人民解放軍の特性、日本の安全保障との関係は全くわかってないということである。

 結局は、小学生の鉄道マニアが、国鉄の汽車のスペックや駅名を全部を覚えて自慢しているようなものである。新幹線が何キロ出だせるかで他人に喧嘩は売っているが、結局はスペック馬鹿であり、交通政策は理解できないことに似ている。



※ まあ、他の人にはこんな失礼なことはいけないけど、JSFさんとそのお仲間とは相互主義だからね。

※※ 特にJSFさんなんか、英語の文章や動画をいつも引っ張ってきて、英語の部分を日本語にしただけの解説もどきをしているけど。普通はPLAとだけ書いてあってPLAGFがマイナーな表記なことに気づかない。さらにPLAAとか言い出すのは何なんだろうね。あとは簡体字と本字(繁体字)と、日本語の新字体が異体字ですらない書体差であることに気づかず、わざわざ簡体字で表記するのも不思議なもんだ。
2014.05
26
CM:1
TB:0
11:59
Category : 未分類
 オリンピックほかを口実として、競技場ごときに金を突っ込むという話だが。高すぎるから改修でいいだろという話に、「ラグビーの国際試合に間に合わないから1700億突っ込む」といっている。ちなみに、竹富島を訴えたくて仕方がなかった文科相の言である。

 時事通信の「新国立『改修では間に合わず』=下村文科相」では
 下村博文文部科学相は[中略]新国立競技場(東京都新宿区)の建て替え計画に対し、改修で対応すべきだとの意見もあることについて「改修だと計画を最初からやり直すこととなり、19年開催のラグビーワールドカップに間に合わない」と述べ、19年3月の完成を目指して計画通り進める考えを強調した。
とある。

 しかし、急ぐなら今の競技場をそのまま使ったほうがいいだろう。今の躯体を補強し、模様替えするだけなら、早くできるし、改修費は100億もかからない。そもそも、運動会なぞそこらの河原でも野原でもできる行事である。それに1700億も支出しようとするのは、常識では考えられない事態である。1700億あれば何ができるか考えればバカバカしくてボール遊びに支出できるものか。

 結局は、1700億円を業界で分けるだけの頭だろう。オリンピックを口実に、アタマが悪い割には金に汚ないIOC以下のスポーツ諸団体やら、監督官庁の文科省関連団体、建設業界で金を分けるチャンスが目の前にある。それを白紙に戻すことはできないと言っているようなものだ。

 まあ、オリンピックなんか金の無駄遣いだから、やめればいいのだがね。それでもやりたいなら、どっかの野っ原でやればいいだろう。東京にも広い土地はある。荒川土手、江戸川土手、多摩川土手に石灰で白線引いて競技すればよい。そのために専用の競技場などバカバカしい限りであることだよ。



※  「新国立『改修では間に合わず』=下村文科相」『時事ドットコム』(時事通信,2014.5.23)http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014052300252
2014.05
25
CM:5
TB:0
12:00
Category : 未分類
 厚木での海自夜間飛行で、産経新聞が抑止力が低下する云々と言っている。
 厚木基地では、すでに周辺住民に配慮して夜間や早朝の飛行を原則自粛している。だが、任務が深夜に及ぶことも多く、午後10時から翌午前6時までという時間規制は非現実的だ。海洋進出を活発化させる中国への監視活動の強化が求められているのに、抑止力低下につながる。
「厚木基地訴訟 抑止力損なう判断疑問だ」『MSN産経ニュース』http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140524/plc14052403050004-n1.htmより
具体的に厚木からの夜間飛行で担保される抑止力ってなんなのかね。

 抑止力低下という言葉は自分を騙すのにちょうどいい。大概は、具体的に説明できないから、そう言って納得した気持ちになっている。沖縄海兵隊の価値への疑問や、オスプレイ配備への反発、今回の厚木夜間飛行差止といった話について、ライト・イズ・ライトとしか考えられない右派の中の頭の悪い連中は、すぐに抑止力が失われると言い出す傾向がある。あたかも、頭の悪い軍事マニアが、戦車の数を減らす程度の話で、実効上の問題を説明できないので、それは戦車無用論と反発するようなものだ。

 抑止力云々も、具体的にどのような機能がどの程度低下するのかは全く説明できていない。仮に尋ねても、ほぼ答えられないだろう。

 今となっては、厚木は正面ではなく、抑止力とやらを担う基地ではない。かつて対ソ戦が考慮されていた時代は、厚木にある四空群は日本海も担当していた関係から、比較的正面部隊に近い立場にあった。しかし、今日の対中対峙の状況では、まずは後方部隊である。太平洋での監視も無理に深夜離発着する必要は少ない。救難は今回の差止では禁止されない範囲である。

 実査に、厚木の夜間飛行が無くなって、抑止力が減ったと思う国はどこにあるのだろうか?

 軍事的に仮想敵である中国にしても、外洋活動の邪魔になる日本哨戒機の脅威が減ったわけではない。日本南西部を扼する鹿屋や、太平洋にでてもどこまでも追いかけてくる硫黄島のP-3Cの飛行が止まるわけではない。

 そもそも、P-3Cは異様に足が長い。厚木の機体にせよ、飛行が差し止められた夜10時前に飛び立ってしまえば、翌日の昼前まで飛んでいる。中国にとってはP-3Cの脅威が減るような話はない。

 それに、緊急時の飛行は差止に含まれていない。緊急時の飛行とは、救難のための飛行や、災害派遣、緊急着陸であり、有事の際の実働も含まれるだろう。そもそも、報道される限りでは、緊急時の飛行については、その許容範囲を相当に取れるような書きぶりになっている。

 おそらく、交渉次第では1R、2R(ワン・レディ、ツー・レディという、空自で言うスクランブル待機機のようなもの)の飛行も不可能ではない。

 もともとP-3Cにしても、後継となるかもしれないP-1にしても、騒音は大したものではない。飛行が頻繁でなかれば、夜間離着陸への反発もそれほどもない。そもそも、騒音訴訟での眼目は米海軍のジェット戦闘機である。
 
 だから、原告側に「防衛上にどうしても必要な場合、1R、2Rの飛行を認めてくれ、でも実績からすると年に○○回程度しかないよ」という言い方であれば、原告と交渉は可能な範囲である。原告としても、米海軍の航空機が憎いわけであって、別に海自が憎いわけでもなく、海自航空機もそれほどは憎くもない。成立の余地は十分にある。

 他にも、下総や羽田を使用する裏技もある。この場合、厚木基地が持つと主張している抑止力は全く損なわれないことになる。P-3Cはどこから飛ばしても厚木の司令部で管理できる。実際に、厚木滑走路を工事で全面クローズした時には、1R、2Rは下総においた実例もある。武装を搭載した状態であれば、24時間空港の羽田からでも運用は可能である。夕方に下総や厚木に機体を飛ばして、一晩中待機をさせればよい。着陸機も下総でも羽田でも下ろすことは容易である。

 この辺りを考慮せずに、自衛隊の協力者を気取って抑止力云々するのはなんなのだろうか。抑止力が減るとか、それは戦車不要論だというような言い方はをするのは、大概は物事を理解していない頭の悪い幇間である。



※ 「厚木基地訴訟 抑止力損なう判断疑問だ」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2014.5.24)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140524/plc14052403050004-n1.htm
2014.05
24
CM:2
TB:0
12:00
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 バレーボールはもともと工場のレクレーションであって、最初からスポーツではない。

 歴史を見てもアメリカでレクレーションとして生まれて、レクレーションとして広まり、特に工場労働者に受け入れられた。大雑把にいえば、それ以外にはあまり普及しないスポーツであった。実際に、オリンピックでの競技となっても、強いのは社会主義国や紡績工業が盛んな軽工業国であった。工員寮や職場単位でできるレクレーションとして普及し、工場毎に競い合ったためである。

 東洋の魔女も、基本は紡績工である。Wikipediaから引っ張ってくると、1961年は全員ニチボウ、62年は10/12人がニチボウ、64年五輪がニチボウ、クラボウと、光学メーカーのヤシカである。女子工員が余暇にバレーをやり、安上がりなので工場や企業同士で交流試合をしているうちに強くなったものだ。

 しかし、今日、余暇でバレーボールをやる工員はまずいない。産業構造の高度化により、かつての紡績労働者のような単純工は減った。寮生活も無くなった。工員は各個人で家を借りて生活する。日帰りだから夕方にバレーボールなんかやらない。バレーボールを支える土壌がまず無くなった。そもそも昼休みにはレクレーションとしてスマホをいじっている状況である。

 だから、バレーボールそのものも振るわなくなった。高度な選手が減っただけではない。観客も減っている。もともと自分がバレーをやっているからバレーをみるのであり、バレーをやらなければバレーなんぞ見やしない。

 バレーボールはスポーツとしての歴史的役割を終えたのである。

 かつて、バレーボールを支えた企業にしても、すでに期待するものはない。観客は減ったので宣伝効果はない。全国的にハイライトを浴びるスター選手もいないので、それを見て企業に入ろうというような人材募集につながらない。そもそも、今の工場はそれほど人は要らなくなっている。

 だから、企業はバレー部を廃止するのである。NHK「バレーボール女子 パイオニアが廃部に」は、スポーツとしてのバレーボール衰退の流れに沿ったものである。

 これからも、Vリーグの廃部は続くだろう。企業の体力低下といったものもあるだろうが、そもそもスポーツとしてのバレーボールが衰退したのであるから、これは仕方がない話だろう。企業バレーボールは、サッカーや野球よりも早く滅びることになるだろう。


※   「バレーボール女子 パイオニアが廃部に」『NHK NEWS WEB』(日本放送協会,2014.5.23)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140523/k10014686581000.html

※※  もちろん、バレーに恨みはない。怪我続発の海自名物ハンドボールや、タッチ方式にしても人死がでるラグビーよりはよほどマシである。
   だが、バレーもレクレーションで楽しくやればいいのだが、本気でやるとアキレス腱を切ったりするのでロクなものではない。知っている限りで、いい年こいた中級幹部二人がアキレス腱を切っている。

※※※ まー、競技スポーツは大概嫌いなのでが、射撃はいいものだよ。相手と競うよりも自分の技量を競う類で、あくまで個人だから面倒くさくない。玉もそれほど高くもない。許可はめんどいけど、ゴルフよりよほど安いよ
2014.05
23
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 先々週くらいか、『ゆうゆうワイド』にゲストで出てきた主演者が『ルーズベルトゲーム』のあらましを語ってくれたので知ったが、野球の話とは存じなかったよ。

 漠然と、なんか戦争に関係する話だと思っていたのだけどね。知らないで想像するなら日本軍の特殊部隊が原爆工場を破壊にいく話とか、ワシントンに潜入する話かと思っていたのだが。

 前者ならまあ、東機関や、加瀬情報から「ルーズベルトの秘宝」「サントリー実験」と言われる秘密を探りに行く特殊部隊で、メキシコから潜入した遊撃隊が7月15日に最終回はロスアラモスに突入する話かね。黒田兵曹長をやった佐藤允も死んじゃったけど。

 あるいは、全滅予定部隊に入れられた帰国二世指揮官の落下傘部隊が、ルーズベルト暗殺を命ぜられてワシントン攻めるとか、そういった話かとね。

 おそらくは、シンガポールでの虐殺を止めようと憲兵に銃を突きつけた空挺部隊ご一行が、ニューギニアに送られているのだが、源田実あたりが胡散臭い奉勅命令でかき集めるんじゃないの。彼らを空輸する2式大艇の乗員も、フィリピン戦で捕虜になったあと帰ってきた陸攻の連中だとか。誇り高いネイティブ・アメリカンの独立闘争派とか、胡散臭い米軍脱走兵が転じたアメリカ解放軍将校(自称)でアメリカに行くんじゃない。

 何が舞い降りたかは知らないけど、多分ワシントンにある水車小屋で子供を救うのではないかと思うよ。最後のシーンでは、侵入者に気づいたルーズベルトが別荘の炉端からスックと立ち上がり、正対して胸を指しココをねらえというのだが、その日は昭和18年11月25日だったとすれば、座った写真しかないことと矛盾はしない。

 まあ、野球の話なら野球の話で、沢村栄治とベイブルースがマッカーサー元帥の前で戦う話にでもしてくれと。フィリピンで双葉山と沢村がついに松笠元帥を襲う。最後に残った手榴弾を宿舎に投げ込もうとすると、沢村勝負しろと叫ぶ、慰問に来たベイブルースが小銃の台尻で叩き返す構えを見せる。元帥が男と男の勝負、手出しするなと言うくらいのどうしようもない話がいいんじゃないの。沢村が投げた手榴弾については、巨人の星のアレにすり替えて「ホンモノの手榴弾なら負けたのはオレだ」とかね。
2014.05
22
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 厚木騒音訴訟で自衛隊機の夜間飛行差止が出たのだけれども。もともと自衛隊機は夜はあまり飛ばない。さらに、騒音の過半は米軍機から出ていることを考えれば、あまり実効のない判決ではないのか。

 騒音訴訟判決では、深夜から早朝までの自衛隊機飛行を差止、騒音に合わせた補償を行うものである。だが、米軍機の飛行については関与できないと逃げている。

 しかし、騒音を発するのは海自機ではない。海自機は基地外にはそれほどの音を出さないプロペラ機(P-3C等)とヘリ(SH-60等)が殆どであり、離着陸時に進入表面下でもなければあまり騒音の迷惑は掛けない。海自にも、ごく一部にジェット機があるが、試験中のP-1も外来機のU-36も低騒音型であり、これもあまり迷惑は掛けない。基地内で、しかも目の前(300m位)で30分位、連続試運転されない限りは迷惑でもない。


 問題は、米軍のジェット戦闘機である。もともとジェット戦闘機の類は極端な騒音を出す。

 八戸で働いていた時、空自の総演でF-4が展開した時には、格納庫から1000m離れていた官舎でも、試運転で叩き起こされた。職場でも目の前、50m前にF-4が止められたので、まあ仕事にならなかった。※

 三沢で打ち合わせをしていたときは、エプロンから200m離れた地下室でも、騒音で屋内での会話が難しかった。その時は、米軍対策と騒音対策をやる施設局の連絡官で、しかも米軍三沢対策専門の三沢事務所と一緒だったので、軽口も叩けなかった。ちなみに、三沢は住宅移転を行っているので、シャバには余り迷惑をかけていない。

 厚木の場合でも、基地内どころか、相模大塚駅のホームにいても、連続で離着陸されると勘弁してくれという音がした。よく覚えているのは戦闘機ではないが、プラウラー2機の後にF-18を飛ばされた時だが、まあ周辺住民も怒るよなと納得したものだ。

 しかも、今、厚木に飛来するのは、騒音ではトップクラスのF-18E/Fとなっている。

 この点を考慮すれば、厚木騒音訴訟での地裁判決というものも、効果をみればあまり実効性はないようにしか見えない。裁判所としては米軍に直接文句を言えないという理屈もあり、原告の訴えの形式に突き合わせるとそうせざるを得ないのかもしれない。

 日本政府に間接強制をさせる方法はできないものか。日本政府に米軍に対して夜間飛行を具体的条件の下で制限させる、そのような訴訟は成り立たないものかね。

 空母艦載機の飛行場が必要なのはわかる。その飛行場を人工稠密の厚木に置くべきかはともかく、すぐに解決しない問題であることもわかる。ただ、あの音はそのままにできる問題でもない。



※  准尉さんも顔見知りの施設局建設部に「煩いけど、どこに抗議したらいいのかね」(抗議先は施設局施設部)とか言っていたし、班のショップのホワイトボードにも「静かな八戸軍事基地にはジェット戦闘機はいらない」と書いてあった。まあ、消さなかったけどね。

※※ ちなみに、40年近く前の訴訟では、国は「国防の必要性の前には騒音は我慢しろ」と、どうしようもないネトウヨのようなことを言っていた
騒音源の航空機は国防に不可欠の公共性の高いものであるから、他の種類の騒音より多少大きくとも耐え忍ぶべきだ
「『国防のため騒音忍べ』厚木基地訴訟 国側が強気の主張」『朝日新聞』1978年1月18日夕刊(朝日新聞,1978)p.8
2014.05
21
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 観閲式も観艦式も毎年やるものではないし、特に百里の田舎でやる航空観閲式ほど無駄なものもない。「自衛隊60周年記念航空観閲式、10月26日に開催が決定」によると、10月26日にやると決めたらしいが、やる甲斐はあるものだろうか。

 自衛隊は、陸海空持ち回りで年一回観閲式か観艦式を行う。陸が朝霞で観閲式をやって、海が相模湾でスレ違い観艦式をやって、空が百里で航空観閲式を行う。

 しかし、本来は観閲(大演習は除く)や観艦式は毎年やるものではない。旧軍の例を見ると、国家的慶事や、あるいは戦勝に合わせてやるものであって、10年に1回やるかどうかである。海外の例を見ても、そんなものだ。

 それを毎年やるのは金と人手のムダではないか。部隊を集合させるにも金がかかる、会場設定や接遇にも金がかかる。隊員は相当の人日を拘束される。例えば、観閲式の前には、陸海空とも参加人員は一月半は行進のお稽古ばかりやらされる。その間、参加人員はマトモに仕事にもならない。

 さらに、見えないところでやっても仕方がない。観閲式は朝霞の自衛隊の中、観艦式は相模湾の沖合、航空観閲式は人里離れた百里で行われる。自衛隊が自己満足でやる部分はさておき、海外にこれだけ持っているということを見せるためには、そのようなところでやっても仕方もない。

 やるなら、都心か東京内湾でやるべきではないのか。観閲式をやるなら、最新装備をもってきて、皇居外周の道路を一周させる。観艦式や航空展示なら、東京から見える範囲で、東京内湾のできるだけ東京寄りで行う。そうしなければ、やる意味もない。

 この観点でみれば、航空観閲式は一番ムダである。

 まずは金がかかる。航空燃料は相当に高くなっている。それを百里の上空に陸海空航空機を集め、グルグル回すことで大量消費するのは、金をドブに捨てるようなものだ。

 しかも、それは誰も見ていない。中に入る招待者や、飛行場外から見ようと集まるファンを除けば、だれもそれを見ない。航空観閲式を見ようと百里まで行くという人は殆どいない。

 航空観閲式は、費用ばかりかかる割に利益はない。陸海には観閲式観艦式があることを羨んで、空もやらせろということで始まった航空観閲式であるが、陸海空お披露目の中では、もっとも効率が悪い。防衛費も窮屈になった当節である。もうやめたほうが良い。



※ 「自衛隊60周年記念航空観閲式、10月26日に開催が決定」『FlyTeam』(2014.5.20)http://flyteam.jp/news/article/35634

※※ 航空観閲式をやるなら、東京都心-横浜-千葉上空をグルグルまわす形が一番望ましいが、特に羽田の飛行場運用とぶつかるし、高層建築も多く、高度もそれほど低くとれないのでので、大規模にやるのは難しいだろう。
2014.05
20
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 日本のもつEEZ、排他的経済水域は、広いことは広いが、あまり使い道もない。

 日本のEEZは世界第六位という。土地面積38万平方キロに対し500万平方キロ近くあり、経済活動上で囲い込んだ海の広さは、世界有数である。

 しかし、その大半、太平洋側の沖合にある大水深部は、あまり使い道もない。

 漁業資源を見た時、大水深の外洋部には全く魚がいない。漁業資源は殆ど沿岸寄りであり、潮目や湧昇流を除けば、外洋にはまずない。日本の場合、本州東岸やや沖合に親潮と黒潮の潮目があり、世界有数の好漁場であるが、そこから先の太平洋には魚はほとんどいない。

 特に、小笠原漁協が漁業権を確保しているあたり、小笠原、南鳥島、沖ノ鳥島のうち、後者には魚がほとんどいない。大陸棚を延伸した小笠原-大東島間も変わらない。あのあたりは大水深で陸地からの栄養も来ない貧しい海なので、魚はほとんど取れない。

 5年位前か、漁業権確保と東京都からの要請により、小笠原漁協が沖ノ鳥島で操業したときも、年に17トン程度しか取れていない。小笠原からの行程を考慮すると、まずはペイしない。

 海底鉱物資源も同じである。大水深の外洋部には、海底に資源があってもアクセスできない。海底油田でも2000m程度が限度であり、そこから更に深いところにある資源を経済的に回収する方法がない。

 レアメタルを含む泥を回収する云々も、簡単にできると提唱しているのも、発見した本人だけである。仮に回収できても、市場価格より高ければ意味は無いし、シェールガスのように、経済的に大量に取れても、それで市場価格が暴落すればやる甲斐もない。

 このようにみれば、日本のEEZが世界屈指といっても、それほどの実利もないように見える。その面積の多くを占める外洋大水深部は、経済的な利益を生み出す豊かな海ではない。

 もちろん、金にならなくとも、EEZを放棄することもできない。ほぼタダで合法的に海洋を囲い込む機会を捨てる必要もないし。一種の領土のようなものなので、国民もそれを喪うことも許さない。

 だが、大面積を持っていることを誇っていても意味は無い。EEZのうち、太平洋側の南鳥島、沖ノ鳥島、硫黄島、大陸棚延伸部は、今日の森林原野のようなものだ。如何に広い土地をもっているといっても、何の価値もない。それがお金を生み出すと考えるのは、虫も良すぎるだろう。



※   そもそも、太平洋には浅瀬や斜面があまりないので、漁業資源としては半分の広さの大西洋にも負けるらしい。40年前の新聞※※からだが、-1000m以浅の面積は、太平洋1360万平方キロであり、これは面積半分の大西洋の1550万キロよりも小さい。

※※  「太平洋の魚に危機 -ソ連の海洋学者がシンポジウムで指摘-ただし年間1000万トン余分にとればですが」『朝日新聞』1972年12月7日朝刊(朝日新聞,1972)p.3
2014.05
19
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  「正しい和食」というものがあった。農水省が省益のために海外の和食屋を認証しようというものだ。その流れは、無形文化財としての「和食」のユネスコ認定といったものでまだ続いている。

 具体的には、政府が、日本人による海外日本料理屋を、正しい和食として宣伝するとか言っている。結局は現地で受け入れられている和食、日本食について、中国系や韓国系による日本食は正しい日本食ではないとイチャモンをつける話である。「それは本当の日本食ではない。本当の和食を食べたければ日本人の経営するココで食え」と海外での和食を日本人で囲い込もうとするようなものにしか見えない。

 微妙に違和感のある話であるが、それを日本人がやられたらどうだろうか。

 実際に、かつて日本がそれをやられていたことがある。

 カップヌードルについて、日本も米国の業界にヌードルの名前を使うなと言われている。1979年の朝日新聞「米国業界カンカン 『ヌードルの名使うな』」によると、全米マカロニ生産組合が抗議している。

 マカロニ組合は、卵が入っていないのに、ヌードルとして扱っている点を不公正としている。米国FDAの規制では、ヌードルには卵を含むことになっている。だが、日本のカップヌードルには卵が含まれていない。卵を含まないのにヌードルとして販売することは、正規の卵入りヌードルを販売する米マカロニ生産組合業者との競争で不公平である、というものだ。

 ただし、FDAは、その前に日本のインスタントラーメンは卵を含まなくともヌードルを称してよいとしている。まあ言いがかりである。

 このマカロニ組合の言いがかりと、日本がやろうとしている正しい日本食、和食普及には、言いがかり的に外国製を排除しようという点で共通点がある。農水省がやろうとしていた「正しい和食」認証や、国による「和食」峻別も、かつての日本がやられたことを、今度は日本人以外にやろうとしているようにも見える。



※ 「米国業界カンカン 『ヌードルの名使うな』」『朝日新聞』1979.9.6夕刊(朝日新聞,1979.9)p.15
2014.05
18
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 司馬遼太郎さんの本はほとんど読んだことはない。職業軍人さんは大好きなんだがねえ、どうもお歯が合わない。昔、基地隊の副長(ヘリパイの2佐、頭髪は無いが悪い人ではなかった)に文書を持ってった時に「オマエも、もうチョット文章考えろ、昔のいい本を読め、司馬遼太郎とか」と言われたのだがね。

 その司馬遼太郎さんの評で面白いものを見つけた。「アレは一人の英雄が世界を変えるお伽話である」というもの。大まじめに好きな本に挙げる商売人は多いが、むしろガンダムの方がリアルの社会を活写しているのではないかというもの。

 やや古い『新潮45』に掲載された太田啓之さんの「ガンダムか司馬遼太郎か」がそれだ。富野さんのガンダムと司馬さんを比較し、前者を現実主義、後者を単純な英雄史観としている。そして、司馬さんとその読者にナルシズムを見つけ
自ら司馬氏の想像した人物になぞらえるなどしているのを目にすると、ファーストガンダムのシャアのように『坊やだからさ』と皮肉っぽくつぶやきたくもなるし、一抹の怪しさを感じてしまう
大田,p.209
と断じている。

 太田さんが指摘した観点から見ると、どちらがお伽話であるかは瞭然としてしまう。富野さんによるガンダムは、舞台は荒唐無稽であるが、人間の振る舞いやその影響力については、脚色的に強調されるものはあるものの、リアルがある。対して、司馬さんの作品については、現実の時代や人物を使っているものの、各個人が歴史に果たした影響力については過度に脚色され、あるいは作者や読者の願望が投影されており、単純なヒーロー物とも言える。

 それぞれの読者が挙げる理想の上司や管理職を言わせてみれば、より明快になるだろう。

 司馬さんの読者が坂本龍馬や高杉晋作を挙げたとしても、それは作品中で描かれる英雄への同化願望に過ぎない。英雄としての活躍を夢想するものであり、実務での活躍を描くものでもない。

 対して、ガンダムのファンが戯れ口にせよ、ラル(結構、転職時のインタビュー等では多いらしい)やドズルを挙げ、そのように振る舞えることができれば、現実社会でもそれなりの役に立つだろう。ラルやドズルは想像されたキャラクターではあるものの、語り継がれた現実の戦争体験を反映した将校の振る舞いである。その立ち居振る舞いは、管理職として役に立たないわけでもないためだ。

 世間には司馬さんを避ける人も少なくもない。

 その司馬さんを避ける心持ちとは、熱心な読者が、司馬作品の登場人物に自分を同化させたいという感情に対する気持ち悪さがあるのではないか。司馬さんご本人のナルシズムはともかく、その読者にあるナルシズムに対する忌避感なのだろう。



※   そう言われて「その本見せてみろ」と言われた時に、時間待ちで持っていたのが、徂徠の『政談』か『答門書』で困った顔をされたことがあった。確か、岩波思想体系のコピーを自分で線装したもの。

※※  太田啓之「ガンダムか司馬遼太郎か」『新潮45』2013年3月号(新潮社,2013)pp.204-209.
2014.05
17
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 櫻井よしこ編『日本とインド 今結ばれる民主主義国家 中国『封じ込め』は可能か』※は、まずはインドをヨイショすることこの上ない。その民主主義であり、国際信義なりを強調する記事が多数載っている。

 だが、インドは彼らが敵視する中国と大差あるものではない。

 インドは、周辺国に対して相当強圧的である。福永正明さん※※ はインドは「地域大国」であることを主張するばかりか、いまでは「世界大国の一つ」であることを当然視し「周辺諸国は自国に従うべし」との旧宗主国のような外交、政治、経済政策を依然として行っていると述べ、それを受けたパキスタン、スリランカ、バングラディッシュが中国寄りとなったことを指摘している。

 また、インドは海洋法についても、相当に中国に近い考え方を持っている。

 インドは、自国EEZ(排他的経済水域)内での軍事行動を認めない立場にある。ダントンさんによると¶ 中国は米国によるEEZ内での活動に抗議する唯一の国家ではない。例えば、インドは自国のEEZ内における他国の軍事活動に明示的に反対している」と述べ、米海軍対してEEZへの進入を毎回抗議する点、中国の主張と同じである。

 インドは中国によるADIZ(防空識別圏)設定にも文句をつけなかった。国際水域であるはずの海の上で、航空機が自由飛行する権利への侵害に抗議していないのである。

 しかし、日本保守派はインドに幻想を抱いている。民主主義と自由があるインドは素晴らしいユートピアであり、インドと結べば対中包囲網やらの、どんな夢も叶うと考えているのだろう。

 その幻想が崩れた時、今度は批難に転ずるのだろう。実際、70-80年代の保守派による韓国、新中国への幻想とヨイショと、今の中韓への評価を見れば、インドに対しても同じことになると予想するのは難しくない。

 結局は、アメリカが仲良くするインドは、日本も仲良く出来る国であるから、無条件に信頼すべきであるといった、相手を見ない発想なのだろう。アメリカもインドはあまり信頼していないように見えるが、そのあたりを判断せずに信頼する点は、『永続敗戦論』そのものの構図である。



※   櫻井よしこ編『日本とインド 今結ばれる民主主義国家 中国『封じ込め』は可能か』(文芸春秋,2012.5)
    安倍晋三名義でスピーチも載っているが、中身はない。実際に彼に書ける原稿でもないだろうが。

※※  福永正明「インド洋をめぐる中印の攻防」『世界』2011.4増刊(岩波書店.2011.4)pp.97-106
   福永さんは特にインドの弱さも見るべきと述べている点は、注目すべき点である

¶  ダントン.レイター「中国の視点から見た南シナ海の管轄権」『海幹校戦略研究』(海自幹部学校,2011.8)pp.19-27.
   『プロシーディングス』2010年4月号からの翻訳、プロシーディングスの該当号は家にあるはずだが、書架になかったので海幹校から引っ張ってきた。

¶¶ さらにインドも政権が変わる。中国を牽制できる利益で日印は付き合っているが、逆にその程度の関係に過ぎない。新しいインドの指導者にとっては、日本との関係も、中国を牽制できればいい話であり、それ以上のことはする必要もないと考えるかもしれない。例えば、個人関係で押していた飛行艇が売れなくなっても不思議もない。なんせ、インドは契約したからといって、本当に買うかどうかわからない国である。
 正直、インドよりも中国の方が誠実だと思うけどね。ODAなんかキッチリ日本に返しているし、船舶も差し押さえたのは中国国内で使う船であり、たまたま日本から入港した船を差し押さえたわけではない。日本が大国であるかぎりは、誠実に付き合ってくれる。だから、中国と軍事力のゲームをしなければならないと思うのだがねえ。
2014.05
16
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 目黒くんだり飲みに行く途中でふと疑問が一つ浮かんだ。発電風車は、どうやって風を正面に受けるようにしているのだろうか?

 風車は、おそらく風を正面から受けるときに、最も力を回収できる。揚水風車や、小型の発電風車は尾翼、矢羽で風に正対する仕組みになっている。オランダあたりで歴史的に使われた風車動力も、尾翼あるいは人力で風に正対している。では、大型の発電風車はどうしているのだろう?

 己の当初案は、「定期的に左右に振るのではないか」というものである。まず1周させて、発電量が最大になるところを探す。その概略方位を中心に、左右に15度づつ振る。発電量がピークになる角度が、風に正対する方位になるのではというものだ。

 これは、ラジオでのバリコンや、ニードル式磁気機雷で真北を指す方法と同じである。
 そして、飲み始めて対手に質問する。ググってしまうと面白く無いのでそういうことはしない。日本海軍研究の偉い人で、艦これでマネタイズに成功したPh.D曰く「チッコイ風見鶏がついていて、その角度に追従するのではないか」との意見だった。「風車群に一ヶあればいい、その風見鶏にシンクロさせればいいのではないか」とも。

 おそらく、それが正解だろう。30秒(仮にね)平均の方位を採って、その平均方位に風車を回すようにすれば、アッチ向いたりこっち向いたりはなくなる。

 ……と今までそう考えていたのだが、もっとシンプルな方法もあるのではないかと言う気もしてきた。別にシンクロさせなくとも、風車の発電機部分の上に風見鶏をつけてもよい。

 風車発電機部分に左右旋回スイッチをつけて、その間に風見鶏を建てる。風見鶏が右に曲がれば、それで風車を右に回すスイッチが押される。左なら左である。前10度(仮にね)の範囲ではスイッチは押せない仕組み。

 せわしなく回ることを防止するなら、スイッチを押してから10秒経たなければ回りださないようにする。しかし、押すのが止まれば動作は瞬時に切れるというような仕組みでもいいだろう。ついでに、風見鶏も右往左往しないように軸の回転を渋めにしておく。

 ただし、発電効率を最大化するなら、やはりPh.Dの説ではないかねえ。

 ちなみに、まだググっていない。これが明日の正午に反映されたあとにでも、ググることにしようと思っている。



※ 夜にググったら、こんなのがあった。http://www.pref.gunma.jp/06/q1310015.html
 風力計もついていて、発電プロペラのピッチも最適角度に変えるのね。己だと、ペラの回転数変動をみて、それに合わせてピッチを変えるガバナーみたいな機構でもいいと思うのだけど、それだと旋回用モーターやピッチ変更機構への負荷が大きくなって、壊れやすくなるか、丈夫なヤツ使うので、重くなって全体の価格が高くなるのだろう
2014.05
15
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 「中国が人工島を作っている」という毎日新聞の記事であるが、人工島であってもEEZが主張できるとする誤りをしている。「南シナ海:南沙滑走路建設…中国『主権の範囲内』主張」※ では、毎日新聞による事実説明として
 満潮時に水没する海面下の岩礁(暗礁)は国連海洋法条約で領土と見なされないが、埋め立てて領土にすれば排他的経済水域(EEZ)が主張できる。(同記事
と述べている。

 しかし、これは誤りである。国際海洋法では、領海や接続水域、EEZ、大陸棚を主張できる島については「自然に形成された陸地」と明確に示している。法庫から引く
第121条 島の制度
1 島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう。
2 3に定める場合を除くほか、島の領海、接続水域、排他的経済水域及び大陸棚は、他の領土に適用されるこの条約の規定に従って決定される。
3 人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。
houko.com「海洋法に関する国際連合条約」http://www.houko.com/00/05/H08/006.HTM#s8
とされている。

 つまり、中国は岩礁に浚渫土を盛り上げて人工島にしても、海洋法上の権利は主張できないということだ。

 実際に、日本が沖ノ鳥島で浚渫をせずに保護しているのも同じ理由である。島としての権利を主張するためには、人工島にしてもダメである。そのため、護岸で四囲を囲み、さらに自然に増えるようにするためにサンゴの増殖を図ろうとしている。

 「埋め立てて領土にすれば排他的経済水域(EEZ)が主張できる。」(毎日新聞)についてはおそらくは、中国側報道に引きづられたか「中国側はそのように主張している」が脱落したかではないか。

 いづれにせよ海洋法を逐一覚える必要はないにせよ、その根幹部分や理念を理解しておかないと、三沙の件では中国の主張の奇妙な部分を指摘できないので、斜め読みでもしておいたほうが良いだろう。



※ 「南シナ海:南沙滑走路建設…中国『主権の範囲内』主張」『毎日新聞』(毎日新聞,2014.5.14)http://mainichi.jp/select/news/20140515k0000m030074000c.html

※※ 海洋法で言えば、ソ連/ロシアによる「ピョートル大帝湾は歴史的海で領海」という主張は国際法の本にはよくでているけど、「日本政府は認めていない」ってのはあまり知られていない。
 中級課程の時に、それでメシ食っている目黒の教官に「『歴史的海湾』って今の海洋法でどーなっているの」(もちろんもっと丁寧にね)と質問して答えてくれたので初めて気づいたよ。そりゃ、日本政府は認めるわけもないね。
2014.05
15
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 東神田の運輸会社では、リアカーでの運送が2割の売上を叩きだしているという。支店は6台のトラックと2台のリアカーで構成されるが、回転率も相当に高い。なんせ一方通行も渋滞もないので、営業エリアにはどこでも5分で着くという。

 ……1982年の話ね。「リアカー運送 大車輪」※ によれば、東神田問屋街にある福山通運で、切れ者が色々努力して導入したら大成功とのこと。

 今ある自転車やらリアカーの宅急便も、エコである以上に、経営での高効率があるのかもね。なんせ、路駐や一通、渋滞といった問題を回避できる点で優れものだ。

 そういえば、山本夏彦がオーナーの工作舎(『室内』で有名)の引越は大八車でやったとの由。短距離で極端に重いものもないのでソッチのほうが早い、と『室内』で自慢していたコラムがあった。ただし、単行本ではない。



※ 「リアカー運送 大車輪」『朝日新聞』(朝日新聞,1983.7.2)p.21 ただし都心版(地方面)
2014.05
14
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 「降伏四周年・マ元帥声明」が昭和24年の朝日新聞に載っている。

「中共との貿易は空論に近い」と言っていたりするが、その内容は大したものではない。松笠元帥は単なる共産主義批判に終始している。だが、当時から日本は大陸の相当の部分を支配している新中国(建国前だけどね)との貿易を強く要望していた。

 実際に、新中国との交易の必要性は首相クラスからも主張されていた。勢いもなく押される一方の国府とだけ交易では、いずれは大陸から閉めだされることは明らかである。後に首相となる吉田首相は、本気か、米国への言い訳かはともかく「新中国を倒すため、交易で自由主義の毒を植えろ」と主張していた。さらに鳩山首相以降となると、新中国との共存を前提とした交易を求めるようになっている。

 マッカーサーにしても、本国の政治情勢から、日本の要望に釘をさしたものだろう。本国での赤狩りがあるので、新中国との関係を改善することは許せないといったものか。朝鮮戦争の前年であり、リアルでは新中国は敵ではないし、国府もまずは見捨てられていた時期である。あんまりダメダメな感じはしない。

 それよりも、声明中にあるキリスト教云々の部分に、アジア政策で失敗する病理を感じるものだ。見出しに「アジアにキリスト教の理想」とあり本文中でも「キリスト教の理想がアジアに進出する機会を誂えた。占領軍の文化の新運に対するこの上なく大きな功績」と誇っている。

 おそらく、その頭でキリスト教徒の李承晩を落下傘大統領として韓国の頭に据えたのだろう。アメリカが据えたわけでもないが、援助した南ベトナムのゴ・ディン・ジエムも同じである。どちらも、まあ汚職はスゴイわ内ゲバが酷いわ人民を弾圧するわでロクなものでもなかった。彼らがそれを可能にしたのは、当時の米国の「キリスト教の進出」といった発想なのだろう。

 まあ、朝鮮(当時)の米軍占領地域では、臨政の代表をそのまま大統領に据えとけば、南北分裂や、朝鮮戦争までの内戦にもならなかったのではないかね。当時から北朝鮮はアレだったけど、李承晩時代の韓国は中南米のバナナ共和国での独裁政権と全く同じで、北に輪をかけてアレだった。韓国がマトモになりだすのは、朝鮮戦争のあとで土地改革やって、さらにその後、余りもアレな李承晩を追い出して、自分たちで大統領を選ばせた後だからね。


※ 「降伏四周年・マ元帥声明」『朝日新聞』(朝日新聞,1949.9.2)p.1
2014.05
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 昭和15年、日本は紀元は二千六百年とうかれていたころに、米国は空からテレビの生中継をしていた。

 朝日新聞「空からのテレビ放送」によると、NBCがニューヨーク上空からテレビ放送を行っている。RCA製の「送像機」、「僅か七百ポンド(約二十二.七キログラム)」(ママ)を使い、波長1.4mで放送したとのこと。

 レーダに負けたというのも、仕方がないものではないのかね。
2014.05
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 教育勅語を暗記させて何か利益があるのだろうか? 「『道徳議連』6月発足 超党派、教科化を後押し」によると、アレな連中が道徳を教科化しようとしているのだけれども。結局は、自分の気に食わないものを「モラルの欠如」として排除しようという頭ではないのか。

 結局は、自由とか人権といった価値観への反発ではないのか。押し付け憲法への反感にも近い。戦後的価値観への反発と言った部分もあるし、西欧の個人主義や人権意識をウェスタンポイズンであるとするような意識からこういった寄り合いを作ったのだろう。

 しかし、教育勅語を暗記させても何の効果もない。暗唱させればモラルは向上するものでもない。実際に、戦後モラルの退廃の主力はみな教育勅語を暗唱できた世代の行いである。そして、昭和晩期-平成初期からのモラル向上は教育勅語を暗唱できない世代が主導している。

 実際に、やっていることを見れば良い。昭和末期から今まで、ゴミをポイ捨てするのは、まずは年寄りである。それを眉を潜めて見るのは若い連中である。前者は教育勅語を暗記した世代であり、後者は全く知らない世代である。どちらがより高いモラルを持っていると言えるだろうか?

 しかし、それを推進しようとする連中は、教育勅語さえ教えれば全ては解決するというのだろう。もちろん、教育勅語そのものは悪くはないが、教科として教え、暗記させ、試験に出して確認したところでモラル向上には何の寄与もしない。

 それよりは、労働基準法やクーリングオフの制度、マルチ商法の手口、解約の方法といったものを教えたほうがマシではないのかね。道徳教育でブラック企業やマルチ商法といった悪事を減らせるとも思えない。それならば、対抗手段を教えて好餌となることを回避させるべきではないか?

 そもそも、教育問題をメインにする議員というのも、胡散臭いか、本当に頭が悪いかにしか見えない。教育問題を掲げる議員は、大抵はタレント議員の類である。国政で主張できるほどのことが何もない。結局は各行政や各業界に暗いからそれはできない。しかし、義務教育は受けたことがあるので、私の課題は教育問題ですと言うのだろう。

 実際に、彼らが揚げる教育問題は、感想的なものに基づいている。教育制度にある課題や、統計から引き出した問題を語るのではない。できるのは「あの先生はよかった」という個人的な感想から出る程度のものだ。そこから出てくる意見も「先生は倅の入学式に出るな」とか「生徒の内面をすくいあげろ」といった些細なもので、行政での施策に程遠いものである。

 その程度の連中が集まってやることなので、ロクなものにもならない。実際に「人格教育の重要性を訴える超党派の『人格教育向上議員連盟(仮称)』」といっているが、理想的な人格があって、子供をその鋳型に押し込めればいいと考えている段階で駄目の駄目押しではないかね。



※ 「『道徳議連』6月発足 超党派、教科化を後押し」『産経ニュース』(産経新聞,2014.5.11)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140511/stt14051108210002-n1.htm
2014.05
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 「『ゆがめられた歴史正す』 無断加筆の藤田氏ら」http://www.47news.jp/47topics/e/253294.phpなのだが、その情けない内実は置いておく。

 気になったのはその中で出ている「保守派団体『史実を世界に発信する会』」の加瀬英明代表なのだが、ググってWIKIPEDIAを見ても加瀬俊一の倅としか出てこない。どっちの俊一なのかがぜんぜんわからない。

 外務省に加瀬俊一は二人いる。終戦時に情報課にいた加瀬としかずと、ベルン公使だった加瀬しゅんいちである。これを書いておかないと、どっちがどっちか分からない。

 前にも書いたが、吉田茂もそうだ。外務省の吉田茂が有名だが、内務省にも吉田茂は居た。戦争末期に地方総監、戦後に神社本庁のトップである。知っていれば分別して書けるが、知らないで混同して書かれるとわけがわからなくなる。
2014.05
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 陸自ヘリ整備で、最優先なのはCH-47の艦載化、ブレード折りたたみ改修ではないか。

 陸自のヘリ整備はずいぶんと迷走している。AH-64の採用と調達中止、OH-1の開発と調達中止、輸送ヘリ国産での談合と開発中止と失敗と醜聞が続いた。そしてようやく汎用ヘリの調達にかかろうとしている。

 だが、目下最大の問題は、CH-47が輸送艦等に積めないことではないか。CH-47は機体サイズが大きすぎるという問題があるが、なによりブレードが固定されており、折りたたみできない。

 CH-47そのものについては、おそらく「おおすみ」改修で、エレベータと格納庫が対応するだろう。甲板を少し切り欠いて、エレベータを大きくすれば昇降は可能である。車両甲板の天井高さも、エレベータ寄りだけ、少し高くすればどうにかなる。上の部屋を潰して、そこだけ天井を高くしてもよい。

 ただし、ヘリ側のローターブレードが邪魔なのは、輸送艦等を弄ってもどうしようもない。外せばいいという話もあるが、つけたり外したりは運用する上で面倒この上ない。この点を解決するために、CH-47のブレードを折りたたみにする改修もやらなければならないのではないか。

 陸自は、組織の生き残りを賭けて上陸戦に対応しようとしている。その時には、輸送ヘリはAAV7よりも重要な役割を果たす。特にAAV7が無くとも上陸戦はできるし、大した面倒もないが、大型輸送ヘリがないと上陸戦は相当に面倒となるためである。

 その点からすれば、CH-47のブレード折りたたみ改修は最優先であるように見えるのである。上陸戦で使う分だけでも、改修して置かなければ困るだろう。

 ちなみに、ブレード折りたたみには特に技術的な問題はない。実際にMH-47はブレード折りたたみ方式であり、それをそのまま取り付ければ良い。
2014.05
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 辺野古埋立を前倒ししようとすると、名護市の拒否行動に遭うのではないか?

 辺野古の埋立を繰り上げようという報道がある。例えば琉球新報「辺野古埋め立て、秋にも着工 政府、知事選前も検討」だが、実際に工事は前倒しできるかは怪しい。

 アレな宰相の指示ということで「既成事実を積み上げよう」といった発想なのかもしれない。アレ宰相は既成事実積み上げが好きで、党内でまとめられない外交や外遊で「TPPに参加する」とか「集団的自衛権はやる」と言って党内異論を封じてきた経緯がある。

 しかし、相手は自分の政党ではなく、名護市である。1月にやった名護の市長選挙では反対派が勝っている。その市長も、既に工事で漁港なんか使わせないと言っていた。

 この状況で、名護市の反対を抑えつけるような既成事実積み上げをやると、市による拒否行動を引き起こす危険性は高い。

 市は工事に対して、巨大な拒否権を持つ。

 管理者である漁港の使用拒否は既に始まっている。昨日付沖縄タイムス「防衛局、申請の撤回拒否 名護市は反発」でも、事務的手続きから抵抗している。

 他にも、市道や普通河川、排水路といった許認可も持っている。

 極端な話、市は基地に通じる市道を使用禁止することもできる。これは、昔、横浜の飛鳥田市長が、ベトナム戦争拒否で戦車の通行禁止をした前例もある。江東ごみ戦争では、江東区は東京都のゴミ搬入を実力拒否している。マイルドなやり方としては、道路管理者として通行制限も掛けられる。トラックが通れないように通行幅や重量制限も掛けられるし、市道にいつでも緊急工事を行うこともできる。別に工事はいつまで続けても良い。

 同じように普通河川や排水路についても、市長は権限を持つ。

 やる気になれば建築主事を置いても良い。今の名護市は主事を置いていないので、防衛側の計画通知(一般の建築申請)には関与しない。しかし、自前で建築主事を置けば、防衛側の計画通知にいくらでもケチはつけられるし、市の方針として受け付けないとも言える。そこから行政訴訟となれば、まずは10年スパンの話となるだろう。これは、消防計画や消防設備も同じである。許認可は市長が持っているのだ。

 市との合意なしに、工事の早期着工をやらせることは妥当な判断だろうか? 市長は既に反対である。その市長を説得するのではなく、喧嘩を売るようなやり方で辺野古の埋立ができるのだろうか?

 実際の工事では、さらに反対派が来る。この状況で、しかもゴリ押し工事となると職業政治運動家だけではない。その反対活動については、警察も海保も関与しない(「成田からなにも学んでない」)と言っている。

 2005年ころの調査工事は、市が関与しない反対派の反対行動だけでできなくなった。§ その工事を、市による拒否行動の上で強行するとなると、出てくる反対派は質量とも強力になる。市長や市議、県議から周辺のノンポリ住民まで直接反対行動に参加した時に、工事は続けられるものだろうかというと、疑問である。今のイエスマンを揃えたアレ内閣でも、内閣不一致も起きるのではないかね。



※  「辺野古埋め立て、秋にも着工 政府、知事選前も検討」『琉球新報』(琉球新報,2014.5.11)http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225125-storytopic-53.html

※※ 「防衛局、申請の撤回拒否 名護市は反発」『沖縄タイムスプラス』(沖縄タイムス,2014.5.10)http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=69092

§  あの時の沖縄施設局(当時)の担当(計調課長だか土木課長だか)のOさんは、施設庁土木職のエリート、己が仙台で海上連絡官やってた時の同僚(土木課長)からそのために沖縄に行った人。施設庁はホープを投入したにも関わらず何もできなかったということだ。


追記 地図を見ると、辺野古には国道でアクセスできる様子だが、久志(北)と辺野古間と、ゆかり牧場周辺で、工事車両を実力で止めてしまえば、道路アクセスはお手上げだね。あとは船でやるしかないけど、海上抗議のやりやすさと、海保は取り締まらないだろうことと、基地海面への進入にしても、佐世保での漁業権対立の事例からまず有罪にできないあたりを考慮すれば、それも難しいねえ
2014.05
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 5月10日売の軍事研究最新号に、上陸戦の2回目の記事を載せていただきました。今回は、専従司令部と海岸支援部隊の機能が必要になるというものです。他にも面白い記事があるのでご購入頂ければ幸いです。井上孝司さんの電気推進の話なんか、どっかでしようと思っていた話だけに悔しいのですが、将来的な方向性を示していてすごくいい記事です。

 あとは、キャプションを書き間違えてますね、己。ケルヒャーフューチャーテックの型番を書き間違えてますね。本文できて、図版もできて、クタクタになった時に書いたもので、ケルヒャーさんにも、軍事研究さんにも、読んだ人にもゴメンナサイです。

 WEB700(誤)は「WBP700」、WEB1300(誤)は「WBP1300」の書き誤りです。ケルヒャーのボトリング器材については、http://www.karcher-futuretech.com/futuretech_en/products/Water_Supply_Systems/Drinking_Water_Filling/13432500.htmがそれです。写真使わせていただいたのに申し訳ないです。
2014.05
09
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 どこぞの銃砲店に○○○のために行ったら、Kar98kが売っていた。Gew98の騎兵型であり、第二次世界大戦でドイツが主要した小銃なのだがね。だが、買うことができない。

 店主は欲しければ売るよという。買うこともできる値段だし、己は申請もできるのだが、許可が下りる見込みもない。

 最近、外国製の軍用銃は許可が下りない。昔はPSG-1とか、M16系(308口径)をサムホールにして買って通している人もいたのだが、やりすぎた結果、今ではその銃への免許が抹消されている。

 形式名でKar98kとやれば、県の公安委員会も許可は下ろさない。実際に、店主に「許可が下りるのかね」と尋ねると、「客二人がやってみて駄目だった」とのこと。実際に申請するときには、カタログを提示したりしなければならないので、Kar98kやそのレプリカ(もちろん弾丸は出るだろう)はまず通らない。

 そもそも、7.92mmという口径だけで怪訝な顔をされる。まずは詳しく調べるだろうから、まあ許可も下りないだろう。ちなみに、弾薬は自分で作るのが普通なので、もっとスゴイ変態口径でも困らない。

 しかし、これが三八式だと許可が下りるらしいのが不思議。別の銃砲店で「三八式欲しければ探すよ、許可もおりる」と言われたよ。猟銃で使われた実績で、民間銃扱いなのかね。

 そういえば、村田銃も散弾銃で残っているという。口径上、ライフルでは許可が下りないが、散弾であれば下りる。10年位前の銃砲史学会のあとの宴会だったか、薬莢は特殊な金属薬莢で、生産が止まって久しく、モノがないという話のあとで思っていたら、旋盤で挽物として作っている(クソ高くなる)とか言っていた。



 そんなに欲しければ、中古のM700(安い奴はソフトエアガンよりも安い)買って、アクションにKar98kの銃床つければいいんじゃないのかね。オモチャのエアソフトガンあたりから木製銃床持ってきて、武器等製造法の資格持っている業者に頼んで正規改造すればいいんじゃないのかね。ただし、銃刀法の趣旨には合わないので、褒められたもんでもないけど。

 趣味で持つなら、美術品で鳥羽ミニエーあたり買って、理由をつけて射撃の許可とったほうがいいのではないかね。前に射場で「上で種子島打っているのがいるよ」という話を聞いたが、そういう方法で射撃しているのだろう。後装のモントストームとかシャスポーなら命中精度もそんなに悪くないんじゃないか。
2014.05
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 中国とベトナムが南シナ海でちょっとした衝突している。海底油田を掘る掘らないで、相手の船に体当たりをしてという。東京新聞「中国・ベトナム船衝突 南シナ海石油掘削争い」
[西沙諸島で]「中国側は国有の大手石油企業が掘削に当たり、海警局の監視船が掘削船を護衛し、ベトナムは武装した警備艇など約三十隻を現場海域に派遣。中国の監視船は体当たりしたり、高圧放水銃を発射したという。
と伝えている。

 あのあたりは、ベトナムと中国で石油鉱区の実績積み増しの競争をしている。中国も強引に石油を採掘しているが、ベトナムも外資を引き釣り込んで同じように鉱区を設定している。南沙では関係国で協同で採掘するという話もあったのだが、西沙はベトナムと中国2国の問題なので、こういうことになったのだろう。

 日本としては、どちらの鉱区でもいい話である。日本は南シナ海の海底原油に頼る必要はない。日本はエネルギーを自前で採掘できないが、それゆえに安定供給してくれる輸出国を確保している。別に今回の油田に頼る必要もないので色目を使う必要もない。もちろん、南シナ海でも、インドネシアやマレーシアから天然ガスを買っているが、そこには政治的なリスクはない。

 しかし、中国は自前油田が無いと困る。中国はエネルギー資源を採掘できるが、それゆえに海外からの安定供給の手段を確保していなかった。エネルギー自給ができなくなると、とたんに国内安定供給に障るのだろう。特に、民生安定のために食糧だけでもなく、エネルギーも国内価格を安価にしなければならないので、そのあたりは必死である。

 ベトナムも似たようなものだ。いまのところ、改革開放での外資導入により、海底油田を開発している関係で輸出余力はあるものの、経済的発展に伴い、いずれは逼迫する。中国同様に一党独裁で自由のない国なので、民生安定のためにエネルギーを確保したいのは同じ頭だろう。

 その上に、両国のナショナリズムが激突する場所にもなっている。もともと中国とベトナムは仲が悪い。歴史的にそうであり、中国がベトナムを助けたベトナム戦争中でも「実は仲良くないんじゃないの」という観測があったくらいである。そこに、領土が絡むことでこのようにヒートアップして、石油はオレのもので燃え上がったのが今回といわけだ。

 この衝突は、日本にとっては奇貨である。中国との対立をベトナムの押し付けるチャンスであるからだ。南シナ海での海運に影響しない程度の対立と衝突は日本にとって好ましいものだ。西沙での火勢が強くなれば強くなるほど、日本は中国との関係改善のチャンスが手に入る。日本は中国と軍事力を積み上げるゲームをしているが、実際に中国と対立しても利益もない。そのような不毛な事態をベトナムに押し付けられるとすれば、非常に好ましいことだといえるだろう。

 ここで、中国とベトナムをその気にさせて、尖閣での対峙を緩和方向にもっていけないものかね。対中対峙なんて何の利益にもならないことを、一手に日本が引き受ける構造は損でしかない。そういう面倒事は、ベトナムやフィリピンにお願いして、日本は中国との関係改善をするべきではないか。

 例えば、中国のため、海洋安全保障で食っている組織の皆さんを西沙にスイングさせてあげられないものか。中国の海警や海軍が心置きなくベトナムと対峙できるように、何らかの発言、例えば「日本は尖閣での緊張をエスカレーションさせるつもりはない」といったことでも言って、中国に見えるように尖閣周辺での警備体制を少し下げる。海保の巡視船を心持ち減らし、警備での距離も多めにとり、追尾も弱くする。海自によるガス田監視も、離隔距離を多めに取るといった方法でどうにかならないものか。

 あとは、ベトナムを勇気づけて火中の栗を拾わせる手段である。ただし、これを中国の恨みを買わないようにするのはメンドイものだ。まあ、どっかに投資検討とかそのレベルしか無いかね。いずれにせよ、ベトナムの海軍力は貧弱なので、順当に中国に押されきるだろう。それで西沙沖で中国が恒常的に石油採掘を始めれば、ベトナムは勝手にヒートアップしてくれるので、それでもいいといえば、いいだろう。

 一番いいのは、どうとでも取れるように適当な発言なのだが。日本の傍観者的立場を維持しながら、ベトナムにも中国にも自国に有利に取れて、心置きなく衝突できるような発言ができればいいのだが、そういった気の利いた言い方はなかなか思いつかないものだよ。



※   「中国・ベトナム船衝突 南シナ海石油掘削争い」『東京新聞』(東京新聞,2014.5.8)http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014050802000129.html
2014.05
07
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 中国空母の記事が出ていた。「訓練公開「中国空母」真の実力は…性能誇示も『欠陥指摘』続々、“ポンコツ説”払拭できず、透ける『軍・当局の腐敗』」は、遼寧艦にかこつけて中国を馬鹿にする内容になっている。

 記者の主張ではなくて、読者の読みたいものを書いているのだろう。読んでいて不愉快だがその程度のものだ。

 だが、中国の空母を貶すためにロシアの空母を持ち上げるのはどういうことだろうね。

 ロシアの空母は威信財にすぎない。軍艦の上から曲芸的に固定翼機を運用しているよというようなものであり、実用性も乏しいし、そもそも実際には何の役に立っていない。それを
[ロシア空母は]13年12月17日、「第5次地中海遠征」と名付けられた遠距離航海に出発。14年1月15日にジブラルタル海峡を通過して地中海に入り、その後は北東大西洋を航行した。この間、艦載戦闘機とヘリコプターが計350回の発艦を実施したという。西方軍管区広報によれば、5月19日にムルマンスク港へ帰港する予定で、半年近い作戦行動が可能なことを証明した。
と述べているが、結局はソ連時代のインド洋水上艦派遣と同じで、そこにいるよというだけに過ぎない。空母を中心とする大艦隊を出せたわけでもなく、少数機しか搭載していないので空母から強力な航空部隊を出せるわけでもない。

 また、中国にないものはロシアにもない。記事では
 中国空母「遼寧」に足りないものは、主力の戦闘機だけではない。艦載の空中給油機もなければ、空母の目となる早期警戒機もない。最新鋭のレーダーもなければ攻撃機もない。ほかにも空母や随伴艦の運用、編成など課題は山積だ。
と述べているが、ロシアの空母にも空中給油機はないし、固定翼の早期警戒機もない。記事の最後に「脅威に映る中国の軍備も案外、見せかけが多い」と述べているが、それは記者が持ち上げるロシアも同じである。

 その上で言えば、この記事のシリーズ「【大阪から世界を読む】」では、軍事分野では、韓国製装備はポンコツ、中国製装備はポンコツといっているが、日本装備のポンコツを取り上げないのは興味ふかい。

 日本製にもアラはいっぱいある。P-1は急降下するとエンジンが止まるポンコツだったし、C-2は何時実用化できるかわからないポンコツである。US-2も乗り降りでゴムボートが溶けるポンコツ設計とも言えるし、F-2もF-16のコピーに過ぎないといえるだろう。

 結局は、中韓蔑視なのではないのかね。読者の嫌う中韓を馬鹿にするが、日本にある同じ問題は言及しない。あるいは、世界を見る割には、ヨリ酷い状態にあるインドやロシアやベトナムも、多分、読者が読む中国包囲網という幻想から言及しないのだろう。

 記事名に含まれる「『軍・当局の腐敗』」は、中韓だけではなく、印露越も同じようなものだ。さらに日本にもある。
中国では、国内生産だと生産企業の指定などで懐が潤うが、外国製購入ではうまみが少ない。それだけに、ロシアの申し出に乗り気にならないのも当然か。
をもって腐敗というなら、全く日本にも適用できるだろう。



※ 「訓練公開『中国空母』真の実力は…性能誇示も『欠陥指摘』続々、“ポンコツ説”払拭できず、透ける『軍・当局の腐敗』」『産経ニュースWEST』(産経新聞,2014.5.7)http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140507/waf14050707000005-n1.htm