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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.05
01
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07:36
Category : 未分類
 中国とロシアが、多少仲良くなった様子なのだが、それ以上は余り気にするほどでもないのではないか。

 上海の沖合あたりで、中国とロシアが共同演習をやるらしい。産経新聞「中露が5月末に海軍軍事演習 日米けん制、尖閣周辺で実施か」によると
中国とロシアの海軍による合同軍事演習「海上協力-2014」が、5月末から6月初めまで東シナ海で行われる。ミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、通常動力型潜水艦など計20隻を上回る艦船が参加する予定。
「「中露が5月末に海軍軍事演習 日米けん制、尖閣周辺で実施か」」『MSN産経ニュース』http://sankei.jp.msn.com/world/news/140430/chn14043020490004-n1.htm
とのこと。

 中露の政治的な関係前進はともかくおこう。だが、ロシアが参加したところで、海の上で脅威の積み増しになるのだろうか?

 ロシア太平洋艦隊は無視できる規模である。冷戦後半期には、米太平洋艦隊に挑戦する勢いであったが、ソ連崩壊以降はまずもって無視できる規模でしかない。海軍力で、水上戦闘艦の数で言えば、太平洋でプレイヤーとして振る舞えるのは、日米中までであり、後の国は大したものではない。ロシアの立場は、台湾海軍と同じか、それよりも格下といったところだろう。細かい点は先に書いたので繰り返さない。

 中国海軍は確かにそれなりに強力である。戦力組成が歪であったり、艦艇の質に問題があるようにも見えるが、無視はできない戦力である。

 しかし、そこにロシア太平洋艦隊がくっついても、あまり脅威の積み増しにも見えない。ある意味で、日本海軍に満洲国海軍がくっついたようなものだ。本体は強力だが、オマケは小さい。煎餅とその袋の中に入っている乾燥剤程度といったものか。

 そもそも、中国には、まともな海軍力をもつ同盟国はいない。周辺と満遍なく緊張関係を持っているので、有力な同盟国もないものだが、衛星国的に仲良い国、カンボジアやラオスはマトモな軍隊を持っていない。それなりの軍隊を持っている北朝鮮は、言うことを聞かないし、海軍を持っていない。

 中国にとってロシアは、まず同盟国ではない。中国とロシアは、今は仲良いかもしれないが、基本は同床異夢であり、潜在的な国境問題や、歴史的対立の記憶もある。

 そのロシアの海軍力も、ほとんどアテにはならない。政治的に対日戦、対日米戦に参加してくれそうにもないが、参加してもらっても、できることはあまりない。

 中国は「海上協力-2014」とやらで、海の上で日米同盟に中国とその同盟国で対峙する姿勢を示そうとしているかもしれない。だが、その実態はそのようなものだ。
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