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辺野古埋立を前倒ししようとすると、名護市の拒否行動に遭うのではないか?
辺野古の埋立を繰り上げようという報道がある。例えば琉球新報「辺野古埋め立て、秋にも着工 政府、知事選前も検討」だが、実際に工事は前倒しできるかは怪しい。
アレな宰相の指示ということで「既成事実を積み上げよう」といった発想なのかもしれない。アレ宰相は既成事実積み上げが好きで、党内でまとめられない外交や外遊で「TPPに参加する」とか「集団的自衛権はやる」と言って党内異論を封じてきた経緯がある。
しかし、相手は自分の政党ではなく、名護市である。1月にやった名護の市長選挙では反対派が勝っている。その市長も、既に工事で漁港なんか使わせないと言っていた。
この状況で、名護市の反対を抑えつけるような既成事実積み上げをやると、市による拒否行動を引き起こす危険性は高い。
市は工事に対して、巨大な拒否権を持つ。
管理者である漁港の使用拒否は既に始まっている。昨日付沖縄タイムス「防衛局、申請の撤回拒否 名護市は反発」でも、事務的手続きから抵抗している。
他にも、市道や普通河川、排水路といった許認可も持っている。
極端な話、市は基地に通じる市道を使用禁止することもできる。これは、昔、横浜の飛鳥田市長が、ベトナム戦争拒否で戦車の通行禁止をした前例もある。江東ごみ戦争では、江東区は東京都のゴミ搬入を実力拒否している。マイルドなやり方としては、道路管理者として通行制限も掛けられる。トラックが通れないように通行幅や重量制限も掛けられるし、市道にいつでも緊急工事を行うこともできる。別に工事はいつまで続けても良い。
同じように普通河川や排水路についても、市長は権限を持つ。
やる気になれば建築主事を置いても良い。今の名護市は主事を置いていないので、防衛側の計画通知(一般の建築申請)には関与しない。しかし、自前で建築主事を置けば、防衛側の計画通知にいくらでもケチはつけられるし、市の方針として受け付けないとも言える。そこから行政訴訟となれば、まずは10年スパンの話となるだろう。これは、消防計画や消防設備も同じである。許認可は市長が持っているのだ。
市との合意なしに、工事の早期着工をやらせることは妥当な判断だろうか? 市長は既に反対である。その市長を説得するのではなく、喧嘩を売るようなやり方で辺野古の埋立ができるのだろうか?
実際の工事では、さらに反対派が来る。この状況で、しかもゴリ押し工事となると職業政治運動家だけではない。その反対活動については、警察も海保も関与しない(「成田からなにも学んでない」)と言っている。
2005年ころの調査工事は、市が関与しない反対派の反対行動だけでできなくなった。§ その工事を、市による拒否行動の上で強行するとなると、出てくる反対派は質量とも強力になる。市長や市議、県議から周辺のノンポリ住民まで直接反対行動に参加した時に、工事は続けられるものだろうかというと、疑問である。今のイエスマンを揃えたアレ内閣でも、内閣不一致も起きるのではないかね。
※ 「辺野古埋め立て、秋にも着工 政府、知事選前も検討」『琉球新報』(琉球新報,2014.5.11)http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225125-storytopic-53.html
※※ 「防衛局、申請の撤回拒否 名護市は反発」『沖縄タイムスプラス』(沖縄タイムス,2014.5.10)http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=69092
§ あの時の沖縄施設局(当時)の担当(計調課長だか土木課長だか)のOさんは、施設庁土木職のエリート、己が仙台で海上連絡官やってた時の同僚(土木課長)からそのために沖縄に行った人。施設庁はホープを投入したにも関わらず何もできなかったということだ。
追記 地図を見ると、辺野古には国道でアクセスできる様子だが、久志(北)と辺野古間と、ゆかり牧場周辺で、工事車両を実力で止めてしまえば、道路アクセスはお手上げだね。あとは船でやるしかないけど、海上抗議のやりやすさと、海保は取り締まらないだろうことと、基地海面への進入にしても、佐世保での漁業権対立の事例からまず有罪にできないあたりを考慮すれば、それも難しいねえ
辺野古の埋立を繰り上げようという報道がある。例えば琉球新報「辺野古埋め立て、秋にも着工 政府、知事選前も検討」だが、実際に工事は前倒しできるかは怪しい。
アレな宰相の指示ということで「既成事実を積み上げよう」といった発想なのかもしれない。アレ宰相は既成事実積み上げが好きで、党内でまとめられない外交や外遊で「TPPに参加する」とか「集団的自衛権はやる」と言って党内異論を封じてきた経緯がある。
しかし、相手は自分の政党ではなく、名護市である。1月にやった名護の市長選挙では反対派が勝っている。その市長も、既に工事で漁港なんか使わせないと言っていた。
この状況で、名護市の反対を抑えつけるような既成事実積み上げをやると、市による拒否行動を引き起こす危険性は高い。
市は工事に対して、巨大な拒否権を持つ。
管理者である漁港の使用拒否は既に始まっている。昨日付沖縄タイムス「防衛局、申請の撤回拒否 名護市は反発」でも、事務的手続きから抵抗している。
他にも、市道や普通河川、排水路といった許認可も持っている。
極端な話、市は基地に通じる市道を使用禁止することもできる。これは、昔、横浜の飛鳥田市長が、ベトナム戦争拒否で戦車の通行禁止をした前例もある。江東ごみ戦争では、江東区は東京都のゴミ搬入を実力拒否している。マイルドなやり方としては、道路管理者として通行制限も掛けられる。トラックが通れないように通行幅や重量制限も掛けられるし、市道にいつでも緊急工事を行うこともできる。別に工事はいつまで続けても良い。
同じように普通河川や排水路についても、市長は権限を持つ。
やる気になれば建築主事を置いても良い。今の名護市は主事を置いていないので、防衛側の計画通知(一般の建築申請)には関与しない。しかし、自前で建築主事を置けば、防衛側の計画通知にいくらでもケチはつけられるし、市の方針として受け付けないとも言える。そこから行政訴訟となれば、まずは10年スパンの話となるだろう。これは、消防計画や消防設備も同じである。許認可は市長が持っているのだ。
市との合意なしに、工事の早期着工をやらせることは妥当な判断だろうか? 市長は既に反対である。その市長を説得するのではなく、喧嘩を売るようなやり方で辺野古の埋立ができるのだろうか?
実際の工事では、さらに反対派が来る。この状況で、しかもゴリ押し工事となると職業政治運動家だけではない。その反対活動については、警察も海保も関与しない(「成田からなにも学んでない」)と言っている。
2005年ころの調査工事は、市が関与しない反対派の反対行動だけでできなくなった。§ その工事を、市による拒否行動の上で強行するとなると、出てくる反対派は質量とも強力になる。市長や市議、県議から周辺のノンポリ住民まで直接反対行動に参加した時に、工事は続けられるものだろうかというと、疑問である。今のイエスマンを揃えたアレ内閣でも、内閣不一致も起きるのではないかね。
※ 「辺野古埋め立て、秋にも着工 政府、知事選前も検討」『琉球新報』(琉球新報,2014.5.11)http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225125-storytopic-53.html
※※ 「防衛局、申請の撤回拒否 名護市は反発」『沖縄タイムスプラス』(沖縄タイムス,2014.5.10)http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=69092
§ あの時の沖縄施設局(当時)の担当(計調課長だか土木課長だか)のOさんは、施設庁土木職のエリート、己が仙台で海上連絡官やってた時の同僚(土木課長)からそのために沖縄に行った人。施設庁はホープを投入したにも関わらず何もできなかったということだ。
追記 地図を見ると、辺野古には国道でアクセスできる様子だが、久志(北)と辺野古間と、ゆかり牧場周辺で、工事車両を実力で止めてしまえば、道路アクセスはお手上げだね。あとは船でやるしかないけど、海上抗議のやりやすさと、海保は取り締まらないだろうことと、基地海面への進入にしても、佐世保での漁業権対立の事例からまず有罪にできないあたりを考慮すれば、それも難しいねえ
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