fc2ブログ

RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2014.05
21
CM:4
TB:0
12:00
Category : 未分類
 観閲式も観艦式も毎年やるものではないし、特に百里の田舎でやる航空観閲式ほど無駄なものもない。「自衛隊60周年記念航空観閲式、10月26日に開催が決定」によると、10月26日にやると決めたらしいが、やる甲斐はあるものだろうか。

 自衛隊は、陸海空持ち回りで年一回観閲式か観艦式を行う。陸が朝霞で観閲式をやって、海が相模湾でスレ違い観艦式をやって、空が百里で航空観閲式を行う。

 しかし、本来は観閲(大演習は除く)や観艦式は毎年やるものではない。旧軍の例を見ると、国家的慶事や、あるいは戦勝に合わせてやるものであって、10年に1回やるかどうかである。海外の例を見ても、そんなものだ。

 それを毎年やるのは金と人手のムダではないか。部隊を集合させるにも金がかかる、会場設定や接遇にも金がかかる。隊員は相当の人日を拘束される。例えば、観閲式の前には、陸海空とも参加人員は一月半は行進のお稽古ばかりやらされる。その間、参加人員はマトモに仕事にもならない。

 さらに、見えないところでやっても仕方がない。観閲式は朝霞の自衛隊の中、観艦式は相模湾の沖合、航空観閲式は人里離れた百里で行われる。自衛隊が自己満足でやる部分はさておき、海外にこれだけ持っているということを見せるためには、そのようなところでやっても仕方もない。

 やるなら、都心か東京内湾でやるべきではないのか。観閲式をやるなら、最新装備をもってきて、皇居外周の道路を一周させる。観艦式や航空展示なら、東京から見える範囲で、東京内湾のできるだけ東京寄りで行う。そうしなければ、やる意味もない。

 この観点でみれば、航空観閲式は一番ムダである。

 まずは金がかかる。航空燃料は相当に高くなっている。それを百里の上空に陸海空航空機を集め、グルグル回すことで大量消費するのは、金をドブに捨てるようなものだ。

 しかも、それは誰も見ていない。中に入る招待者や、飛行場外から見ようと集まるファンを除けば、だれもそれを見ない。航空観閲式を見ようと百里まで行くという人は殆どいない。

 航空観閲式は、費用ばかりかかる割に利益はない。陸海には観閲式観艦式があることを羨んで、空もやらせろということで始まった航空観閲式であるが、陸海空お披露目の中では、もっとも効率が悪い。防衛費も窮屈になった当節である。もうやめたほうが良い。



※ 「自衛隊60周年記念航空観閲式、10月26日に開催が決定」『FlyTeam』(2014.5.20)http://flyteam.jp/news/article/35634

※※ 航空観閲式をやるなら、東京都心-横浜-千葉上空をグルグルまわす形が一番望ましいが、特に羽田の飛行場運用とぶつかるし、高層建築も多く、高度もそれほど低くとれないのでので、大規模にやるのは難しいだろう。
スポンサーサイト