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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.06
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Category : 未分類
 山陰中央新報「浜田港に海上自衛隊誘致を 商議所が市に要望書」だが、本当に実現性があると思っているのだろうか?

 まず、海自の興味は外洋にあり、地域防衛にはない。元来、本土防衛には乗り気でもなく、特にここ20年は海の向こうへの展開を睨んでいる。その海自には、基本的に新しい地域防衛のための基地を作る発想はない。

 そもそも、海自は山陰には全く興味はない。地域防衛にしても、海自は南西諸島線と海峡部しか興味もない。浜田は対馬海峡、対馬-壱岐に近いかもしれないが、距離的には佐世保から行ったほうが近いし、ほんとうに必要なら対馬の警備隊を強化したほうが良い。

 さらに、海自は警備部隊そのものを減らす方向にある。人出が足りないのに、使わない警備部隊やら基地を持っていても仕方もない。紀淡方面や観音崎、六連島といった警備部隊も廃止している。おそらくは、さらに使えない余市や新基分※※ もいずれは廃止されるだろう。浜田よりも重要な基地が廃止されるのに、浜田に基地が新設される可能性は低い。

 要は、浜田に海自基地はできないということだ。

 さらに、仮にできても経済効果なんか生まれもしない。要望側は「市内では以前から、関連施設の建設など経済波及効果を念頭に誘致を求める声があり」(山陰中央新報)と皮算用しているが、大した施設なんかは作らない。警備隊でも整備施設は作りはしない。零細企業程度の事務所を一個作って終わりである。だから、雇用も官需も期待できない。人員も新基分のように10人程度に留まるだろうから、経済効果はたかが知れている。もともと用もない場所なのでほとんど入港もない。

 可能性があるとすれば、弾薬庫ではないのかね。「どんな弾薬でも廃棄物(ウチガラほか結構ある)でも来てください。市有地を安く売却します。道路も水道も市が用意します」位を言えば、海自も食指は動くかもしれないが、危険なイメージから賛成する人もいない。さらに弾薬庫だと雇用も経済効果も大したものではない。そもそも、車で納品して、車で取りに来て終わりだから、入港の必要すらない。

 とはいえ、弾薬庫作らせてくれれば、周辺対策的に艦艇で積極的に遊びに行くことはある。そこで生鮮食料品を買うとかもするし、上陸して飲むかもしれない。

 でも、それ八百屋、魚屋と飲食店が儲かるだけで、その経済効果にぶら下がれない人には何の得もない。防衛の周辺対策費は入ってくるじゃないかと思うかもしれないが、それは本来取れる固定資産税やら事業税をカバーできる額ではないので、結局、損をするだけである。

 まあ、誰か識者に聞いてから要望したほうがよかったんじゃないの。それとも、商工会議所の厄介なエライ人が思いついたことだから、仕方なく要望したのかもしれないけど。



※   「浜田港に海上自衛隊誘致を 商議所が市に要望書」『山陰中央新報 オンラインニュース』(山陰中央新報,2014.5.28)http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=546114004
    というか、戦前から山陰は国の機関や鉄道を引っ張ろうとしていて、しかもその理由を防衛に結び付けたがる。ソ連が攻めてきてみたいな話だけど、そのソ連も滅んで、できたロシアも極東じゃプレイヤーにならないのだけれども。

※※  まあ、余市も新潟基地分遣隊も要らない。岸壁だけ貸してもらえれば、もやい取りは出張や地本でいいんじゃないのかね。
    特に余市なんて、配置したミサイル艇が「海が荒れてしかたがないからあ、大湊で暮らすわ」と毎冬引き上げてくる程度の基地。夜の海のものが美味しいし、昼間もウイスキー工場の試飲があるからと研修だけは人気あるんだけどね。

※※※ 舞鶴と大湊も、基地隊に引き下げてもいいかもね。どっちも要らないといえば要らない。将官は減らせるし、このITの時代、事務のたぐいも東京や横須賀でできる。管理部、経理部、作戦部は相当に小さく出来るよ。
    双方を基地隊に引き下げて、取り扱いで問題になるのは舞鶴教育隊くらいじゃないの。残してもいいし、あるいは教育隊もフルーツバスケット方式で横須賀、呉、佐世保で全国分まとめてやってもいいと思うけどね。
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2014.06
01
CM:0
TB:0
01:51
Category : 未分類
 戦時国際法に、敵性落水者の救助義務があるのだろうか? 

 Dragonerさんはそれがあると主張している。
割と本気で、雷の漂流敵兵救助なんて戦時国際法の義務を「日本人の誇り」と誇るぐらいなら、日本軍の侵攻で帰れなくなった女生徒を囲ってウハウハしてた将軍を「日本男児の本懐!」と賞賛した方が良いと思っている
https://twitter.com/dragoner_JP/status/472640719933276160
だが、該当する戦時国際法は聞いたこともない。

 実際、戦時国際法にあるのは、救助用航空機や救助艇、病院船の保護規定や、落水者を目的とした攻撃の禁止だけである。落水者の救助は義務になっていない。

 そもそも、敵性落水者保護を義務付けると、その作業の間は自軍が危険にさらされる。人命は重要であるが、そのために危険を犯すことを義務付けるのは、特に戦闘時には非合理的である。潜水艦が敵艦を沈めた後に、浮上し救助を義務付けるのは妥当だろうか? 救助ができない航空機は、当然免除しなければならないが、それと水上艦や潜水艦とのバランスはどうだろうか? 戦時国際法の義務と主張するDragonerさんは、そのあたりの矛盾に気づかないのが不思議である。

 落水者への救難や援助は、成文化された国際法にもない。(救助を義務的に果たすことを前提とした海難救助地域の指定はある) 実際に義務付けているのは、グッドシーマンシップを果たす義務といった国際慣習(これも国際法を構成するが、成文法ではない)である。

 もちろん、戦時にも、安全な状態であれば、船員として救助しなければならないだろう。救難能力に余裕があれば、救難航空機を出すべきだろう。しかし、それは戦時国際法での義務ではない。やれば賞賛すべき行為であり、評価に値しないとは到底言えない。

 この前提条件を無視して、響の行為とその功績を否定的に扱うのは妥当ではないだろう。存在もしない「戦時国際法の義務」を振り回して、人道上あった立派な行為の評価について泥を塗るのは、何のためか疑いたくなる。

 結局、Dragonerさんは、訳知り顔をしたいだけではないのか。女生徒を囲った日本軍隊の非人道性を指摘したいのだろうが、そのために、救助や人道的行為の価値までも「戦時国際法の義務」と捏造してまで不当に下げようとすることには、いやらしさを感じてしまうものである。



※ まあ、JSFとそのお仲間は相互主義だし、前に散々言われているから、ボクも散々言うことにしますよ。

※※ グッドシーマンシップとは、船員としての慣習的義務だと思ってもらえばいいです。落水者への無償救助義務慣習はそこに始まります。船員の常務という言い方もあるけど、それは海上衝突予防法に限定されるような言い方なので、横文字で。