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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.06
05
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12:48
Category : 未分類
 装備を原則国産とすることや、随契導入は自衛隊のためにはならないのではないか。

 自民党国防部会が、既存防衛産業だけ保護する提言をまとめている。産経「防衛装備『国産が基本』 生産基盤戦略で自民提言案」によれば、これからも国産装備を使わせる、一般競争入札はさせないとしている。これは既存の防衛産業に採っては利益かも知れないが、自衛隊の利益にはならない。

 なんでも国産開発を使え、はロクなものではない。国産装備に拘った結果、イマイチな製品もゴロゴロしている。機関銃や小銃がその例である。信頼性がイマイチな割に、市場に揉まれていないのでデザインが悪い。使う兵隊が大戦中のMAP供与品の方が快調とまでいう始末である。

 しかも、国産だと高価で数が揃わない問題がある。機関銃はともかく、小銃なんか国際市場で購入しても構わないし、そうすれば安くていいものが手に入る。自衛隊の事を考えれば、安くて品質の高い海外ブランドの海外製造品を多数買ってもらったほうがいいだろう。

 これがミサイルの類の国産開発となると、開発費詐欺のような状況になっている。海外製とスペック上で大差のないミサイルを、国産開発するが結局は数が揃わない。結局は、技本の開発利権なのだろう。どうでもいいミサイルの自主開発をして、それを装備化して調達するとなる、盗人に追い銭のようなものだ。

 さらに、一般競争入札よりも随契を使わせるというのはどうしようもない。「『粗悪な装備品が導入される悪影響が生じている』として随意契約の拡大を要求。」というのは、仕様書不備や、担当者監督官検査官の能力不足を全部黙認するものだ。この状況で随契を認めても、不適正な入札、ムダに高く買い物することを認めるだけである。

 これも調達予算の高騰を招き、必要数が揃えられない問題を加速するだけだろう。

 いずれにせよ、自民提言案は既存の防衛産業を甘やかす効果はあるが、自衛隊のためにはならない。国防部会も、自衛隊の都合よりも防衛産業の都合を優先する立場にあるのだろう。



※ 「防衛装備『国産が基本』 生産基盤戦略で自民提言案」『産経新聞』(産経新聞。2014.4.10)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140410/plc14041020320017-n1.htm
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