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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.06
11
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Category : 未分類
 国際コンテナ港の投資を阪神にしても無駄に終わる。だいたい、中韓に敵うはずもなく、国内でも東京港で卸した方が早い。

 ハブ港湾なんてものは、東アジアに2ヶ所もあればいい。船会社からすれば数作られても廻っている暇はない。東南アジアよりならシンガポール、香港-深セン-広州で、北東アジアは寧波舟山-上海、釜山がいいところだ。日本国内向けコンテナも直行便が多い東京-横浜で卸せばよい。一国のコンテナ拠点港も1ヶ所あれば充分である。今更、阪神に作ってもしかたもない。

 その阪神で、大阪で国際コンテナ戦略港湾を作るとか言っている。「『韓国・釜山港に貨物流れている』橋下市長も危機感 中国、韓国に対抗『阪神国際港湾』発足へ」だが、正気とも思えない。

 今日、国際競争できるような国際コンテナ・ヤードは、既存の施設をどうこうして作れるものではない。作るとすれば、ゼロベースでなければどうしようもない。そのためには
・ サラの広大な土地と
・ 深水深の長大な岸壁
・ 高速オペレーション可能なクレーン
・ 内陸交通網との接続
が必要になる。実際、90年以降の国際コンテナ港は、未開発地の有り余る土地を作って作っている。そのような土地は阪神にはない。

 そして、大枚叩いて新規コンテナ港を作っても、船会社が寄ってくれなければ仕方がない。阪神で中途半端なコンテナ港を増設しても、内陸の需要もない関西には寄らない。中国、韓国一国の需要のある寧波舟山-上海、釜山には敵わない。日本の需要にしても、東京に卸したほうが大概の内陸輸送には便利である。そもそも、東京のオペレーション効率は世界1・2を争う高さである。船会社としても、入港がヨリ短期間で終わる東京を選ぶ。

 国際コンテナ戦略港湾に投資するにしても、阪神に投資するのはムダである。日本国内で生き残る港湾は一つしかない。金を突っ込むなら、生き残る唯一の国際コンテナ港湾である東京港に注いだほうが良い。

 今の状況で金を突っ込んでも、関西新空港の二の舞いだろう。世界に競争するために24時間空港とか言っていたが、できたものはあの体たらくである。阪神国際港湾を作っても、どうせお荷物で終わるだろう。

※  「『韓国・釜山港に貨物流れている』橋下市長も危機感 中国、韓国に対抗『阪神国際港湾』発足へ」『MSN 産経ニュースWEST』(産経新聞,2014.6.10)http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140610/wec14061021210014-n1.htm
   国際コンテナを取り扱うハブ港湾を目指して失敗した例や、船会社の気まぐれですぐに廃れた例は多いが、その辺りには全く触れない。また、静岡空港や苫小牧開発といったこの手の巨大投資の失敗にも触れないのも不思議な記事である。

※※ 空港や港湾は土木建設業界のために必要があって、利用は二の次というのなら、意味のある投資かもしれない。公共事業ならなんでも金突っ込む今の内閣から金かっぱぐにはいいかもしれないが
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