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週刊ダイヤモンドが「武器輸出解禁の衝撃 世界の国防関係者が日本の最新兵器に熱視線!」とした記事を上げている。
武器輸出三原則を見直しにより「日本の武器が世界中に売れる」とする期待を振りまく内容になっている。例えば
しかし、実際に日本製の武器は売れるのだろうか?
まず、陸戦用の小火器や装甲車両、火砲の類は売れないだろう。国内開発品は、概ね高価格であり、見合った性能はない。性能も同じなら、多少仕上げが悪くとも中国製や韓国製を買うだろう。中国製でも、西側口径の小火器や火砲は売っている。高くて性能的にアドバンテージもない日本製は売れない。
かつて、日本の工業製品が安くて高性能の時も、日本製小火器を買おうとしたのは戦争当事国だけだった。62式機銃については、海外から引き合いがあったと誇らしく書く記事があったが、その国は印パ戦争中のインドとパキスタンだった。
航空機も売れるものでもないし、売れても儲かるものでもないだろう。P-1やC-2については売れる見込みはない。日本人マニアが傑作だというOH-1(ライン閉じているけどね)なんか高い上、汎用性も火力も全くないので売れるはずもない。F-2にしてもそうである、ライセンスやラインの問題がなくとも売れるものではない。F-2を買うなら、最新のF-16を買う。納期も値段も、部品供給も、適合する兵装でもF-16の方が優れている。
US-2にしても、売れたものではない。中国並みに独自理論によるインド洋囲い込みをやろうとしているインドが、日本の歓心も合わせて買おうとしている。相手が相手なので、インドに一方的に有利な契約とか、賄賂でさんざんやられるだろう。※※
US-2も政治的思惑があるインドが買う程度にとどまる。そもそも基本的に飛行艇は使いにくい。着水できない可能性も高い。海上救難なら、空中給油装置をつけたヘリや、それこそ今ならオスプレイの類を使ったほうが良い。
売れるものは、軍艦用のエンジンや舵機といったものに限定されるのではないか。軍艦そのものはどこの国でも自国で建造しようとするので売れにくい。だが、そのディーゼルエンジンや舵、減速ギヤ、スクリュー、艦内用の計装・通信器材、格納庫の整備器材や弾薬用エレベータといった、非兵装系の部材がアッセンブリ的には売れるかもしれない。これらについては、日本製は価格競争力も品質も高いものを持っている。だが、それが記事が期待する武器輸出になるかどうかは微妙だろう。商船用よりも高いだろうが、兵器的には高値には売れない。
ダイヤモンドは商売雑誌で、これからの有力な市場として国際武器市場を紹介しているのだろう。だが、実際にはこれらの船舶艤装を※※※ を除けば、国際武器市場ではあまりパッとしないのではないかね。
※ 「武器輸出解禁の衝撃 世界の国防関係者が日本の最新兵器に熱視線!」『ダイヤモンド・オンライン』(ダイヤモンド,2014.6.16)http://diamond.jp/articles/-/54579
※※ 救難用だからと、相手を殺す武器にはならないだろうとインドにUS-2を売るとロクな事にはならないだろう。あの国は、ヒマラヤ方面で中国やパキスタン、反政府組織と対峙している。そして、山岳地の飛行場で便利に使える作戦機は余り持っていない。出力に余裕があって高標高に対応でき、STOL性能をもったUS-2は対地攻撃機として使われる可能性も高いんじゃないのかね。インドは航空機や艦艇のでも、ヘンテコな回収をやったり武器をつけたりするからねえ。水上艦に弾道ミサイル積んだりとか。
※※※ どこの国も、国産軍艦を作りたい気持ちはあるから、そこにつけ込んで、軍艦用のアッセンブリ輸出に特化したほうがいいんじゃないのかね。ただし、キモの武器は日本も米製欧州製を使っているし、たまに国産を作っても07式アスロックみたいに、高価格なわりに性能はおざなりしかないから、機関系とか通信系とか、あとは応急系位になるだろうけれども。
武器輸出三原則を見直しにより「日本の武器が世界中に売れる」とする期待を振りまく内容になっている。例えば
[中国は]「安価な武器を大量にアジア諸国にばらまいている。自国で武器を製造できない国はそれに依存せざるを得ないが、中国に自国の軍事力を推定されることを嫌がっている国は多い」(防衛業界関係者)。その意味で食い込む余地は決して小さくない。とか
自衛隊関係者は、「中国以外は日本の武器輸出はウエルカムで、ニーズは間違いなくある。問題はそれに日本企業が応えられるか」と、日本の軍需産業の奮起を期待する。といった、売れるだろうという希望的な意見が述べられている。
しかし、実際に日本製の武器は売れるのだろうか?
まず、陸戦用の小火器や装甲車両、火砲の類は売れないだろう。国内開発品は、概ね高価格であり、見合った性能はない。性能も同じなら、多少仕上げが悪くとも中国製や韓国製を買うだろう。中国製でも、西側口径の小火器や火砲は売っている。高くて性能的にアドバンテージもない日本製は売れない。
かつて、日本の工業製品が安くて高性能の時も、日本製小火器を買おうとしたのは戦争当事国だけだった。62式機銃については、海外から引き合いがあったと誇らしく書く記事があったが、その国は印パ戦争中のインドとパキスタンだった。
航空機も売れるものでもないし、売れても儲かるものでもないだろう。P-1やC-2については売れる見込みはない。日本人マニアが傑作だというOH-1(ライン閉じているけどね)なんか高い上、汎用性も火力も全くないので売れるはずもない。F-2にしてもそうである、ライセンスやラインの問題がなくとも売れるものではない。F-2を買うなら、最新のF-16を買う。納期も値段も、部品供給も、適合する兵装でもF-16の方が優れている。
US-2にしても、売れたものではない。中国並みに独自理論によるインド洋囲い込みをやろうとしているインドが、日本の歓心も合わせて買おうとしている。相手が相手なので、インドに一方的に有利な契約とか、賄賂でさんざんやられるだろう。※※
US-2も政治的思惑があるインドが買う程度にとどまる。そもそも基本的に飛行艇は使いにくい。着水できない可能性も高い。海上救難なら、空中給油装置をつけたヘリや、それこそ今ならオスプレイの類を使ったほうが良い。
売れるものは、軍艦用のエンジンや舵機といったものに限定されるのではないか。軍艦そのものはどこの国でも自国で建造しようとするので売れにくい。だが、そのディーゼルエンジンや舵、減速ギヤ、スクリュー、艦内用の計装・通信器材、格納庫の整備器材や弾薬用エレベータといった、非兵装系の部材がアッセンブリ的には売れるかもしれない。これらについては、日本製は価格競争力も品質も高いものを持っている。だが、それが記事が期待する武器輸出になるかどうかは微妙だろう。商船用よりも高いだろうが、兵器的には高値には売れない。
ダイヤモンドは商売雑誌で、これからの有力な市場として国際武器市場を紹介しているのだろう。だが、実際にはこれらの船舶艤装を※※※ を除けば、国際武器市場ではあまりパッとしないのではないかね。
※ 「武器輸出解禁の衝撃 世界の国防関係者が日本の最新兵器に熱視線!」『ダイヤモンド・オンライン』(ダイヤモンド,2014.6.16)http://diamond.jp/articles/-/54579
※※ 救難用だからと、相手を殺す武器にはならないだろうとインドにUS-2を売るとロクな事にはならないだろう。あの国は、ヒマラヤ方面で中国やパキスタン、反政府組織と対峙している。そして、山岳地の飛行場で便利に使える作戦機は余り持っていない。出力に余裕があって高標高に対応でき、STOL性能をもったUS-2は対地攻撃機として使われる可能性も高いんじゃないのかね。インドは航空機や艦艇のでも、ヘンテコな回収をやったり武器をつけたりするからねえ。水上艦に弾道ミサイル積んだりとか。
※※※ どこの国も、国産軍艦を作りたい気持ちはあるから、そこにつけ込んで、軍艦用のアッセンブリ輸出に特化したほうがいいんじゃないのかね。ただし、キモの武器は日本も米製欧州製を使っているし、たまに国産を作っても07式アスロックみたいに、高価格なわりに性能はおざなりしかないから、機関系とか通信系とか、あとは応急系位になるだろうけれども。
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