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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.06
22
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Category : 未分類
 例によって防衛省は開発したい病でテレスコピック弾薬を使った機関砲をつくろうとしているのだけれども、機械モノで新機構に飛びついた点で多分コケるのではないかね。

 機関銃も機関砲も、いずれも相当な技術的習熟を必要とする。まず、安定して動作するものを作るのが難しい上、その後にも寒暖や過熱といった極限状態でのテストを相当期間実施しないと、配備したあとでアリャーということになる。

 あのアメリカでも、パッとしたものが作れないので、機関銃は外国人設計や、外国製ライセンス、機関砲はガトリングやチェーンガンといった外部動力式を使っている。

 それを日本の防衛産業にやらせるのは、相当に厳しい話である。さらに、今まであまり実用例のない特殊形状の弾薬で、しかも機械モノで高発射速度を目指すとなると、あまりうまく行くとは思えない。新しい閉鎖形式で、かつ弱装弾を使おうとした62式機関銃の二の舞いになるのだはないか。

 なぜこのような開発をするのか? それは国産開発機関砲を作りたかっただけの話だ。別にテレスコピックが是非必要というわけではない。

 防衛省の開発サイドには、なんでもかんでも国産開発したいという考えがある。これは機関砲でも変わらない。

 だが、従来口径の機関砲では、優れた海外製があるので、国産はできない。膨大な開発費と調達数を考えれば、購入するかライセンスしろということになる。

 それを避けるには、標準的口径の弾薬と互換性のない弾薬を使わせるしかない。だから、テレスコピックが優れていると言い出したわけだ。

 もちろん、テレスコピックにしなければならない切実な理由はない。

 防衛は、発射速度が増やせる、弾薬搭載量が増やせる。だから、装甲車や対空機関砲に使うという。

 だが、発射速度もそれほどの魅力でもない。対地攻撃ならそれほどの発射速度は必要ない。対空射撃でも、発射速度が2割増えても、振動他で散布界がある程度以上(おそらく1MOA)以上悪くなると、勘弁してくれと言う話になるだろう。弾薬数が増えるというのも、大した魅力でもないだろう。

 また、陸戦用の各種機関砲について、今の弾薬数で非常に困っていると言う話はない。

 そもそも、ちょっとしたメリットがあっても、回転不良そのほかの信頼性不足のおそれがあれば帳消しである。そして、歴史的に見て、日本も機関銃や機関砲開発が上手な国ではない。ベルギーやチェコの機関銃や、ドイツ、スイスの機関砲や、イタリアの自動砲のようにはいかない。

 まずは、テレスコピック採用は、開発側の利益だけで、防衛のためになるものでもないということだ。

 まあ、一番不思議なのは、毎回陸自が国産開発品にこだわるところであるよ。特に今回のCTA機関砲なんか、人柱テスターそのものなのに、主要装備に取り付けることを認めるのも、政治とかOBがらみの利権構造でもあるのだろう。
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