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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.07
31
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Category : 未分類
 内閣支持率と株価の間に相関関係はある。支持率が下がれば、アレ宰相による株価の操縦力が下がるからである。むしろ因果関係にちかいものだ。

 ロイターのビデオ「内閣支持率が50%割り込む、株価への影響は」は
内閣支持率と株価の間に相関関係はあるのだろうか。UBS証券は「ある」としている。安倍内閣の支持率が初めて50%を割り込み、株価への影響が懸念されている。(アブストラクト)
という内容になっている。

 実際にそうだろう、アレ宰相がやっているのは、株価を上げることで経済が上手く行っていると錯覚させ、支持率を上げる手法である。その経済政策は、経済を良くすることではなく、株価を上げることに主眼がある。勉強をさせずに試験テクニックだけを弄して偏差値を上げているだけの話だ。

 投資家もそれを見抜いている。

 アベノミクスとやらも、要は円を切り下げて株価の数字と工業輸出高の数字を上げる話である。円が安くなる見込みなら、資産は円以外に変えようとする。例えば、米ドルやユーロ、金と同じように、株に向かう。ビデオであるように、構造改革があるから株式に投資する話ではない。

 アレ宰相の力の源泉は、株価による経済好調の印象である。だから、株価も操縦している。例えば、年金機構の資産を株に転換させたのがその例だ。「国債では利益がでない、年金基金で持っている資産は株に変えろ」と他人の財布に横車を入れたのは、一種の制度的PKOである。株が停滞したのが怖かったわけだ。今後も「株式は資産で、売買はその形を変えただけ、だからそこで上がった利益には課税するな」とか言い出すだろう。

 ビデオを出したヤツも、そのあたりは承知している。だが、所詮は株新聞の株記者なのだろう。そういうと不自然な相場維持といった印象を持たれるので、それは商売に障ると避けようとする。

 その結果が、アレ宰相が強ければ「構造改革をやるから」「第三の矢」があるので、といった寝ぼけた説明である。「ネットで医薬品を変えるようにする」程度の構造改革で何が変わるものだろうか。

 ただし、内閣支持率と操縦株価には相関関係があるとする指摘は正しい。実際には、相関関係ではなく「支持率が高ければ相場操縦力が上がるので、株価は上がる」「下がれば下がる」といった因果関係に近い。

 アレ宰相が力を持っている間は、「ヤツは株価を下げないためには何でもやる」と見ぬかれている。

 それと同じように、アレ宰相が力を失えば、株価は維持できないので下がるとも見ぬかれている。

 「『支持率が低くなれば、市場の操縦力が下がるので、不自然に維持された株価も下がる』と投資家は考える」と市場は判断する。だから、支持率が下がれば株価は一気に下がるし、その支持率も、上る見込みもない。つまりは、株価は、あとは下がるだけという傾向にあるということだ。

 アレ宰相の口車に乗って、いまさら株を始める素人が嵌められるということだ。まあ、あのヒョウロク面やだらしない口調で判断できないあたりで、自業自得だろう。



※ 「内閣支持率が50%割り込む、株価への影響は」『ロイター』(ロイター,2014.7.30)http://jp.reuters.com/news/video/popup?videoId=328744175&videoChannel=201&pos=6.445
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2014.07
30
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Category : 未分類
 米軍の司令官が「日韓関係どうにかしろ」と言っているのだけれども。兵隊風情に言われることではない。

 「米太平洋軍司令官、冷え込んでいる日韓関係に懸念」によれば、「アメリカ太平洋軍のロックリア司令官」が「『「日本と韓国の政治問題が、我々の信頼できる防衛協力を実行する能力に影響を与えている』」と述べたという。

 しかし、それは米軍の事情に過ぎない。日本とすれば、今のところ韓国との防衛協力を進捗させなければならない理由はない。韓国にしても同じことである。両国には、さしあたって共同で対処しなければならないような脅威はない。米国にしても、同盟国2国が仲悪いのはどうにかしてくれだが、だからといって現実的に困る話はない。両方からの援助を合わせて、軍事的な利益を米軍以外は。

 実際の所、日韓は互いの付き合いで特に困ったことはない。確かに、歴史問題や領土問題は双方での政治的な問題となっているものの、互いの国民や資産、投資を保護し、交通を確保するといった実務的な面では何の支障もない。

 そこで、横から口を出されるいわれはない。日韓両国は米国の利益や、駐留軍の便宜も充分に図っている。そこで、日韓を仲良くしろと、海外から、しかも兵隊から言われる筋合いはない。

 だいたい、日韓双方が関係改善をするコストを理解していない。今の日韓の政治状況では、関係改善を主張することはともかく、具体的に推進することには、相当の面倒が伴う。それでいて、対中関係改善とは異なり、得られる利益はほとんどない。なんせ、実務面では何の支障もない。安全保障でも、別段に軍隊同士で睨み合っているわけではない。緊張緩和で、なにか新しい利益がでるわけではないのである。

 そこで、米軍の事情でそれを言うのは、余計な口出しだろう。しかも、米政府の意図ではなく、米軍の都合である。

 日韓は、米軍の軍政下にあるわけではない。それは60年前の話であり、日韓はロクなものではなかったと見ている。それにもかかわらず、軍隊側が双方の民主主義政府、しかも軍隊の口出しを嫌う風土のある日韓ににリクエストすることは、僭越である。おそらく、米軍の頭のなかには、日韓は米軍のショバといった感覚があるのだろう。西欧ではそういうことを言わないくせに、東アジアだとそれを言うのは、中南米なみの扱いではないか。



 まあ、一番わかり易いのが、海兵隊だけどね。アレは沖縄をショバだと考え、海兵隊は特殊権益を持っていると勘違いしている。その上、たまに「強大な抑止力を提供しているのだから、思いやり予算は当たり前」とか言い出す。※※ 実際に日本の都合に合致する米海空軍は、なかなかそこまでは言わないのにね。住民印象も悪いから、一度海兵隊は追い出したほうがいいだろうよ。


※ 「米太平洋軍司令官、冷え込んでいる日韓関係に懸念」『テレ朝NEWS』(テレビ朝日,2014.7.30)http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000031638.html

※※ 「集団的自衛権、黒幕の米国が考えていること -日米安保体制はますます米国の思うまま」『東洋経済オンライン』(東洋経済新報,2014.7.1)http://toyokeizai.net/articles/-/41323?page=3
2014.07
29
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06:51
Category : 未分類
 戦前制度についての認識なしに「昭和帝が戦争遂行に御熱心だった」と主張するのはいかがなものだろうか。

 帝国憲法体制下では天皇は専制君主ではない。天皇大権は輔弼と補翼を前提とするものである。統治でも内閣の輔弼に異を挟むことはできないし、補翼なしには統帥権も行使できない。無答責であることからわかるように、実務での決心判断を伴うものではないのである。

 実際に、太平洋戦争をみても、昭和帝はプレイヤーとして振る舞われず、また振る舞えられたわけでもない。

 開戦や終戦での経緯を見ても、昭和帝は御自身の意向を内廷で個人的な御意見として表明することはできても、政府や統帥部にそれを命じることはできない。

 終戦受諾についても政府と大本営が割れていたため、御聖断は成立したに過ぎない。開戦時のように政府・統帥部が同じ判断をした場合には、御聖断は成り立たない。

 しかし、それを承知せずに、昭和帝が戦争遂行に積極的であったとする主張は相当に乱暴である。内田弘樹さんは
内田弘樹@「鶴翼の絆2」発売中!‏@uchidahiroki
昭和天皇って最近の研究だと思いの外戦争に乗り気で、沖縄戦までは一撃講和論にこだわり、沖縄戦で負けが確定した後は対ソ交渉に縋るくらいには戦争を自分からやめるべきだと口にしなかった人間だから、あんな結果になることが分かっていたら、マリアナあたりで「もうやめようぜ」と言い出したかもとか
21:16 - 2014年5月6日 https://twitter.com/uchidahiroki/status/463895160149905408
内田弘樹@「鶴翼の絆2」発売中!‏@uchidahiroki
やめろ! 一撃講和論の否定は昭和天皇のご意志の否定と責任問題に繋がってしまうからやめるんだ! やめろぉぉぉぉ(断末魔のように消えていく声
21:22 - 2014年7月27日 https://twitter.com/uchidahiroki/status/493612417071341568
と述べている。

 御意思や御発言についても、統帥大権や軍政大権、栄誉大権の動作機構の中で、奏上に対して大元帥としての御嘉賞として出たものを引っ張りだしたものだろう。奏上に対しての返答は「その方針で行くのなら、この点はどうか」としか言わないし、言えないのが御立場である。それを以って戦争指導に参画とは到底言えるものではない。そして同時に、昭和帝が戦争終結へのシグナル的にやっていた内廷等での御発言を全部無視して「思いの外戦争に乗り気」「昭和天皇のご意志の否定と責任問題」(内田)とするのは、食言である。

 そもそも、戦前の制度が全く分かっていないのだろう。「日本側」とか「日本政府」、「日本統帥部」のメカニズムが分かっていない。

 内田さんは、テレビゲーム的に太平洋戦争は1人のプレイヤー、昭和帝が全部動かしていると思っているわけだ。

 しかし、実際には多数のアクター勝手気ままに動いていたのが戦時下の日本である。陸海軍と内閣だけではなく、各省庁、議会、政党、経済界、新聞もそれなりに力があった。その中で、昭和帝は及ぼせる力は相当に小さい。この辺りは、重光葵や緒方竹虎、軍関係でも高木惣吉あたりを読めばわかりそうなものだ。だが、兵書というか、戦闘史みたいなものばかり読んでいるので承知していないのだろう。

 何を指すかわからないが「最近の研究」(内田)を読むのもいいのかもしれない。だが『昭和天皇独白録』あたりを読んだ上で、両者にある矛盾点を意識しながら読むべきである。その「最近の研究」(内田)を
内田弘樹@「鶴翼の絆2」発売中!‏@uchidahiroki
@TOKYOMEGAFORCE 最近の研究ですんで、そういうのがフィードバックされるには時間がかかるし、まあ政治案件なんで難しいですな。
21:25 - 2014年5月6日 https://twitter.com/uchidahiroki/status/463897477163147264
というように、すべて事実として無前提に受容すべきではないだろう。
2014.07
28
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Category : 未分類
 アレな宰相やその弟がやっていることは、実質的にはイスラエル支持ではないのかね。

■ イスラエルとは距離を取る立場
 日本としては、パレスチナとイスラエルには、基本は巻き込まれたくない。そこまでしてイスラエルに肩入れするつもりもないが、積極的にパレスチナ側を擁護してアメリカの顔を潰すつもりもない。その間でバランスを採っている。

 国連人権理事会でも、イスラエルの軍事作戦を非難する決議への投票がその立場の表明である。イスラエルによるパレスチナ攻撃には、やり過ぎとする認識である。このため、非難決議には、事実上賛成している。だが、反対するアメリカの手前、その顔を潰さないように棄権している。別にイスラエルの利益なんかどうでもいい話だ。

 日本の立場は「イスラエルの利益については、基本放置しておけばいい、忖度する必要はない」というものだということだ。

■ イスラエルへの肩入れ
 しかし、アレ兄弟は永続敗戦論でのスキームそのもので「アメリカ大事」と考え、勝手に忖度して、イスラエルの利益を確保させてやろうとしている。

 アレな宰相は、イスラエル側からのリクエストに応じて電話会談をしている。産経「パレスチナ情勢協議か 日イスラエル首脳が電話会談」がそれだ。その会談でアレ宰相は『深く憂慮しており、暴力の悪循環を断ち切るため全ての当事者に最大限の自制を強く求める』(産経記事)と述べたとされているが、日本がそんなことを言っても、それを強制させ、意識させる方法もないので、なんにもならない。(外務省発表の要旨:http://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/il/page4_000571.html

 これは、イスラエルに一方的に得点を与えるものである。イスラエルには、ガザ侵攻にも関わらず、日本と協議した実績を与えるものだ。一種の追認といってもよい。日本の本来の立場なら、放置しておけばいいのだが、それに応じた点で、イスラエルに「日本と話合えた」という得点確保に協力している。これは、基本的には関与しないといった日本の立場に反する。

 アレ宰相の弟も、日本は仲裁できる立場にもないのに、わざわざ中東くんだりしている。血縁で得た外務副大臣という資格だが、行く必要も、そこでの効果は見込めいないのに、ネタニアフ首相を表敬している。これも従来の日本の立場にそぐわないものだろう。(外務省発表の要旨:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_001112.html

■ 別にアメリカは喜ばない
 そうすれば、アメリカは喜ぶと考えているのだろう。しかし、今のアメリカは違う。オバマ大統領は、イスラエルへの積極的援助で得点を得られる立場ではない。もちろん、イスラエルを突っぱねると国内世論の反発があるので、いやいやイスラエルを支持しているだけである。また、基本的には海外での余計なことに足を引っ張られたくない状態である。むしろ、イスラエルには苛立っている状態にある。

 このため、アメリカには日本によるイスラエルへの積極的な支持も必要ないし、そうしてもアメリカは利益を得られるわけではない。

 イスラエルへの肩入れは、集団的自衛権の閣議決定と同じで、アメリカが喜ぶだろうと忖度しながら、時宜に外れたことをしたようなものだ。アメリカは従来の立場があるから、内心、どうでもいいことと考えながら、喜んだ顔をして歓迎する素振りをするだけの話である。それでいて、日本には負担や損だけが貯まる話である。

 結局は、本人達と国内の支持者を満足させるための外交なのだろう。アメリカに赤誠を示せば、アメリカは日本の保守層を愛してくれる。あるいは、外交で肩入れや金をばらまけば、中国包囲網ができるとか、そんな発想である。アレ宰相は今日はトリニダード・トバゴにも行っているが、国内問題で行き詰まったので、外交に逃げているようなものだろう。

 常任理事国になれる詐欺に引っかかって、わざわざ中南米まで行って金だけをばらまくのがオチな話だ。
2014.07
27
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13:10
Category : 未分類
 米海軍が、燃料の一割をバイオ燃料化するつもりらしい。"Navy Looks To Purchase 37 Million Gallons Of Biofuels"によると、3700万ガロン、つまり14万キロリットル程度分のバイオ燃料を購入し、航空燃料JP-5と艦艇燃料F-76の代替として使うとのこと。

 航空機も艦艇も、バイオ燃料で動かすことには問題はない。合成石油BTLは、天然石油と全く同じものであり、石油植物油を水素富化したHRJは航空燃料での使用実績があり、どちらも航空機での使用に全く問題はない。(ICAOは念のため半分としているが) 艦艇を動かす分には、もっと品質は煩くない。高空での粘性低下や、燃料搭載量と比較してのカロリーもそれほどは問題にならないし、もしトラブルが起きても整備可能であるためだ。DMEでもいいし、アルコールを混ぜても、ガスタービンもディーゼルも、別段何も起こらない。ほとんとの生成済バイオ燃料は、硫黄は痕跡程度まで除去されており、バナジウムも含まないので、腐食の問題もおきない。

 そのコストについても、記事中では補助金額から、原材料油を除けば、加工賃はガロン(3.7リットル、「約2升」と覚えると良い)あたり71セントとしている。リットルあたり20円といった程度なのだろう。原油価格とバイオ燃料の原材料価格で次第では、そろそろペイするあたりである。

 おそらく、石油価格には天井があるということだ。原油は枯渇するかもしれないし、価格もさらに上る可能性があるかもしれない。だが、バイオ燃料の生産体制が整えば、石油価格はその価格は超えないだろう。

 原材料油でも、穀物との競合も過渡期の話かもしれない。例の藻から油を出す話も、それなりに順調にするんでいる。抽出できる油も重質油なので、改質する必要があるが、その後はHRJとかわらないので、航空燃料に混ぜても問題は特に起きないという。

 実際には、バイオ燃料以外にも、石油製造の方法もある。従来、エマルジョン化させて燃料にしていた超重質油や重質油改質から、より高価なガソリンや軽油、灯油を取る商売も進んでいるし、原油リグで危険防止のための燃やしているフレアガスを利用して、石油合成をする方法もある。米海軍は別に、海水から二酸化炭素と水素を抽出して燃料を合成する計画もある。

 まずは、水素エネルギーに手をだす必要もないのではないか。液体燃料が手に入れば、あんな面倒な水素を使う必要はない。そもそも水素があれば、HRJの富化用水素になるし、重質油改質や、その残渣からのガソリン軽油灯油の燃料合成(出来る燃料は確率論だけどね)もできる。極端な話、製鉄所の二酸化炭素と熱があればそこから液体燃料がつくれるわけだ。



※ "Navy Looks To Purchase 37 Million Gallons Of Biofuels""The Daily Caller"(2014.7.25)http://dailycaller.com/2014/07/25/navy-looks-to-purchase-37-million-gallons-of-biofuels/

※※ 航空機用ガスタービンについては、http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-685.htmlあたりを見てもらえばいいかね。
2014.07
26
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12:00
Category : 未分類
 短魚雷には、信頼性が担保されていない問題がある。

 潜水艦を攻撃する兵器は、基本的には短魚雷しかない。それ以外にも対潜爆弾や対潜ロケットといった確率兵器や、潜水艦が潜水艦を攻撃する長魚雷、マヌケな潜水艦を引っ掛ける機雷、航空機等で停泊中を攻撃する手法もなくもない。だが、潜行中の潜水艦を航空機や艦艇から攻撃する手段は、基本短魚雷か、短魚雷を使ったロケットのたぐいである。

 この短魚雷は、実戦で潜水艦を沈めた例はない。そもそも、戦後に潜水艦を沈めた例もないし、実艦的を攻撃した例もない。

 一応は、フォークランド紛争でアルゼンチン旧式潜水艦(ガトー級)をヘリが攻撃し、大破させた例はあるが、有効な攻撃は対潜爆弾によるものであり、短魚雷は命中もしていないし、潜水艦も沈没していない。

 果たして、最新潜水艦に対して、短魚雷はあたるものなのだろうか。長魚雷の開発段階では、魚雷のアクティブソーナーを反響させる装置を連結し、潜水艦長にして標的とするらしいが、それに綺麗に誘導されたからといって、実戦で使えるものかどうかは全く不分明である。

 短魚雷が有効でなければ、対潜作戦は足許から崩れてしまう。この点から、一回は実験をしなければいけないのではないか。実物大で、実物同様の音響を発する潜行潜水艦標的を作って、誘導ができるかどうか。 同じような標的で、本当に信管が作動して、対圧船殻を貫通、あるいは変形、浸水させ潜行をできなくなる威力があるかどうか。


 また、今の潜水艦には有効でも、さらに静粛性が上がり、タイルや一種のステルス的な形状にによるアクティブ探知対策が施された場合には、実験をくぐり抜けた短魚雷でも通用するか怪しい。

 昔の対潜爆弾の類も、平行して準備だけはしておいたほうがいいのかもしれない。海自のヘリには不審船対策で旧式対潜爆弾が搭載されたものの、あまりにも古い。誘導はできないかもしれないが、現用潜水艦を確実に破壊できるような新型を、短魚雷が駄目なときのために作っておくべきではないか。
2014.07
25
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12:00
Category : 未分類
 警察の警備課、まあ公安は、交渉して良い相手かどうかは教えてくれるが、個人情報は教えないものだ。

 毎日新聞「岐阜・大垣署:発電施設めぐり中部電子会社に反対派情報」だが、警察の方から電力会社に個人情報を与え、反対運動を妨害したとの由である。

 だが、今まで2回ほど、仕事で違う警察の警備課に違う話を聞きに行ったことがあるが、個人情報までは教えてもらったことはない。向こうも「交渉しても大丈夫な相手ですよ」とか「極端に心配するような相手ではないです」位しか言わない。

 そもそも、彼らは情報を独占することで利益を得て、地位を維持しようとしている。公安警察もそうだが、自衛隊の情報マークもそのような性格がある。自分たちをブラックボックス的なデータベースにして「○○はXXか」という質問に対してのみ、イエスかノーかでしか答えない。その過程も、何を元にしているかも教えない。酷いものになると、半日で回答できるのに、おそらくわざと2週間を費やしたりする。

 だから、情報独占が崩れることを恐れる。例えば、情報マークが教えてくれないことについて、己たちが判断してペーパー(これは己が起案した)を上げたら怒鳴り込まれたことがある。おそらく、その手法が情報のやり方そのもので、どうにかして彼らのデータベース、あるいはソース、多分、警察署レベルの警備課に接触したと思われたのだろう。音頭とった施設庁(当時)からの出向者(6級クラス)が対応してくれたが、まあ上手だった。怒ったほうが勝手にベラベラ喋ってネタばらししたり、やっぱり上のレベルには自分たちで別にペーパーを出していたことが分かって、まあ面白かったけれども。

 仮に地方政治だとすると。市役所と議会関係のところに話を聞きに行って、そうなるだろうなという結論を出してみる。別に賛成派になりそうな人のところでも、反対派になりそうな人のところでも、教えてくれといえば大抵は教えてくれる。そこで「こうなる」という話も大抵は見えてくる。あとは、議会の発言追いかけて、それを言い出しているあたりの議席数と得票数と後援会の発表、特定の団体からの選出なら、その構成員の人数と増加減少の傾向を肉付けに使うだけの話だ。

 それほど重要な情報独占を、警察側が危うくするという意味で、今回の岐阜県警の件は相当異様に見える。そこまで教えてなにかメリットが有るようには見えない。

 もちろん、公安警察は市民運動や環境活動家は敵だと考えるだろうが、反対運動を潰すにも、そこまで教える必要もない。誰それを切り崩せといったことを、個人名ではなく組織名や地名で示唆すれば済む話だろう。議員が絡むにしても、公安警察からすれば議員風情のためのそこまでする必要もない。組織の論理として、なんでそういう訳のわからない事をしたのかが不思議なものである。




 ま、風力発電ごときにそんなことまでするのも、ご苦労さんだけどね。所詮は、サラリーマンの仕事である。電力会社にしても、警察にしても、風車ができてもいいし、できなくともいい位のもんだと思うがね。まあ、警察が変に組織に忠義立てする真面目人間なのかね。

 己が警察まで御用聞きしたときも、上が聞けというから調整して私服を着て、私有車両つかって聞きに行った話だけで、出来ないものが出来るような話になるわけでもなし、出来ても出来なくとも大勢には影響しない。金額に多少影響する程度の話。所詮は仕事で、己の生き死ににも、己の給料に関係しないからどうでもいいやと思っていたよ。もちろん、外面には出さないけど、戻った後で同僚にした世間話も「あいつらMP-5をあんなに持っていやがる」だったからね。



※ 「岐阜・大垣署:発電施設めぐり中部電子会社に反対派情報」『毎日新聞』(毎日新聞,2014.7.24)http://mainichi.jp/select/news/20140724k0000e040200000c.html

※※ 情報マークは海曹や海曹上がり幹部の方が優秀な印象がある。彼らはプロなので、なるほどねという能力があるし、その分野には勘が鋭いし、「やはりそれをやっているのね」といったものがある。
 だが、これが一般幹候上がりの幹部になると、情報マークはちょっと困る感じもする。まともそうだと思うのは、やっぱり部内幹候や他マークだった。特に同期の情報はなかなかだった。「隧道」を読めないのはいいのだが、「ずいどう」でトンネルという意味だと教えても「なんでそうなるんだ」と怒る。英語の授業でも「今日は最後まで英語を喋らないで済んだ」とか、専門の仕事の件でも、現物と赤本の違いで、「赤本がこうなっているのだから正しい」と、現物が間違っていると言い出す困ったちゃんだった。隧道先生は、宴会係とそこでの追従役が仕事じゃないのといった感じだった。

※※※ どこぞの最高司令部で「部屋が冷えない」と文句つけてきたのも情報だった。10畳間くらいなのだが、なんで冷えないというのかわからないし、それなりに冷えていたが、当人たちは暑いという。わけがわかったのは1週間後で、己が行くときは2-3人しかいないのに、午前中の○○の頃には10人位が詰めて、ノートパソコンも10台位を入れた状態になるらしい。
 「エアコンの前で火をくべているようなものだ」と説明しても、そこの偉い人は納得出来ない顔だったが、知り合いだった先任幹部(やはり部内のひと)は、熱を捨てる先もないことも含めてすぐに飲み込んで「じゃあ仕方ないね」と得心してくれた。当座の解決策は、まあ情報区画と矛盾しないように気をつけてエアフロー作って、あとは薄着だったけどね。
2014.07
24
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 佐藤守さんが、リムパックでの中国の振る舞いについて、日刊フジのインタビューに答えている。だが、媒体に合わせたリップサービスなのだろうが、アメリカは「[中国海軍を]当然、二度と呼ばないのではないか。代わりに、台湾海軍を招待すればいい」(佐藤)と述べている。これは本気なのだろうか。

 記事は「中国軍の無礼な振る舞いに米軍は怒り心頭 リムパック初招待でスパイ活動」である。演習に参加しておいて、その演習にスパイを出すのは確かに不作法だろう。旧ソ連なみに演習妨害はしていないようだが、そういう話になるのはわかる。

 だが「米軍は激怒している」(佐藤)はどんなものか。中国海軍を呼ぶ以上、その情報収集は承知している。中国への参加呼びかけと実現は、情報収集されてもメリットが高いと判断されて行われた、関与政策の一つである。敵にして憎ませるよりは、味方にまでできなくとも、こちらを理解してもらおうといった理知的なアプローチの成果であって、そこで最初にトラブルがあっても、米海軍や米政府にも、本気に怒るヤツはそうそうはいない。

 その程度で怒って「[中国海軍を]二度と呼ばない」とか「代わりに、台湾海軍を招待すれ」ば、中国海軍を敵対に追いやるだけである。力のバランスや抑止力に並び、安全保障での対話を重視する米国にはその選択肢はない。台湾海軍を呼べるのは、参加する中国海軍がNOと言わなくなってからの話である。その前に台湾海軍を呼んでも、悪いがデメリットだけでメリットはない。(台湾海軍そのものは悪くないけどね)

 リップサービスではなく、本気で考え、主張しているとすれば、自衛隊の将官の見識というのもその程度なのかと失望せざるを得ない。まあ、空幕長もアレだったわけで、役人として身内利益を守っていれば将官になれる組織というのは、どんなものだろうかね。



※  「中国軍の無礼な振る舞いに米軍は怒り心頭 リムパック初招待でスパイ活動」『ZAKZAK』(産経新聞,2014.7.23)http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140723/frn1407231529005-n1.htm

※※ アレ空幕長については、いろいろと見聞きしたこともあるけどね。統合部隊の時の旧司令(1空佐)が、交代式典で「田母神さん悪くない、悪いのマスコミ」といったのを参列して見ていて唖然としたことがあるし、海の1佐でまともそうな人が、ヤツが統幕学校長の時の副校長で思想的に同調していたのをその人の退職後に知って唖然としたこともある。その時の学生で、昔から出世ゲーム最適化だけに興じていた、ある1海佐(部下からの受けが相当に悪かったが、話くらいはしてやった)が、見事に精神右翼色に染まって帰ってきて「やっぱ、こいつ将官にしたらロクな事にならん」とおもったよ。
2014.07
23
CM:2
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12:48
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 ジュニア防災検定の受講者は東京でも20人いない様子である。勧進元の防災検定協会の写真(http://www.jbk.jp.net/wp/wp-content/uploads/665/%EF%BD%88260706_dai2kaikentei.pdf)をみても、20名はいない。教室を目一杯使っていないこと、机も3人掛を一人でしか使っていないことを見ると、東京の一般受験者はこの写真の人数だけ。20人未満ということだろう。

 あれに騙される堅気もいないということだ。何の役にも立たない検定を作り上げ、合格すると子供だましのバッチを与えるという。その試験の中身も、金払って受検する問題としてもどうか(http://www.jbk.jp.net/exercise.html)といったものだ。それで金儲けにしようとしてもね。

 ダマされるのは、世間知らずの教育関係者だけだろう。協会をみると、学校単位での受験についてのトピックが時折上がっている。初等中等教育の関係者は気の利かない程度が多く、しかも狭い社会の中での出世競争に興じるアレなのがトップになる傾向が強い。本当に必要だと信じる世間知らずや、簡単に自分の実績積み上げになると判断した出世競争先生がハッスルしているのだろう。

 だが、付き合わされる生徒は溜まったものではない。結局は紅茶検定や戦史検定の類で、子供心でも屁の役にも立たない検定であることは承知している。保護者も、一定の割合でいるだろう世間知らずのおっ母さん以外も馬鹿にしているだろう。やるほうも真面目には受検するまいよ。

 役員見ても、アパホテルやら、産経新聞、日本青年会議所やらで、その背景にある政治性やら、そこにある偏差値的な意味での頭の悪さもおぼろげに見えてくる。(http://www.jbk.jp.net/list.html) 逆に、コレで儲かりもしないのに首を突っ込んでいる会社の名前を見ると、例のレーシングカー開発に金突っ込んでエライ目にあった下着会社のボンボンのように、そこの社長さんはボンクラなのではないかと疑いたくもなるね。

 なんにせよ、防災という言葉を振り回せば、金儲けになるのではないかという単純な発想は馬鹿にしてもいいと思う。防災以外にも、治安とか安全保障とかいう言葉もそうだが、錦の御旗のつもりで振り回している奴のロジックは大概アレなものだよ。
2014.07
22
CM:8
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12:35
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 だよもんさんが、トルコでのイスラエル公使館への侵入に憤っている。トルコでの対イスラエル抗議を報じるツイート(https://twitter.com/FIFI_Egypt/status/489997525831532544)に対して、例によって平和運動への反発的な発言(https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/491367374436564992)をしたあとで、次のように述べている。
帰ってきただよもん‏@V2ypPq9SqY 中国ですらやらんぞそんなこと。トルコのイスラエル大使館[ママ]突入と国旗降下。
https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/491368150680604672
といったものだ。

 しかし、皮肉なことに中国ではその例は少なくない。かつて文革期には、中国民衆は英国と東独の大使館を焼討した。最近でも瀋陽の日本公使館が北朝鮮亡命者を追跡する警察に踏み込まれたことがあるし、つい一昨年の反日暴動でも北京の日本大使館に投石されたこともある。

 文革期の事情をご存じないのはともかく、だよもんさんは最近の事件のことも覚えていないということだろう。だから、平和運動的な言辞に対して皮肉を言ったつもりで、実は皮肉にもならず、無知をさらすような発言になるのだろう。

 それよりも不思議なのは、なんでこのような事件が起きるのか全く理解てきていない点である。

 イスラエルによる攻撃は、明らかに平衝を欠くものである。パレスチナ側からのロケット弾攻撃を防遏するためといいながら、大規模爆撃を行うのはやり過ぎである。実害をみても、前者は散発的攻撃であり、しかも死傷者はほとんど出ていないが、それへの対策として都市部への大規模空爆を行い、500人から殺しているのである。

 だよもんさんは、その不公平への反発をまったく理解できていない。13日の段階で死傷者1300名出ているにも関わらず、軍事的利益に対して、民間被害は受忍出来る範囲であると「基本的には軍事目標主義は守ってるのかイスラエル軍。」(https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/488510828342018048)と肯定している。お仲間の界隈をみても「実被害のないロケット弾攻撃に対して、大規模空爆を行うことは、投石に対して銃を使うような状況である」といった比喩をを全く理解せずに反発している.
dragoner@C86金曜西く32a‏@dragoner_JP
古賀センセ、「石持って立ち向かうパレスチナ人に、イスラエルが銃を使って蹴散らす」とか言ってますが、ロケット弾1000発以上撃ち込んでいる連中が石ころで戦うなんて、パレスチナ人に対する侮辱やろ6:50 - 2014年7月18日
https://twitter.com/dragoner_JP/status/490131606955229184
このような認識がズレた集団とのなかで身内話をしているうちに、感覚が世間ともズレてきているのだろう。

 イスラエルとパレスチナの衝突は、実際には治安維持活動である。戦争とは違い、暴力の無制限の行使は許されない。そこでは日本で言う警察力比例の縛りや、あるいは英米法でいう「石や棒は武器とはみなされない」といった判断がある。それを知らずに、イスラエルの過剰な武力行使を肯定するのは、相当にズレている。

 ゆとり世代はインディファーダをしらない。機関銃を持ちこみ、投石する子供に自動小銃をぶっ放した時の国際的非難を知らない。だから、今の状況で軍事目標主義を言い出したり、空爆を肯定するために「パレスチナ人に対する侮辱」といったような珍妙な言動ができるのだろう。

 結局は、現実主義という自己規定に振り回されているわけだ。現実主義=親米、親米=イスラエル擁護といった思い込みで、「現実主義者としてはイスラエルを擁護しなければならない」と考える。自身を客観視できず、そこから出られない彼らなのだろう。
2014.07
21
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11:40
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 『海幹校戦略研究』最新号、平山さんの「オフショア・コントロール戦略を論ずる -『戦争を終わらせるための戦略』と日本の戦略」が面白い。乱暴にオフショア・コントロールを説明すれば、ハメスによる「対中戦でエアシーバトルとかJOACはまず無理、できる戦争って沿岸封鎖がいいとこじゃないの」といった話。それに平山さんは「それって日本が参加しないとしょうがないよね」と示唆している点が、非常に興味ふかい。

 具体的には「(2)日本の選択肢:4つのオプション」である。章末の表がわかりやすいが、日本が全面的に参加すれば、米国は最大の効果が見込めるが、部分的参加であれば米国の重荷が一気に増え、部分的不参加であれば日本商船も封鎖対象にしなければならず、全面的不参加であれば米国はどうしようもないというもの。

 つまり、日本が参加しなければ、オフショア・コントロールは成立しない。南シナ海やそこへのチョーク・ポイントは米海軍力(と空軍力)だけで封鎖できるだろう。だが、東シナ海への出入は止められない。南・東シナ海の半分が封鎖できない状態では、オフショアコントロールは機能しない。外にも、中国は日本海への最低限の出入口と、陸路経由によるインド洋や日本海へのアクセスを持っているが、それはさておく。

 これは日本の利益ではないかね。米国による対中戦の成否をコントロールできる立場にあるわけだ。もちろん、どのような構想で対中戦をやるにせよ、今の米国からすれば日本の存在が前提になっているわけだ。だが、その中でもオフショア・コントロールでは日本の自由度が高くなる。

 オフショア・コントロールでは、その強度を日本の判断で捜査できる可能性がある。かつてのイラク禁輸のなかでの、人道的物資の融通や、その支払資金を名目としての石油迂回輸出ができる立場にある。フィリピンや韓国あたりがやりだしたなら、米国は単純に力で押さえつけられるが、戦力や基地、後方支援を依存する日本には、力だけでは押さえ込めないし、それなりに話をつける必要がある。

 ただ、実際にやるかどうかといった話は全く別だけどね。対ソ戦でのエアランドバトルと同じで、戦争になったらこうするといった話で、戦争のリスクが高すぎて簡単にフッカケられるものではない。実際にやると、日米は中国市場と中国の資源にアクセスできなくなるし、中国も日米市場やその投資、海外資源へのアクセスができなくなる。どっちも破滅的なダメージをうけるので、まずは対中戦自体を選ばないし、そもそも冷戦のような対立関係にないからねえ。

 まあ、最大の問題は、6月30日発行の『海幹校戦略研究』6月号が今届いて、ネットに掲載されるのが10月中旬頃と言う話だが、限られた人数でやっていて、営利でないので印刷も印刷補給隊なので仕方がない。金とって売れる内容なんだけどねえ。



※ 平山茂敏「オフショア・コントロール戦略を論ずる -『戦争を終わらせるための戦略』」『海幹校戦略研究』(海自幹部学校,2014.6.30)pp6-26.
2014.07
20
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 日経「川重、新型哨戒機『P1』でボーイングと一騎打ち」では、国際兵器市場でP-1はP-8と戦えると主張している。例えば
哨戒機は艦艇の監視に加え「ソナーブイ」と呼ばれる音響探知機器を海中に投下。センサーが潜水艦を探知する。ボーイングのP8は哨戒機で世界の先頭を飛ぶが、日本の防衛装備品の輸出緩和で思わぬライバルが登場した。川崎重工と防衛省が開発した哨戒機P1だ。
 P3CからP1へ。ロッキードの手を離れた川重だが、防衛装備移転三原則が決まった4月からは、世界の受注競争でボーイングと激突する。欧州最大の軍用機メーカー英BAEシステムズは哨戒機の開発を断念、西側諸国で生産できるのはボーイングと川重だけなのだ。
と言った部分がそれだ。

 しかし、P-1がP-8に伍して、国際市場で売れる見込みはない。なぜなら、実際に売れるのはP-3Cであるため。それ以上の機体が欲しい国でも、機体に信頼性のあるP-8を選ぶため。P-1の優位であるとする対潜機能も、キラーコンテンツとならないためである。

■ 売れ筋は中古P-3C
 そもそも、実際に国際市場で売れるのはP-3Cである。P-1でもなければP-8でもない。日米以外にとっては、P-1/P-8は過剰性能であり、あまりにも高価である。実際に売れるのは性能も価格も充分なP-3C中古機である。

 記事中で、ベトナムやフィリピンにP-1が売れるようなことを言っている。
 東南アジアでは南シナ海の領有権争いがくすぶる。当事者のフィリピンやベトナムは中国の覇権主義に対抗するため、防衛装備品の輸出緩和を決めた日本のP1に「高い関心を示す」(防衛省幹部)。
だが、ベトナムが実際に狙っているのは中古P-3Cである。フィリピンには高度な哨戒機を買う余裕も、運用する能力もない。民間機転用の海洋観測機がいいところだ。

■ 熟成度が高いP-8
 高性能哨戒機が欲しい国でも、信頼性や部品調達面からP-1はP-8には勝てない。

 機体の実績でP-1はP-8に及ばない。P-8は傑作機ボーイング737の転用であり、機体、エンジンとも熟成されており、致命的なトラブルが発生する可能性はない。対して、ノウハウに乏しい日本が、ゼロベースで作ったP-1には機体やエンジンレベルで潜在的なトラブルが疑われるためである。

 実際に、P-1では国産エンジンにトラブルが発生している。制御ソフトウェア改修で問題は解決済みとしているが、もともとエンジンの素性がわるいものを、姑息的に直したものに過ぎない。

 哨戒機として高性能でも、原始的なトラブルで使えなくなる話はいくらでも考えつく。例えば、脚周りについて、かつてのボンバルディア機のようなトラブルが発生したら目もあてられないことになるだろう。日本製の場合、そのようなトラブルがないとは言えないのである

 また、部品の調達面でもP-1はP-8に大きく劣る。P-1はC-2と部品共用を進めた結果、保守品等のストックが容易になったかもしれないが、B-737と部品が共用できる点でP-8にはかなわない。P-8は、B-737との共用部分であれば世界どこでも部品調達が可能であり、最悪、近くにある民間機から部品を剥ぎ取ることでも整備は可能である。この点で、P-1はP-8に大差が付けられている。

■ 対潜能力での優位も意味はない
 対潜戦能力の高さを示しても、P-1がP-8に対して国際市場でアドバンテージを得られることはない。

 まず、対潜戦能力を求める国はそれほどはない。哨戒機の任務については、かつてのような敵原潜捜索や艦隊前方の対潜バリアーといったものの比重は低下している。今、各国が欲しがっているのは海洋監視能力である。この点で、対潜戦に比重を置いたP-1の優位性はあまり活きるものではない。

 また、P-1を輸出できても、対潜戦パッケージは輸出できない可能性もある。対潜戦システムのキモは、音響シグネチュアのデータベースにある。日本にとっては門外不出であり、しかも米海軍が絡んだデータとなると、輸出品への搭載は難しくなる。データベースがなければ、高性能なソノブイや機上解析機器も、ただの音響測定器具に成り下がってしまうのである。

■ ニムロッドやアトランティックを輸出しようとするようなもの
 P-1は、国際市場で売れるような代物ではないのである。それができると主張し、輸出仕様と努力をしても、かつてのニムロッドやアトランティックのようなもので、旧植民地にも売れないシロモノで終わる。


 特に、時事問題と絡めて「南シナ海周辺国に売れるのではないか」と記事で述べるのは、事実を見ない願望としかいいようもないだろう。既に述べたように、彼らが買えるのはP-3Cがせいぜいであるためだ。

 それが出来ると主張する点で、日経記事は日本航空産業への提灯記事に留まるものなのである。



※ 「川重、新型哨戒機『P1』でボーイングと一騎打ち 」『日本経済新聞』(日本経済新聞,2014.7.20)http://www.nikkei.com/article/DGXBZO74435040Y4A710C1000000/?dg=1
2014.07
19
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12:57
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 石垣市が飛行機使って尖閣の環境調査をするとか言っているが、それで刺激された中国が同じことをしたらどうするのかね。

 産経「尖閣上空から環境調査 来月にも石垣市、内外に『固有の領土』示す」によれば、石垣市が上空から環境調査やらをやると言っている。3000万掛けても何がわかるわけでもなさそうだが、「上陸したい」といったら「ふざけるな」と政府に言われた腹いせなのだろう。

 だが、それをすれば、中国や台湾も同じことをするのではないかと思わないのかね。地方政府(台湾省だから、どこかの省が代行するのだろう)或いは民間の研究部署が、環境調査と称して飛行されたら、むしろ中国側の実績積上げになるのではないか。

 さらに、そうなると、日本側の世論も沸騰する。日本人だから、尖閣は日本の領土だと信じているので領空侵犯とか言い出す。実際には係争地だから、そんなことを言っても仕方ないのだけれども。

 それが分からないのが石垣市ではないのか。石垣市はアレ右派に使嗾されているように見える。教科書問題でも、石垣の玉造教育長は、文科省の義家政務官(当時)の指示を受けて、他の育鵬社採用自治体での教科書採択のやり方を踏襲したという話が、先月の『世界』にある。漁業でも、わざわざ緊張している最中に行って、ペイもしない漁業をやろうともしていることを自慢する市議もいる。

 今のところ尖閣は安定している。日本も中国も抑制的に動くという消極的協調が成立している。それは、片方が支配の実績を積むと、もう片方はそれ以上に実績を積むことができる構造が成立し、無駄な実績積み上げはやめようという暗黙の了解が成立しているためだ。

 石垣市がやろうとしていることは、このルールに反する。

 確かに環境調査をすれば、石垣市や、市内で調査を主張する政治家は、右曲がりのアレな連中に喝采を受けるだろう。

 だが、その後の中国による対抗策を考慮すれば、むしろ損をするのは日本である。既に述べたように、日本が実績積み上げをすれば、中国も対抗上、実績積み上げをする。中国政府はそうすべきと考えるし、そうしなければ「弱腰外洋」や「日本と妥協するのか」と批判され、政権が持たない。※※ そこで競争関係が復活した場合、静謐が崩れ、形だけでも日本側が支配できている構図は崩れるだろう。つまり、石垣のやることは国益に反するということだ。

 なんにしても、日中は互いの実績積み上げを拒否できるのである。そこで一方的に実績を積上げられると考えるのが、浅はかな考えである。

 一番いいのは、今のまま放置することである。双方の沿岸警備隊だけで、出来レースで睨み合う、今の状況は日中共に利益である。双方ともあんなどうでもいい島のための争わないで済んでいる。その利益を邪魔するのが、石垣の漁業であり、あるいは今やろうとしている空からの環境調査である。やろうとしている市議や政治家、活動家にとっては名声を上げる個人的利益だろうが、国や国民にとっては百害あって一利もない。勘弁してくれといったものだ



※  「尖閣上空から環境調査 来月にも石垣市、内外に『固有の領土』示す」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2014.7.15)http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140715/crm14071508570006-n1.htm

※※ この点については、朝日新聞の呉建民さんのインタビューが示唆深い。
   「中国外交 渦巻く弱腰批判 -呉建民・外交学院元院長に聞く」『朝日新聞デジタル』(朝日新聞,2014.7.16)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11245394.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11245394
   7月11日の朝刊、11面をウェブに載せたものらしい
2014.07
18
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12:48
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 辺野古埋立の件だが、最後まで力で押さえつけ切れると判断しているのだろう。調査工事の段階で、埋立面積全てを立入禁止にするという。沖縄タイムス「辺野古24時間厳戒 桟橋を新設 警備船多数」や日経新聞「辺野古、高まる緊張 沖縄防衛局、近く海底調査 」を読む限りは、そう見える。

 だが、力で押さえつけるやり方で埋立までもっていけるのだろうか。

 防衛側は、刑事特別法で逮捕できる状態にすれば、海面進入を拒否できると判断している。上で挙げた日経の記事では
[沖縄]防衛局はボーリング調査に先立ち、制限区域沿いにブイを設置する方針。武田博史局長は「安全確保に万全を期すため」と説明するが、抗議活動阻止の狙いは明白。立ち入れば日米地位協定に伴う刑事特別法の処罰対象となる。防衛省関係者は「ブイは乗り越えさせない」と語気を強める。
と述べている。

 だが、これは甘い見通しである。防衛省の力ではなく、警察と海保に依存する形なのに『ブイは乗り越えさせない』というのは防衛省の事務官がもつ、一種の傲慢を感じるものだ。なんにしても、法令で取り締まりさえすれば、反対派による抗議行動を締め出せると考えているのは、やはり甘い。

 同じく日経の記事ではそれでも反対派は海面に入り込んで反対するだろう見通しを述べている
 反対派は区域侵入も辞さない構えで対決姿勢は鮮明だ。6月下旬から毎日、辺野古沖に船を出し、ブイ設置やボーリング調査の着手を警戒。移設予定地近くで座り込みを続ける名護市の写真家、山本英夫さん(62)は「政府の横暴は許せない。海は国のものではなく、万民のものだ」と訴える。


 例えば、死に損ないの爺婆が出てきたらどうするのだろうか。実際に、04年の調査工事では高齢の婆が出てきた。祝島の反原発運動でも爺婆が出てきている。若い活動家には海保も警察も、警備会社も強くでることもできるだろう。だが、覚悟を決めた死に損ないの爺婆が出てきて、しかも泳いで進入しようとするものを強引に逮捕するようなやり方をすれば、収拾はつかなくなる。

 実工程での着工日には、おそらく反対派の進入はシャットアウトできるだろう。だが、そこからは消耗戦である。そしてそれからは、興味本位もあるので取り締まりはニュースになる。

 一度、そういうニュースが出た場合には、反対派への同情が集まる上に、強引なやり方への反発も強まる。どうみても、工事推進の難度はあがるし、反対派の勢いも強くなる。
 なんせ、名護市長からして辺野古埋立反対派であり、何があってもやらせないとも言っている。反対派への追い風があれば、市長や議員がでての国道シャットアウト位はやるだろう。政治的にも反対運動をやればやるほどパワーアップする。日華事変の蒋介石のようなものだ。

 そうなると、二進も三進もいかなくなる。なんせ、今やろうとしているのは、現状把握や設計を行う調査工事に過ぎない。仮に工期半年の調査工事を最後まで完遂できても、そこから先の本工事はさらに長い時間がかかる。その消耗戦に防衛は耐えられるかどうかは怪しい。

 本来ならば、通常のやり方のほうがよかったのではないか。反対運動との折り合いをつけながら調査工事を進め、できなかった海底地質調査については、別の場所での調査データや陸上部分でのボーリングその他で代用して、調査検討委員会あたりに掛けて設計と工法の妥当性についての確認を受けたほうが、調査工事段階としてはてっとり早い。

 だが、今の政治情勢では、それは得ではない。現政権下では、反対派との折り合いは、政治家や防衛省や役人の利益にならない。むしろ「反対派との対決が政治の望むことであり、得点となる」と防衛省の役人が見て、反対派をねじ伏せることを目的としたやり方を採用したのではないかね。



※   「辺野古24時間厳戒 桟橋を新設 警備船多数」『沖縄タイムス』(沖縄タイムス,2014.7.18)http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=77027

※※  「辺野古、高まる緊張 沖縄防衛局、近く海底調査 」『日本経済新聞』(日本経済新聞,2014.7.13)http://www.nikkei.com/article/DGXNASJC1200I_S4A710C1ACY000/

※※※ 普天間/辺野古には、そこまでの価値もないのだけどね。結局は海兵隊の都合であって、嘉手納があれば日米にとっては是非にどうこうしなければならないことでもない。それに政治的なパワーを吸い込まれるのは、まあムダだねえ。
2014.07
17
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12:00
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 ベネッセの顧客情報が流出した云々だが、世間で大騒ぎするほどの問題だろうか。

 所詮は、通信教育業界での華客名簿に過ぎない。名前や所番地のリストが流れた様子だが、クレジットやネットバンキングといった決済関連でなりすまされるような情報が流出したわけではない。情報流出の体制そのものが云々とはいうが、所詮はベネッセが持っている程度のものである。それが名簿屋に流れて誰かが死ぬような話ではない。

 確かに、自分の仔供の学年や住所が流れるのは気持ち悪いかもしれない。だが、それが嫌なら、個人情報保護を信じてそれをアンケート等に書くべきではない。リスク管理云々と大上段に振りかぶるつもりもない。だが、大概はロハで寅次郎グッズ貰えるといった話に、ホイホイと個人情報を引き渡した以上、あまり文句も言えないのではないか。

 ベネッセや、ジャストシステムも、世間で責めるほどにも値しない。問題を起こしたことは確かだが、感覚的に気持ち悪い程度の被害である。その管理を笑って馬鹿にすればいい話であり、責め立てるような中身でもない。

 同時に、犯人にしてもそれほど責め立てるべきではない。結局は3Dエロデータと同じで、「被害のない犯罪」の親戚のようなものだ。警察や検察も世間への得点稼ぎで頑張っているだけの話である。それにウカと乗せられるべきではない。

 そもそも、ベネッセよりも怪しいところがあることを思い出すべきではないか。

 IT系の通販で、一度買うと断っても見るに耐えないデザインのスパムを送り続ける、怪しげな会社がある。どうやって儲けているのかもよくわからず、社長もアレ内閣に擦り寄り政商化しつつあるが、あの会社の個人情報流用も相当に怪しい。グループ内での流用どころか、前には加盟商店にメアドを1件10円で売りつけていると言う話もあった。

 そこに較べれば、ベネッセもジャストシステムもマトモである。両者を情報流出で責める世間の雰囲気に流されるよりも、あの政商に金を落とさない通販を心がけたほうが建設的ではないかな。
2014.07
16
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12:00
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 古い三菱のジープはそれほど運転しにくくはなかった。ただ、スピードは出ない。初任幹部の時には結構自分で運転していたが、滑走路で実験しても、ぶん回した挙句に3速から4速(4-5だったかな)にあげても、抵抗が釣り合うのか、60kmだったか80kmで速力は一定のままで増速はしなかった。

 ある時、K海曹と話をしていて、バックで何キロでるのかと言う話となった。丁度、滑走路で作業があったので「帰りに実験でもしてみるか」「ならスピードメーターを見ていてください」ということになり、実験した所、スピードメーターはピクリとも動かないので残念。

 せっかくだからとバックのままで1kmチョイ、事務所まで戻ると、ODO(航空管制の地上当直士官)のパジェロ?だかがが追いかけてくる。乗っていたのは同期のMで、あまりにもバカバカしいことをしていたので追いかけてきたとのこと。滑走路内への進入は電話で届けてあるので、己だと承知して面白半分でついてきたらしい。

 「何キロでていた」と尋ねると「そんなもの確認していない」という。事の内容を話すと、「いきなりバックで走りだしたから何事か」と思ったとのこと。ODOの運転手もK海曹とどうでもいい話をしている。

 まあ、クローズ中だから世間話をするくらいの暇がある。だが、己のように放し飼いとは違って、向こうには定形作業や幹部もおおいので、あまりサボるとよろしくないとしばらく経って戻っていったのだがね。奴さんもバックで走りだしたのには笑った。K海曹曰く「普段の仕事で刺戟がないから、遊んでいるのだろう」とのことだった。

 なんだかんだで、旧式ジープは結構使いやすい。後ろの容積も大きいし、幌はあるものの、トラックそのものなので開口部の制限もない。

 防火部署(火災対処)訓練だかで、予備隊集合のときには准尉と先任は何人まで乗れるかで賭けて?おり、おもしろ半分で乗れるだけ乗れで箱乗り状態も含めて12-3人(定員は6)積んで出て行ったことがあった。訓練の性質上、やめさせることもないと思ったが、落ちたら事故で怖かったので、ゆっくり行け(己は軽四輪、軽のバンで移動)とはいったが、そこは箱乗りには手慣れた兵隊稼業で、発停車のときにクラクションで短2声を出して運行していた。

 一等長距離移動した時は、通信隊に頼まれた、落雪被害のあったIDDN鉄塔までの移動か。40km位あったが、ほぼ信号のない田舎道だったので先任運転のジープで1時間程度で済んだ。ただねえ、冷暖房のない車両で、こっちは合成皮革の黒短靴に普通の靴下なので冬の山中は足が冷えてしかたがなかった。後続のキャブオールには暖房もあるのだが、ジープとトラックだと大抵ジープが先導することになるので、そのときは辛抱だった。
2014.07
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00:58
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 防衛省が22LRについて入札掛けている話だが、エレー社に限定し、高級品のテネックスにする必要はない。これは、下手をすると事故、国損になるのではないか。

■ 入札の概要
 防衛省装備施設本部が、競技用ライフル弾Rの入札の再公告を掛けている。「中央調達に係わる公告」のうち「5.6mm普通弾、ロングライフル、エレイテネックス」がそれだ。

 具体的には50m競技射撃に使用する22LR弾薬として、英エレー社が作っている最高級試合用弾薬、テネックスを購入するというものであり、規模は26万2000発となっている。

練習用
(エレー以外にもメーカーはあるし、練習用でも充分:写真は練習用弾薬)

 だが、「エレイテネックス」は一般競争入札の品目として妥当ではない。これは商標を限定する指示である。また、過剰な品質を要求するものであり、必要な品質についての検討を欠いているのではないかと疑われるものであるからだ。

■ 商標名指定はおかしい
 まず、エレー社を指定する必要はない。22LRは100年も前に出来た規格であり、互換性があるため、どこのメーカーの弾でも装填し発射することができる。高品質な競技用弾薬が必要でも、RWS社もラプア社も存在している。その中で、エレー社に限定する必要はどこにもない。

 他の製品で例えれば、汎用品の消耗品に、商品名とグレードを書いてしまうようなものだ。シャーペンの芯の調達なら「シャープペンシル芯 0.5mm 黒 HB」と書くべきところを、「パイロットアイン0.5ミリ替芯HB」と書く。あるいはカメラにつかうSDメモリの調達なら、本来なら、会社指定はせずにや「SDXCメモリ 32GB クラス10以上」と書くべきものを、「東芝 EXCERIA UHS-II SDHC/SDXC32GB」と書くようなものだ。

■ 品質の検討や、商標でのグレードでの表現もおかしい
 そもそも、過剰品質である。まずは装備施設本部がテネックスを必要とする理由もない。テネックスは競技用銃のしかも試合用である。50m先の5円玉の穴をかすらせる競技用の弾薬であるが、オリンピック選手でもなければ、練習用(エレーなら「スポーツ」)でも試合用でも変わらない。

 装備施設本部ではなく、体育学校が買うのなら理解できないこともない。

 だが、それにしてもグレードの説明としてマズイ。本来なら「ISSF50m射撃的に対してベンチレスト射撃60発で試験を行い、試射後60発が10点圏に集弾し、57発がX点を超えるグレードであり、同一ロットであること」と書くべきである。テネックスの実精度は知らないが、試合用弾薬ならこの程度はでなければならない。

■ 国損ではないか
 実際に、商標や精度への検証なしに、最高級品室の弾薬を要求する調達は、ムダに高価格の弾薬を買うことにならないだろうか。

 納入数は26万2000発とされている。エレーのテネックスの国内価格はエニスで56円、値上げ前の銀銃で47円する。北米でも40円はする。落札価格が50円とみても1300万円かかることになる。対して、品質を練習用のエレースポーツ、RWSターゲットライフルにすれば国内価格20円、北米では10円以下になる。国内にはないが、世界には5円程度の練習用弾薬もある。まずは半額以下になるということだ。

 装備施設本部の22LR購入も、話がよく分かっていない担当者が調達を起こしたものではないか。従前の通り、競技銃屋の言うとおりに調達を起こしたのだろうが、競技銃屋も調達はよくわからない。それをそのまま鵜呑みすると、国損になるのではないのかね。



※ 「武弾-11 5.6mm普通弾、ロングライフル、エレイテネックス」『中央調達に係わる公告』(防衛省装備施設本部)http://www.epco.mod.go.jp/kokok/17-11/announcement20140703103644.pdf

※※ 写真は、手元にある練習用グレード。左のダイナマイトノーベル系、RWSが好きだったが、アベノミクスとやらで1発24円に値上げされ、右側の20円のエレースポーツにした。ケースがやや使いにくい。
2014.07
14
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12:49
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 横浜ノースドックも、本来なら横須賀か、いっそ遠く呉か佐世保に集約したほうがいいのではないか。

 横浜港に米軍の駐留施設がある。横浜ノースドックがそれで、かつては巡洋艦の駐車場でもあったが、後に米陸軍の施設になっている。もともとは駐留軍向けの牛乳生産拠点だったらしいが、今となっては上陸用舟艇を置くていどの基地である。

 しかし、米陸軍の上陸用舟艇を横浜に置いておいてどうするのか。

 日本本土に米陸軍は、ほぼいない。座間や沖縄にチョビっと居るが、いずれも戦闘部隊ではない。

 だが、それを運び、補給物資を送るはずの上陸用舟艇部隊は横浜と呉に置いている。上陸用舟艇、クラフトの類をおいているだけで何を運ぶというほどのものでもない。それほど重要とも思えない。(APO、陸軍の郵便局があるかもしれないけど、結局は通販を運ぶだけだし)

 その舟艇部隊を横浜の一等地に置くのは、ムダではないか。そもそも、横浜に置く必要性はない。

 米軍からの物資は大型のコンテナ船や輸送機でくるので、横浜ノースドックは使わない。民間のコンテナ岸壁や飛行場に来て、そこで民間を含むトラックに載せ替えられて各地に運ばれる。横浜ノースドックは経由しない。

 つまり、横浜ノースドックから運ぶものも、運びこむものもない。近くに陸戦部隊があって、それを運ぶとか訓練支援というならわからなくもないが、既に述べたように日本本土には米陸軍はほぼいないし、横浜の近所にも戦闘部隊はない。

 その程度なら、引っ越して貰うべきではないのかね。

 別に北海道の苫小牧に引っ越せとかいうわけではない。横須賀には米海軍が居るので、同じ艦船部隊であるのでそこで厄介になってもいいだろう。呉にも米陸軍舟艇部隊があるので、そこと集約してもいいだろう。韓国に引っ越したければ引っ越してもらってもよい。対中戦は米陸軍の仕事ではないが、佐世保に引っ越しても良い。

 結局は、横浜の便利な勤務地を手放したくはないだけの話である。赤坂のホテルとか、横田にくっついている所沢の送信所、大きく言えば沖縄の普天間と同じ伝である。別に必要のない駐留施設であるが、便利なところで快適に勤務できるので、軍隊がわがままを言っているだけだ。

 そのような駐留施設は、移転集約をもっと要求してもいい。横浜ノースドックの話なら、別に米陸軍舟艇部隊にいてもらってもいいが、場所を変えろというべきだろう。米陸軍舟艇部隊は、迷惑ではない。沖縄や佐世保の海兵隊のように周辺自治体が嫌がるわけでもないし、厚木の艦載機のように騒音をだすわけでもない。ただ、分相応の場所に移転してもらえばいいだけの話である。横須賀か呉か佐世保あたりに集約すればいいとおもうが、どんなものかね。

 まあ、横浜市と神奈川県も、もっと要求しないといけないとおもうけどね。
2014.07
13
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04:19
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 見てきた講演会について文字起こしをするのはともかく、勝手に公開するのはいかがなものか。

 Dragonerさんが自身のブログで上げている「マーチン・ファン・クレフェルト講演会要旨。クレフェルト、イスラエルの戦略を語る」(http://dragoner-jp.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html)と「マーチン・ファン・クレフェルト講演会要旨。質疑応答編」(http://dragoner-jp.blogspot.jp/2014/07/blog-post_12.html)だが、これは彼が記事として上げて良いものなのだろうか?

 これらの内容は、どうみてもDragonerさんの著作物ではない。要旨といいながらも、内実はあきらかに講演会の文字起こしである、著作物としての権利を主張できるのは、講演者はクレフェルトさんであり、Dragonerさんではない。Dragonerさんが口語を文章体に改め、あるいは助長な部分を一部を省略したからといっても、彼の著作物にはならない。

 講演会の文字起こしについて、複製や発表の権利を主張できるのは、著作者であるクレフェルトさんであり、あるいは講演会を主催した戦略研究学会だということだ。Dragonereさんではない。

 講演会については、参加者には聞いたものを文字起こしして公表する権利はない。一般的には録音撮影も許可制であるし、録音や撮影を許可してもそれを公表し、複製を配布する権利はない。文字起こしも同じである。それを公表するには権利者の許諾が必要であるが、Dragonerさんはそれを持っている様子はない。

 簡単にいえば、新作落語の発表会に行って、聞いた内容を勝手に本にするのと変わるものではない。三遊亭圓朝の新作落語はそれで文字にされているが、できたのは著作権法ができる以前、明治時代だから法的に許されただけの話である。

 いずれにせよ、この記事は著作権的にはキレイなものではない。親告罪なので、権利者が訴えなければ刑事上の問題にはならないが、どうせ訴えないだろうと多寡を括って勝手に公表しても権利を侵害したことには違いはない。講演会について、Dragonerさんがネットでの公表について許諾を得ていなければ、そういうことになる。



※  「マーチン・ファン・クレフェルト講演会要旨。クレフェルト、イスラエルの戦略を語る」『Dragoner.ネット』(2014.7.3)http://dragoner-jp.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html

※※ 「マーチン・ファン・クレフェルト講演会要旨。質疑応答編」『Dragoner.ネット』(2014.7.12)http://dragoner-jp.blogspot.jp/2014/07/blog-post_12.html

§ Dragonerさんの著作権感覚については、「インド海軍艦艇公開レポート」中のリンク先のこの写真を見た時に違和感を感じた。他人のデザインを複製的に撮影した写真について、自分が権利者であることを主張していることに気づいていないのだろう。キャパの写真を自分で撮って、そこに「撮影は自分、権利も自分」と書き込むようなものだ。、

§§ Dragoner「インド海軍艦艇公開レポート」『Dragoner.ネット』http://dragoner-jp.blogspot.jp/2012/06/blog-post.html
2014.07
12
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 燃料電池と水素ステーションの記事「CO2フリーのエネルギーに変わる『水素』」(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/11/news023.html)があるが、運搬・輸送を考慮するとペイしないのではないか。海上輸送や基幹ライン、大口利用は液化すればいいかもしれない。だが、自動車や家庭で使用する段階では、供給やタンク貯蔵が面倒にすぎる。そんなことはせずに、山元で合成石油の類にしたほうが効率がよいだろう。

■ 容積あたりのカロリーは低い
 水素は液化しなければ、輸送も保管も嵩を稼げない。水素は1気圧で立米100gしかならない。50リットルの容器に頑張って200気圧(空気銃用の超高圧タンク並み)で放り込んでも、10立米、1kgしかはいらない。維持に手間のかからないタンクだと、20気圧がいいところなので、その場合には250リットルタンクにも、5立米500gしか入らない。

 これでは、石油にくらべて相当に不便である。水素は重量あたりで軽油やガソリンの3倍カロリーがあるが、保存タンクあたりのカロリーでは逆転する。同じ50リットルの容器に詰めるとしても、水素は200気圧で10立米、1kgしか入らないが、ガソリンは無与圧で35kg(だいたい比重0.7)を貯蔵できる。カロリー量では、ガソリンは水素の10倍入るし、水素はガソリンの1/10しか入らない。同じ重量と出力の自動車ならば、航続距離は1/5-1/10になる。単純にカルノーサイクルで動かせば、動作時間は1/10になるし、燃料電池で効率2倍としても、1/5となるということだ。

■ 保管容器も面倒くさい
 また、容器重量やコスト、レイアウトの問題もでる。

 石油タンクはどのような形でも良い。住宅ならば無駄が出ないように四角に作れるし、当節の自動車用樹脂タンクなら自在な形状にできる。単価も安いし、よほど高温にならなければどこにおいても良い。

 対して高圧水素タンクは制約が多すぎる。円筒で丈夫に作らなければならないし、バルブ周りは特に複雑になる(水素はそれでもリークする)、重くなり、値段は高くなるし、場所も高温にならず、高温時には水素排出に問題のないところにつけなければならない。

■ タンクへのチャージも面倒くさい
 また、タンクへのチャージも面倒くさい。200気圧タンクに充填するためには、200気圧以上の加圧が必要になる。最悪、柄杓で汲んでもいいし、地中タンクでも、供給側に+0.2気圧もかければドバドバ出てくる石油とは大違いである。チャージの段階では水素は間違いなく漏出するので火気厳禁の度合いも異なるし、その場合の断熱膨張での超低温からの保護も必要になるだろう。

■ 水素吸蔵合金にしても変わらない
 この点は、水素吸蔵合金にしても、あまり変わらない。1気圧環境で安全に運ぶことはできるが、容積あたりの輸送効率そのものはあまり変わらない。水素吸蔵合金は20気圧タンク程度の能力しかない。吸蔵量は1リットルで20g程度である。その吸蔵合金1リットルの重さは2kgはある。20gの水素、つまり石油60g分のカロリーを運ぶために、1リットルの容器と2kgの重量を必要とする。吸蔵も一瞬ではないため、大量のチャージにも時間がかかる。

■ 水素は石油合成に使ったほうがよい
 これらの問題からすれば、水素はそのまま運んで使うのではなく、液化燃料にしたほうが便利ではないか。水素があれば合成燃料は比較的簡単に作ることができる。合成燃料XTLは(ガス液化GTL、石炭液化CTL、バイオマス液化BTLの総称)は、水素を作るのが面倒なのだが、裏返せばそこに水素があれば合成はそれほど難しくも高コストでもない。動植物脂肪に水素を付加するHRJも可能であり、水素が確保できれば重油やワックス分からガソリンや軽油を作る燃料改質も安価にできる。

 燃料を液化できれば、あとは既存インフラや機械、タンクを流用できる。現実のガソリンや軽油も、実際にはこれらの液化燃料が混ざっているが、誰もそんなことは気にしないで使うことができる。わざわざ高価で使い難い専用の水素供給・貯蔵・消費設備を作る必要もない。それで自動車も飛行機も発電機も動くし、暖房や動力冷凍機械も動かすことができる。わざわざ水素供給体制を作る必要はない。



※ 「CO2フリーのエネルギーに変わる『水素』」『スマートジャパン』(ITMEDIA,2014.7.11)http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/11/news023.html

※※ 燃料電池で使う分にしても、小口なら液体燃料改質で、大口ならパイプライン(どうやっても漏れるけどね)で運べばいいだろう。
2014.07
11
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 日経によると、千葉県はコンビニ防犯ボックスの実証実験で効果を挙げたという。「コンビニの防犯ボックス、飲食店にも 千葉県が地域拡大」だが、その中身はコンビニ駐車場の一角に仮説詰所を作り、午後2時から10時まで、警察OBを3人詰めさせるもの。記事によれば、その効果は
10日公表した実証実験での検証結果によると、設置地域では空き巣が減少するといった効果が出ているという。調査に対し治安が悪化したと答えた住民は千葉も市川も大幅に減った。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO74066290Q4A710C1L71000/
とのこと。

 だが「設置地域では空き巣が減少するといった効果が出ている」というのは、眉唾ではないか。もともと、そのようなものは連続で空き巣があったところに置くものだが、去年空き巣があった地域に、今年も空き巣がくるわけではない。比喩としては微妙に違う部分もあるだろうが、空き巣の発生はランダムであり、ある種、飛行機事故のようなものだ。去年、飛行機事故が2回起きた飛行場で、今年も2回起きるわけではなく、無事故でも不思議はない。それを「神主を呼んでお祓いをしたから」と理由をつけて「飛行機事故は発生しなかった」と主張するようなものではないか。

 特にこの事業は警察主体であり、また森田健作県知事の肝煎である。

 警察はなんでも自分の手柄にする。交通事故での死者数減少について、道路線形の改善や、自動車安全設計の改善にはまったく触れずに「安全運転運動やシートベルト着用運動の成果」という。コンビニ防犯ボックスもその伝である。住民の自衛や、空き巣発生のランダム性には触れずに、全て警察の取組みの成果にしている。

 また、県知事も自分のアイデアは絶対成功したと言いはる。自分が主導した施策については、自画自賛するものだ。特に、森田健作県知事は、かつて俳優として演じた男らしさを前に出している。県民を守る知事として、防犯では成果を挙げたといった実績は欲しいので、そのように振る舞うだろう。

 このあたりからみると、それほど大した効果があると思えない。現実に空き巣を捕まえたどころではなく、見つけたわけでもない。その他の窃盗強盗詐欺恐喝背任横領の類も、全く見つけても捕まえても居ないだろう。そうであれば鬼の首を獲ったように成果を誇る警察が何も言っていない。

 まずは江戸時代の辻番の類ではないか。辻番は防犯のための施設であったが、実態は生きた親爺の捨て所と言われていた。大抵はただ居るだけであり、たまにやる気のあるヤツがオイコラとやると、返り討ちにあったような話は枚挙に暇はない。※※ 実際に桜田門外の変でも、手出しできないのはともかく、連絡も傷病者保護もなにもしていない。

 コンビニ防犯ボックスも、その程度のものだろう。警察平OBのうち、箸棒に掛からない連中。警備会社の営業や直長も務まらないような箸棒先生を養う、OBの捨て所程度と見たほうがいい。もちろん、居ないよりは役にたつだろうが、体感治安の向上がいいところで、実際に期待できる警備力は耳袋の「麸踏み万引きを見だす」程度ではないかね。


※ 「コンビニの防犯ボックス、飲食店にも 千葉県が地域拡大」『日本経済新聞』(日本経済新聞,2014.7.10)http://www.nikkei.com/article/DGXNZO74066290Q4A710C1L71000/

※※ 腕っ節に自信のある番太郎が、端唄・都々逸を歌っていた武士に「黙れ」と言ってしまい喧嘩になった話がある。「『黙れ』とはなんだ、武士には『黙らっしゃい』という決まりだろう」「武士の詩吟なら『黙らっしゃい』だが、町人の端唄都々逸なら『黙れ』だ」といって拳骨の張り合いになり、さんざん打擲されたあげく辻番所もメチャクチャにされ、終いには備え付けの罪人捕縛用の縄であべこべに縛り上げられて放置されるといったもの。普段の力自慢が恥ずかしいので、夜になって隣の辻番を呼んで解いてもらったといったオチ。たしか篠田鉱造の『幕末百話』だったはず。
2014.07
10
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 軍事研究の8月号に南シナ海の記事を書きましたので、よろしければお買い上げください。

 ただ、もっとハッキリ「中国にとっては太平洋・対米戦は大事ではない」と「南シナ海は何があっても死守しなければならない」と書いたほうが良かったと思います。昨日到着の見本誌を見返したのですけど、ちょっと大構造と小構造がゴッチャになってしまった感じがねえ。

「中国にとっては、太平洋よりも南シナ海が大事」とする部分ですが。

 1 米国は当座の敵ではない
  1a 仮想敵にすぎない
  1b 侮られなかれば良い

 2 優先される南シナ海
  2a 高い緊張関係
  2b ナショナリズム
  2c 経済的利益

の部分について、もう一段階小見出しをつけて

 1 米国は当座の敵ではない
  1a 仮想敵にすぎない
   - 米中は安定している
   - 日米も安定している
   - 領土問題はない

みたいに書けばよかったかと

 まあ、書いている間は、当人の頭のなかで辻褄があうのですけど、他人の目で読めないのがなんともね。
2014.07
09
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 リムパックで「いせ」が湾口部に近い岸壁に係留された理由は、水深と出入港の手間だけではないか。

 だが、北村淳さんは、それを対中威嚇としている。北村さんの記事「リムパックで特等席を与えられた自衛隊『いせ』-自衛隊と共に中国海軍を威圧したい米海軍」では
日本の軍艦旗を掲げる堂々とした「いせ」は、リムパック2014に参加する各国艦艇が停泊するパールハーバー米海軍基地の入り口に係留しているのである。[中略] もちろん「いせ」[座乗の指揮官が]が目立とうとして最高のシートを確保したわけではなく、各国軍艦の係留位置はアメリカ海軍によって指定されたのである。これは、同盟軍である海上自衛隊とともに中国海軍を威圧しようというアメリカ海軍の粋な計らいと考えることもできる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41108?page=4
と、「中国海軍を威圧しようというアメリカ海軍の粋な計らい」(北村)としている。

 これは考え過ぎである。もちろん、米海軍が真珠湾で便利な場所を指定してくれたのは日本への好意かも知れない。だが、「いせ」を中国海軍に見せつけるといったように解釈するのは、北村さんのような、日本の安全保障サイドが持つ中国への敵対感・敵視感を、当然に米国や米軍も漲らせているとする誤解であるようにみえる。

 実際に、日本の安全保障サイドは、対中対決感に溢れている。中国の行動は、全て軍事的に日本に対抗するための措置であるとするものだ。最近であれば、ウクライナ情勢もそれで判断していた。基本的には対岸の火事であり、どうでもいいウクライナ問題について「中国に軍事技術を供与するウクライナ」という問題から、重要だ重要だと言い出すそれである。※※

 しかし、それは米国には通用しない。米国は中国とは折り合いをつける頭でいる。国際政治サイドや、経済サイドの連中はその頭であるし、安全保障サイドでもそう考える傾向もある。リムパックへの参加お誘いも、対決ではなく折り合いといった発想の結果である。

 その構造を見ないで、日本の右派系保守層は、米国に尽くせば日本は助けて貰える、中国と対決してくれると甘く考えている。米国に忠誠を誓う日本保守の敵である中国は、米国の敵であると信じている。中でも、安全保障サイドにはその弊が大きい。※※

 だから、「いせ」係留場所でも、日本の真心が通じて結果、米海軍が対中牽制してくれたと、そう北村さんは判断したのだろう。

 だが、残念なことに実際は、水深と出入の手間だけの問題だろう。真珠湾は比較的浅いため、「いせ」のような大型艦を大水深岸壁があり、港湾への出入りが容易な湾口部に置こうとしただけの話である。奥に入れると、水深(喫水+1.5m)が足りなかったり、そこまでの車庫入れ車庫出しが面倒くさくなるだけの話にしか見えない。



※ 北村淳「リムパックで特等席を与えられた自衛隊『いせ』-自衛隊と共に中国海軍を威圧したい米海軍」『JB PRESS』(日本ビジネスプレス,2014.7.3)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41108

※※ イスラエルが、周囲にあるアラブ世界を全て敵と見做し、始終攻撃していることに似ている。イスラエルは、今の日本と同じように、米国から外交でのお荷物視されていることも同じである。

※※※ 実際に、今回の集団的自衛権の話も、米国に尽くせば日本は救われるというそれであり、永続敗戦論そのものでもある。
2014.07
08
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 脱法ハーブについて、取り締まりを厳しくしているようで、その手報道が増えている。「脱法ハーブ?また事故 衝突『吸って意識もうろう』 北区」などはそれだ。

 だが、厳しく取り締まるだけでは、その防遏は達成できない。厳しくすればするほど、似たような薬物はすぐに出てくるし、それで捕まらない構造ならそこら辺で売るようになるだろう。

 いっそ、薬物も場所を限ってホンモノを許すことで、事故や体に悪い低品質品を減らせるのではないか。

 実際に、賭博も売春も場所を限って公然と許している。パチンコや公営ギャンブルも、営業としての売春も、本来は非合法なものだが、場所そのほかの条件を厳しくして許している。おかげて、闇の賭博や、闇の買収斡旋の規模は防遏されている。

 薬物も影響でないように場所を限って許せばいいものではないか。どっかの島で暴れても困らないように措置して、そのとなりに薬を抜きと、ついでに啓発と治療施設も充実させた島を用意して、吸った後はそこから2-3日強制滞在させる制度でいいのではないか。もちろん、薬には税金を掛けてコスト改修や税収増収も図るのだけどね。

 高級なホンモノを許せば、市中での脱法ハーブは減少する。薬物にも色々ある。さすがに、オピウムやらその系列は駄目としても、それ以外なら、賭博や売春と同じように、迷惑を掛けなければ受容してもいい。大麻、覚せい剤で、高純度にすれば、わざわざ怪しい脱法ハーブは吸わないだろう。

 不純な脱法ハーブを市中に氾濫させて事件を起こす状況はよろしくない。だから、取り締まるだけも能もない。純粋な高級品を迷惑かけないように場所を限って吸わせて、そこから税金を巻き上げられるようにする仕組みや、その過程での啓発や薬物患者の治療も合わせたほうがいいのではないのかね。

 市中で何が混じっているかわからない、価格相応かどうかもわからない自主流通薬物に手を出して捕まるよりも、高級品で美味しくて品質も保証された薬物を合法入手するできる道を作っておけば、そちらに流れて闇市場も小さくなり、しかも事故も減ると思うが、どんなものかね。



※ 「脱法ハーブ?また事故 衝突『吸って意識もうろう』 北区」『東京新聞 Tokyo WEB』(東京新聞,2014.7.7)http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014070702000052.html
2014.07
07
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 野口裕之さんの署名記事だが、いろいろと違和感を感じる内容になっている。

 「中国を贔屓し日本を孤立させる新世界秩序 〝目覚めた獅子〟は本当に文明的か」(http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/chn14070411300002-n1.htm)について、結局は中国と米国への恨み節に終始している。1ページに付き2ヶ所はオカシイと言いたくなるところがある。

 中でも、中国大陸での権益は後暗いところのない正当な権利、それを認めない英米はけしからんというのは、何事だろうかね。

 野口さんは
《ワシントン会議/21~22年》では、第一次大戦で日本が獲得した中国内のドイツ租借地利権を、中国に肩入れした英米両国により、ほぼ全面的に放棄させられた。3年前の《パリ講和会議》では、日本が発議した《人種的差別撤廃提案》の取り下げを条件に英米も日本の利権を認めており、完全な裏切りだった。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/chn14070411300002-n2.htm
と述べている。まずは、対独参戦で占領したドイツ膠州湾租借地を、日本の租借地にできなかったことを恨んだものだ。

 膠州湾そのものは、中国に属する。そして中国は、第一次世界大戦に参戦しており、戦勝国としての地位を占めている。

 租借権引継については、どう贔屓目にみても中国は関係国であり、その同意が必要であった。

 だが、その手続きは相当に怪しいものである。無理やり飲ませた対華二十一ヶ条要求によるものであるためだ。

 対華二十一ヶ条要求は、火事場泥棒のようなものだ。欧州列強がヨーロッパの戦争に巻き込まれている間、日本は中国に二十一ヶ条の要求を突きつけている。その半分はフッカケであるが、力を背景に15条を認めさせた。

 その中に膠州湾租借地の件も含まれている。日本は、欧米が介入できない間に、ドイツから占領したと言う体で、膠州湾を自国租借地にしようとしたものといえる。

 戦時下において、敵国以外の国に力で強要する行為は正しいものだろうか。しかも中国は参戦国である。日本は火事場泥棒をしたと、英米ほか国際社会はそう考える。いわば力による現状変更であり、中国に利権を持つ各国としても認められない。

 この事情を前提に見ると、野口さんの主張は筋悪である。「第一次大戦で日本が獲得した中国内のドイツ租借地利権を、中国に肩入れした英米両国により、ほぼ全面的に放棄させられた。」(野口さん)とある。

 だが、そこでは日本に都合の悪いことを全部オミットしている。中国も連合国に参戦した戦勝国であること。世界大戦での日本の火事場泥棒的な行為。なんだかんだ言って、戦後に日本は膠州湾での権益を確保しており「ドイツ租借地利権を[略]全面的に放棄」したわけではないことがそれだ。

 そもそも、中国も抵抗するのは当たり前である。今の日本で言えば、米国が北方領土あるいは竹島からロシア、韓国を追い出したあとで、ここでの権益は米国が引き継ぐというようなものだ。しかも、対華二十一ヶ条要求では、どうみてもドイツ利権とは関係ない、製鉄所よこせといった漢冶萍煤鉄公司への要求も含まれている。

 そこで中国が英国ほかを頼ることも当たり前である。中国にも裁判的な意味で言う防御権はあり、それを攻めるもの妙な言い方である。

 野口さんの提示した日本の膠州湾租借地の引き渡し要求は「力による現状変更」であった。それを正当な権利として認めながら、記事後段(http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/chn14070411300002-n4.htm)で新中国による南シナ海での行動について、「力による現状変更」であることを示唆して非難するのは、矛盾するものだ。



※ 野口裕之「中国を贔屓し日本を孤立させる新世界秩序 〝目覚めた獅子〟は本当に文明的か」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2014.7.6)http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/chn14070411300002-n1.htm
2014.07
06
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14:25
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 「東大が防衛省に協力拒否 輸送機不具合究明『軍事研究』と」だが。 防衛省が東大に泣きついて袖にされた話だが、コレって産経の報道含めての、戦後平和レジュームとやらを叩くためのマッチポンプじゃないの。

 C-2がアレ飛行機なのは防衛省と防衛産業のせいだが、それはおいて置く。

 その問題を解決するために部外有識者の助けを借りるにしても、まず大学全体に泣きつく話はない。己が関わった大湊○○弾処理で技術調査検討委員会を作ったときにも、大学の先生は各個人にお願いした。(これは直に己が行った) 大学に泣きつく話はないし、相手が組織だと、何かあった時にコントロールできなくなる可能性もあるのでそんなリスクのあることはしない。

 そもそも、設計モデルの誤りや、新現象による失敗でもないので、有識者に聞いてもどうなるものでもない。大学の先生を呼ぶのは、今までの設計手法が通用しないとか、知られていなかった現象ではないかと疑われる状態であるが、C-2はそれでない。単純に設計ミスである。単純に周辺部の強度不足である。そこを増肉するなり別部品で補強すれば(重くなるが)解決する。別に先生に頼んで、新しいモデルや現象の解析をお願いする話ではない。

 今回の件は、本当だとすれば、それが分かっていて、やったものではないか。目的は、戦後レジュームとやらを批判だろう。

 シビリアンかユニフォームかしらないが、部課長級あたりに、研究方針を承知で「東大けしからん」というやつがいて、断られることを承知で東大に話を持って行き、計画どおり断られて、産経の御用聞き記者に記事にしろといった。そういった不健全な話ではないのかね。

 なんにせよ、C-2そのものが不健全なのだがね。

 トラブルについても自業自得である。もともとC-2開発は、どうしてもやる必要のあるものではない。だから、完成品にしても、スペック上、凡庸な機体では「国産にする必要性があったのか」という話になる。それをどうにかするためには、実用上はともかく、スペック上は高性能機にしないといけない。そのために設計で削り代を取り過ぎたら、あの体たらくといったものだ。スイカやメロンをギリギリまで食おうとする話に似て、やりすぎて穴が開いたようなものだ。

 本来の焦点はそっちではないのかね。そこで、今まで袖にされた恨みから、東大への嫌がらせをしても仕方がない。その手の話を読みたがる産経愛読者はともかく、下手に話が広がると、却って防衛の技術開発政策の失敗を晒す結果になるのだが、そこら辺は気づかないのだろう。

 まあ、一番酷いのは、記事のツイッターコメント欄(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140706/plc14070609450004-n1.htm)だよ。誰も大学の自治をご存じないし、「国の予算で研究しているのだから、国の政策への強力に応じないのは非常識」とか言い出すのは、何なんだろうかね。ゆとり世代の脅威を感じてならないものだよ。



※ 「東大が防衛省に協力拒否 輸送機不具合究明『軍事研究』と」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2014.7.6)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140706/plc14070609450004-n1.htm
2014.07
05
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12:00
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 手榴弾が投げ返せるのは映画の話なのだろう。実際には、投げ返す前に発火してエライ目にあう。昭和39年、荒川区町屋のバーで、18歳の客が爆薬を投げ捨てようとするが、爆発して右手首から先を吹き飛ばしている。

 「バーで爆薬自殺 荒川区町屋」という記事がある。「もてない元自衛隊員 二度爆発客三人も怪我 店はこっぱミジン 六軒被害」といった見出しも続いており、その大概が知れる。

 これは昭和39年12月1日の事件。

 バーの女性に言い寄っていたが全く相手にされなかった小野○○さん(26)が、死にたい死にたいと言い出す。しばらく経つとトイレで爆薬に火をつけるのだが、それに気づいた(導火線に火をつけると花火の臭いがするから、それだろう)客、高田○○さん(18)が爆薬を外に投げ捨てようとしたところ、発火し右手首から先が吹き飛ぶ大怪我。

 その後、みんなが逃げたあとに小野さんは一人残り、ストーブの傍で爆薬をいじくり、二度目の発火で即死したという。現場確認の結果、爆薬は土木用ではなく、軍用の『ON火薬』とのことだが、聞いたことはない。当時だとTNTとかC3の仲間なのだろう。

 ちなみに、バーの女性とは、経営者○○セエさんと同姓で示されているが、名前からしてその娘だろう。ただし、見出しの「もてない」とは、バーの女性に相手にされないだけの話であり、それだけで「もてない」とされているのはどんなものか。しかも、原因の1割はありそうな女性たちはさっさと逃げていて無事というのもね。店は吹き飛んだけど。

 いずれにせよ、手榴弾を投げ返す類は止めたほうがいいのだろう。洋の東西問わず、映画を見て、出来ると思いこんで投げ返そうとしてドカンは結構あったのではないか。



※ 「バーで爆薬自殺 荒川区町屋」『朝日新聞』朝刊(朝日新聞,1964.12.2)p15
2014.07
05
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10:53
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 町家の爆発記事の翌日見かけた新製品紹介だが、トーキングひかり号というおもちゃがあった。子供が持てる程度の、オモチャの新幹線でボタンを押すと音が出るといった仕組み。
「十八番線の六時発特急ひかり1号新大阪行きが発車します。とびらがしまります」についでガターン、ガターンの音がする外に200kmでスレ違う音、計4つ
がランダムで出る仕組み。

 今ではメモリとMP3あたりでやるのだろうが、当時はテープの時代である。さぞかし面倒な仕組みかと思っていると、一切電気部品はないとのこと。

 要は、4本の音溝を切った超小型レコードを使うもの。ランダムで針が落ちるようになっており、その音も蓄音器式に、指向性だけを持たせてそのまま出力するもので「トランジスタなし」という。おそらくは、レコードもぜんまい仕掛けか何かで回すものだろう。

 価格は1400円、外にも、パトカーほかもあったらしい。



※ 「新製品から トーキングひかり号」『朝日新聞』(朝日新聞,1964.12.3)ページ控え忘れ。

※※ トーキングひかり号でググると動画が出てくるが、外観だけでその音声、ギミックは出てこない。鳴らすと消耗するからかね。
2014.07
04
CM:4
TB:0
12:00
Category : 未分類
 北海道であったカセットボンベを爆発させる事件だが4回目の逮捕をするという。あの程度を激発物とし、しかも最大懲役5年の激発物破裂でどうこうしようというのは、破壊力のスケール的にどんなものかね。

 仔細は時事ドットコム「ボンベ爆発で4度目逮捕=署駐車場で車破損、容疑否認-北海道警」のとおりである。

 しかし、あれで人死や大怪我が出るものとも思えない。細かいことは報道されていないが、どうせカセットガスボンベを固形燃料か何かの火で炙って破裂させた話である。威力はペットボトルにドライアイスを詰めたのと大差あるものでもあるまい。周りにベアリングをつけたという話もあり、それが本当なら殺傷能力増大を図っただろうが、実際に人を殺せるようなシロモノではない。

 実際の被害も、火炎が表札を炙ったとか、車のナンバープレートやバンパーに傷つけた程度である。

 そもそも、本来の激発物破裂に該当するような破裂物でもない。もともとは、家屋を吹き飛ばすような破裂物を想定した犯罪である。カセットボンベの爆発は、スケール的には合致するものではない。

 その程度の破裂物に、懲役5年以上の犯罪をアテて、しつこく4回も逮捕するのは何事なのか。

 中身は不能犯の親戚のようなものだ。まだ確定できないが、犯人にしても恨みがあり、人死がでても構わないと思っていたとしても、アレでは死なないと言う意味で、不能犯である。警察関係にいたづらしたことを重視して、よくて軽犯罪法で、罰金刑程度のものに過大な容疑を付して、しつこく捜査するのは、見ていてあまりいい気持ちがするものではない。警察以外を軽んじているようにも見える。

 まずは、北海道の警察の法規運用について合規性や運用の平等に疑問を抱くものであるよ。



※ 「ボンベ爆発で4度目逮捕=署駐車場で車破損、容疑否認-北海道警」『時事ドットコム』(時事通信,2014.7.2)http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014070200763

※※ そもそも、あの程度の破裂物を過剰に取り締まってどうしたものかね。アレで揺るぐような国家も治安もない。かつては「タタキやノビで国は滅びんからのう」と言ったらしいが、人殺しや強盗ほどの被害もない。いたづらとしてはやや過激だが、ノミ行為や盗撮ていどの扱いでいいだろうがね。
2014.07
03
CM:7
TB:0
12:11
Category : 未分類
 ドクトリンは振り回せるものではない。もともと宗教教義という意味で、ローマン・カソリック・ドクトリンのような使い方が本統である。

 要は神信心なので、振り回すことは出来るものではなく、振り回されるだけだ。それは軍事的なドクトリンでも変わらない。だよもんさん他は、ドクトリンを振り回しているつもりだろうが、実態としては、本人は振り回されているわけだ。それに気づかないのは神信心と変わらない。

 だよもんさんは、信仰の教義が「本土防衛が軍隊の仕事、一番大事なのは陸軍、陸軍が弱いと死んじゃう」なので、当今の日本が採っている海空重視策-陸軍力削減方針を見ても、それを受け入れられない。だから、珍妙な事を言い出す。

 本土に強力な陸軍がいないと、海軍が自由に活動できないというのがそれだ。
 
帰ってきただよもん‏@V2ypPq9SqY
そもそも海軍国が強力な陸軍を持つのは海軍の自由を保証するためだがなぁ。

強力な陸軍がいなければ、海軍は常に全力で本土防衛にあたらねばならず、制海戦闘や海上護衛に全力で当たることが出来ない
15:41 - 2014年7月2日
https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/484466947623374850
 話の流れは
1 https://twitter.com/kankimura/status/484275160170512384
2 https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/484455439866687488
3 https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/484455904071258112
といったものである。教義に反する発言があったので、それに信仰心から反発しているのだが、結局は支離滅裂になっているわけだ。

 反論として支離滅裂なのは、もともと理屈ではなく信心だから仕方がない。理論派のような顔をしているが、所詮は神学理論なので普遍性はない。自衛隊の演習想定で外国軍が西日本を占領したから、今の防衛力では日本は滅びるというのは全くそれだ。幹部を自称しているが、演習の意味そのものが分かっていない。※

 そもそも、「制海戦闘」(だよもん)とは何事だろうか? 制海権を確保するための戦闘といった意味なのかもしれないが、制海権を確保する方法を理解していないとしか思えない。さらに、その制海権についての、だよもんさんの知見も奇妙である。

 制海権を確保、あるいは敵制海権を拒否できれば、敵の上陸戦はない。島国なら、制海権が確保できれば、本土防衛の必要はないし、敵が強力であっても、その制海権を拒否できれば同じように本土防衛の必要はない。

 それを理解せずに「常に全力で本土防衛」(だよもん)というのは、鍵かけた金庫の中にも金庫番を置けというようなものだ。すでにセキュアになった場所を全力で守る必要があると力説するのはマヌケな話である。

 「海軍国が強力な陸軍を持つのは海軍の自由を保証するため」(だよもん)というのも、珍妙である。一般的な事実として帰納を装っているが、そのような事実はない。オランダ海上帝国の類はそもそも強力な陸軍を持っていないし、第二次世界大戦で日米とも押している時期には、本土は陸海とも空っぽである。居るのは訓練・整備中の二線級部隊だけの話だ。

 結局は、だよもんさんの頭の中だけで演繹した、信者だけが到達できる真実を、世界の事実であるように述べているだけである。

 なんにせよ、だよもんさんは、ドクトリンに捕らわれていることに気づいていない。

 その点で、だよもんさんはキリスト教原理主義者と変わらない。教義が進化論を認めていないから、発生学とか古生物学の成果をみても受容できず、ヘンテコな創造科学をヒネりだす。海空優先の主張を聞いても、心で受容できないので「海軍国は強力な陸軍力を持つ」(だよもん)という珍妙な、だよもんオリジナルの事実をつくりだし、自分の心の安寧を図っているのだろう。

 異論への反発も当然である。「だよもん陸軍力理論=創造科学」は信心を守るために作り出した心の安寧であるので、妨げる主張には感情的になる。「陸上兵力不要論キター=進化論キター」になるのは、宜なるかなといったあたりだ。

 だよもんさんの主張は、創造科学と同じである。それに頷く連中も、まさにフォロワー=追従者である。「敵の上陸=神の審判」は、(納得できる理由はないが)絶対にある、だから「陸軍力=聖書」超大事と言っているだけである。



※ ちなみに、かつて日米共同演習で、関東が戦場になる想定もあったが、それは関東が攻め込まれるといった自衛隊の危機感ではなく、演習場所と担当部隊が東方だったからという理由である。

※※ チャイニーズ版だよもん(PLA)さんも、「解放軍は300万人必要アル。200万切ると日米は着上陸戦仕掛けてくるデショ、それだと中国海軍はA2ADに専念できないヨロシ」とか、PLANの人に呆れられるような、制海権拒否に対して珍妙な事を言っているのだろうね。

まあ、相互主義だからね。昔、彼には面白い言われようがあったから、ボクが言ってもいいでしょう。実際にhttps://twitter.com/obiekt_JP/status/24469533917こういう言い方すればね