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戦前制度についての認識なしに「昭和帝が戦争遂行に御熱心だった」と主張するのはいかがなものだろうか。
帝国憲法体制下では天皇は専制君主ではない。天皇大権は輔弼と補翼を前提とするものである。統治でも内閣の輔弼に異を挟むことはできないし、補翼なしには統帥権も行使できない。無答責であることからわかるように、実務での決心判断を伴うものではないのである。
実際に、太平洋戦争をみても、昭和帝はプレイヤーとして振る舞われず、また振る舞えられたわけでもない。
開戦や終戦での経緯を見ても、昭和帝は御自身の意向を内廷で個人的な御意見として表明することはできても、政府や統帥部にそれを命じることはできない。
終戦受諾についても政府と大本営が割れていたため、御聖断は成立したに過ぎない。開戦時のように政府・統帥部が同じ判断をした場合には、御聖断は成り立たない。
しかし、それを承知せずに、昭和帝が戦争遂行に積極的であったとする主張は相当に乱暴である。内田弘樹さんは
御意思や御発言についても、統帥大権や軍政大権、栄誉大権の動作機構の中で、奏上に対して大元帥としての御嘉賞として出たものを引っ張りだしたものだろう。奏上に対しての返答は「その方針で行くのなら、この点はどうか」としか言わないし、言えないのが御立場である。それを以って戦争指導に参画とは到底言えるものではない。そして同時に、昭和帝が戦争終結へのシグナル的にやっていた内廷等での御発言を全部無視して「思いの外戦争に乗り気」「昭和天皇のご意志の否定と責任問題」(内田)とするのは、食言である。
そもそも、戦前の制度が全く分かっていないのだろう。「日本側」とか「日本政府」、「日本統帥部」のメカニズムが分かっていない。
内田さんは、テレビゲーム的に太平洋戦争は1人のプレイヤー、昭和帝が全部動かしていると思っているわけだ。
しかし、実際には多数のアクター勝手気ままに動いていたのが戦時下の日本である。陸海軍と内閣だけではなく、各省庁、議会、政党、経済界、新聞もそれなりに力があった。その中で、昭和帝は及ぼせる力は相当に小さい。この辺りは、重光葵や緒方竹虎、軍関係でも高木惣吉あたりを読めばわかりそうなものだ。だが、兵書というか、戦闘史みたいなものばかり読んでいるので承知していないのだろう。
何を指すかわからないが「最近の研究」(内田)を読むのもいいのかもしれない。だが『昭和天皇独白録』あたりを読んだ上で、両者にある矛盾点を意識しながら読むべきである。その「最近の研究」(内田)を
帝国憲法体制下では天皇は専制君主ではない。天皇大権は輔弼と補翼を前提とするものである。統治でも内閣の輔弼に異を挟むことはできないし、補翼なしには統帥権も行使できない。無答責であることからわかるように、実務での決心判断を伴うものではないのである。
実際に、太平洋戦争をみても、昭和帝はプレイヤーとして振る舞われず、また振る舞えられたわけでもない。
開戦や終戦での経緯を見ても、昭和帝は御自身の意向を内廷で個人的な御意見として表明することはできても、政府や統帥部にそれを命じることはできない。
終戦受諾についても政府と大本営が割れていたため、御聖断は成立したに過ぎない。開戦時のように政府・統帥部が同じ判断をした場合には、御聖断は成り立たない。
しかし、それを承知せずに、昭和帝が戦争遂行に積極的であったとする主張は相当に乱暴である。内田弘樹さんは
内田弘樹@「鶴翼の絆2」発売中!@uchidahirokiや
昭和天皇って最近の研究だと思いの外戦争に乗り気で、沖縄戦までは一撃講和論にこだわり、沖縄戦で負けが確定した後は対ソ交渉に縋るくらいには戦争を自分からやめるべきだと口にしなかった人間だから、あんな結果になることが分かっていたら、マリアナあたりで「もうやめようぜ」と言い出したかもとか
21:16 - 2014年5月6日 https://twitter.com/uchidahiroki/status/463895160149905408
内田弘樹@「鶴翼の絆2」発売中!@uchidahirokiと述べている。
やめろ! 一撃講和論の否定は昭和天皇のご意志の否定と責任問題に繋がってしまうからやめるんだ! やめろぉぉぉぉ(断末魔のように消えていく声
21:22 - 2014年7月27日 https://twitter.com/uchidahiroki/status/493612417071341568
御意思や御発言についても、統帥大権や軍政大権、栄誉大権の動作機構の中で、奏上に対して大元帥としての御嘉賞として出たものを引っ張りだしたものだろう。奏上に対しての返答は「その方針で行くのなら、この点はどうか」としか言わないし、言えないのが御立場である。それを以って戦争指導に参画とは到底言えるものではない。そして同時に、昭和帝が戦争終結へのシグナル的にやっていた内廷等での御発言を全部無視して「思いの外戦争に乗り気」「昭和天皇のご意志の否定と責任問題」(内田)とするのは、食言である。
そもそも、戦前の制度が全く分かっていないのだろう。「日本側」とか「日本政府」、「日本統帥部」のメカニズムが分かっていない。
内田さんは、テレビゲーム的に太平洋戦争は1人のプレイヤー、昭和帝が全部動かしていると思っているわけだ。
しかし、実際には多数のアクター勝手気ままに動いていたのが戦時下の日本である。陸海軍と内閣だけではなく、各省庁、議会、政党、経済界、新聞もそれなりに力があった。その中で、昭和帝は及ぼせる力は相当に小さい。この辺りは、重光葵や緒方竹虎、軍関係でも高木惣吉あたりを読めばわかりそうなものだ。だが、兵書というか、戦闘史みたいなものばかり読んでいるので承知していないのだろう。
何を指すかわからないが「最近の研究」(内田)を読むのもいいのかもしれない。だが『昭和天皇独白録』あたりを読んだ上で、両者にある矛盾点を意識しながら読むべきである。その「最近の研究」(内田)を
内田弘樹@「鶴翼の絆2」発売中!@uchidahirokiというように、すべて事実として無前提に受容すべきではないだろう。
@TOKYOMEGAFORCE 最近の研究ですんで、そういうのがフィードバックされるには時間がかかるし、まあ政治案件なんで難しいですな。
21:25 - 2014年5月6日 https://twitter.com/uchidahiroki/status/463897477163147264
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