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炊飯器にトマトをまるごと入れて、ご飯を炊く話がある。「インパクトありすぎ! トマトを炊飯器にぶっ込んで炊くだけの「トマト丸ごとごはん」が意外なウマさだった」で見つけたのだが、遡ってみると最初にやったのはNHKの「わたしと野菜のおいしい関係」という番組らしい。
ただこれ、旧海軍の「トマト羊羹のせご飯」そのものではないかね。潜水艦では生野菜が手に入らない。もやしを作った話はあるが、あとは乾燥野菜だけ。味気もないし彩りもないところに、カゴメがケチャップ原料を転用して作ったトマト羊羹が登場して大人気だったというもの。
潜水艦ではそれをスライスしたり、賽の目に切ってご飯の上に載せて食べていたらしい。本来は、水で伸ばしてトマト・ピューレ(トマトを潰したもの)に戻したりする使い方を考えていた。だが、色と新鮮な酸味に渇望した乗員はそうして食べたという話がある。
これは、トマトまるごとご飯と全く変わらない。グズグズになったトマトをご飯に載せて、あるいは混ぜて食べるというのは、戦争中にもあったという話だ。
もちろん、微妙な違いもある。トマトまるごとご飯と比較すれば、トマト羊羹のせご飯は、実際にはある程度酸味が強い。逆に言えば、まるごとご飯はマイルドになっているだろう。
トマト羊羹は、トマト・ピューレから水分を飛ばすときに、ピューレ側を加熱せずに熱風で水分をとばしている。沸騰する温度まで上げると、風味が損なわれるためという。だから、ご飯にのせ、あるいは混ぜると酸味が味わえる。
トマトまるごとご飯は、逆に煮ることいよって、強い青臭さや酸味を飛ばしている。沸騰温度まで上げた後、60度程度で保温するためである。おそらく、それほどの酸味はないだろう。
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