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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2014.09
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Category : 未分類
 池萬元さん「韓国陸軍元大佐『反日で中国に擦り寄る朴槿恵大統領は愚か』」(元記事はSAPIO)は、結局は軍隊の繰り言でしかない。

 中身については
朴大統領は、中国と歩調を合わせることが韓国の安全保障を脅かすことをまったく理解しておらず、政治家としての能力とバランス感覚があまりに欠如していると言わざるを得ない。
池萬元 http://www.news-postseven.com/archives/20140911_274936.html
に要約される。

 韓国の今の立場として、経済的利益や、地域環境から中国と協同歩調となることは当然だ。朴大統領の能力は置いておく。だが、力をつけた中国に接近することは韓国の利益となる。韓国が経済状況を改善し、国民生活を向上させるためには、中国との交易や、中国からの投資、中国への投資が必要になる。国際政治の環境としても、プレイヤーとして力を持たない韓国が、力を持つ中国に対立するのではなく、協調路線を持つことは不思議な選択でもない。

 そして、安全保障でも、別に韓国は中国と戦う必要はない。かつてのように北朝鮮との戦いに必死になる必要はないし、その北朝鮮から中国軍が撤退してから半世紀が経つ。米国が中国と対峙しているからといって、韓国は中国と対峙しなければならない義理もない。領土領域での対立も、岩礁とその近所の海の取り扱いだけである。

 中国を主敵として対峙しろとする池さんの主張は、何の利益も産まない話だということだ。池さんは「安全保障問題では韓国と中国は対立関係にあるはずだからだ」(池)という宿命論を述べ、米韓同盟や、米国を通じての日韓関係を強調している。だが、そこに利益は何もない。従来の構造に拘泥されているだけの話である。経済的な利益は無視しており、安全保障での韓国に何の利益も生まない。

 安全保障の枠組みで、しかも軍隊に話させるとこういうことが起きる。出てくるのは安全保障だけの理屈であり、経済や外交状況の変化なんか見てもいない。安全保障上の理屈も「昔はそうだったね」というものだ。

 韓国が、中国と仲良くしても安全保障でも問題はない。結局は、米国から最新の武器が売ってもらえないとか、情報とか最新の訓練システムが手に入らないと困るという、軍隊だけが困るというものと、米国との同盟構造で出世した高級軍人が、方針変換で困るといったものに留まるだろう。

 なんにせよ、経済的な利益と外交環境の変化から、台湾と韓国は中立化する。両国は、結局はプレイヤーとなる力はないため、中国が強くなり、米国が弱くなると自然とそうなる。いくら日本は中国に対峙する立場だといっても、それに難癖をつけてもどういしようもないし、それを朴政権固有の問題とみて、叩いても仕方はない。



※  「韓国陸軍元大佐『反日で中国に擦り寄る朴槿恵大統領は愚か』」『Newsポストセブン』(小学館,2014.9.11)http://www.news-postseven.com/archives/20140911_274936.html

※※  右派や自衛隊あがりのいう「韓国軍の上層部は必ずしも反日ではない」言説もなんなのだろうね。すでに韓国軍は軍政の時代ではない。韓国軍の上層部が軍隊が日本との関係改善を望んでいるとしても、韓国社会への影響力はまったくない。国民世論に敏感な議会や大統領はそれはできない話なんだがね。
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