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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.10
02
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12:00
Category : 未分類
 フィンランドは親日だ、東郷元帥は英雄でビールがあるという話については、当節は否定されている。だが、井上和彦さんはそれを言い出しているのは、確認をしないからだろう。

 「北欧の親日国フィンランド 日露戦争の勝利が独立の精神的支柱に」※ で、井上さんは
 日本海海戦で、ロシアのバルチック艦隊を撃ち破った東郷平八郎提督はフィンランドで英雄としてたたえられ、「東郷ビール」が生まれたのだ。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141001/dms1410011140007-n1.htm
と述べている。

 だが「『東郷ビール』という伝説」で明らかにされているように、東郷さんの顔のついたビールは、ビール会社が作った提督シリーズの一種類に過ぎない。その中には、マカロフやロジェストヴェンスキー提督も含まれていたという。日本海海戦の勝利や、フィンランドでの英雄としての取り扱いとは関係はない。

 そもそも「日本の勝利が独立の精神的支柱に」なったという段階で、正しくはない。井上さんは
フィンランドの対日感情はすこぶるいい。1917年までロシア帝国の統治下にあった同国にとって、日露戦争(1904-05年)での日本の大勝利は、国民を熱狂させ、独立への精神的支柱となり、日本に畏敬の念を抱かせたのだ。
と述べているが、フィンランドは武力闘争で独立したのではなく、ロシア革命でロシア皇帝の統治から離れただけにすぎない。

 井上さんが参考にしたのは展転社http://tendensha.co.jp/の本である。別に展転社出版物から引用するのは正しくないとは言わないが、自分の主張を補強する材料としては、吟味してから使うべきだろう。

 他にも、砲の説明書の訳文でも井上さんは怪しくみえる。
スオメンリンナ島(要塞群)には日本製の120ミリ砲が保存されている。[中略]説明書にはこう記されている。
 《この大砲は後のソ連との『冬戦争』最中の1939年12月6日に162発を撃ってソ連軍の攻撃を撃退した。そして、その後も活躍し、1940年2月19日の戦闘で砲身にクラック(ひび)が入ったが、それでもなお照準器なしで撃ち続けて敵を粉砕した。射撃弾数は648発に達した》

この説明書は、誰が訳したものなのだろうか。井上さんが訳したにしては「砲身にクラック(ひび)が入った」の件は不自然である。誰かが訳した文章に、井上さんが「(ひび)」と入れた可能性が疑われる。そうであれば、翻訳文の無断転載だろう。※※



※  井上和彦「北欧の親日国フィンランド 日露戦争の勝利が独立の精神的支柱に」『ZAKZAK』(産経新聞)2014.10.1,http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141001/dms1410011140007-n1.htm

※※ 梅本さんの『雪中の奇跡』あたりを読み返す価値があるかもしれない。

¶  まあ、人は読みたいものを読むという。井上さんに記事や、桜林美佐さんの記事は、ZAKZAKの読者のレベルに合わせたといえばそれまでの話である。
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