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沖縄知事選で、翁長さんが当選した。普天間もNO、辺野古もNOという立場が支持を受けた形である。
その翁長さんが、ラジオのインタビューで興味深いことを言っている。
そして、ラジオのコメントも興味ふかい発言をしている。番組ゲストの仲村清司さんが「『私は死にますよ』は、保守の本懐ではないか」(23時20分頃)というものだ。確かに、今の革新系の政治家はそういうことは言わないし、あまり命を投げ出すものでもない。※※
ある程度に功を遂げた政治家は、歴史の評価を気にする。翁長さんは政治家30年、年齢も64となる。死んだ後の名を惜しむ年頃である。普天間、辺野古へのNOでは、妥協しないし、妥協した現知事の汚辱をみれば、士大夫としてできるものではない。逆に、在沖米軍問題を進めれば、後の選挙で負けようとも、名誉は死ぬまで、あるいは死後も続く。
もちろん、現知事の埋立免許も、故郷のために良かれと判断した結果である、だが、汪兆銘化した以上、汚辱は免れない。免許自体、県民からすれば裏切り行為である。その上、汚名を着てまで妥協した上での調査工事実施でも、安倍政権には顔に泥を塗られている。現地時は工事警備には穏便にと何回もリクエストしたのに、強硬警備となってしまっている。
翁長さんは、その轍は踏めない。踏むと死ぬまで、死後も断罪される。だから、県民の付託を受けた牧民官として、公言したとおりNOと言い続け、死んでみせるだろう。それ以外の方法はない。逆に牧民官として死ねば、島田知事のように後世まで名誉に包まれることもできるかもしれない。
実際にNOと言い続ければ、芽も出る話でもある。まずは、翁長さんの政治力があがる。現知事が汪兆銘なら、蒋介石のようなものだ。蒋介石は戦場で負け続けようが、日本帝国主義と戦い続けることで、政治力がパワーアップした。さらにその上で、NOと言い続ければ、普天間を残すか、辺野古に移すかの二択以外のオプションについても直視する状況が生まれてくる。具体的には海兵隊を日本から撤退させるというものだ。
そもそも、海兵隊駐留は、日米同盟にとって必須ではない。海兵隊陸上戦力や、オスプレイ他のヘリ部隊は中国との対峙で全く役に立っていない。§ 日米と中国との対峙は、軍艦と航空機で行われており、地上戦力は屁の役にも立たない。戦時にも、米海兵隊が殴り込める先も、南沙程度しかない。
そして、日米同盟に刺さっている刺も、主として海兵隊である。普天間問題、辺野古問題、米軍犯罪へのイメージは、すべて海兵隊に収斂している。逆に、普天間や辺野古基地そのものも、有事のみ使うような自衛隊管理施設になれば、それほどの反発もない。
逆に言えば、海兵隊を日本から除けば日米同盟はヨリ安定化する。とりあえずは、沖縄の県民感情は好転するし、嘉手納や勝連への飛び火も防げる。那覇基地の滑走路増設もうまく回る。
この観点からすれば、海兵隊撤退は日米沖にとって最善手である。問題は、政権党の保守派や政府の一部が、米国の国益と、米安全保障サイドの要求と、海兵隊益§§ の切り分けができていないことにある。だが、新知事が沖縄県民の後押しを受けて、NOと言い続ければ政権党や政府もそれを直視し、理解することになるだろう。
※ 「荻上チキSession-22」TBSラジオ(TBS,2014.11.17)
※※ 今の辺野古での抗議や、上関原発の件はそういう人もいるだろうが、政治家でそういう人は、見る限りではいない。
ただ、この雰囲気では、工事警備をこじらせると辺野古で、例えば「ここで死ぬなら本望」の老い先短いジジィババァがでてくる可能性が高い。さらにその上、ナショナリズム勃興期にある沖縄という、想像の共同体のためになにをするかがわかったものではない。実際に、祝島は、党派性を超え、死にぞこないのジジィババァが先頭に出て座り込みのをやっているので、当然手は出せていない。この点で、沖縄局は危機感が足りない。もし何かあると、今後30年は悪者扱いで後ろ指をさされ、他米軍の工事や、自衛隊工事や基地対策にも祟る。
§ 岩国の海兵航空団は役立つかもしれないが、イタリアの事故の件を見ても、固定翼でも海兵隊はロクなことはしそうにない。
§§ 嘉手納統合案が一番ポシャった理由は、米空軍が海兵隊を嫌がったせいという話もある。そもそも、普天間-辺野古は在日米軍そのものの利益ではない。
その翁長さんが、ラジオのインタビューで興味深いことを言っている。
ボクは裏切る前に自分が死にますよ。それくらいの気持ちを言わないとね沖縄の政治はできないですよ。ね。俺はそのくらいの決意でやらないといかんですよ。うん。これをね、今、予測不可能ななかでね、こんな言い方をされるとね。私がどういってそんな言葉で言えるかったらね。その時は死んでみせますというね、そのくらいの決意でしかない、いえないですね。(翁長雄志)
「荻上チキSession-22」TBSラジオ(TBS,2014.11.17)23時17分頃から聞き取り
そして、ラジオのコメントも興味ふかい発言をしている。番組ゲストの仲村清司さんが「『私は死にますよ』は、保守の本懐ではないか」(23時20分頃)というものだ。確かに、今の革新系の政治家はそういうことは言わないし、あまり命を投げ出すものでもない。※※
ある程度に功を遂げた政治家は、歴史の評価を気にする。翁長さんは政治家30年、年齢も64となる。死んだ後の名を惜しむ年頃である。普天間、辺野古へのNOでは、妥協しないし、妥協した現知事の汚辱をみれば、士大夫としてできるものではない。逆に、在沖米軍問題を進めれば、後の選挙で負けようとも、名誉は死ぬまで、あるいは死後も続く。
もちろん、現知事の埋立免許も、故郷のために良かれと判断した結果である、だが、汪兆銘化した以上、汚辱は免れない。免許自体、県民からすれば裏切り行為である。その上、汚名を着てまで妥協した上での調査工事実施でも、安倍政権には顔に泥を塗られている。現地時は工事警備には穏便にと何回もリクエストしたのに、強硬警備となってしまっている。
翁長さんは、その轍は踏めない。踏むと死ぬまで、死後も断罪される。だから、県民の付託を受けた牧民官として、公言したとおりNOと言い続け、死んでみせるだろう。それ以外の方法はない。逆に牧民官として死ねば、島田知事のように後世まで名誉に包まれることもできるかもしれない。
実際にNOと言い続ければ、芽も出る話でもある。まずは、翁長さんの政治力があがる。現知事が汪兆銘なら、蒋介石のようなものだ。蒋介石は戦場で負け続けようが、日本帝国主義と戦い続けることで、政治力がパワーアップした。さらにその上で、NOと言い続ければ、普天間を残すか、辺野古に移すかの二択以外のオプションについても直視する状況が生まれてくる。具体的には海兵隊を日本から撤退させるというものだ。
そもそも、海兵隊駐留は、日米同盟にとって必須ではない。海兵隊陸上戦力や、オスプレイ他のヘリ部隊は中国との対峙で全く役に立っていない。§ 日米と中国との対峙は、軍艦と航空機で行われており、地上戦力は屁の役にも立たない。戦時にも、米海兵隊が殴り込める先も、南沙程度しかない。
そして、日米同盟に刺さっている刺も、主として海兵隊である。普天間問題、辺野古問題、米軍犯罪へのイメージは、すべて海兵隊に収斂している。逆に、普天間や辺野古基地そのものも、有事のみ使うような自衛隊管理施設になれば、それほどの反発もない。
逆に言えば、海兵隊を日本から除けば日米同盟はヨリ安定化する。とりあえずは、沖縄の県民感情は好転するし、嘉手納や勝連への飛び火も防げる。那覇基地の滑走路増設もうまく回る。
この観点からすれば、海兵隊撤退は日米沖にとって最善手である。問題は、政権党の保守派や政府の一部が、米国の国益と、米安全保障サイドの要求と、海兵隊益§§ の切り分けができていないことにある。だが、新知事が沖縄県民の後押しを受けて、NOと言い続ければ政権党や政府もそれを直視し、理解することになるだろう。
※ 「荻上チキSession-22」TBSラジオ(TBS,2014.11.17)
※※ 今の辺野古での抗議や、上関原発の件はそういう人もいるだろうが、政治家でそういう人は、見る限りではいない。
ただ、この雰囲気では、工事警備をこじらせると辺野古で、例えば「ここで死ぬなら本望」の老い先短いジジィババァがでてくる可能性が高い。さらにその上、ナショナリズム勃興期にある沖縄という、想像の共同体のためになにをするかがわかったものではない。実際に、祝島は、党派性を超え、死にぞこないのジジィババァが先頭に出て座り込みのをやっているので、当然手は出せていない。この点で、沖縄局は危機感が足りない。もし何かあると、今後30年は悪者扱いで後ろ指をさされ、他米軍の工事や、自衛隊工事や基地対策にも祟る。
§ 岩国の海兵航空団は役立つかもしれないが、イタリアの事故の件を見ても、固定翼でも海兵隊はロクなことはしそうにない。
§§ 嘉手納統合案が一番ポシャった理由は、米空軍が海兵隊を嫌がったせいという話もある。そもそも、普天間-辺野古は在日米軍そのものの利益ではない。
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