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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
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2014.12
31
CM:6
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08:42
Category : 未分類
 西住みほとまほの戦いがスゴイもんです。

 コミケ後に宴会があって、特に厚意で映画版のガルパン、プロットとコンテを読ませてもらいましたけど、退屈に過ぎるTV版とはぜんぜん違う。内緒と言われたけど書いてしまうほどです

 まず、165分を使って1試合しかしない。展開も濃く、完全燃焼させています。ポスター案にあるように、一試合完全燃焼を実現するプロットは素晴らしい。

 実際に、試合開始までは3分もありません。みほとまほの過去の因縁、みほの怪我の真相、西住流総帥となったまほ、そしていきなり試合に入ります。

 試合は、いきなり殲滅戦となります。総帥となって日の浅いまほは実績を焦り、勝利至上主義だけではなく、ルールの穴を突き、あるいはペナルティに見合う違反を繰り返します。

 なによりも、ヒールとしてのまほが際立っております。総帥の地位を簒奪した弱みから、競合者となりえる妹、みほを抹殺する妄念に取り憑かれ、みほの乗降中を狙い砲身洗杆を空砲で打ち込み、あるいは審判抗議で車外に出た時を好機と轢き殺そうとする。そこに昔日の優しい姉の面影はありません。

 あのTV版を退屈にした最大の問題、打倒すべき敵の不在は、これで解決しています。まほはすべての憎しみを、観客からも憎まれる対象として描かれているのです。その象徴は額から頬にかけての向こう傷であり、キャラデザではTV版とは全くの別人格であることも示しているのです。

 前半、休憩前の見せ場は、まほのデスマッチ宣言と、重傷を負った運転手、麻子の退場でしょうか。観客のブーイングの中、退場する敵失格戦車があんこうチームに衝突攻撃を仕掛けます。そして、車体最前部にいた麻子は背骨を開放骨折する重傷を追う。このままでは試合ができないと青ざめるみほを横目に、沙織は観客席に向かって一言「お客様の中で戦車を操縦できる方はいらっしゃいませんか」と。

 フィルム交換後に、応と出てくる白装束の女学生…はネタバレに過ぎるでしょう。ですが、後半戦の潰し合いはスリルとスピード感にあふれています。既に試合ではない。戦車と戦車の戦いではない。人間と人間の殺し合いなのです。

 そこで、ついに直接対決する姉妹、みほとまほの肉弾の戦いのあと、互いの出生の秘密を知る。母に冷たく辛くあたられていたまほ、乳母日傘であまやかされたみほ。

 すべてはその憎しみある。母による先代の殺害と、西住流乗っ取りの経緯を、まほは知った後、自分は使い捨てられる養子としての、すべてを与えられる実子への憎しみが生まれた。養母を殺し総帥の地位を入手し、みほ抹殺に邁進してきたまほだが、審判長の蝶野から実は自分こそが…を知らされる衝撃。

 それからはPVのとおりです。正道戦車道に立ち直り戦うことを約したまほは、乗車前に…を切り、遺言状を晒しに撒いて試合を再開します。そして正々堂々あんこうチームを撃破することに成功したその時にまほは…

 そして、最後には衝撃の続編製作の話がでます。狭い日本での戦車道では限界があるとリビア人監督に告げられた次の戦場の名前と、その灼熱の砂漠を全員で叫ぶ○○○○のラストショットでしょう

 すばらしいものです。

 まあ、萌え要素は大洗チームの入浴シーンと、全員の体に戦車のアザがあることを発見し、見せ合うところでしょうかねえ。


 いやあ、コンテをよめるコネを提供してくれた某高名日本海軍研究家には感謝しかありません
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