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売れるものは引き伸ばすのがMBA商売です。「プリズマイリヤ」は出来も宜しいですが、去年に第一部、今年に第二部とやって、次は来年に第三部をやるとかいいます。一気にやってしまうと、マンガ版の売れ行きも止まるのでそうするのでしょう。
まあ、アニメ内での経営もアレなものです。「甘城ブリリアントパーク」です。物語上での焦点としては経営があり、それについての童導物めいた部分もあるのに、両者とも真面目にやっていない。
甘ブリは、大きく言えば再生の物語です。ヒーローが登場し、組織を再建する。さらに大きく言えば、あるいは社会を救う話になります。ヒーローものですから、その活躍で遊園地を救わなければならないでしょう。
しかし、彼は何もしないし、その手下もヒーローの登場で変化しない。やったのは「トイレを素手で洗え」程度の環境美化と、ダンピングとサッカー誘致だけ。後二者は入場者数という統計数字だけを弄る手法であり、それで組織は再建しない。
構造的問題である「魅力のない遊園地を魅力化する」は達成されません。疲弊した組織、閉塞する社会を活発化して壁に穴を開けることもしていない。
それでいて12話での「マナが集まったので、ラティファの呪いは解けました」は、ご都合に過ぎます。あの改革では、遊園地の観客の感動は増えもしないし、集まるものでもないでしょう。
そもそも、物語の細部にあるリアリティも欠けまず。最初に違和感を感じたのは、ポンプと水漏れの話です。どこの遊園地で、ポンプ能力に依存する排水計画を立てるものかと。周囲の雨水が全部集まる地形なら、そこは避けて建物作るし、敷地ごとに嵩上げをする。雨水にしても、側溝なり暗渠なりで調整池でも集めるだけの話です。建物の下に集めてポンプ排水なんかするものでもない。さらに、雨水が集まり、地下水位も高い環境で、わざわざ建物地下階に重要設備は置くものではありません。
この点、中高生向けの訓童物としても不まじめです。雨水排水の問題にしても、物を知らない中高生であればリアリティを感じるかもしれない。だが、それは現実世界でのリアルではない。物語の解決策の中にも、知的成長を求める世代に対して、現実として正しくないものを示すのは真摯ではありません。12話で出てくる「着券率」といった言葉も、それっぽい用語で騙すだけの話です。「見込みよりも少ない」で済むものを、価値あるものに見せかけようとするフェイクでしかない。
ただ、京アニとしては相当に頑張っている。もともと京アニの、実写ルサンチマンや、内容不在はお歯もあわず、嫌い抜くものですが、今回はよくやっている。なんせ原作はもっと酷い。
原作は、完全に一見さまお断りです。あれは軍隊や軍隊機構っぽい単語で書く原作著者と、それを読みたい選ばれた読者の間でしか成立しません。永田町まんが図書館で1-2巻を読みましたが、やっつけが酷く読むに耐えるものでもない。
だいたい、居酒屋の名前をがなぜ「さべーじ」であるか。「狩猟用弾薬の300-Savageです、ボクは詳しいのです」といいたいだけの自己満足です。
他にも「●チガイ」表記も何者でしょうか。放送でも新聞でもないので制約はない。「気違い」でも「キチガイ」とでも書けば良い。世間知らずの読者にタブーを冒す危険を誤認させるているに過ぎません。
主人公がコネでニュースで遊園地を取り上げる展開も甘い。知り合いであることと、ニュースにできることの距離を考えれば、想定読者の中高生でも、ご都合が過ぎると考えます。逆に言えば、自分の読者層をナメているのでしょう。
そもそも、魔法世界からの出稼ぎが、ぬいぐるみの形状であるのも、意味もないものです。前のフルメタル・パニック(これも一見さまお断りアニメでした)の成功体験での流用でしょう。
しかし、ぬいぐるみにする理由はなく、物語としてのリアリティー・レベルをおかしくする効果しかない。魔法の国の住人でも、直面する問題には魔法は無力であり、現実的な解決策が必要とする努力して向き合うという方向での話に、非現実的なぬいぐるみの人間では平仄は合いません。
その辺り、京アニはむしろ頑張っています。サッカーでは公認試合は無理なので親善試合にするとか、入場者数も2週間では無理なので、3ヶ月に伸した点は、努力の結果です。原作では殆どなかった、ヒーローの成長や、その周辺との信頼感の醸成進捗を取り入れた点は、評価すべきでしょう。
まあ、土地売却の話での「今まで固定資産税はどうしていたんだ」という疑問は消えませんが。
2014年冬コミ、本誌のあとがきより。
まあ、なかじまゆかのキャラデザで見ようと思ってみていたTVマンガですけどね、正月あけて、もう見返そうとしない辺りが、中身がそんなれべるなのでしょう。
まあ、アニメ内での経営もアレなものです。「甘城ブリリアントパーク」です。物語上での焦点としては経営があり、それについての童導物めいた部分もあるのに、両者とも真面目にやっていない。
甘ブリは、大きく言えば再生の物語です。ヒーローが登場し、組織を再建する。さらに大きく言えば、あるいは社会を救う話になります。ヒーローものですから、その活躍で遊園地を救わなければならないでしょう。
しかし、彼は何もしないし、その手下もヒーローの登場で変化しない。やったのは「トイレを素手で洗え」程度の環境美化と、ダンピングとサッカー誘致だけ。後二者は入場者数という統計数字だけを弄る手法であり、それで組織は再建しない。
構造的問題である「魅力のない遊園地を魅力化する」は達成されません。疲弊した組織、閉塞する社会を活発化して壁に穴を開けることもしていない。
それでいて12話での「マナが集まったので、ラティファの呪いは解けました」は、ご都合に過ぎます。あの改革では、遊園地の観客の感動は増えもしないし、集まるものでもないでしょう。
そもそも、物語の細部にあるリアリティも欠けまず。最初に違和感を感じたのは、ポンプと水漏れの話です。どこの遊園地で、ポンプ能力に依存する排水計画を立てるものかと。周囲の雨水が全部集まる地形なら、そこは避けて建物作るし、敷地ごとに嵩上げをする。雨水にしても、側溝なり暗渠なりで調整池でも集めるだけの話です。建物の下に集めてポンプ排水なんかするものでもない。さらに、雨水が集まり、地下水位も高い環境で、わざわざ建物地下階に重要設備は置くものではありません。
この点、中高生向けの訓童物としても不まじめです。雨水排水の問題にしても、物を知らない中高生であればリアリティを感じるかもしれない。だが、それは現実世界でのリアルではない。物語の解決策の中にも、知的成長を求める世代に対して、現実として正しくないものを示すのは真摯ではありません。12話で出てくる「着券率」といった言葉も、それっぽい用語で騙すだけの話です。「見込みよりも少ない」で済むものを、価値あるものに見せかけようとするフェイクでしかない。
ただ、京アニとしては相当に頑張っている。もともと京アニの、実写ルサンチマンや、内容不在はお歯もあわず、嫌い抜くものですが、今回はよくやっている。なんせ原作はもっと酷い。
原作は、完全に一見さまお断りです。あれは軍隊や軍隊機構っぽい単語で書く原作著者と、それを読みたい選ばれた読者の間でしか成立しません。永田町まんが図書館で1-2巻を読みましたが、やっつけが酷く読むに耐えるものでもない。
だいたい、居酒屋の名前をがなぜ「さべーじ」であるか。「狩猟用弾薬の300-Savageです、ボクは詳しいのです」といいたいだけの自己満足です。
他にも「●チガイ」表記も何者でしょうか。放送でも新聞でもないので制約はない。「気違い」でも「キチガイ」とでも書けば良い。世間知らずの読者にタブーを冒す危険を誤認させるているに過ぎません。
主人公がコネでニュースで遊園地を取り上げる展開も甘い。知り合いであることと、ニュースにできることの距離を考えれば、想定読者の中高生でも、ご都合が過ぎると考えます。逆に言えば、自分の読者層をナメているのでしょう。
そもそも、魔法世界からの出稼ぎが、ぬいぐるみの形状であるのも、意味もないものです。前のフルメタル・パニック(これも一見さまお断りアニメでした)の成功体験での流用でしょう。
しかし、ぬいぐるみにする理由はなく、物語としてのリアリティー・レベルをおかしくする効果しかない。魔法の国の住人でも、直面する問題には魔法は無力であり、現実的な解決策が必要とする努力して向き合うという方向での話に、非現実的なぬいぐるみの人間では平仄は合いません。
その辺り、京アニはむしろ頑張っています。サッカーでは公認試合は無理なので親善試合にするとか、入場者数も2週間では無理なので、3ヶ月に伸した点は、努力の結果です。原作では殆どなかった、ヒーローの成長や、その周辺との信頼感の醸成進捗を取り入れた点は、評価すべきでしょう。
まあ、土地売却の話での「今まで固定資産税はどうしていたんだ」という疑問は消えませんが。
2014年冬コミ、本誌のあとがきより。
まあ、なかじまゆかのキャラデザで見ようと思ってみていたTVマンガですけどね、正月あけて、もう見返そうとしない辺りが、中身がそんなれべるなのでしょう。
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