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ロシアによる航空活動が活発化しスクランブルが増えている話だが。活発化したところでロシアは日本には何もできない。今年以降はクリミアでの泥沼と原油価格低落でさらに動けなくなる。注目するほどのものではない。
「尖閣注力で北方が手薄? ロシア機へのスクランブル発進が急増 日本のジレンマを海外指摘」」http://newsphere.jp/world-report/20150125-1/は、
と述べている。
だが、ロシアは「北海道が手薄になっている」から航空機を飛ばしているのだろうか?
ロシアには、日本に対して事を起こす能力はない。極東ロシアは輸送や補給での経済的限界であり、ロシアは小国としてしか振る舞えない。冷戦時代からも、地域大国である日本と軍事行動を起こすことはできない。実際に、極東部は冷戦期には日本に、今では中国に経済的に依存している。今の支配区域を守るのが手一杯である。
そこでの飛行数増加も、それほど重視するような中身ではない。
そもそも、スクランブルをしたからといっても、それは対日作戦飛行ではない。
ロシア機は、普通に飛んでいるだけでスクランブルの対象となる構造がある。ロシア機が沿海地方-樺太-北方領土間で飛行するだけで、日本の本街道の防空識別圏に引っかかる。空自は仕事だからスクランブルをしているだけであって、対象機は訓練や輸送、連絡が過半である。冷戦期のような対日・対在日米軍監視飛行はほとんどやっていない。
それならば、海自監視飛行のほうで文句を言われる筋合いがあるだろう。日本の基準をロシアに当てはめればスクランブルの対象である。ロシアに関係する方向への監視飛行は、年に五〇〇は超えるだろう。だが、あくまでの領域のエンドを確認する飛行であり、ロシアに対する作戦飛行といえるものではない。
また、演習の影響もある。14年8月には北方領土での演習が行われている。そのための飛行数増加の影響を考慮すれば「前年より50%の増加」も当然な話である。日本領土である北方領土での演習には、政府は抗議している。空自も嫌がらせを兼ねて多めにスクランブルを掛けたということもあるだろう。
なんにせよ「北海道が手薄になっ」た結果、起きた現象ではない。記事では「ロイターと外交ニュースサイト『ディプロマット』は、尖閣諸島問題で北部が手薄になったところに接近するロシア機の問題に注目している。」とも述べているが「尖閣諸島問題で北部が手薄になったところに接近するロシア機」の部分は、思い込みに過ぎない。
ロシアには、日本に対して戦争につながる危険を起こすことはできない。欧州での陸上戦力ではスーパーパワーかもしれないが、極東では小国であり、海空戦力、なかでも対日対峙に重要な海軍力では無視できる存在に過ぎない。
特に、ロシア海軍の存在感の無さは『世界の艦船』を見るだけでも明らかである。07年以降に、ロシア海軍の特集をしていない。取り上げる価値が全くないためだ。
実際に、ロシア海軍情報へのニーズは存在しない。ロシア海軍力は凡庸である。冷戦時代とは違い、極東でもインド洋でも地中海でも、周りの国の海軍力が強くなり、いずれでもスーパーパワーではなくなったこともあるだろう。そこで「新型フリゲートが建造された」とか「◯◯は改修した」みたいな、大勢に全く影響しない話題しかないロシア海軍は読者の興味も惹かない。
ロシアと日本は海で隔たっており、海軍力を持たない極東ロシアは日本には何も出来ない。ロシアが何をしようが日本にとっての深刻な脅威となるものでもないということだ。
※ 「尖閣注力で北方が手薄? ロシア機へのスクランブル発進が急増 日本のジレンマを海外指摘」『ニュースフィア』(ザッパラス,2015.1.25)http://newsphere.jp/world-report/20150125-1/
「尖閣注力で北方が手薄? ロシア機へのスクランブル発進が急増 日本のジレンマを海外指摘」」http://newsphere.jp/world-report/20150125-1/は、
ロシア機へのスクランブル発進は、過去9ヶ月で369回となっており、前年より50%の増加となっている。これは、ロシアと日本との間に北方領土問題が横たわっているが、日本が尖閣諸島を喫緊のものと見ているため、北海道が手薄になっているためとロイターが指摘している。
と述べている。
だが、ロシアは「北海道が手薄になっている」から航空機を飛ばしているのだろうか?
ロシアには、日本に対して事を起こす能力はない。極東ロシアは輸送や補給での経済的限界であり、ロシアは小国としてしか振る舞えない。冷戦時代からも、地域大国である日本と軍事行動を起こすことはできない。実際に、極東部は冷戦期には日本に、今では中国に経済的に依存している。今の支配区域を守るのが手一杯である。
そこでの飛行数増加も、それほど重視するような中身ではない。
そもそも、スクランブルをしたからといっても、それは対日作戦飛行ではない。
ロシア機は、普通に飛んでいるだけでスクランブルの対象となる構造がある。ロシア機が沿海地方-樺太-北方領土間で飛行するだけで、日本の本街道の防空識別圏に引っかかる。空自は仕事だからスクランブルをしているだけであって、対象機は訓練や輸送、連絡が過半である。冷戦期のような対日・対在日米軍監視飛行はほとんどやっていない。
それならば、海自監視飛行のほうで文句を言われる筋合いがあるだろう。日本の基準をロシアに当てはめればスクランブルの対象である。ロシアに関係する方向への監視飛行は、年に五〇〇は超えるだろう。だが、あくまでの領域のエンドを確認する飛行であり、ロシアに対する作戦飛行といえるものではない。
また、演習の影響もある。14年8月には北方領土での演習が行われている。そのための飛行数増加の影響を考慮すれば「前年より50%の増加」も当然な話である。日本領土である北方領土での演習には、政府は抗議している。空自も嫌がらせを兼ねて多めにスクランブルを掛けたということもあるだろう。
なんにせよ「北海道が手薄になっ」た結果、起きた現象ではない。記事では「ロイターと外交ニュースサイト『ディプロマット』は、尖閣諸島問題で北部が手薄になったところに接近するロシア機の問題に注目している。」とも述べているが「尖閣諸島問題で北部が手薄になったところに接近するロシア機」の部分は、思い込みに過ぎない。
ロシアには、日本に対して戦争につながる危険を起こすことはできない。欧州での陸上戦力ではスーパーパワーかもしれないが、極東では小国であり、海空戦力、なかでも対日対峙に重要な海軍力では無視できる存在に過ぎない。
特に、ロシア海軍の存在感の無さは『世界の艦船』を見るだけでも明らかである。07年以降に、ロシア海軍の特集をしていない。取り上げる価値が全くないためだ。
実際に、ロシア海軍情報へのニーズは存在しない。ロシア海軍力は凡庸である。冷戦時代とは違い、極東でもインド洋でも地中海でも、周りの国の海軍力が強くなり、いずれでもスーパーパワーではなくなったこともあるだろう。そこで「新型フリゲートが建造された」とか「◯◯は改修した」みたいな、大勢に全く影響しない話題しかないロシア海軍は読者の興味も惹かない。
ロシアと日本は海で隔たっており、海軍力を持たない極東ロシアは日本には何も出来ない。ロシアが何をしようが日本にとっての深刻な脅威となるものでもないということだ。
※ 「尖閣注力で北方が手薄? ロシア機へのスクランブル発進が急増 日本のジレンマを海外指摘」『ニュースフィア』(ザッパラス,2015.1.25)http://newsphere.jp/world-report/20150125-1/
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