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『KANO』上映も一段落したのでそろそろネタバレしてもよいでしょう。アレは泣きます。
なにより驚いたのは『セデック・バレ』後編だったということです。
蛮族の、しかも叛徒の孤児が嘉義農林学校に入り、野球部で初めて人間扱いされる。近藤先生にキャッチャーとして日式に猛練習でシゴかれながらも、日華蛮は一視同仁で扱われる。そして日常生活では実の子のように扱われ、家族のあたたかみを知る。そして甲子園での中学野球での栄光。ここで一泣きですな。
しかし、戦争の影はすぐそこまで来ている。
日華事変勃発後、バッテリーを組んでいた投手は、華人でありながらも皇国臣民として通訳として従軍志願する。しかし、大陸での日軍の振る舞いを見たピッチャーは八路軍に走る。
そして太平洋戦争。近藤先生の貢献で東京の大学に入った主人公は、大学野球でもキャッチャーとして活躍する。そして昭和18年が来る。野球練習中に、学校教練中の学生に「この非常時に野球なんかするな、アウトだセーフだと言いながらおまえはそれでも日本民族か」と詰られ「オレは高砂族だ、だが、オレも日本人だ。明日海軍に志願する」とタンカを切る主人公。それを聞いた監督の「大和魂、大和魂というが、そのくせアメリカ製の機械で作った飛行機や自動車で戦争をしている」矛盾を突く発言がなんとも深いものです。
そして、海軍への入隊。二等水兵で入ったキャッチャーへの海軍のシゴキの日々。海兵団を終わり、普通科を終わり、上水となって配属された鹿屋の基地で、予備学生のパイロットとなった、嘉義農林でのファーストと会う。
時期はすでに沖縄戦が始まっている。飛行時間の短い予備学生は特攻要員でしかない。その宿舎掛となったキャッチャーと、いずれ自爆攻撃が命じられるファースト達の邂逅。互いに再開を喜びながら、水兵と士官の距離感。そして白木の位牌が増えていく。
ついにファーストに出撃準備が命じられる。その出撃の前日の晩、ファーストの新婚の奥さんが何も知らずに「基地に面会に来たが、鹿児島の駅で足留」という電報が基地に届く。飛行隊長の特別指示で、サイドカーで奥さんを迎えに行くキャッチャー、夜もあけはじめ、空が白んでいく中、出撃まで間に合うかどうか、これだけでスリルです。
しかし、なによりも搭乗寸前に、どうにか基地鉄条網越しに会えたファーストと奥さんのシーンです。なによりも、あまりにも悲しい。それじゃと言いながら列線に入り、飛んで行く零戦。気丈に振る舞いながらも涙をながす奥さんと、満身の力で鉄条網握りしめて見送るキャッチャー、その掌から流れていく血。また一泣きです。
そして戦後。228事件をくぐり抜けたキャッチャーですが、山地同胞には職がない。国府軍に入っても傍流も良い所で、金門島の監視哨に飛ばされてしまう。
しかし、監視中に対岸で投球フォームをみせる解放軍の指揮官を見る。背格好も昔見た男に似ている。それから、夜間に宿舎の電灯を使って連絡を試みるキャッチャー。そして、ついに返事の発光が来る…
だが、ここでもキャッチャーは戦争から逃れられない。第二次台湾危機で、突如始まる大砲撃戦。対岸に居るのは同じ中国人だと、それぞれの陣営で必死の調整をするキャッチャーとピッチャー。バッテリーは通敵を疑われるものの、その努力は無駄ではなかった。ついに砲撃戦は、いつの間にか決まった時間だけとなり、しかも破裂しないように信管は付けない形に変わる。
そして、戒厳令解除、両岸関係の進展と時代が代わる。ついにピッチャーが「死ぬ前に一度でも台湾に」と戻ってきて、キャッチャーと泣きながら抱き合う。ファーストは、ショートは、近藤先生は、中学野球はどうなった…と、ここ日中台のここ100年の歴史がフラッシュバックする。あとは感動のラスト…もう一泣きでした。
という映画を幻視しました。KANOもセデック・バレも、どちらも非常に面白い映画なので、オススメです。
なにより驚いたのは『セデック・バレ』後編だったということです。
蛮族の、しかも叛徒の孤児が嘉義農林学校に入り、野球部で初めて人間扱いされる。近藤先生にキャッチャーとして日式に猛練習でシゴかれながらも、日華蛮は一視同仁で扱われる。そして日常生活では実の子のように扱われ、家族のあたたかみを知る。そして甲子園での中学野球での栄光。ここで一泣きですな。
しかし、戦争の影はすぐそこまで来ている。
日華事変勃発後、バッテリーを組んでいた投手は、華人でありながらも皇国臣民として通訳として従軍志願する。しかし、大陸での日軍の振る舞いを見たピッチャーは八路軍に走る。
そして太平洋戦争。近藤先生の貢献で東京の大学に入った主人公は、大学野球でもキャッチャーとして活躍する。そして昭和18年が来る。野球練習中に、学校教練中の学生に「この非常時に野球なんかするな、アウトだセーフだと言いながらおまえはそれでも日本民族か」と詰られ「オレは高砂族だ、だが、オレも日本人だ。明日海軍に志願する」とタンカを切る主人公。それを聞いた監督の「大和魂、大和魂というが、そのくせアメリカ製の機械で作った飛行機や自動車で戦争をしている」矛盾を突く発言がなんとも深いものです。
そして、海軍への入隊。二等水兵で入ったキャッチャーへの海軍のシゴキの日々。海兵団を終わり、普通科を終わり、上水となって配属された鹿屋の基地で、予備学生のパイロットとなった、嘉義農林でのファーストと会う。
時期はすでに沖縄戦が始まっている。飛行時間の短い予備学生は特攻要員でしかない。その宿舎掛となったキャッチャーと、いずれ自爆攻撃が命じられるファースト達の邂逅。互いに再開を喜びながら、水兵と士官の距離感。そして白木の位牌が増えていく。
ついにファーストに出撃準備が命じられる。その出撃の前日の晩、ファーストの新婚の奥さんが何も知らずに「基地に面会に来たが、鹿児島の駅で足留」という電報が基地に届く。飛行隊長の特別指示で、サイドカーで奥さんを迎えに行くキャッチャー、夜もあけはじめ、空が白んでいく中、出撃まで間に合うかどうか、これだけでスリルです。
しかし、なによりも搭乗寸前に、どうにか基地鉄条網越しに会えたファーストと奥さんのシーンです。なによりも、あまりにも悲しい。それじゃと言いながら列線に入り、飛んで行く零戦。気丈に振る舞いながらも涙をながす奥さんと、満身の力で鉄条網握りしめて見送るキャッチャー、その掌から流れていく血。また一泣きです。
そして戦後。228事件をくぐり抜けたキャッチャーですが、山地同胞には職がない。国府軍に入っても傍流も良い所で、金門島の監視哨に飛ばされてしまう。
しかし、監視中に対岸で投球フォームをみせる解放軍の指揮官を見る。背格好も昔見た男に似ている。それから、夜間に宿舎の電灯を使って連絡を試みるキャッチャー。そして、ついに返事の発光が来る…
だが、ここでもキャッチャーは戦争から逃れられない。第二次台湾危機で、突如始まる大砲撃戦。対岸に居るのは同じ中国人だと、それぞれの陣営で必死の調整をするキャッチャーとピッチャー。バッテリーは通敵を疑われるものの、その努力は無駄ではなかった。ついに砲撃戦は、いつの間にか決まった時間だけとなり、しかも破裂しないように信管は付けない形に変わる。
そして、戒厳令解除、両岸関係の進展と時代が代わる。ついにピッチャーが「死ぬ前に一度でも台湾に」と戻ってきて、キャッチャーと泣きながら抱き合う。ファーストは、ショートは、近藤先生は、中学野球はどうなった…と、ここ日中台のここ100年の歴史がフラッシュバックする。あとは感動のラスト…もう一泣きでした。
という映画を幻視しました。KANOもセデック・バレも、どちらも非常に面白い映画なので、オススメです。
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