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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2015.03
31
CM:21
TB:0
12:17
Category : 未分類
 「無名だった武蔵について、発見がもてはやされたのは軍艦ゲームのおかげ」(JSF)という意見がある。だが、大和と武蔵は昔から対で知られている。自分が軍艦ゲームにドハマりしていて、生活の全てだからといって、一方的にもてはやすのはどんなものかね。

 JSFさんは、一方的な愛を語る。その時に、大好きなものを贔屓にして褒めるのはともかく、贔屓の引き倒しまで至る。10式戦車を擁護するあまり、極東ソ連軍が北海道に攻めてくるとか、10式戦車がなければ中国に東京周辺まで侵攻されるといった発言には飽きられるものだ。

 軍艦ゲームでも、ドハマりした挙句、武蔵を従来は無名と断じゲームで人口に膾炙したといっている。武蔵が無名の軍艦なら、海軍の軍艦の過半は無名であることだ。

 そのゲームを褒めようとするために、記事もおかしくなる。「フィリピン沖で発見 戦艦『武蔵』はだれのもの?」の主張も、無意味なものとなっている。ゲームを褒めることしか考えていないのでそうなるわけだ。

 そもそも、軍艦武蔵の所有権が問題となることがあるのだろうか?

 現物の経済的価値は鉄屑であり、しかも-1000mに沈んでいる。価値と困難性からすると、「月にダイヤがあるよ」と変わらない。

 そこで所有権で揉めることはあるだろうか? 寡聞にして大水深沈船の所有でもめた話は聞かない。月や火星の土地の所有権で争わないようなものだ。

 つまり、現物へのアクセスの難しさや、利益がない点から所有権で揉めることはない。

 それでありながら、その所有権を問題視しても無意味である。
武蔵の備品を引き揚げた際の取り扱いは発見者のアレン氏とフィリピン政府、日本政府が協議することになるでしょう。揉めた場合は裁判になりますが、日本とフィリピンの関係は良好で資産家のアレン氏は強く所有権を主張しないと表明済みなので、三者が納得のいく結論が出ると期待します。
http://thepage.jp/detail/20150330-00000007-wordleaf?pattern=1&utm_expid=90592221-29.uzRA2AXrScmfXlXFfeP6qg.1&utm_referrer=http%3A%2F%2Fthepage.jp%2F


 JSFさんは、武蔵について述べたくても、その程度なのだろう。もともと電気防食ログ速力もご存じないように、海事には疎い。武蔵について書こうとしても「武蔵の知名度向上は軍艦ゲームのおかげ」(JSF)ぐらいしかない。だが、それはできないので、現実的に問題化しない所有権を話題にし、結論も明記しない白紙の主張をしているわけだ。その意味では不誠実な記事だということだ。

 まあ、他の人にはこんな失礼なことは書かないが、JSFさんとは相互主義だからね。
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2015.03
31
CM:6
TB:0
11:47
Category : 未分類
 戦争中、日本製魚雷は米製魚雷に負けていた。

 海軍の酸素魚雷は、米国製に超越していない。高度技術を適用し、一部性能で米魚雷を上回ったものの、実戦果には繋がっていない。逆に、取扱や生産技術面でみれば米魚雷に見劣りするものであった。


■ 酸素魚雷は米製魚雷に優れない

 酸素魚雷は、米製魚雷に対して優位ではない。

 高性能として知られる高速力や大馳走距離も、現実的な戦果を産んでいない。直進魚雷なので、結局は近距離で発射しないとどうしようもないためだ。

 威力も、米国製魚雷と大差はない。酸素魚雷はその炸薬量から大威力であるとされた。だが、それは炸薬重量だけを切り取った話に過ぎない。その質を加味すれば、米製魚雷の威力が優れるとも言える。

 米製魚雷には、水雷用炸薬と艦艇起爆の有利がある。日本海軍のTNA(TNTと同等)に対して、米国が使ったトルペックスの水中威力は約3倍とされた。さらに、米国は戦前から磁気信管を使用していた。信頼性や深度調整の問題から威力を発揮したのは戦争後半からだが、航空魚雷を含めて艦底起爆を実現している。


■ 実用性と生産技術は米国製が上

 実用性と生産技術を加味すると、明らかに米国製魚雷は日本製魚雷に優れている。

 米製魚雷は動力源が熱走蒸気あるいは電池のため、取り回しは酸素魚雷に比べて圧倒的優位であった。このため、艦艇や潜水艦、前線基地では、特に高度な整備をする必要はない。

 対して、酸素魚雷は取り扱いや生産は面倒臭いものであった。高度技術に目が眩み、最大性能を発揮しようとしたためである。軍艦でも性能維持のためには、第二空気分留装置ほかが必要であった。

 なによりも、製造技術の差は大きい。

 これは日米の魚雷生産体制や、実生産数の対照的数字が表している。

 日本の魚雷生産能力は年間最大5000本程度である。戦時生産数は、必死になって作って1.2万本であった。41年12月から、産業がまだどうにか動いた44年12月までの3年間で均せば、年間4000本程度となる。つまりは余力のない全力生産だった。

 対して、米国は年間最大2.5万本であった。戦時生産数は5.8万本である。39年11月からの分や、45年8月以降の契約残分を含むが、それはおく。何よりも注目すべきは生産能力であり、相当に余力があったことになる。

 両者の差異は、気室設計・製造の差異である。

 日本は魚雷の気室を鍛造と切削で作った。燃焼用の第二空気を貯める空気タンクを大重量鋼塊から鍛造・押出と、相当分の削り出しで作っていた。部品としては相当に高級である。このため、気室はクリティカル・パスとなった。

 対して、米国は41年7月から溶接化したため、生産性が違った。魚雷そのもののコストを一気に下げることができた。

 この点をみても、米製魚雷は日本魚雷よりも優れているのである。


■ ロシアの超音速対艦ミサイルも同じ

 酸素魚雷は技術的にはスゴイかもしれないが、それで終わるものであった。実際に、酸素魚雷でなければ上げられない戦果もない。酸素魚雷で挙げた戦果は、まずは空気魚雷でも達成できた程度のものである。それでいて手間だけが嵩む意味で、問題児とも言える。

 酸素魚雷に見られる高度技術と実用性の乖離は、日本海軍だけの病理ではない。

 ロシアの超音速対艦ミサイルも、同じ傾向がある。ロシアや中国は、米海軍や海自向けに超音速対艦ミサイルを多用しようとしている。だが、おそらくは高価であり、数も余裕はない。

 もちろん、亜音速のミサイルに対して性能上は優位にある。超音速ミサイルのほうが明らかにエライ。

 だが、超音速対艦ミサイルがその性能を完全発揮できるかは怪しい。高価であることに加え、大重量であり、搭載数が限られる。おそらく、超音速ミサイルだけの攻撃では、対艦ミサイル防御が充実している海軍には通用しない。

 そのため、実際の攻撃では亜音速ミサイルと混用して、艦隊飽和攻撃を狙うしかない。そうなると、超音速対艦ミサイルの高級さや高性能は活かせないことになる。

 つまり、高性能を持ちながらも、実効上では大した成果は期待できない。酸素魚雷と同じ結果に終わる。

 ロシアの超音速対艦ミサイルも、サイズ縮小とコストの低減ができなければ、徒花でおわるだろう。ハープーンやエグゾゼ同等のサイズと価格にならない限りは、まずは技術を褒めるだけの話に終わるものである。