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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2015.07
08
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07:23
Category : 未分類
 佐藤正久さんが面白い発言をしている。「自衛の措置としての『武力の行使』」(佐藤)の対象として「日本経済に大きな打撃が出る」(佐藤)状況を示しているのだが、その具体例が「株価が暴落する」(佐藤)というものだ。

 ツイッターで『自由民主』1面に戦争法案でのインタビューが載ったよと伝えている。だが、その『自由民主』の1面で述べていることが粗雑ときている。それが「日本経済に大きな打撃が出る」(佐藤)ことについての具体的説明が「株価が暴落する」だけだというものだ。本人ツイッターに画像添付があるので、そのあたりを読むと面白いだろう。

 例によって、「ホルムズ海峡の機雷掃海」(佐藤)に限定し、しかも「国際法上集団的自衛権とみなされる」(佐藤)ので、緊急の必要もないのに解釈改憲を根拠にした合憲論を振り回すにも不思議なものだ。
仮に[ホルムズ海峡の]対岸の内陸部で一部戦闘が継続しても、ホルムズ海峡に戦果が及ばなければ、完全な停戦前でも他国と共同で機雷を除去することは戦術的に可能ですが、これは国際法上集団的自衛権とみなされます
『自由民主』(2015.7.14)p.1 ツイッターの添付画像より


 要は、イラン内陸で戦闘していれば機雷は除去できないという屁理屈だ。だが、なんで内陸での戦闘なのに、イランはホルムズ海峡を機雷封鎖しなければならないのだろうか?

 あるとすれば、イランが最初にホルムズを封鎖し、それから米軍に上陸され内陸まで押し込まれるといった状況である。

 だが、アメリカがホルムズが完全封鎖される妨害せずに待って、そこからわざわざイラクとは比べ物にならないほどまともな地域大国のイランに内陸侵攻なんかするものか。

 そもそも、イランは革命から相当に落ち着いている。とくにここ最近10年をみると、世界中を敵に回すホルムズ機雷封鎖をするほどロックな国ではない。

 なによりも詐術的なのは「同一海面で機雷除去をすると集団的自衛権になる」といった構造による欺瞞だ。隣で機雷除去をやったからといって、集団的自衛権になるわけではない。公海上で「隣でも機雷除去をしてましたね」「ここらの機雷は全部処分したといっていたのでスキップしました」で済んでしまう話にすぎない。日本国民も海上輸送の重要性は身にしみている。戦車で本土決戦をするような話とは違い、国論は納得する。

 84年の紅海機雷事件で米ソは同じ海域で同時に機雷除去をした。米ソは一緒になってリビアに対して集団的自衛権を行使したとでもいうのかね。

 わかっていてやっているのだろうけどね。自民党内での地位向上と、支持者受けのために戦争法案でなければならない理由を必死になって考えて、説明したものなわけだ。

 役人や兵隊は、日本国にとっての最大利益ではなく、組織内での最大評価を競う。防衛省の省益のために役人が、陸自の陸自益のために兵隊が、無理矢理な机上の空論を作り上げ、現実的利益を伴わない権益確保をしているのと同じことだ。

 志というよりも、議員としての集団内での出世を目指しているのだろう。この人、防衛省と陸自の利益代弁に必死なだけで、世界をどう変えたいのかといったような、やりたいことが見えてこない。



 まー、将来的にいくらでも掌返しするのではないですか。次に憲法改正に着手だみたいな動きが出てきたらひとリバースふたリバースあるんじゃない?。今回の「限定的な集団的自衛権行使は憲法違反に当たらない」(佐藤)から、「集団的自衛権が行使できない憲法は欠陥品なので改正する」みたいなことは言うだろうよ。
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