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自衛隊の問題点に気づきながらも、それに触れないあたり、産経記事は不思議なものだ。
産経新聞、石鍋圭さんが「【防衛最前線(38)】観測ヘリOH1 密かに敵情を暴く“ニンジャ”の必殺技とは」が掲載されている。
内容的にはどうでもいい。いつもの自衛隊ヨイショでしかない。
例えば、これは80年代には登場していた技術を褒めているものにすぎない。
ローターハブの上にスタビライズされた各種センサーを装着するマストマウントは、OH-58Dが85年に装備を始めている。OH-1は以後20年間分の各センサー技術進歩はあるものの、大差はない。それを今更ほめても仕方がない。
速力も同じようなものだ。一番遅いUH-1と比較して自衛隊スゲーとしている。
だが、巡航速度はUH-60やAH-64と大差なく、CH-47よりも遅い。「UH-60と同じスピードが出ます」(産経)は、褒められる点ではない。高速性能を誇るなら新機軸をつけたAH-56位早くなければ自慢できるものではない。
そして高機動性能は、まずは使いみちもない。
かつてはヘリ対ヘリの空戦が考えられていた。その伝ではある程度は意味のある性能かも知れない。だが、ヘリ同士の空戦はあまり考慮される時代ではなくなった上、あっても自衛用のサイドワインダーから携SAMを発射しあう形となっている。80-90年代に考えられていた機関砲同士の交戦ではない。このため攻撃時にはそれほどの機動性は必要ないし、回避時も多少の高機動では逃げきれない。素直にNOEに移りしてフレアでも撒いたほうがマシだ。
なによりも、開発行政の大失敗に全く触れないあたりは、相当に問題がある。
これは装備行政での大失敗であり、それを問題視せず「人気は高い」と言い出すのはどうかしている。民間航空機開発で同じことをしても、同じことを言うのだろうか? OH-6とOH-1はジャンボ機とコンコルド以上に価格差があるにも関わらず、技術・性能差は大したものでもない。それを褒めるのであれば、コンコルド開発もほめられるだろう。
この記事は、埋め草である。その伝ではどうでもいいものだ。その中で主要顧客とみている自衛隊をヨイショしようとする気持ちもあるのだろう。(実際には、兵隊はそれほど産経を読まないし、一佐以上クラスが図書購入費で任意にとれる新聞でも産経はあまり読まれていない。普通は朝日か日経であり、読売と毎日も抜いていない)
だが、褒めるにしても褒めようもある。ダメなものを拾ってきて褒めるよりも、本来、キチンと褒められるものを探してきて、拾ってきて褒めるのが正当なものだ。それをせずにWIKIPEDIAの引き写しのような中身を持ってきて商用記事にし、それをそのまま掲載するあたりは、まずはロクなものではない。
まあ、「防衛最前線」ではそのうちミネビアの9ミリ機関拳銃も褒めると思うよ。「引金を引いたら弾がでます、しかも連続で」とか書くのだろうと思うがね。フランスのミトライユーズに遅れること150年でもそう書くだろう。
産経新聞、石鍋圭さんが「【防衛最前線(38)】観測ヘリOH1 密かに敵情を暴く“ニンジャ”の必殺技とは」が掲載されている。
内容的にはどうでもいい。いつもの自衛隊ヨイショでしかない。
例えば、これは80年代には登場していた技術を褒めているものにすぎない。
ニンジャの鋭い「目」「耳」に当たるのが後部座席の後方上に搭載された「索敵サイト」だ。赤外線センサーや可視カラーTV、レーザー測距装置を一体化し、敵の地上部隊の状況を昼夜問わずに探知できる。
ローターハブの上にスタビライズされた各種センサーを装着するマストマウントは、OH-58Dが85年に装備を始めている。OH-1は以後20年間分の各センサー技術進歩はあるものの、大差はない。それを今更ほめても仕方がない。
速力も同じようなものだ。一番遅いUH-1と比較して自衛隊スゲーとしている。
観測ヘリには、敵に気づかれないよう低空を高速で飛行する速力も求められる。OH1の巡航速度は時速240キロ、最高速度は時速280キロを誇る。多用途ヘリ「UH1J」の巡航速度時速216キロを大きく引き離す。
だが、巡航速度はUH-60やAH-64と大差なく、CH-47よりも遅い。「UH-60と同じスピードが出ます」(産経)は、褒められる点ではない。高速性能を誇るなら新機軸をつけたAH-56位早くなければ自慢できるものではない。
そして高機動性能は、まずは使いみちもない。
スピード以外の運動能力もニンジャの愛称に恥じない。機首を上に向けての垂直上昇や、80度での急降下や宙返り、後ろ向き宙返りなどのアクロバット飛行が可能で、緊急時にはいち早く退避できる。
かつてはヘリ対ヘリの空戦が考えられていた。その伝ではある程度は意味のある性能かも知れない。だが、ヘリ同士の空戦はあまり考慮される時代ではなくなった上、あっても自衛用のサイドワインダーから携SAMを発射しあう形となっている。80-90年代に考えられていた機関砲同士の交戦ではない。このため攻撃時にはそれほどの機動性は必要ないし、回避時も多少の高機動では逃げきれない。素直にNOEに移りしてフレアでも撒いたほうがマシだ。
なによりも、開発行政の大失敗に全く触れないあたりは、相当に問題がある。
当初は約250機を生産する計画だったが、実際には34機で打ち止めとなった。先代のOH6の生産コストが1機あたり4億円以下だったのに対し、OH1は1機約20億円と偵察ヘリとしては高額だったことが障壁となった。ただ、その外観や機動性、希少性からミリタリーファンの間でもOH1の人気は高い。
これは装備行政での大失敗であり、それを問題視せず「人気は高い」と言い出すのはどうかしている。民間航空機開発で同じことをしても、同じことを言うのだろうか? OH-6とOH-1はジャンボ機とコンコルド以上に価格差があるにも関わらず、技術・性能差は大したものでもない。それを褒めるのであれば、コンコルド開発もほめられるだろう。
この記事は、埋め草である。その伝ではどうでもいいものだ。その中で主要顧客とみている自衛隊をヨイショしようとする気持ちもあるのだろう。(実際には、兵隊はそれほど産経を読まないし、一佐以上クラスが図書購入費で任意にとれる新聞でも産経はあまり読まれていない。普通は朝日か日経であり、読売と毎日も抜いていない)
だが、褒めるにしても褒めようもある。ダメなものを拾ってきて褒めるよりも、本来、キチンと褒められるものを探してきて、拾ってきて褒めるのが正当なものだ。それをせずにWIKIPEDIAの引き写しのような中身を持ってきて商用記事にし、それをそのまま掲載するあたりは、まずはロクなものではない。
まあ、「防衛最前線」ではそのうちミネビアの9ミリ機関拳銃も褒めると思うよ。「引金を引いたら弾がでます、しかも連続で」とか書くのだろうと思うがね。フランスのミトライユーズに遅れること150年でもそう書くだろう。
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