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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 軍事ライターの文谷です
 コミケでは隅田金属ででています。評論情報です。

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2015.10
17
CM:11
TB:0
15:18
Category : 未分類
 だいたい「国民会議」といった名前が胡散臭い。右派は「市民運動」といった言葉に忌避感を示すのに、自分たちは「国民」という言葉の価値を下げている。古くは「日本を守る国民会議」やら「自主憲法制定国民会議」があり、最近は「朝日新聞を糺す国民会議」といった更に下品な使い方がある。こいつらと一緒だと思われるくらいなら「国民」といった言葉は使いたくなくなるものだ

 そして「『1億総活躍社会』の具体策を議論する国民会議」を作るという。ネトウヨ統領のアレ宰相の肝煎を反映したもので
(1)名目GDP(国内総生産)600兆円(2)希望出生率1.8(3)介護離職ゼロ—の「新3本の矢」を掲げている。これらの目標の実現に向け、実効性のある政策をどう打ち出すかが国民会議の課題

http://jp.wsj.com/articles/JJ12587350436029663733520230622063113473163
という。そもそもロクな政策でもないものを、国民会議と称して追従者を集めて愚にもつかない解決策を提案させるものだろう。


■ 名目に過ぎない

 まず「名目GDP(国内総生産)600兆円」というあたりで腰が抜けている。実質と言わないのは、要は「インフレでGDPを上げ底しますよ」といっているようなものだ。アベノミクスとやらも、結局は円の価値を切り下げただけなものと同じ伝である。

 指導部の権威のために、統計を操作して経済成長をしていると主張する中国と変わるものではない。円の価値を2/3に切り下げれば、マイナスを差し引いても名目で20%位は上がるだろうが、そのようなものだ。

 実際に、国民会議とやらを開催したところで実質GDPを増やす政策なんてものはない。低開発国や中進国なら先進国のマネでそれができる。だが、先進国はそれがない。まあ、統計マジックでおかみさんの家事労働に旦那が金を払って、それを夫婦一緒の家計に入れるといったものくらいものだろう。


■ 希望出生率とは何者か

 また、「希望出生率1.8」の「希望」の意味も最初から欺瞞でしかない。想定出生率が低いため、計算法を操作しようとするものに過ぎない。

 これは日本創生会議がヒネりだした計算法らしいがどうしようもない。既婚の夫婦に、平均の予定人数を乗じたものでは低すぎる。だから結婚していないやつに「結婚しないと決めたわけではない」の割合と、「子供は多めに欲しい」と言わせた率を掛けあわせている。

 これは、将来の平均年収計算に「無職が年収1000万稼いだら」を足すようなものだ。勤労者に給料を聞いたのでは低すぎて困る。だから就職していない奴に「できたら就職する」、「年収は1000万位欲しい」と言わせ、その結果を合算したものに過ぎない。

 後で成果を誇るために、どうとでもできる成果目標を最初に立てたものである。

 国民会議とやらでも、アンケートでの操作に使える施策を出して終わる。「政府は完全保育と、お母さんの完全復職を応援しています」のようなものだ。それを提示したあとで「条件が許せば、3人目を産みたいですか」とやれば希望出生率とやらは容易に増加するだろう。まずはそんな会議はいらないということだ。


■ 「やりがい」を与えて離職を許さない政策

 最後の「介護離職ゼロ」も、介護業界の食い物で終わる。もともとは介護の課題ではなく。介護業界の問題でしかないためだ。

 今の介護業界は、他に働き口がない人を狙い悪条件でこき使うといった、一種の底辺労働である。介護職は他に希望する仕事があればそちらに移動する。それをゼロにするというのは、嫌な仕事に縛り付けようとするものだ。

 今でも介護には補助金を突っ込んでいるが、全く給与に反映されていない。今後同様に突っ込んでも、経営者は居酒屋チェーン上がりのような連中だ。自分たちの利潤にするだけで給与は増やさない。

 そして国民会議に出てくるのも介護業界の代表連である。だいたい組合も作らせないのに、介護労働者の代表なんか出てくるわけもない。結局は自分たちが利潤で吸い取る補助金と、バイク便ライダーのように「やりがい」だけを与えて離職をさせないノウハウが適用されるだけだ。どうせ「ありがとう」で縛り付け、生きていかせるような。

 必要なのはむしろ省力化だろう。少ない人数で回せるようにしなければ高給や高待遇は与えられない。完全機械化で管理したり、パワードスーツ的な装備で力仕事を減らす必要がある。

 だが、今の介護企業は粗放的な経営しかしないので、国民会議はそれを重視させない。いざとなれば容易に撤退できるようにする。そのような提案を業界は受け入れるものではない。


■ ハゲと憲法学者とテキサス老婆あたりじゃね?

 もともと「1億総活躍社会」とやらが気持ち悪いのに、それに「国民会議」をつければさらに胡散臭くなる。出てくるのは「1億総活躍社会」で得をする業界の連中だけだ。

 今の内閣からすれば、それ以外の有識者もロコツなやつを連れてくるだろう。例えば今ヒマなゼロ戦ハゲとか海賊ハゲとか元NHK経営委員ハゲとか、3人の憲法学者とか、歴史戦大好きな方と、アパルトヘイト大好きな方のどっちかのテキサス老婆あたりが交じるのではないかな。
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2015.10
17
CM:2
TB:0
13:19
Category : 未分類
 北極海航路に価値はあるのだろうか?

 「総合海洋政策本部会合 北極に関する初の基本政策決定」によれば政府は「アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路の官民連携による活用」を基本方針に据えるという。

 たしかに、地図上で見れば北極航路は有望に見える。東京-ロッテルダムが北極海経由であれば1.3万キロであり、今のバシー・マラッカ・スエズ・ジブラルタル経由の2.1万キロよりも近く見えるからだ。

 だが、「アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路」は「活用」できるものなのだろうか?

 まず、安価ではない。温暖化の結果、北極海では開氷面が増えたという。だが、開氷面にも季節変動があり、小規模な結氷、流氷もある。商船はそれに耐える高級なグレードが必要になり安価ではない。場合によれば先導する砕氷船のコストも考えなければならない。

 また、安定使用は難しい。また荒天も多い割に航路支援は絶無である。位置はGPSでわかるので灯台はいらないかもしれないが、現在位置が判ったところで海図未整備ではどこに危険があるのかがわからない。落水者捜索や急病人や船火事等への対応も期待できない。

 そもそも、運ぶものもない。日本-ヨーロッパ間で専用船を仕立てて運ぶものはない。物流の基本、コンテナ船は日本・中国(華中・華南)・シンガポールで荷物を集めつつアムステルダム・ハンブルクに向かう。そして、アジア物流の中心は上海(舟山・寧波港)と広州である。このため、日本とアムステルダム往復便は現実味が全く無い。

 日本-欧州直行便は、例えれば新幹線の仙台駅-大阪駅の直行便のようなものだ。東京(上海)と名古屋(広州)をトバすようなものには現実的ではない。それならサイズに合った飛行機で仙台空港から直行便を組んだほうが結果的には安い。それに当たるのがシベリア鉄道での西向け輸送力の余剰を活かしたシベリア・ランド・ブリッジである。それでコンテナ輸送をしたほうが、空荷七割のコンテナ船を往復させるよりも安価だろう。

 北極海航路を使う機会があるとすれば、ロシアの北極海周辺部開発への器材輸出くらいだろう。そんなのは1回ポッキリで終わる輸送である。

 北極海で採掘できた天然ガスや石油も、ロシアはパイプラインで南に回す。安定輸送が確保できない北極海輸送では採掘も安定継続できないし、北極海輸送に消極的な国にも売れるからだ。対日輸出でも既存パイプラインとの接続を活かしてガバニやワニノ、ナホトカまで運ぶ形になる。

 結局は、北極海航路はマトモな輸送路とは成り得ないということだ。



 まあ、そのあたりを全く理解しない人も多い。JSFさんなんかロシアは日本に上陸戦を仕掛けられるとか言い出して
また近年の温暖化により北極海航路が確立された場合、ロシア海軍主力の北方艦隊が極東に回航して来る可能性があります。過去にロシアは日露戦争でバルチック艦隊を遠路派遣した先例があります。また、つい先月にロシア極東で行われたヴォストーク2010演習では、北方艦隊と黒海艦隊の旗艦(ロケット巡洋艦)が参加しています。これは普通に対馬海峡を通過してきましたが、将来は北極海航路を用いた機動展開訓練が行われるかもしれません。
何故か山桜37演習の想定に拒否反応を示す隅田金属ぼるじひ社

とかマヌケなことを言っている。

 よくみりゃ巡洋艦かCGとでも書けば済むところを「ロケット巡洋艦」とか書くあたりでもマヌケだけどね。ロシア海軍だけ面倒に書いて粋がっているけど、それ以外の言語の海軍は日本語での概念で済ませているあたりに気付かない。このあたりも頭が悪いけどね。