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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2015.11
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Category : 未分類
 朝日新聞「米東部のリニア計画、補助金許可 JR東海に追い風」* なのだが、実現する見込みはないのではないか?

 計画では60kmという。
ボルティモアと首都ワシントン間の約60キロをリニアで約15分で結ぶ計画。2027年に東京~名古屋間でリニアの運行開始を目指すJR東海が、市場拡大のため同州の計画へのリニア技術の導入を目指している。

今でも電車で30分で到着するところを15分に縮める計画を、あのケチで費用対効果にうるさい米人がそんなものに大枚を投じるのだろうか? 

 日本で言えば、東京-成田程度の距離でしかない。日本の成田新幹線でもポシャったのに、リニアが必要かは不思議なものだ。中国みたいに国家の威信で金が湧く国ならともかく、米国が実現させるとは思えない。

 その後の発展も怪しい。フィラデルフィア-ニューヨーク-ボストンへの延長を考えても経費は10兆円を超える。既にインフラがある飛行機と比較される。連中が支払うとは思えない。さらに速度の有意も活かせるか怪しい。停車時間と加減速を考慮すれば、ボルチモアやフィラデルフィアは「名古屋飛ばし」をしなければ速度的に意味はない。

 そう見ると、この話題自体がJR東海の宣伝くさく見える。もともとがアレな名誉会長がアレ宰相を動かして出てきた政治案件である。リニア事業を進めているといった評判で経営がうまく行っている、将来性があると正当化し、内閣も日本の先端技術が輸出されるといった夢を見させようというものだ。米側も作る気もないが「調査費を出すだけ出すか」といったものに見える。

 でもま、東海はリニアで滅びるのではないかね。名古屋までの掘削、大阪までの延長といろいろあるが、旅客運賃でその巨大な建設コストを吸収できるとは思えない。作っているときは夢を見られるが、できたら赤字の垂れ流しとなる。もちろん「生きている間にバレなければいい」という判断なら、名誉会長の選択肢は間違ってはいない。

 記事のワシントン-ボルチモアは、おそらく新幹線も売れない。距離60kmを30分以下に短縮するにしても今の鉄道システムで済む。列車あるいは線型改良、それに加えて乗降車の効率化といった停車時間の短縮でも可能だ。大した新技術はいらない。基本は「あじあ号」でも充分な範囲である。

 朝日の記者さんも、実現性の無さはわかっている。
ただ、課題は1兆円以上かかるとされる建設費の確保だ。日本政府は米国側に、その半分を国際協力銀行を通じて融資する意向を伝えているが、米政府が応じる見通しは立っていない。

と、「あのケチで費用対効果にうるさい米人がそんなものに大枚を投じるもんか」と、まずは言外に述べている。「日本力」やら「歴史戦」といってる新聞社とは頭の中身が違うもんだ。


* 五十嵐大介、野口陽「米東部のリニア計画、補助金許可 JR東海に追い風」『朝日新聞』(朝日新聞,2015.11.8)http://www.asahi.com/articles/ASHC834LWHC8UHBI007.html
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