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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2016.02
06
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14:05
Category : 未分類
 本日(6日)早朝、台湾で大地震があった。マグネチュード6.4、台南地区で震度6とも言われており、ビル多数が倒壊している。

 当然ながら馬英九総統は救援に力を注いでいる。現地に進出し、軍隊を投入して特に倒壊建物からの救難を再優先する旨の指示をしている。

 だが、不思議なのは新中国からの動きが鈍いことである。お昼になって、ようやく大陸委員会経由での救援申し出があった。これは通常の事務レベルでの対応であり、しかも遅い。

 台湾側はともかく、新中国はもっと早く対応する立場ではないのか? 

 なぜなら、次の政権を牽制できるためだ。救援に解放軍を台湾に入れた実績をつくることにより、新中国と馬総統は、次の蔡英文総統の対大陸政策を融和化させることができる。

 まず、新中国への感謝を新総統に強制させられる。まず、今の次期総統の立場でも感謝を口にしなければならなくできる。その上、就任直後にも新中国への感謝を述べる必要が生まれる。厳しいことは言いがたくなる。

 さらに蔡さんの将来の政策も縛れる。蔡さんは両岸関係については改善に後ろ向きな立場にある。このため現状維持を主張している。だが、解放軍の投入実績、台北政権の支配地域内に上陸した実績は、その「現状」のハードルをあげることができるためだ。ちなみに「現状のハードルを上げる」は松田康弘さんが今月の『外交』で述べているものだ。

 これらの効果により、蔡政権の冒険を防止できる。支持基盤は「一つの中国」について距離を取りたがっているが、そのような冒険を蔡さんに選択させない成果が見込める。

 また、台湾地区としても日米の救援を引き入れるためには解放軍を先に入れなければならない。台湾は新中国の影響下に入ることも望まない。そのために米国の関与や日本との連絡を望んでいる。

 今回でも台北政権は支配域に日米の救援、なるべくなら政府や軍隊組織に近いものをを入れたいはずである。だが、それをするにはまず新中国をいれないと角が立つ。逆に新中国の解放軍を入れたあとであれば、日米の政府組織・軍事組織に近い救援、例えば軍用輸送機による救援受け入れもできるだろう。
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