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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2016.02
21
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Category : 未分類
 1960年、厚木に配備されたU-2に対し日米政府は気象観測用と説明している。ソ連で撃墜されたから二ヶ月後の話である。

 これは、藤山外相が米政府からの正式通知として述べたものだ。日米政府としてはまずはそうとしか説明できないのはまだわかる。

 だが、その説明で自分を騙し、諒として済ます連中がいた。要は「アメリカがそういい、日本政府が受け入れているのだがその通り」というものだ。これは奇妙なことだ。

 これは今の海兵隊の駐留理由云々と似ている。見るものが見れば在沖海兵隊駐留には何のメリットもない。これは実際に何ができるかを考えればよい。

 沖縄においた海兵隊一ヶ師団にできることは、ない。六〇年代までとは異なり、米中関係は安定化し経済的には同盟関係にある。結果、台湾の状況は安定化している。現状維持であるかぎり、中国は台湾を回収しないと言明している。そもそも、中国が強くなったため海兵隊を大陸辺縁部、例えば大陳島のような大陸辺縁部に送りこむことはできない。韓国も同じである。南は通常戦力で北に優越している。北は南を圧倒できない。別段の必要性はない。

 それでいて海兵隊駐留のデメリットは大きい。まず、日米同盟にとってのトゲとなっている。沖縄問題は日本の政治状況で最も大きな課題のひとつである。さらに、対中抑止力の維持でもリスクである。普天間・辺野古問題がこじれ、爆発すれば実用上は必須の嘉手納にも影響しかねない。

 だが、海兵隊駐留を必須とする立場はそれを見ない。その実態を見ず、日米政府が立場上仕方なく主張している抑止力を得としてオウム返しにしている。

 まずは、自称現実派を称する連中の頭の中は五〇年以上前から変わらない。「日米政府がU-2は気象観測用といっている。だから厚木基地を使わせても問題はない」と全く進歩していないということだ。

 要は、事大主義の一変形である。戦前には「国体」を持ち出せばなんとでもなった発想で、その「国体」を「アメリカ」に言い換えたようなものだ。集団の行動原理で「コレにこじつければ勝ち」といった頭は昔から変わっていない。

 まあ、政治主張で在沖海兵隊を持ち上げたり、言論でそれにくっついた商売している連中はこの伝だと思えばいい。

 今、「海兵隊の抑止力」と言い出す奴は、五〇年前には「U-2は気象観測用」といっていたということだ。
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