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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2016.04
12
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Category : 未分類
 秋山ちえ子さんが亡くなった。99という。天寿としかいいようもない。10年ほど前までにはTBSラジオで朝の10時に「秋山ちえ子の談話室」をしていた。その中で8月15日あるいはその最前の金曜日に「かわいそうな象」の朗読をしていた。

 「かわいそうな象」は、ある世代まではどこかしかで聞いていた話だ。戦時中の猛獣処分で上野の動物園の象のトンキー、ワンリー、ジョンを殺す話だ。空襲檻が壊れて暴れたらどうするといった話や、食糧事情が破断点に近づいている段階でその餌が準備できないといった問題があり、それを悲劇的に描いている。そのあと一九年末から東京以下の大都市が空襲に襲われること、その戦争被害が東京他の市民にも降りかかったことを作者も読者も承知した上での作品である。

 だが、最近の世代はこの話をあまりご存じがない。なんとなく思いつき、同人誌のまえがきに「かわいそうなシャチ」を書いたことがあるが、それを事実と思い込む世代がいた。四〇の世代には象の話が元だと判るのだが、20代には分からないという。

 その世代がリアルと考える戦争とはどんなものなのか。

 少なくとも威勢のいい連中やそこに末期戦と言い出す連中はその不利益と利益を秤にはかけられていない。 メカミリの類のファンはオレは戦争を知っているというが、彼ら戦争感は例えばこのようなものだ(発言主の名は秘す)
末期戦とか言い出すマヌケ
ミリオタが兵器は好きで戦争が嫌いになる理由?
簡単さ。ミリオタは兵器を知るにつれ歴史も知り、
歴史を知ることにより戦争を知り、
他の人より戦争の闇を見るからな。必然的に戦争が嫌いになる。
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と、どこにもまったく具体性がない。その上、リツイートしている連中もそれに「ほんとこれな。」とか言いながら、例えば末期戦といった奇妙なモデルを振り回しているのだがら言っているのだから表面ヅラでよさ気なこと、「いいこと風」を言っているにすぎない。

 実際には戦争末期はどこもやる気はなくなる。軍隊も戦闘はなるべく回避しようと考えるし、軍民ともに戦後がどうなるかを考えての行動にでる。「歴史を知ることにより戦争を知」るといいながらも、まずは何も見えていないのだろう。

 なんにせよ戦争被害と戦闘継続の利益を秤に掛けられていない。末期戦と言い出すような連中が言い出す戦争のリアルはその程度ということだ。だから、絶望的な状況で最後まで戦うさまは美しいといったことをいいだすのだろう。まあ死ぬのはともかく、それなら一人でどうにかすればよかった宇垣さんについて、その巻添死を褒める手合と大差もないものだ。
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