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今回の事件でアレな連中が「沖縄海兵隊がいなくなると中国に奪われる」といいだしている。
だが、そこに根拠となる見積もりや判断はない。なぜ中国が対日戦を決意し、しかも沖縄に侵攻してくるかといった説明はない。さらに「中国は日米安保や自衛隊といった障害を排除できる」といった見通しはない。
■ 何のために中国は対日戦をするのか?
まず、中国はなんで攻めてくるのだろうか?
中国が権益を伸ばそうとしている方向とは違う。政治的・経済的な進出方向は南シナ海であり、中央アジアであり、東南アジア大陸部から南アジア方面にある。日本や太平洋方面での動きは、漁業と艦隊行動だけである。
帝国主義的に 「中国はスキを見せれば侵略してくる」ともいう。だが、それならラオスやミャンマーの独立はどのようにして保たれているのだろうか? いずれもロクな軍隊を持たず、攻めこまれた時に助けてくれる同盟国もない。カザフスタンも伊犂問題の名残もあるが、スキを見せたからといって侵略された話もない。もっと弱い国がいくらでもあるのに、なぜ沖縄だけが攻め込まれるのか?
南シナ海を挙げるのは何も見えていない証拠だ。あの海は70年台から領土分割競争のさなかにある。どこがどこに侵略するといったものではない。そもそも、南シナ海での海洋進出でも直接相手の島を攻撃し奪った例は戦時下のみである。南ベトナム、統一ベトナムとの交戦と奪取でも、前者とは国交なし、後者は事実上の戦争状態の時期の話だ。
そもそも、中国は沖縄に攻め込んで無事でいられるのだろうか?
島での勝ち負け以前にリスクが大きすぎる。在沖米軍がいようがいまいが日米安保は確実に動き出す。それ以前に日本との戦いを決意しなければならない。中国人からすれば、近世以降、常に中国をエライ目に合わせてきたアレ国家である。
中国からすれば勝ち負けも相当厳しい。自衛隊の抵抗も排除できるかわからない上、米軍が来援し、侵略者とされ世界経済から切り離され、さらに世界中の海でオフショア・コントロールを受ける。それに中国が弱る間に、南シナ海や南アジアの権益も奪われる。
一言で言えば、まったくいいことはないということだ。
■ 国難系宗教の影響
では、なぜ中国がそのように振る舞うと考えるのか?
その背景にあるのは、宗教的な「国難」感覚なのだろう。日本を滅ぼそうとする敵国がある。その敵は何があっても日本に攻めてくる。霊的に正しい日本人はその敵国との戦いに備えなければならないといったものだ。
実際に「日本本土に攻めてくる」云々の中国脅威論をブツ連中には、その手のご宗旨が多い。そもそもの国難思想で普及した鎌倉新仏教やその分派団体、他にも神仏基督問わず戦後新興宗教にその種が多い。
これは冷戦期のソ連侵攻論も同じようなものだ。日ソ経済交流で極東ソ連の実情を知っていた連中は一笑に付したが、その手の国難系のご宗旨はそういっていた。
当時は日本の安全保障サイドはそれを利用した。日米貿易戦争があったので、それを利用して北海道の陸上戦力増やして逆に対ソ圧力とした。そして「自衛隊がソ連軍を極東に牽制している」として米国の安全保障サイドを味方につけた。
■ 負担と摩擦しか生まない海兵隊駐留
だが、今の日米中関係では現実的に攻める・攻められるはない。この点、沖縄米軍がいなくなると云々は正しくないし、その意見を利用する価値もない。むしろ沖縄の県民感情を害する点、日米同盟のお荷物となっている。
その点からずれば、むしろ沖縄米軍は撤退させたほうがよい。
特に負担の大部を占め、役に立たない海兵隊をなくすだけで、県民感情は相当好転するだろう。
そもそも、現状で海兵隊駐留は日米とも利益はない。まず使いみちもない。東アジア・東南アジアにおいて攻め込める国も、フィリピンを除けばない。使えるのはHA/DR程度である。そして海兵隊の抑止力としての議論はするだけ無駄な話だ。既に充分に抑止されている。そこで不足もしていない抑止力が必要と言っても無意味である。
この点で、残しておく理由もある嘉手納米軍とは違う。日本は対中軍事力のバランシングが険しくなっているが、その本質が海空戦力での対峙である。それからすれば、中国の目鼻の先、嘉手納に海空戦力を置くことは悪くはない。また米国としても南シナ海航空作戦行動の拠点や、中国沿岸部での軍事活動を察知する上も役に立つ拠点である。
なんといっても海兵隊撤退は沖縄問題での効果が大きい。辺野古・普天間問題はその段階で終わる。さらに一番の嫌われものを抜く効果も大きい。そうすれば沖縄県民世論を一気に沈静化させることもでき、嘉手納を安定化させることもできる。
だが、そこに根拠となる見積もりや判断はない。なぜ中国が対日戦を決意し、しかも沖縄に侵攻してくるかといった説明はない。さらに「中国は日米安保や自衛隊といった障害を排除できる」といった見通しはない。
■ 何のために中国は対日戦をするのか?
まず、中国はなんで攻めてくるのだろうか?
中国が権益を伸ばそうとしている方向とは違う。政治的・経済的な進出方向は南シナ海であり、中央アジアであり、東南アジア大陸部から南アジア方面にある。日本や太平洋方面での動きは、漁業と艦隊行動だけである。
帝国主義的に 「中国はスキを見せれば侵略してくる」ともいう。だが、それならラオスやミャンマーの独立はどのようにして保たれているのだろうか? いずれもロクな軍隊を持たず、攻めこまれた時に助けてくれる同盟国もない。カザフスタンも伊犂問題の名残もあるが、スキを見せたからといって侵略された話もない。もっと弱い国がいくらでもあるのに、なぜ沖縄だけが攻め込まれるのか?
南シナ海を挙げるのは何も見えていない証拠だ。あの海は70年台から領土分割競争のさなかにある。どこがどこに侵略するといったものではない。そもそも、南シナ海での海洋進出でも直接相手の島を攻撃し奪った例は戦時下のみである。南ベトナム、統一ベトナムとの交戦と奪取でも、前者とは国交なし、後者は事実上の戦争状態の時期の話だ。
そもそも、中国は沖縄に攻め込んで無事でいられるのだろうか?
島での勝ち負け以前にリスクが大きすぎる。在沖米軍がいようがいまいが日米安保は確実に動き出す。それ以前に日本との戦いを決意しなければならない。中国人からすれば、近世以降、常に中国をエライ目に合わせてきたアレ国家である。
中国からすれば勝ち負けも相当厳しい。自衛隊の抵抗も排除できるかわからない上、米軍が来援し、侵略者とされ世界経済から切り離され、さらに世界中の海でオフショア・コントロールを受ける。それに中国が弱る間に、南シナ海や南アジアの権益も奪われる。
一言で言えば、まったくいいことはないということだ。
■ 国難系宗教の影響
では、なぜ中国がそのように振る舞うと考えるのか?
その背景にあるのは、宗教的な「国難」感覚なのだろう。日本を滅ぼそうとする敵国がある。その敵は何があっても日本に攻めてくる。霊的に正しい日本人はその敵国との戦いに備えなければならないといったものだ。
実際に「日本本土に攻めてくる」云々の中国脅威論をブツ連中には、その手のご宗旨が多い。そもそもの国難思想で普及した鎌倉新仏教やその分派団体、他にも神仏基督問わず戦後新興宗教にその種が多い。
これは冷戦期のソ連侵攻論も同じようなものだ。日ソ経済交流で極東ソ連の実情を知っていた連中は一笑に付したが、その手の国難系のご宗旨はそういっていた。
当時は日本の安全保障サイドはそれを利用した。日米貿易戦争があったので、それを利用して北海道の陸上戦力増やして逆に対ソ圧力とした。そして「自衛隊がソ連軍を極東に牽制している」として米国の安全保障サイドを味方につけた。
■ 負担と摩擦しか生まない海兵隊駐留
だが、今の日米中関係では現実的に攻める・攻められるはない。この点、沖縄米軍がいなくなると云々は正しくないし、その意見を利用する価値もない。むしろ沖縄の県民感情を害する点、日米同盟のお荷物となっている。
その点からずれば、むしろ沖縄米軍は撤退させたほうがよい。
特に負担の大部を占め、役に立たない海兵隊をなくすだけで、県民感情は相当好転するだろう。
そもそも、現状で海兵隊駐留は日米とも利益はない。まず使いみちもない。東アジア・東南アジアにおいて攻め込める国も、フィリピンを除けばない。使えるのはHA/DR程度である。そして海兵隊の抑止力としての議論はするだけ無駄な話だ。既に充分に抑止されている。そこで不足もしていない抑止力が必要と言っても無意味である。
この点で、残しておく理由もある嘉手納米軍とは違う。日本は対中軍事力のバランシングが険しくなっているが、その本質が海空戦力での対峙である。それからすれば、中国の目鼻の先、嘉手納に海空戦力を置くことは悪くはない。また米国としても南シナ海航空作戦行動の拠点や、中国沿岸部での軍事活動を察知する上も役に立つ拠点である。
なんといっても海兵隊撤退は沖縄問題での効果が大きい。辺野古・普天間問題はその段階で終わる。さらに一番の嫌われものを抜く効果も大きい。そうすれば沖縄県民世論を一気に沈静化させることもでき、嘉手納を安定化させることもできる。
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