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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2016.09
25
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04:02
Category : 未分類
 原子力屋は比較もできないのだろうか。

■ 奇妙なグラフ

 原子力学会員の今井智大さんが奇妙なグラフを提示している。

比較ができない原子力

今井智大☢‏@TOMO_NYAN
核燃料サイクルや高速増殖炉「もんじゅ」の費用が何兆円〜ってニュースとかで言われてたりしますね( ˙ω˙ )超たっけえ…💸
でも原子力発電を火力発電で置き換えた場合(今の状態)の燃料代増加分と比べてみたらアラびっくり😨↯
これは逆に新型原子炉とかにもっとお金かけた方が…
https://twitter.com/TOMO_NYAN/status/778907343543160833



■ 比較ができない

 燃料増加費と開発費を比較してどうなるというのだろうか? 核燃料サイクルは全く回っていないサイクルであり、稼働していない技術につぎ込んだ金は開発研究費でしかない。

 一言でいえば、核燃料サイクルは何ワット発電したかのだろうか? となる。今まで19兆円をつぎ込んできて何w/hを発電できたかを比較すればよい。3.4兆円の燃料増加分は末端価格で5兆円近い電力を生み出してきたが、核燃料サイクルはコストどころか投入電力を超える電力を生み出していない。

 自称理系の推進派はこの程度といったものだ。お利口学部で原子力とやらでバルブの開け立てをしていたのだろうが、比較そのものができていない。燃料費なら燃料費、ランニングコストならランニングコスト、LCCでならLCCで比較することもご存じない。


■ 最終処分費を含めても安いと主張

 さらに資料批判もできず、普遍化している反論にも気づいていない。

 これはいまどき原子力のコストを低く見積もり正解であると提示するあたりで明瞭となっている。

比較ができない原子力の再処理費用

今井智大☢‏@TOMO_NYAN
再処理したプルトニウムを原発で利用するMOX燃料は普通のウラン燃料の9倍の値段になると言われたりもしますが、原発は設備代が殆どで燃料は激安です。なので大して変わりません٩(♡▽♡ )۶やったね✨

ちな再処理費や最終処分費、安全対策費を込みにしても十分安い模様( ˙ω˙ )👛
https://twitter.com/TOMO_NYAN/status/778904660434223105


 官製コスト見積もりは破綻している。世間ではそう見られている。そこで提示された石炭同等の見積もりを出し「『原子力は]再処理費や最終処分費、安全対策費を込みにしても十分安い模様」(今井)としている。

 そのように世間ではデタラメとして扱われているコスト計算について、再反論も示さず事実として提示しているあたりも、原子力屋の程度を示すものだ。

 そもそも「再処理費や最終処分費、安全対策費を込み」にした数字というが、再処理費も最終処分費も安全対策費も全て未確定である。フクシマの補償や処理費用を全電力で頭割りにせず、原子力に乗っけるだけで破綻する計算だということだ。
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