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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2016.10
25
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07:14
Category : 未分類
 地政学はあとづけの宿命論でしかない。今なら英米は大陸の周辺部に介入しなければならない、あるいは周辺部は大陸部に対抗しなければならないもので、そこになんの根拠もない。

 その中身も適当である。夕刊フジの藤井厳喜さんの「【最強兵器としての地政学】南シナ海の攻防 中国の勢力拡張に日、米、東南アジアはどう迎え撃つか 」は全くそれだ。


■ 都合よく中国をランドパワーとしている

 例えば、都合よく中国をランドパワーにする点だ。図版では中国がランドパワーになっており、本文でも
 南シナ海をめぐる攻防は、中国というランドパワーのマージナルシーへの勢力拡張を、シーパワーである米国や日本、東南アジア諸国がどう迎え撃つかという戦いだ。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161018/dms1610181700008-n3.htm


 だが、中国はランドパワーだろうか? 元々の地政学は純内陸国であるロシア=ソ連を指す用語であった。そして交易を求めるといった理由を伏せて海へのアクセスを求めるといった説明がされている。だが、中国はもともと沿海部に成立しており、海へのアクセスを持っている。


■ ランドパワーだから世界征服を狙う

 そして「ランドパワーだから世界征服を狙うんだよ」と粗暴な説明をしている。
そして、中国が沖縄県・尖閣諸島の強奪を狙うのも、東シナ海というマージナルシーを支配し、沖縄本島を手中に入れ、やがてリムランドである日本列島を脅かそうという、彼らの長期戦略に沿った動きなのである。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161018/dms1610181700008-n3.htm


 では、今の中国の進出方向である一帯一路はどうなのだろうか? 一帯はリムランドではなく中央アジアから中東方面であり、一路もリムランド支配ではなく、中東・欧州への海上交通路打通であり、アフリカとの通商線確保でしか無い。

 そもそも、冷戦期の旧ソ連もリムランドであるはずの日本は狙えなかった。かれらの極東長期戦略は勢力維持が手一杯であり、日本の経済的支援を欲していた。


■ ご都合主義の宿命論

 結局はご都合主義の宿命論でしかない。アレ右派、かつてならばソ連、今なら中国をほぼ宗教的観念から宿敵視している連中、今で言えば沖縄のアンチ基地反対運動の連中に向けたご都合理論が地政学だ。

 逆に、地政学を振り回していれば、宗教的観念にハマっているか、それを利用しようとする連中とみてよい。この夕刊フジもそうだが、あるいは一つ覚えで逆さ地図を出す御仁がそれだ。

逆さ地図と佐藤正久

 逆さ地図は宿命論でしかない。中国は琉球列島線を奪い、太平洋にアクセスしたがっていると言う。だが、その熱意を考えればよい。インド洋や中東へのアクセスとは異なり、中国は国家ぐるみで太平洋に出たいわけではない。

 その熱意はさほどでもない。対米戦の文脈で原潜を出したいくらいのものはあるが、それを実現できる見込みはない。逆に平時にはアクセスは確保されており、その主目的である米国との交易は平時でしか確保できない。

 そのあたりをご存じなければ無知であるし、承知していれば中国に対し宗教的危機感を持つ信者を騙しているものだろう。
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