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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

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2016.12
31
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02:32
Category : 未分類
パンフ出来ました。新刊二種になります
隅田金属 31日(土曜日) 東2 P57b


新刊2種類2016冬


消磁図

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2016.12
29
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14:55
Category : 未分類
新刊の1冊目が完成しました

新刊完成

目下生産中です
2016.12
28
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23:29
Category : 未分類
 いつの間にか『ド嬢』が終わっていて寂しいものです。

 「怒りの葡萄の対義語が笑顔のみかんなら、新宿鮫の対義語は目黒のさんまだろう」と、あとがきのため頼んだ録画分を見返していて気づきました。アレ最終回だと。

 今年のアニメでは甘々に相当するほどいい話ですが、12話で終わりは残念です。

 原作神回、吹奏楽部を蹂躙する話を楽しみにしていたのでなおさらです。

 感動ポルノで頭の弱い吹奏楽部に常々馬鹿される図書室の面々。作画と動画と背景しかない連中。そのユーフォー女どもに、さわ子が抱いていた音楽教師への密かな想いを暴露される話です。

 さわ子の涙についに爆発。しおり、さわ子、すみか、遠藤の四人が納屋に隠したタンクで復讐する。しおりが怒ればタンクが走る!書痴の涙が怒りとなって爆発する!

 大人の御仕着せ吹奏楽に諾々とし、ラッパごときで勝った負けたで浮かれる低偏差値どもを読書階級が踏み潰す。あの神回をアニメがスキップしたのは残念なものでした。

 BD特典として是非入れてほしいものです。お涙頂戴の感動ポルノ、ユーフォー野郎のいうがままに感動したと言い放つ安い視聴者ごと踏み潰すあのシーンはぜひともアニメ化すべきだからです。



 ほんと、感動ポルノアニメは気持ち悪いね。
2016.12
28
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TB:0
03:04
Category : 未分類
新刊作業中です
仮見本の表紙

 本文は一回目の推敲中、頭がこんがらがってきたので表紙作業をしているところです
とりあえず横長の米海軍写真を縦長にして配置、レタッチや色の調整前ですが、あまり修正しないでいいでしょう

 上の表紙はインデザインから直にRGBのJPG書き出したので印刷に比べて色が強いかなと



 31日(土曜日) 東2 P57b 隅田金属です
2016.12
27
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00:17
Category : 未分類
 アレ宰相が人気取りにハワイ旅行に行った。謝罪はしない方針といわれている。

 だが、ここで米国の歓心を買うためにそれを詫びてほしい。権力の根源は米国への隷属にある、ケツ持ちはアメリカと考えている御仁だ。その感覚で保守派の矜持は投げ捨てて謝罪して頂きたい。

 なぜなら、うまくすればかの日本会議に破門されるかもしれないからだ。

 右派、民族派の理屈では既に売国宰相である。わざわざプーチン大統領を呼んで首脳会談をして、北方領土問題で主張せずに経済協力だけを約束したからだ。その上、だまし討や侵略戦争を反省すれば民族派の怒りを重ねる。

 流石に日本会議も怒るだろう。民族派のふりをしている割には対米追従派の振る舞いをする不思議な組織だが、構成員の手前で二連発は怒る。

 それに謝罪をするのを見てみたい。破門された宰相が日本会議に許しを乞う。五十鈴川で禊をし、そのまま雪の神宮で土下座をする屈辱は見ものとなるだろう。それが見られるならフールーでもアマゾン・プライムビデオでも加入する。

 別に渋谷の神宮でも飯田橋の東京大神宮でも構わない。できればそれで3年くらい風邪ひきで床に伏してもらえると非常にありがたいものだ。
2016.12
26
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TB:0
12:59
Category : 未分類
 小池都知事は決断できない病ではないか?

 オリンピック施設移転はグズグズで終わり、豊洲も宙ぶらりんとなっている。

 その中で病院移転を「現時点で白紙」としたといわれている。産経「小池都知事、大ナタ再び!舛添氏の肝いり…都立広尾病院移転計画『現時点で白紙』」がそれだ。

 おそらく、これも決められずにグズグズとなるのだろう。決断すると批判をうけ、それにより支持を失うことを恐れるためだ。


■ 判断できない病ではないか?

 小池都知事は問題提起はできても判断はできない。そのように見える。

 本来、知事の仕事は決断にある。右行くか左行くかだけを決めるのがその立場だ。中身をゴチャゴチャするのは下僚の役割である。

 調整のやり方もバルブの開け閉め程度のものだ。ある施策については促進か拒否か、つまりは蛇口を開くか絞るかである。方向性も漠然と示す程度である。

 だが、知事はそれができていない。

 発言をみてもそこには方向性を示すものはない。「都民ファースト」等の誰の耳にも心地よく聞こえ、そして中身のない漠然としたものだ。ではどの方向に進むのか?は示されていない。

 結局は「良さげ」なことを言っているだけだ。「良いこと」を言っているのではない「良いことっぽいこと」を言っているだけである。


■ 批判を恐れている

 おそらくは批判を恐れた結果である。

 何かを決めれば、反対も生まれる。分かりやすいのが豊洲移転決定・中止だ。

 極端な話、決定も中止もどっちでも良い話だ。豊洲に移転すれば魚河岸としての機能は死ぬが築地は再開発できる。移転を中止すれば豊洲の始末に金がかかるが、手続きの正当性を守ったことになるし魚河岸は生き残る。

 だが、それを決めることで反対を受ける、批判されることが怖い。だから時間の経過を待ち、他人が決めるのを待とうとしている。それまでは「都民で意見が一致しない」とでもいうのだろう。決心しないいいわけである。

 もともと自分は「良さげ」な発言だけでノシ上がってきたことは承知している。つまりはその人気も、世論と敵対しないことだけ、迎合することだけで達成されたものだ。

 改革姿勢も、よく見ると「都民の敵」を口撃することだけだ。舛添前知事の政策を批判し、都議会のドンを批判し、そろそろ仏壇の慎太郎知事石原を責めているだけでしかない。

 つまりは都民に対立できない。都民の嫌がること、不興を買うことはできない。

 結果、都民で意見が分かれることは何も決定できない。片方に与するとモウ片方の支持を失うことを恐れるためだ。


■ 信念がない

 そこに自分の信じた道を進む信念はない。

 その点で保守の女政治家でも稲田防衛相とは異なる。稲田大臣はアレ思想だが理想、野望を持っている。自分が批判されてもそれは正しいので進む信念がある。

 藪の中を進む犀の角のようなものだ。どのような抵抗があっても、叩かれても前に進む。その方向が宗教右派のアレ方向で迷惑だが躊躇ない。

 これは社民党の福島みずほ副代表も同じ。節に殉ずる信念がある。歴史的役割を終え、滅びる社民党に残り続け、原理主義で地に足がつかないといわれながらも理想主義を貫いている。

 対して小池知事にはその覚悟がない。まずは格が違うということだ。人気や実務能力、政治的才覚といったものは勝りながらも何もできない理由はこのようなものだ。
2016.12
25
CM:4
TB:0
18:42
Category : 未分類
 沖縄人は本当に「基地反対よりも鉄道」なのだろうか? 「沖縄の人は知事にあきれている『基地反対ばかりで電車を引っ張ってこない』」といった紹介がある。EARL@プロの独身さんの発言がそれだ。

EARL@プロの独身‏@DrMagicianEARL
先月沖縄の学会の後、夜に行ったバーで「沖縄、モノレールはできたけど電車ないよな」って話になってそこの20代の女の子(沖縄出身)が言ってたのが「どの知事もみんな基地のことばっかりでそういう電車を作るとかJR呼んでくるとかのことはまったくやってくれない」
https://twitter.com/DrMagicianEARL/status/812117775975989248

EARL@プロの独身 ‏@DrMagicianEARL
実際のところどうなんやろね?翁長知事って、基地問題以外のことをちゃんと仕事して政策進められてんのやろか?
https://twitter.com/DrMagicianEARL/status/812118961059835904


 だが、それはリップサービスを真に受けすぎなのではないか?といった疑問も湧く。flurryさんの指摘、「接客業が話をあわせたんじゃない?」がそれだ。
flurry‏@flurry
バーの「女の子」が言ってることを鵜呑みにしている例だ。
https://twitter.com/flurry/status/812599610870886402


 全くそのとおりだろう。なぜなら人は相手に話を合わせるものだ。


■ 「パラオは親日」

 人は他人の発言に合わせる。その場限りの関係であればそうして相手にいい気になってもらう。

 そのいい例が「パラオは親日」だ。アレ右派の親日・反日の二分法ででてくるいつもの例である。例えばパラオ、親日でググると次のような発言がゴロゴロしている。
エルウィンド‏@elwind888jun 南京にて、30万人も虐殺する軍隊が、ペリリュー島の島民を1人も死なない様に避難させるはずは無い。現実は、ペリリュー島の第十四師団は、島民を盾にすることなく、1人残らず本島に避難させた。この事を以って、パラオの人々は今尚、「世界で一番の親日国」であると胸を張って言い続けている。
https://twitter.com/elwind888jun/status/810467921138892800


 そこでは「パラオの人々は今尚、「世界で一番の親日国」であると胸を張って言い続けている。」(エルウィンド‏)といったものだ。

 もちろん、これらは日本人向けのリップサービスでしかない。

 パラオ人が話者の国籍に合わせてリップサービスする。日本人が来れば日本人をヨイショする。アメリカ人が来ればアメリカ人をヨイショする。中国人がくれば中国人をヨイショする。その話の中で日本人を褒めるときには米中を悪者にし、アメリカ人を褒めるときには日中を悪者にし、中国人を褒めるときは日米を悪者にする。

 これは以前も書いたが、三田収さんが指摘しているものだ。「想起される植民地経験」がそれだ。

 三田さんはパラオ研究をするリサーチャーの国籍と聞き取り調査の結果に関係があると述べている。

 その結果は相手に合わせるといったものだ。日本人による聞き取り調査では日本人の歓心を買うように話を合わせ、日本支配を賞賛し後の米国支配を悪く言う。また米国人による調査では、米国支配を賞賛し以前の日本支配を差別的で暴力的であったと言う。要はそういうことである。

 目の前の人に合わせて持ち上げ、別の人を多少は悪しざまにいうのは当然のことだ。人付き合いの如才といったもので、非難する話ではない。


■ 沖縄県政を批判して話をあわせたのではないか?

 この点からすれば、EARL@プロの独身さんの「鉄道を引っ張ってこない」も客にあわせた発言を採取したように見えるものだ。

 検索するとEARL@プロの独身さんは翁長県政や基地反対運動に批判的な発言を結構している。

EARL@プロの独身 ‏@DrMagicianEARL 【北ミサイル発射】沖縄・翁長知事は「心臓凍る思い」と言いつつ「PAC3に一体どんな精度があるのか?」と懐疑的
http://www.sankei.com/world/news/160207/wor1602070070-n1.html …
じゃああんたなら飛んできたミサイルをどうにかできるんか?ちっとは自衛隊に感謝したらどうだ
https://twitter.com/DrMagicianEARL/status/696242110991695872

EARL@プロの独身 ‏@DrMagicianEARL 沖縄県の北部訓練場で防衛省沖縄防衛局職員にけがを負わせたとして、沖縄県警は4日、傷害の疑いで、工事反対派で住所・職業不詳の添田充啓容疑者(43)を逮捕 容疑者は社民・福島瑞穂議員らと接点 http://www.sankei.com/politics/news/161004/plt1610040038-n1.html …
よーしどんどん逮捕や
https://twitter.com/DrMagicianEARL/status/783274579514888192


 EARL@プロの独身さんが沖縄県政にについて批判的な雰囲気を出した。飲み屋のネーチャン(沖縄出身)はそれにあわせ、どっかで聞いた「基地反対ばっかで鉄道がこない」を持ち出した。そういったものだ。

 当然だが、オネーチャンの内面の信条、基地推進か反対か興味ないかといったものを反映してはいない。本心があるとすれば「お客さんにいい気持ちになってもらって、次もお店に来てもらいたい」である。


■ 「水素水を論破したぞエッヘン」

 そして、EARL@プロの独身さんは無批判にそれを信じ込んで吹聴したのだろう。

 そもそもEARL@プロの独身さんは、そのあたりの世辞や話の取っ掛かりを見抜く力が充分でないようにみえる。

 例えば、水素水サーバの例がそれを窺わせる。そこでは世間の話題にあわせて出てきた水素水の話を本気の話と取り違えている様子が見えてくる。
EARL@プロの独身‏@DrMagicianEARL 今年1年のわたくしの成果として、バーで居合わせたお客さんで、水素水サーバーを買おうとしていた人を計6名阻止することに成功しました
https://twitter.com/DrMagicianEARL/status/812242288285917184


 まずは、飲み屋駄話で話題の水素水を持ち出しただけの話である。そもそも水素水サーバーを本気で買うヤツはいない。水素水もあの値段だから鰯の頭で買っているだけだ。さらに、飲み屋で居合わせた客が居合わせた客に本気の相談はしない。買うやつは買うし、買わないやつは最初から買わない。クラウンとセドリックどっちがいいですかねを尋ねるようなものだ。それで決定なんかしやしない。

 それを本気になって「水素水はニセ科学、買ってはいけない」と答えたら、話も発展しない。面倒だねえと「ああそうですか買うのはよしときましょう、教えてくれてありがとうございました」とやはり世辞を述べる。その程度の話である。

 だが、EARL@プロの独身さんはそれをもって「ニセ科学水素水を論破」と自慢している。自己肯定パワーが強いのだろう。幸せなことだ。

 その点からすれば、沖縄の人は基地反対に呆れているも同じ伝だ。お世辞レベルをそのまま受け取ったものだろう。「『どの知事もみんな基地のことばっかりでそういう電車を作るとかJR呼んでくるとかのことはまったくやってくれない』」(EARL@プロの独身)は、flurryさんの指摘の通り、まずは客に合わせた話を本気で信じ込んだものだ。
2016.12
23
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TB:0
16:29
Category : 未分類
 かの菊地誠さんが興味深い発言をしている。

ニセ科学批判と原発カルト
僕がニセ科学を非難するのは、社会的な意思決定の場にニセ科学が出てくると健全な意思決定ができないからだ。極端な話、「除染はEMで行う」と行政が決めたら大変なことになる。環境問題などを見ると、それもそれほど笑いごとではない。健全な民主主義には健全な常識が必要だ。ニセ科学の出る幕はない
https://twitter.com/kikumaco/status/811842154427363328



■ 社会的な意思決定の場に理系カルトが出てくると健全な意思決定ができない

 ご自身の原発カルト、理系カルトもそのままではないのかと。

 モディファイすると菊池さんが非難される構造として全く違和感がないものが生まれる。
僕が原発カルトを非難するのは、社会的な意思決定の場に理系カルトが出てくると健全な意思決定ができないからだ。極端な話、「事故で放射能を撒き散らしたけど大した影響はないから我慢しろ」と行政が決めたら大変なことになる。エネルギー政策などを見ると、それもそれほど笑いごとではない。健全な民主主義には健全な常識が必要だ。人間社会を理解できないお理工さんのの出る幕はない。
(太字は筆者による改変部)



■ 沖縄基地問題のために「内地では絶対できない過激なエアショーをやる」(野尻)

 ちなみに基地問題でもニセ科学嫌いが社会的な意思決定の場所で理系カルティズムを炸裂させている。基地カルト、オスプレイ・カルトいったものだ。

 その好例、野尻抱介さんの発言もなかなかのものだ。沖縄基地問題について次のように述べている。
@namibiz 米軍に協力させて、内地では絶対できない過激なエアショーをやるとか。大洗が戦車で盛り上がっていて、移住する人までいるんだから、沖縄も内地の人がうらやむようなことをやれないかなあ、と。
https://twitter.com/nojiri_h/status/810887800425852928


 何が問題なのか全く理解できていない。

 騒音や危険性が問題となっている基地で「内地では絶対できない過激なエアショーをやる」(野尻)とは、社会以前に国語的能力での齟齬が疑われるものだ。

 アレな子たちが喜ぶからそれで町おこしもどうかしている。「大洗が戦車で盛り上がっていて、移住する人までいる」(野尻)のだから「沖縄も内地の人がうらやむような」(野尻)軍用機運用をやれはそれでもある。喜ぶのはアレな子だけ。具体的には野尻さんや、その野尻さんの読者だけだ。

 不謹慎を信条としていらっしゃるそうだが、不謹慎としても何の意味もないものだ。

 そこまでカルト的に基地やオスプレイが好きなら、オスプレイカルトの教祖にでもなればよい。自分の庭に飛行場作って、竹でデコイにオスプレイ(メス)を作っておいておけ。そうすれば繁殖期のオスプレイが交尾のために降りてくる。貨物室いっぱいの贈り物、サープラスを貰えるとでもいえばよい。それで教祖ジョンフラムとでも名乗ればよい。

 今の沖縄の状況をみて、ボクが知事になったら米軍基地を素晴らしいギフトとして活用しようとするというのはそのようなものだ。
2016.12
23
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TB:0
15:48
Category : 未分類
 産経記事がアレなのは、記事のクォリティが産経レベルであるからだ。つまりは、産経記事は産経クォリティでしかない。そしてそのレベルの記事ばかり出すから産経クォリティとバカにされる。「菊正宗と肴」のネガティブ・フォードバックであり、その主張の内容も全くネガティブ版である。ネガティブ内容のネガティブ・フィードバックといったものだ。そして産経はこの輪廻から抜け出せる見込みはない。

 その品質は見出しだけでも強烈である。社会部次長の河居貴司さんの署名記事「王将社長射殺3年 威信かけ犯人割り出せ」がそれだ。まずは「冤罪でもいいので捕まえろ」といった雰囲気を醸し出すものだ。

 中身をみても、一見は無味無毒であるように読めるが、そこにはあるべき問題意識がなく、当の警察が慎重になっている従来のイケイケドンドン司法警察でしかない。

■ 大事なのは威信

 記事を読んでも警察の威信のためにとっ捕まえろといったロジックが垣間見える。
事件が未解決であり続けることの持つ意味は深刻だ。警察にも手の届かない何かがあるのか、と思わせてしまうことになりかねないからだ。
http://www.sankei.com/west/news/161223/wst1612230005-n3.html

京都府警は王将事件を「最重要課題」と位置づけている。事件を解決できるか、刑事警察の威信も問われている。http://www.sankei.com/west/news/161223/wst1612230005-n4.html



■ とにかく逮捕

 さらに、逮捕そのものだけを最優先する視点もある。
 かつて取材先の刑事から「捜査1課の刑事は犯人が誰だか分からない事件を解決してこそなんぼだ」という話を聞いたことがある。
[中略]
 地道な捜査のなかで犯人をあぶりだし、逮捕に結びつけることこそ、刑事の真骨頂なのだと教わった。
http://www.sankei.com/west/news/161223/wst1612230005-n4.html



■ 冤罪構造に触れず

 そこに冤罪を問題視する意識はない。
防犯カメラの分析などから現場近くでは九州ナンバーの不審な車も確認された。さらに、現場近くで回収したたばこに付着したDNA型を分析したところ、九州に拠点を置く暴力団関係者にもたどり着いた。
[中略]
同社の要請に基づき、反社会勢力との関係を調べた第三者委員会の調査で、長年にわたり、特定の人物と不明朗な取引を繰り返していたことが明らかになったのだ。
[中略]
同社をめぐる何らかのトラブルが引き金となり、社長が狙われて事件が起きたのではないか-という事件の見立てが浮上した。

 ただ、警察が最終的に犯人をつきとめ立件する難しさは、「決定的な証拠」にたどり着かなくてはならない点にある。不審情報だけでは、犯人逮捕には至らないのだ。
http://www.sankei.com/west/news/161223/wst1612230005-n2.html

『決定的な証拠』(河居)をさっさと見つけろといった主張は、これまでの冤罪事件を生み出す構造そのものの原因となったものだ。

 冤罪の危険性だけでもない。

 この事件の例だとドンデン返しになる可能性もある。仮に見立ては正しく、疑っている組織がそのとおり実行したとしても、都合の良い『決定的な証拠』(河居)に浮かれてしまうと、適当に非実行犯をとっ捕まえて犯人でございとしてしまう可能性も高い。そして真犯人が病気か何かで死んだアト、あるいは真犯人を偽装できる人間が死んだあとで「殺ったの別の奴」といった証拠を出されればオシマイだ。


■ イケイケドンドンへの無反省

 河居さんの警察の威信のため犯人が誰かも歴然としなくとも、都合のよい証拠を見つけてさっさと捕縛しろといった発想は、まずは危ういということだ。

 そして当節はこの手のイケイケドンドンで失敗している例が多い。だから警察も慎重とならざるを得ない。

 だが、そのあたりには触れないこともやはり産経クォリティである。

 おそらく、警官と自衛官は自分の味方だから悪い印象の記事はなるべく書きたくないのだろう。

 ただ、それを喜ぶのは警察と自衛隊組織の中のネトウヨ分子だけ。もちろんネトウヨは多いが、そうでない連中の方が多い。このため自衛隊ヨイショは兵隊にも御用御用と馬鹿にされている。

 その点からすれば産経の警察応援、刑事警察頑張れも、当のカクソデからもヨイショ新聞と馬鹿されているだろうけろね。
2016.12
23
CM:0
TB:0
04:19
Category : 未分類
 ダメそうでどうにかなるのが新刊というもので。先週からウンウンと頭のなかでつっかえていた部分が解決できたので、出せそうです。12月31日(土曜日) 東2 P57bね

 で、機雷本作ります。問題意識というか規定文は「機雷の双璧は繋維触発と沈底磁気で、沈底振動がそれに次ぐ。アトはマイナー。目新しいだけの上昇機雷とか追尾機雷はカス。それを国産新型とかいって浮かれているヤツは◯◯」といったあたりですかね。みんな新機雷ばっか取り上げすぎだろと。

 あとはド嬢ですか。ドラマはほぼなく、説明セリフの詰め込みですが、神林しおりは「あれは高校生のオレだ」ですよ。オレが三船敏郎なら野武士に襲われて燃え盛る小屋の中から救い出したくなるような感じがね。SFなんか読んでなかったですけど、あの世界が己を理解してくれない感がそれだなあと。

 艦これ劇場版はよかったとは思いますけどやっぱりマヌケな感じがね。

 よかったことはよかったですよ。トリック的に2つの時系列がパラレルになっているあたりは分かりにくいですが、戦時中の呉を緻密に描いていたり8月6日に向けての緊迫感とか、やはり真知子巻きが流行するほど人気の作品でしょう。あのメカミリ系の客に媚びた声優じゃなくて、のんさんに切り替えたのもよろしいと思いますが。

 だけど、ゲームとアニメの抽象度調整しないでシリアスとかマヌケだねえと。もともとのゲームがそれだからといって、海面を女の子が棒立ちになって大砲ぶっ放して戦闘でございますの問題点はTVマンガ版のときと同じ、全然工夫してないだろうと。


 あとは余裕があれば仮装巡洋艦をアフリカ西岸に出す検討とか、ベンガル湾まで潜水艦出す検討をパンフとしてチョイチョイと。

 まあ、最悪機雷本をおとしても、そのときは「諸星きらりは菩薩である」であんきらとあんきもの関係でも書けばいいかと。「山口百恵は菩薩である」は読んだことないですし、デレステどころかデレマスもアイマスもアニメだけでゲームは一切やったことないですけど。
2016.12
22
CM:14
TB:0
05:54
Category : 未分類
 翁長知事は戦うことでパワーアップする。抵抗し続ければ続けるほど指導力も名声も増し、名誉も得られる。

 さらに国家に対する優位も増す。抵抗に直面した国が強引な基地建設を推し進めれば進めるほど県民感情は基地新設反対に傾く。本土の世論もそれを支える。

 その点からすれば、翁長さんは死ぬまで戦えばよい。抵抗を続ければ続けるほど新基地建設は困難となる。局地的に負けたところで日本政府はむしろ不利となり、沖縄は優位となる。

 翁長さんは実際にそうする。仮に戦って死ねば死後の名誉も約束される。抵抗したことで郷土の偉人、あるいは民族の英雄ともなれる。逆にそれをしなければ死後も裏切り者として断罪されてしまうからだ。


■ 知事の判断は正しい

 その点で今回の知事の判断、訴訟で負けても「不退転の決意」(翁長)を表明したことは正しい。

 朝日新聞デジタル「辺野古『また揺さぶられる』 翁長知事『踏ん張りどころ』 最高裁判決」では次のように述べている。
普天間飛行場の辺野古移設阻止をめぐって、県にとって大きなカードだった埋め立て承認の取り消しは不発に終わった。会見では県の手詰まり感への指摘もあったが、翁長知事は「不退転の決意」という姿勢を改めて強調。「最高裁判決は出たが、これからが県民の踏ん張りどころと思っている」と淡々と述べた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12715672.html?rm=150


 「何を置いても抵抗し続ける」方針も路線も正しい選択肢である。今日の北部返還式典も正解である。局地的な敗北、例えば訴訟で負けたことは大した問題ではない。そこで戦い、抵抗したことで知事、または沖縄の力は増大するからだ。NOという力といってもよい。


■ 日本政府は勝てない

 もちろん、沖縄が屈服しなければ政府はさらに強引な手段で押してくるだろう。

 だが、それには今以上の反発と本土での不同意を伴うものとなる。

 日本政府はすでに状況不利に追い込まれている。裁判や実力行使で勝ちながらも沖縄を屈服させる手段を手に入れられていない。そして強引さ、不公正が明らかとなることにより積極的抵抗に直面している。

 これは高江で起きたことだ。沖縄側も本来はさほど問題視しない施設であったが、強引な工事遂行と土人発言により工事車両妨害といった従来にない抵抗を引き起こしてしまっている。

 この構造は中国の南シナ海海洋進出と同じだ。中国は支配を強引に拡大し各地で周辺国に勝利しているが、勝てば勝つほど、支配すれば支配するほど周辺国や国際社会の抵抗に直面する羽目に陥っている。

 そして、どちらも最終的な全面勝利は得られない。

 辺野古の場合であれば、そのうち日本政府が諦める。抵抗が続くことにうんざりし、状況変化を捉えて政府は沖縄と本気で交渉に望んでくる。


■ 次の内閣との交渉を目指せばよい

 その機会は近い。おそらく次の内閣は沖縄問題の泥沼から抜け出そうとする。交渉の成否はともかく、次が自民であっても仕切り直しての交渉は模索する。

 そもそも、政府からみても翁長知事は交渉できない相手ではない。知事は安保に欠かせない嘉手納や、さほどの危険も騒音もないホワイトビーチの問題に言及したことはない。その点で日本政府の安保政策、中国との対峙を理解しており本質的に対立する立場にはない。

 翁長知事はその方向にそって海兵隊の国外追放を持ち出せればよい。海兵隊は普天間、辺野古、オスプレイ、治安といった問題の殆どである。いなくなれば沖縄基地問題の相当は解決する。政府も嘉手納を理由とすれば、引き際として海兵隊を下げる理由も立つ。困るのは政治・商業的利益から海兵隊にぶら下がっている買弁的な連中だけだ。

 それを最終目標に死ぬ気で抵抗をつづければよい。それが局地的に負け戦となろうがどうでもいい。要は今からさらに泥沼化させることだ。それで政府をニッチもサッチもいかない状況に追い込むことができる。沖縄は基地建設を力づくで止める力はないが、政府の基地建設を妨害し完成を拒否することはできる。




■ オマケ「ロックじゃない」どころではない

 というか、辺野古問題は普通に沖縄の勝ちだし、県内でも翁長知事の一人勝ちだね。

 そして知事は転向も妥協もない。「それはロックじゃない」からとか書こうかと思ったが、それどころではない恐怖がある。裏切り者となり名声を失い死後も断罪される。それを想起すれば死ぬまで戦うしかない。逆に言えばよい死に場所でもある。
2016.12
21
CM:13
TB:0
13:32
Category : 未分類
 オスプレイ応援団が「危険な飛行機ではない」と強調している。墜落は空中給油のせいであり、機体にある技術的な問題ではないというものだ。

 例えばコレだ。ZAKZAK「中国が嫌がるオスプレイ飛行再開「尖閣諸島防衛の切り札」 井上和彦氏『反対派は非科学的』」(2016.12.21)では「反対派の批判は非科学的で非現実的」と言っている。
 軍事ジャーナリストの井上和彦氏は「オスプレイの事故率は海兵隊機の中でも低く、退役したCH46の方がはるかに危ない。反対派の批判は非科学的で非現実的だ。[中略]オスプレイ反対運動の裏で、中国関係者が動いているのは周知の事実だ」と語っている。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161221/dms1612211130004-n2.htm



 だが、「欠陥機ではない」との主張が現地の納得に資すると考えているのだろうか?

 そのような主張は何の意味も持たない。問題は技術的にどうこういうものではない。問題の根幹は「なんで嫌だと言っているのに配備したのか、飛ばすのか」にある

 その点からすれば、「欠陥機ではないので反対するな」は反基地感情は強くなるものでしかない。「反対は非合理的であり正しくない」「沖縄土人は科学的知識がないので反対している」と言っているようなものだからだ。


■ 民間人を巻き込んだら終わり

 なによりも、次に墜落した時にどう言い訳するか。

 オスプレイが欠陥機だろうがなかろうがどうでもいい話だ。どうせ落ちるときは落ちる。それは傑作機だろうがなかろうが同じだ。

 そのとき、民間人を巻き込んだらどうなるか? 配備に反対した機体が住宅地に落ちて人死を出す、特に緑区ファントム墜落と同じように無辜の女子供を殺すこととなれば、パパママバイバイの再来となる。

 そのリスクは大きい。

 オスプレイや普天間・辺野古のようなどうでもよい部隊がなくなるのはどうでもよい。傲岸無礼者の沖縄海兵隊は日本の安全保障では沖縄の反発を引き起こすマイナスでしかなく、日本の防衛にも何の役にも立っていない。厄介者でしかない。

 そして、オスプレイの事故は日米安保レベルへの深刻な問題を引き起こす。対中対峙のキモである嘉手納基地も問題となり、沖縄の自己決定権追求から沖縄独立にもつながりかねないこととなる。それはないと多寡を括っているが、スコットランドやバスク独立運動も最初は多寡を括っていた。


■ オスプレイは政治リスク

 その点からすれば、オスプレイは政治リスクでしかない。落ちれば安保体制を揺るがしかねない影響を与えるためだ。

 その点で他の機種と異なる。F15、16、18、22、35が落ちてもオスプレイほどは吹き上がらない。これはこの間AV-8Bが、F-18墜落が起きても大問題とはならなかったこと、オスプレイ墜落では大騒ぎになったことでも理解できる。

 そのオスプレイを国が推すのはあるべき思慮がない。政府ははさほど考慮なしに飛行再開を認めた。朝日新聞デジタル「オスプレイ飛行、全面再開へ 国は容認 沖縄反発」(2016.12.19)は次のような発言を伝えている。
稲田朋美防衛相は19日午前、記者団に「事故の状況や原因などについて専門的知見に照らせば、合理性が認められる。本日午後から空中給油以外の飛行を再開するとしたことは理解ができる」と述べた。
http://www.asahi.com/articles/ASJDL7R2CJDLTPOB004.html



■ 火薬庫の中で「このライターは防爆構造だから安全」

 防衛相が技術的な判断ができないのはどうでもいいことだ。それは仕事ではない。大臣がオスプレイ・ファンクラブのカルト理系のレベルに堕す必要はない。

 だが「もし落ちたら沖縄がどうなるか?」といった危機感がないことは問題だ。稲田さんもそれくらいの理解はあるべきだろう。

 さらに、そのような判断に与し推す連中はまずは頭がよろしくない。「オスプレイは欠陥機ではない」「技術的な問題ではない」といった連中はそれが問題でないことを理解できていない。

 政治的な火薬庫の中で「このオスプレイ・ライターは防爆構造なので技術的に安全です」といっているようなものだ。その火気そのものを持ち込むなと言っていることを理解できていない。

 「欠陥機ではない」は、「ボクは問題の大小を理解できないのです」と徳と吹聴しているようなものだということだ。

 それを基地問題の中で言い出すあたりがどうかしている。ダイエット中のアイドルに手作りお菓子を差し出して「おいしいから大丈夫だよ」と言い出すディスコミュニケーションでしかない。
2016.12
20
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15:10
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 医者の半分は頭がよろしくないと思っている。なによりも朝の生島ヒロシに出てくる健康法を主張する医者はたいていアレ。早朝ヒマな爺ィ医者が、医学的に見て米食ってる日本人は粘り強いレベルの話をしている。

 医者の権威や患者の立場との関係で肯定してもらえる増上慢なのだろう。医者と話していて「アレ?」ということがある。説教してくる医者や世間とのズレが大きいことを言い出すのも多い。

 特に医療以外の分野だとアレになる。生物、化学、社会保健といったあたりならまだいいが、そこから出ると怪訝となる。もともと経験も興味ある分野でもないのに自分は医者だという自信で言い出すと珍無類なこととなる。

 例えば、Calciさんの発言がそれだ。オスプレイ墜落の件で「『Should be thankful that there was no damage』は『神に感謝すべき』と訳すべきで、米軍に対してではない。」(Calci)と発言した御仁だ。英文も「感謝すべき」をグーグル翻訳に突っ込んだとも言われている。


■ 賢いボクに論破されるなんサヨクは本当にみっともないですね

 そのCalciさんがさらに大学進学について述べている。
Calci @Calcijp ええやんけ昔から貧乏な子は国公立金持ちの子は私学と決まってるんや。アホの子は大学行かんでええ。
https://twitter.com/Calcijp/status/811062490222034944

といったものだ。

 中身そのものはどうでもよい。酒場で管巻いてるオッサンの発言程度のものだ。

 だが、それをオフィシャルに公言するのは「ボクは現実主義者です、現実味のないことを言うマヌケな左派や理想主義者を馬鹿にしますよ」といったスタンスである。例の「神に感謝すべき」と同じで「賢いボクのツイートで論破されるなんてサヨクのみなさんは本当にみっともないですよね」といった驕りを感じるものだ。


■ 「96%が大学へ進学する」に違和感を抱かない

 だが「大学進学率96%」と言い出すあたりで、その程度を窺える。威勢よくリアルをぶつけているように見えて、その見識の空虚を示すものであるためだ。
オーストラリア大学進学率
Calci‏@Calcijpそしてオーストラリアでは96%が大学へ進学するという。これじゃ差なんか付きませんわ。
https://twitter.com/Calcijp/status/811051772290572292


 普通は違和感を感じる。「96%が大学へ進学する」(Calci)は常識的数値とは異なっているものだ。その数字が正しいか、その数字が正しくとも統計やその理解に問題はないかと疑問を抱く。

 例えば「アジア圏とくに中国の留学生を全部ぶっこんだ数字ではないか?」と考えるだろう。終身進学率の調査は面倒なので、大学進学者数を学齢人口で割った数字で代用すればそう言った数字がでるためだ。


■ 在豪州留学生32万人

 実際に、豪州は留学生32万人、大学の2-5割が外国人といった数字もある。ニュース記事"Foreign Students Bring $20 Billion to Australia""Inside Higher ED"(2016.11.13)では
It said more than 320,000 students from 130 countries were currently studying in Australia’s universities.
[中略]
While the national average was just shy of 20 percent international student enrollments, last year Melbourne University enrolled 18,384 overseas students -- or 31.2 percent of its total enrollment, up from 16,140 the previous year.
Melbourne was followed by the Australian National University, with 28 percent international students.
[中略]
However, Melbourne’s overseas student enrollments pale in comparison with Federation University in Ballarat, where 42.5 percent of students come from overseas, and Gold Coast-based Bond University, with 41.3 percent.
https://www.insidehighered.com/news/2016/11/23/international-education-20-billion-industry-australia


 オーストラリアの人口は2500万人、乱暴に毎年50万人が生まれて50でみんな死ぬ、大学は学部3年在籍して卒業、留学生は全部学部生としよう。そこに留学生毎年11万人、合計32万人を3年で割った数字を入れ込むとそれだけで20%進学率が高まる。

 他にも、日本では大学に入らない学校を大学とする可能性もある。日本統計では戦後の専門学校は大学に入らない。だが、海外では専門学校といった括りそのものがなく、あるいは職業専門学校も大学扱いされる可能性もあるためだ。かつては日本も専門学校を今の大学扱いしていたし、今でも旧専門学校卒は大卒扱いとなる。


■ 先行研究を見ない

 また、日本語で普通にググっても出てくる。オーストラリア、進学率、96%で調べれば次のような記事が出てくる。留学生効果や専門学校効果とほぼ同じことを考えている。

「日本の大学進学率が低いことは問題か?」『アメリカ大学事情』(2013.5.7)
 http://www.postsecondaryanalytics.com/us_highed_blog005/

「日本の大学進学率は低いは本当か?」『ブリュッセルの政治動向分析』(2016.5.24)
 https://toshihiko-ogushi.com/2016/05/24/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%80%B2%E5%AD%A6%E7%8E%87%E3%81%AF%E4%BD%8E%E3%81%84%E3%81%AF%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%8B%EF%BC%9F/

 後者も「留学生を除いた場合、オーストラリアは約30%、ニュージーランドは約20%ほど進学率が低下する」と述べている。

 これらの記事も、96%の数字に眉唾をして調べた結果得られるものだ。大学進学率96%はそれほどヘンテコな数字なのである。


■ 医者としてもアレではないか

 このあたり、Calciさんは医者としても残念ではないかと疑問を抱くものだ。

 なによりも「自分は事情通である」と信じて残念な内容を徳と語る姿勢がある。「早速アサヒの記事に釣られてる人がいるが、あれうちのネイティブによると意図的な誤訳らしいんでご注意を。」(Calci)

 医療もこのようなものではないだろうか? 聞きかじりを真に受け、確とした判断をしないで、しかも他人の体に軽挙されると困るものだ。放射能を注射してみた、ロボトミイやってみたといったものだ。これは医療で前例がある。アメリカのプルトニウム注射やロボトミー殺人事件はそれだ。

 そうすると、コミケ医務室も衛生隊の診療と同じ、水虫くらいしかアテにはならないということになる。


■ (おまけ)安部菜々の受容もねえ

 まあ、Calciさんの残念さは法被を着ている安部菜々の受容みてもアレだけどね。ツイッターで検索してても電波ソングと痛々しさの部分だけ消費していない。アニメ版のような光と影の落差、残酷物語といった部分に触れていない。そのあたりマニアとしての成熟が全くみられず、表層的にみえるものだ。
2016.12
19
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00:56
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 いまさら南シナ海のど真ん中で対潜戦のデータ集めもないものだがね。

 南シナ海で米海軍の水中グライダーが中国に捕獲された件だが、南シナ海の海洋・水路観測は大概が終わっている。少なくとも対潜戦に必要な水中音速(垂直温度分布)のデータはとうの昔に取り終わっている。

 だいたいインペカブルが南シナ海でLFAソーナーをガンガン使っている中でそれもない。実際に中国潜水艦は100キロレベルの大遠距離で探知されている。

 やる意味があるとすれば、中国沿岸ギリギリ、南シナ海なら珠江、東シナ海なら長江の淡水・海水境界の測定ぐらいじゃないかねと。

 ただ、雑誌記事に「水中グライダーは使えない」といった記述を残したあとでよかった。

 採用されれば年明けの雑誌に載る記事で「USVとUUVは駄目」と書いた。その理由に動力の限界を書いたが、ついでにその時に「水中グライダーは海洋観測しか使えないから代替手段とはならない」と書いて納品、その一週間くらいあとで中国海軍にスローカム・グライダーが捕獲された。

 最初は他にも書いていた。他にもOCEAN AEROのような帆走USVも駄目、海洋観測しかできない。DARPAが言い出しているUUV防護も可能性検討程度でいつもの空振り。そういったあたりも書いといたが、それはマイナーだし引き算かなと推敲で抜いた。

 ただ「水中グライダーは実用してる残しといたほうがよかんべ」と残しておいた。後追いなのに先行例を一切示さない技本の素人衆むけ発表や、それをオリジナルと信じて持ち上げる連中がいたこともあるので、冷たいお水を脳天から灌仏会してあげるのもいいかなと思った部分もあるけどね。
2016.12
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 こんな写真を出して日本・沖縄世論が改善すると思うのだろうか?

 海兵隊広報がまた余計なことをしている。「いち[海兵隊広報の]読者が、[日本の]新聞報道などに見るニコルソン中将の写真に悪意を感じてしまい、皆さんに見て欲しいと投稿してきた、中将と沖縄の少年との写真です。」といってロクでもない写真を出している。

沖縄総督海兵隊司令官

在日米海兵隊 ?@mcipacpao
いち読者が、新聞報道などに見るニコルソン中将の写真に悪意を感じてしまい、皆さんに見て欲しいと投稿してきた、中将と沖縄の少年との写真です。

少年との写真に見れる中将の姿は愛情がいっぱいで、素晴らしい笑顔です。
https://twitter.com/mcipacpao/status/810141358069518336



■ 現地感情への配慮がない

 現地がどう思うのかについて全く思慮がない。オスプレイ墜落で「誰も死ななかったから感謝しろ」と沖縄県に喧嘩を売ったあとで「日本人[海兵隊協力者]にも、日本の新聞報道は悪意がある」といっていると述べ「本当の司令官はこんなに日本人と融和的ですよ」と現地少年を指導する司令官といった写真を提示している。

 だが、「非難は不当だ、海兵隊は現地に愛されている」といったいいわけ的な文脈からすれば、写真はプロパガンダ臭にあふれるものにしか見えない。ガンガ・ディン的な現地人を手懐ける植民地総督といった構図である。「現地少年を諭す琉球軍政府海兵隊中将ニコルソン総督」といったものだ。

 海兵隊広報は、これで海兵隊への反感が収まると思っているのだろうか? 


■ 日米安保への悪影響を考えているか?

 さらにいえば在沖縄米軍、在日米軍、日米安保に及ぼす悪影響への思慮があるか不思議である。

 今回の件は海兵隊が起こした事故があり、さらに司令官が余計なことをいって火に油を注いだものだ。

 日本では普通の神経があれば黙っている。反論してもいいことは何もないためだ。それは広報が承知していなければならないことだ。

 だが、それをせずに海兵隊のメンツだけを守ろうとした。それにより日米安保への悪影響も考えない無思慮である。


■ ロクでもない協力者を重用する

 なぜそのようなことをしたのか?

 アレな日本人協力者がヨイショしているせいとしか言いようはない。

 海兵隊は日本人協力者を抱えている。アレげな連中だが、評判悪い海兵隊を幇間的に擁護してくれるので重宝している。

 だが、密接に連絡をとっているとアレ雰囲気が伝染する。結果、広報も日本人、沖縄県民の世論を見誤る。「普通の日本人は海兵隊をリスペクトしている」「沖縄の海兵隊の皆さんのおかげて中国の侵攻がない」「肩を並べて兄さんと今日も学校に行けるのは海兵隊のおかげです、海兵隊さんありがとう」といった、コラボレーターの家畜人ヨイショにハマってしまう。


■ 五〇年前から進歩してない

 このあたり海兵隊は五〇年前から全然進歩していないということだ。韓国や南ベトナムで社会から遊離し、あるいは権益目当ての親米協力者だけを重用し、そのコラボレーションで「ベトナム市民は駐留米軍に感謝している」絵を作ったアレの繰り返しだということだ。

 ことこの期に及んでは更迭しかない。在沖縄米軍調整官は沖縄問題の原因を全部海兵隊に、特に海兵隊司令官のしくじりであり、責任引っ被らせて国外移転させるしかないとでも本国に連絡すべきだ。中国との対峙の最前線、日米ともに最重要の嘉手納基地維持を考えればそうするしかない。

 だが、当の調整官が司令官ご本尊なのでまずはできない話だだろう。
2016.12
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19:11
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 須賀原洋行さんは敗北を勝利と言い換えることでアレ宰相の対露朝貢を評価している。ネトウヨ的な対外強硬論、自国中心主義に傾倒していたにも関わらずそのような主張をするのは不思議なものだ。

 日露首脳会談はやる必要がなかった会談である。宰相が「北方領土が帰ってくる」といったトンチキを信じ込み、「政治的得点になる」と色気を出した外交だが、三月前にはやったところで何の成果も得られないことは判然としていた。

 本来ならあしらえばよかった程度のものだ。プーチンがシグナルを示したように遅刻をして、形式的に大統領閣下と冷たく呼べばよい。実のない話をして屁の役にも立たない柔道といった文化交流の話だけでもして追い返せばよかった。

 実際に現実的にも何の成果もないものだ。だいたいメモランダムもコミュニケも出ない首脳会談である。

 大の宰相がウラジーミルとネコナデ声を出す醜悪だけが目立つものだ。


■ 大本営ニュース

 だが、その発表を持ち上げる御仁がいる。中でも興味深いのは須賀原洋行さんだ。

須賀原洋行@tebasakitoriri「返還でなくてがっかり」という人もいるが、例えば尖閣がもっと大きな島で日本人がたくさん住んで実効支配してると仮定して、中国が「主権や領土については言わない。うちと共同経済活動しませんか」と頼んできたら絶対断るでしょ。それと似たような事を安倍総理はプーチン説き伏せて実現したのでは。
https://twitter.com/tebasakitoriri/status/810031890992340992


須賀原洋行@tebasakitoriri ぶっちゃけて言うと、北方領土はロシア側はすでに3世代住んでいて、日本はもう元島民がかなりの高齢なので、仮に単純に領土返還が実現しても(右翼的には大事だろうが)日本の旨味は薄い。露の法律に縛られない、協議による特区的な法でもって共同経済活動ができるなら御の字ではあるまいか。
https://twitter.com/tebasakitoriri/status/809784329815494656


 これは須賀原さんが30年前に漫画でやった「大本営ニュース」に近いものだ。「読売新聞社発表、わが巨人軍は五十連勝中の阪神に対し本日後楽園球場のナイターにおいて105点を得点し現在も追撃中、なお我軍の損害軽微」(だいたいそんな話)というアレだ。


■ 判断基準の外部化

 なぜそのようなヨイショをするのか。判断基準を外部化しているのだろう。事物について自分で考えて評価するのではなく、外にあるネトウヨ基準にあわせて評価する。

 今回の基準は「アレ宰相の選択は正解」といったものだ。その結論に合わせて政治状況を放り込むとこうなる。日露首脳会談で安倍首相は成果を挙げたから逆算して自称を解釈した結果が「中国が[中略]頼んできたら絶対断るでしょ。それと似たような事を安倍総理はプーチン説き伏せて実現した」(須賀原)だ。

 哲学科出身を売りとした御仁が、自分で考えることを放擲したのは残念なものだ。外部から与えられた結論にあわせて世界を認識するあたりは御本人の言うように「新興宗教の信者にしか見えない」(須賀原)もので痛々しい。

須賀原洋行
須賀原洋行‏@tebasakitoriri 反オスプレイや反被曝の人達(の一部)って、危ない新興宗教の信者にしか見えない……
https://twitter.com/tebasakitoriri/status/809965596817367040


 自覚のないカルト宗教の信者(の一部)が、外の世界の人々を「危ない新興宗教の信者にしか見えない」(須賀原)といっている。そういった入り子構造は興味深いものだ。 

 いつ気づくのだろうかね。大本営ニュースはその年の日本シリーズの日テレで「海行かば」が流れるなかで渡辺恒雄のコメント「耐え難きを耐え」が流れた。須賀原さんもいずれそれに気づき悔悟するのか、気づかないまま本人としては幸せに人生を終えられるのか、あるいは気づいても現実を受け入れられないので新しい虚構を求めるのかは興味深いものだ。
2016.12
17
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00:34
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 小池都知事に実績はあるのだろうか?

 環境省、防衛省の大臣としての実績はない。少なくとも従来できなかったことをできるようにした、あるいは従来やめられなかったことをやめたと言ったものはない。

 都知事になってもそれは同じだ。現実的な成果は何も挙げていない。

 今回のオリンピック会場移転問題も何もできず終わった。バレー競技場有明新設が決まり、費用圧縮のための移転はボート以下すべてが画餅に終わった。

 今後をみても何もできない。築地移転も何もできずに終わるだろう。覚悟も野望もなく、権力維持が目的とし保身を優先する。何も決断しないためそうなる。


■ 覚悟がない

 なぜ実績を挙げられないか? 簡単に言えば覚悟もないためだ

 偉そうに横文字を使い大口を叩く。その割にはリスクを取る決断はしない。

 これは青島都知事と比較すれば明らかである。青島都知事は行政機構との対立を覚悟で賭して都市博を中止させた。自分が都知事として不利となるリスクをとってでも為すべきことと信じることを進めた。

 だが小池都知事はその保身的態度から何もできない。知事としての地位権力指導力の喪失をおそれている。だから何もできない。競技団体ごときの反対に対して、その競技はやらなくともよいとも言えなかったのがその例だ。

 そして自らを騙そうとしている。決断ができなかったことについて、アスリートファーストやらレガシーやらのまやかし文句で仕方かなったと自分を欺瞞しようとしている。

 一言で言えば覚悟がない。青島都知事であれば言えただろうオリンピック返上すら言い出せない。その程度ということだ。


■ 野望がない

 まずもって不覚悟だということだ。

 そもそも野望がない。その点でかの稲田防衛大臣にも劣る。

 稲田防衛相には少なくとも野望がある。野望そのものは迷惑至極なもので、国に害をなすものでしかない。だが確信的な使命とでも言うべき目標はある。

 そして野望を進めるためには傷つくことも厭わない。政治状況や理想としてあまりにもアレでありバックラッシュでしかないが、自らの使命と考えて言うべきこととして言う。それで反発を受けても仕方がないと考えている。

 だが、小池都知事にはそれがない。何をするのかの図画もない。

 そこにあるのは権力欲だけ。偉くなって何をしたいのか、何をするために偉くなるのかといった信念がない。当然、権力の保存が最優先となる。

 それを示すのが、その発言である。当り障りのないことだけしか言っていない。なによりも自分が傷つくことだけを回避する。


■ 保身しかできない

 今後は保身だけを図るだろう。

 もともと欲しいものは権力だけだ。都知事となり、その先の権力が欲しいだけであって、何かやりたいわけでもない。

 そして、この先の権力に辿り着くこともできない。

 自力で這い上がる力もない。ここまでの昇進をみても結局は従来の政治構造の中で、権力者に気に入られて評価されて持ち上がり、あとは機会主義的な挙手で上のポストに入っただけの話だ。

 その伝からすれば、今より不利となる国政には戻れない。理念もなく泥もかぶらない小池都知事は国政に戻って勝てる見込みもない。つまり国政では都知事以上の地位は得られない。権力の損得勘定が優先する人物なので、そのような選択はしない。

 まずは都知事として居座ることだけが目的となる。ピークの地位を守ることに汲々とする。自らが傷つく可能性のあることはすべて回避して何もしない。あとは口当たりのよいこと、横文字を乱発し、当たり障りのないことだけを言い続ける。

 そのため何もできない。それで終わる。
2016.12
16
CM:16
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02:45
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 事故起こした海兵隊に「切れていいよ」(野尻)とは何事だろうか?

 野尻抱介さんが奇妙な主張をしている。海兵隊の親玉は副知事に怒ってよい。事故を起こしても被害を起こしていないので海兵隊は悪くない。それを責めようとする沖縄県は間違っている、抗議は許せないといったものだ。

野尻式ロジック
尻P(野尻抱介)@nojiri_h みんなあのニコルソン中将に同情しないのかねえ。なにっ、オスプレイが事故?!乗員は全員無事、地上にも被害なし、よかったー、みんなよくやったー、とカッカしてるところへ副知事がやってきて、いきなり抗議文をつきつける。「いいよ、切れていいよ中将、あなたは十分やったよ」って思ったけど。
https://twitter.com/nojiri_h/status/809416473881907200


 野尻さんのセンスは相当にズレている。「みんなあのニコルソン中将に同情しないのかねえ。」(野尻)と述べている。事故起こした挙句、逆ギレする海兵隊を日本世論が同情しないことに疑問を持っているということだ。世間から見ればむしろ野尻さんのロジックが不思議に見えるものだ。


■ 逃げたトラが人を噛まなかった褒めろ

 これはトラを逃がした飼主に「逃げたトラは噛まなかった『よくやった』とご近所は飼主を褒めるべき」と言うものに近いからだ。 

 飼い主がヘマをしてトラを逃した。逃げたトラは民家近くまでうろついているところを辛くも捕まえた。

 それをもって飼主が何様の発言をした。「ウチのトラは優秀だから他人を食い殺さなかった、褒めて褒めて」といった。 

 それが海兵隊の親玉の口の利き方である。飼育責任者としての資質に欠ける発言でしかないからだ。

 さらにそれに追従する奴がでてきた。飼主に同情し、地元は飼主を賞賛しろという。トラを逃したこと当の本人に「飼主はキレていい」といっている。それが野尻さんだ。


■ 「いいよ、切れていいよ東電、あなたは十分やったよ」(野尻)

 野尻さんはまずは社会が理解できていないということだ。もっと言えば世間を全くご存じない。

 物事はすべて科学的正解で動かせるとでも思っている。オスプレイは他の飛行機と同じ危険性しかない。それを恐れるのは非科学的である。例の放射能を恐れるのは放射脳と同じ理系カルトの発想である。

 だが、オスプレイ配備の事情からはそれは言えないことを理解していない。

 オスプレイは事故を起こせば責められる形で配備された航空機だからだ。普通の航空機同様の墜落でも、日本政府や米軍は責められる構造にある。

 それは配備の経緯に明らかである。沖縄はオスプレイは危険なので配備するなと主張した。対して政府は危険性はないとし、沖縄の意見を無視し、強引に配備した。

 自己決定権をないがしろとし、自尊心を潰された沖縄は今でも怒っている。

 この状況でオスプレイが落ちればどうなるか? それを野尻さんは理解できていない。人的被害がないから賞賛すべきと思っているからだ。

 おそらく野尻さんは原発でも言う。「フクシマで放射能で死んだやつはいない、いいよ、切れていいよ東電、あなたは十分やったよ」と。わりかし言えるタイプだからだ。


■ 野尻式ロジックで沖縄が納得しますか?

 なぜそんなことを言うのか? 

 まずはオスプレイのメカニズムにに感情移入しているのだろう。オスプレイは技術発達の精緻であり素晴らしい、他の飛行機とくらべて危険ではないというものだ。10式戦車やF2、C2を擁護したメカミリ系のアレと全く同じ感情である。

 そして人の心がわからない。沖縄が何故怒っているかを全く理解できない。これは「危険ではないオスプレイを危険というのは非科学的であり、不当な言いがかりと考えている」といった野尻式ロジックにあらわれている。

 だが沖縄、さらにはその立場に同意する人々はその野尻式ロジックに怒っている。「科学的に安全だから」といった押し付け、手続き無視、自尊心への無配慮を非難してきた。

 その状況の中に、野尻さんは再び野尻式ロジックを投入しようとしている。「なにっ、オスプレイが事故?!乗員は全員無事、地上にも被害なし、よかったー、みんなよくやったー」「『いいよ、切れていいよ中将、あなたは十分やったよ』」と言っているのがそれだ。

 まずはどうかしている。何故周りが怒っているのか全くわかっていない場違い坊主が、何で怒られているのかも理解できずに火に油を注ぐ構図である。それが野尻さんだということだ。









■ オマケ

 場違い坊主同士の連帯もある様子だ。野尻さんのツイートには
Naoki_O ‏@nananao2236
@nojiri_h なんと言うか、鈴鹿サーキットのヘアピンあたりで起きた事故で、「すぐ横には民家があるんですよ車が飛び込んだら危ないじゃないですか暴走行為はやめてください!」みたいな人に怒鳴り込まれてる感じがします
https://twitter.com/nananao2236/status/809419000954245120

がぶら下がっている。

 場所を限ったサーキットではない。沖縄からすればリアルに自分ちの真上を飛んでいることを想像できないあたりが、類友なのだろう。得として書いている経歴を見てもやっぱり理系カルトでしかない。
2016.12
15
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14:59
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 この間の裁判で建設反対は拒否されたのか?

 石平さんが珍妙な理屈を述べている。

石平太郎‏@liyonyon
オスプレイの不時着にかんし、翁長沖縄知事は「日本は法治国家でない」云々という。しかし一件の飛行事故が起きたことと、日本が法治国家であるがとうかとは一体何の関係があろう。最高裁が辺野古の沖縄敗訴を決めたのに、依然として「移設阻止」と叫ぶ翁長さんたちこそが、法治国家の破壊者である。
https://twitter.com/liyonyon/status/809158544268271616


 「最高裁が辺野古の沖縄敗訴を決めたのに、依然として『移設阻止』と叫ぶ翁長さんたちこそが、法治国家の破壊者である。」(石平)とあるが、 基地建設に反対することのどこが「法治国家の破壊者」(石平)なのだろうか?


■ 裁判の対象をあえて無視

 裁判で争われたのは、県知事による埋立免許取り消しである。その訴訟に国が勝っただけの話に過ぎない。

 当然ながら、沖縄県による埋立免許取り消しの効力がなくなったにすぎない。国が求めたのはそれだけであり、それ以外については争われていない。裁判は不告不理であり、裁判所はそれ以外には口を出さない。

 その判決(見込み)をもって辺野古建設拒否、石平さんのいう「『移設阻止』」が否定されたわけではない。


■ 形式的な法律支配

 さらに、石平さんは法治国家の語もいいように使っている。「『移設阻止』と叫ぶ翁長さんたちこそが、法治国家の破壊者である。」(石平)と述べているが、その法治国家は形式的な法律支配でしかない。

 今の埋立免許は正当性を欠くものだ。仲井真知事をアメとムチで転ばせ、しかも本人が選挙で負け、退任直前に駆け込みで行った埋立免許は形式や要件は満たすが、正しいものではない。

 それを振り回すあたり石平さんが使っている法治国家とは形式的な法律支配でしかない。石平さんの主張は法律があれば何をやってもよい。ユダヤ人を虐殺しようが法律的に正しければ無罪であり、無抵抗な捕虜を一方的に殺処分しても正当な命令であるので無罪とするものだ。


■ コラボレータのお仕事

 もちろん、石平さんが承知して発言しているのだろう。

 汪兆銘どころではない対日コラボレータである。汪兆銘は日本現地軍政に文句も言ったし抵抗もした。だが石平さんは現政権やその支持基盤の歓心を買うことしか考えていない。

 この点、デリカットじゃない方と同じ商売づくである。保守・右派から金を巻き上げるためにそれっぽいことをいっている。その意味では趣旨は一貫している。新興宗教のアレ新者向けのナントカ還元水を、製品の質が粗雑であることも含めて作っているだけでもあるためだ。


■ 自ら騙されるマヌケ

 そのような粗雑な主張に嬉々として同意する連中もマヌケなものだ。

 先のCALCIさんやJSFさんと同じ伝である。自ら欺瞞に浸るだけの連中である。

 彼らは深層にフラストレーションを抱えている。反・反基地感情を憎むが、それに対峙できるロジックが組み立てられない。今まで借りてきた理屈は破綻している。

 その努力を放棄するため欺瞞を信じている。ロジックを立てるのは面倒なものだ。だが、それを放擲して欺瞞を信じればラクチン至極である。

 それが「頭の悪い県知事は『反日、法治国家違反の罪』」といった虚構を信じるものだ。それで反・反基地感情を正当化しようとしているのである。

 ちなみに 中には幹部級を自称する兵隊が何人もいる。四十郎の分別ざかりが自分は頭が悪いといっているようなものだが、ライト・イズ・ライトが染みついているので本人はそれを問題視できない。ちなみにGATEを褒めたり、オタクを自称したりしておりしており、さらにSFファンを自称するあたり、理系カルトとも相性がよいのだろう
2016.12
14
CM:27
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18:58
Category : 未分類
 海兵隊の親玉の発言について、誤訳であると信じ込みたい人々がいる。

 朝日新聞「米軍高官「被害与えず、感謝されるべき」 沖縄副知事に」の記述
安慶田副知事によると、ニコルソン氏は「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と抗議に不満を示したという。
http://www.asahi.com/articles/ASJDG547DJDGTPOB008.html

 に対し、誤訳であるとの主張がある。

 これはCalci‏@Calcijpさんの発言だ。
Calci‏@Calcijp早速アサヒの記事に釣られてる人がいるが、あれうちのネイティブによると意図的な誤訳らしいんでご注意を。
https://twitter.com/Calcijp/status/808942683213283328

Calci‏@Calcijp
「Should be thankful that there was no damage」は「神に感謝すべき」と訳すべきで、米軍に対してではない。
https://twitter.com/Calcijp/status/808943010285133824


 だが、これは自分自身を欺瞞しようとするものだ。遁辞に過ぎない。


■ 原因者は誰かを無視している

 まずは、夜に近所で余計な訓練をして墜落したのが原因である。悪いのは誰かといったものだ。夜の実施じたいが危険性は高い。下は海で市街地ではないが、沿岸沿いであり居住地域に近く、航行や漁労の可能性も高い。もっと遠くでやるのが常道である。

 事故を引き起こした側が感謝しろと言うのは傲慢である。「住宅に落ちなかったんだ、海兵隊に感謝しろ」を「住宅に落ちなかった、神様に感謝」と言い換えたところで、その原因者は誰かと責められるのがオチだ。


■ ビンのフタは身内向けと同じ擁護

 その発言を誤訳である、他意と擁護するのも不思議なものだ。

 そもそも、そのように取られる発言をした事自体が失格ではないか? 米指揮官、それも最先任将官として自治体との折衝で中将が副知事にそのような発言をすること事態が、能力を疑われる要素となる。バイス・ゲネラルがバイス・ガバナーとの折衝で期待される水準ではない。

 そうとれる発言を指揮官、しかも在日米軍最先任の将官がすれば日米関係がどうなるかを考えていない。その意味で思慮に掛けるとしかいいようもない。これはかつて「ビンのフタ」(これも海兵隊だ)と言った結果、日本がどう反発するかは既にわかっている話だ。

 そこで「『Should be thankful that there was no damage』」の主語は神」(Calci‏)といってどうなるわけでもない。ビンのフタ発言を身内向けの発言だから問題はないと言っていた連中とかわらない。

 自分自信を騙し、問題ないと思い込もうとする主張に過ぎない。


■ 自分たちを騙そうとしている

 さらに、そのような発言にすがろうとする連中も同じ穴のむじなである。

 例えば、JSFさんはそう信じ込もうとしている。
JSF神に感謝
JSF ‏@obiekt_JP
米軍高官「被害与えず、感謝されるべき」 沖縄副知事に:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJDG547DJDGTPOB008.html … これは「神に感謝すべき」という意味で海兵隊に感謝しろという意味ではない、そうです。
https://twitter.com/obiekt_JP/status/808957040789852160


 これは欺瞞を真実だと思い込もうとする合理化だろう。大好き海兵隊、大好きオスプレイへの評価を下げたくない。今まで擁護してきた自分の立場を守りたい。かつて軍クラ総大将であった栄光と、そこからのネット上での自分の地位低落を止めたいといった欲求を反映したものだ。

 これは楽なものだ。事実を見て自分なりの評価を行い、過去を含めて反省しないでよいためだ。

 辻褄が合わない欺瞞をそのまま信じ込む理由はそれだ。自分を騙したほうがラクチンだからだ。それがCalciさんであり、JSFさん以下ということだ。









 まー、貴音とF-35がアイコンのあたり、キャラと兵器をアイコンにするのは…の傍証でもあるわな。なんでそんなに欺瞞に浸りたがるのかね
2016.12
14
CM:14
TB:0
17:26
Category : 未分類
 オスプレイが墜ちたことが大ニュースとなっている。

 たかが輸送機が墜落したことがニュースとなるのは何故か?

 簡単なことだ、地元が「もし墜ちたらどうするか」で反対してきた状況で強引に配備した機体であるためだ。地元の首長が危険性への懸念が払拭されないとして反対した機体を技術的には安全であるとして強引に配備した経緯があるためだ。


■ 危険ではないといってどうする

 この経緯を踏まえずに「技術的には危険ではない」といい出すのは、どうかしている。

 オスプレイには反・反オスプレイを目的とする擁護派がいる。オスプレイは安全と主張し、反オスプレイを非科学的と主張していた連中だ。

 中には墜落ではない、予防的措置であり不時着水にすぎないとしている。だが、機体がバラバラになる予防的措置があるだろうか? ヘリが安全を確保した上で中学校の校庭に着陸したのとは違う。


■ 不謹慎であると逆ギレ

 さらには墜落報道を不謹慎と言い出すのは、よほど反・反オスプレイの行き過ぎである。墜落で示された危険性を認めることができないこと。それを指摘した意見を道徳的に正しくないと排斥するものであるためだ。

 例えば、マニアの写真屋はこんなことを言っている。冬コミで『F-35の開発FTB』を出すのだとのことだ。武器そのものが大好きで、迷惑をかけられている周辺住民の反対を憎んでいる。

わかば_オスプレイ擁護
わかば/C91金曜 東e27a‏@JAPAN_wings
やっぱり落ちた オスプレイ墜落 住民恐怖、欠陥機懸念現実に(琉球新報) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161214-00000008-ryu-oki … #Yahooニュース
タイトルが清々しいまでのグズっぷり(。∀ ゚)
https://twitter.com/JAPAN_wings/status/808829273016397824


 なんで問題となるかがわかっていない「グズっぷり(。∀ ゚)」(わかば/C91金曜 東e27a)といったものだ。


■ 周辺住民の感情を理解できない

 また、「本来飛ぶ必要の無いものが墜落しているんだよ。」にも反発している。
わかば/C91金曜 東e27a ‏@JAPAN_wings 1時間1時間前
わかば/C91金曜 東e27aさんが渡辺@潜伏中をリツイートしました
「本来飛ぶ必要の無いもの」
(。∀ ゚)軍隊なくせ的な方かな?
https://twitter.com/JAPAN_wings/status/808929667457646592


 住宅地の近所でしかも夜やるなといった意見は妥当なものだ。だいたい自衛隊なら騒音出すので実働か演習時でもない限り基本は夜は飛ばない。それをやっている事自体は迷惑というものだ。

 それを「(。∀ ゚)軍隊なくせ的な方かな?」(わかば/C91金曜 東e27a)と、軍隊なくせ=空想的平和主義とバカにしようとするのは、まずは何もわかっていない。


■ 擁護のつもりで足を引っ張るヒコーキ写真屋

 本人は軍隊を擁護しているつもりで、足を引っ張る連中だということだ。

 ちなみに、写真・模型・軍装マニアは大抵コレ。勝手に軍隊と自分を一体化させ、その敵を許さないといった体制擁護運動をしている。それを言えば軍隊が喜ぶと思っているが、実際はマイナスにしかならないものだ。

 大概がアレな海兵隊擁護を見抜けない連中でもある。じきにオスプレイ辺野古擁護の新興宗教にでも取り込まれるのだろう。
2016.12
12
CM:4
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17:39
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 沖縄タイムスが県敗訴を報じている。「【速報】辺野古違法確認訴訟、沖縄県の敗訴確定へ 埋め立て工事再開か」がそれだ。これは沖縄県の翁長知事による辺野古の埋立免許取り消しを違法とするものだ。これにより国は埋立作業が行えることとなる。

 裁判では日本政府が沖縄県に勝った形となった。さらに国はその勝利を利用して沖縄県をに圧力を与えようとしている。産経「政府、辺野古で沖縄県に損害賠償請求を検討 国勝訴後の抵抗に備え」がそれだ。

 だが、基地建設の状況は改善するのだろうか?

 今後はむしろ悪化している。無理押しした結果、現地では基地建設は全く勝ち目がない状態となっている。その点からすれば辺野古は既に詰んでいる状態にある。

 結果、辺野古は建設できない。このまま膠着しておわる。次の政権かあるいは政権交代後かはともかく、いずれは政府側が対立に耐えられなくなり放棄せざるを得なくなるだろう。


■ 県の抵抗が強化される

 国が勝訴した結果、辺野古建設の状況は悪化する。

 なぜなら訴訟で勝つことで反対が強まるからだ。

 県民世論は辺野古拒否で一致しており、政府の工事強硬に反対している。現地政治で勝てないため訴訟といった手段で押すことは反感を招くだけであり、さらに確定判決を元に工事を実施すれば、自分たちの意思が踏みにじられたとさらに反対活動が強くなるためだ。

 また、それにより翁長知事の政治力がパワーアップする。何があっても基地を建設させないといった立場への支持が高まり、信任も深くなるためだ。これは妥協を図る政府融和派が力を失っていることでも明らかである。現在、前知事の仲井真さんは協力者となったことで政治的に死んだ立場となった。露出は右派誌のみで全く政治力を行使できていない。

 この知事のパワーアップにより、県や市町村の抵抗は強化される。上に上げた沖縄タイムスでは「ただ、国が工事を進めるために必要な設計概要や岩礁破砕の許可申請に対し、県は不許可とすることを検討。埋め立て承認の撤回も視野に入れている」としている。つまりは県民支持がより強固となった結果、「負けてもかまわないから抵抗する」といったオプションをとれるようになったということでもある。今後は県・市町村の権限でなんでもするだろう。これは政府が沖縄県を追い詰めた結果、翁長知事をパワーアップさせた結果である。


■ 現地の反対運動も激化する

 国が勝訴した結果、辺野古建設の状況は悪化する。

 その第二の理由は現地の反対運動も激化するためだ。

 既に、ヘリパッドでの「土人」発言により県民感情は悪化している。これは両者にとってもサブ以下に過ぎなかった高江において、政府が無理押しをした結果として引き起こされたものだ。

 その結果、辺野古工事再開をすれば従来以上の反対運動が引き起こされることになる。おそらく反対運動は基地前面の抗議だけではなく至る所で発生するだろう。各政治団体も競うことになる。競合する団体が抗議で目立てば、自分たちの存在価値が疑われ支持を失うためだ。

 妨害は容易であることが知られたことも抵抗を増やす原因となるだろう。道路をゆっくり横断するだけでも、車で安全運転するだけでよいことが周知されている。基地へのアクセス道路に迂回路はほとんどない。道路結節点から道路結節点まで8kmの範囲に分散されて妨害されれば、まずは陸上輸送はできない。港湾前面も同じことだ。

 それを取り締まろうとすればさらに反感が高まる。県外から機動隊を集めて無理な警備を実施しようとすると、再び二線級部隊や二線級警官が投入されることになる。結果警備で衝突し、第二の土人事件が起きる。あとは負の連鎖である。


■ 推進協力者の引き倒し

 国が勝訴した結果、辺野古建設の状況は悪化する。

 その第三の理由は、推進協力者が勢いづくためだ。

 基地建設には推進協力者がいる。これは反・反基地運動といったもので、宗教右派や反サヨク運動の極まった集団が基地反対運動を攻撃するものだ。例えば、私人で転び公妨を図る衛星政党の議員や、国難系新興宗教といった集団である。エルドリッジ時代から海兵隊にくっついていた勢力もそれにいれてよい。

 この推進協力者は判決で勢いづく。「埋立免許は有効である」、「基地建設は合法である」「反基地運動は違法である」として活動を強化する。

 結果、贔屓の引き倒し現象が強まる。推進協力者の活動が進むことにより、県民感情に従来以上の反感が引き起こされ、基地建設が難しくなると言ったものだ。

 そもそも彼らは基地建設そのものを援護するのではなく、反・反基地が目的である。そのため建設への悪影響も気にしない。

 当然だが基地反対はむしろ強まる。推進協力者が負のコラボレートをすればするほど反基地運動は強まる。つまりは辺野古はできなくなるということだ。


■ 辺野古はできない

 国が勝訴した結果、辺野古建設の状況は悪化する理由は以上のようなものだ。

 そもそも既に辺野古は手がつけられず、工事を進捗させられない状況にある。高江の工事はそれをごまかすためのものであった。基地建設が停滞していることをごまかすため、サブ的なヘリパッドを無理につくったというものだ。

 そこで埋立免許が復活しても、現地工事は何も進捗しない。次は埋立免許の取り消しが行われる。そこで協議、訴訟があり、しかもその間に選挙が入れば工事はなにもできない。

 国による損害賠償請求も火に油を注ぐだけだ。県からすれば、沖縄を屈服させたいのかといわれたようなものだ。やれるものならやってみろとなる。翁長知事は敗訴しても妥協するくらいなら金を払う選択肢を選ぶし、県民も県会もそれを許すからだ。
2016.12
08
CM:3
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01:35
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 大学生の時分『アメリカ職人の仕事史』に感心したことがある。神保町で平台に乗った本を帰りの汽車で読みつくしてさらに翌日読み返すような面白さであった。

 だが、後に古典としてロルトの『工作機械の歴史』を読むと興ざめした。感心した部分の多くはロルトが提示していた例であったためだ。もちろん、主張の根幹や焦点は異なっており、別の例も多く上げられている。マコーミックの刈入れ機械や木製歯車製の一〇ドル時計も確かあった。だが、一番おもしろいと思った銃器互換性や銃床倣い旋盤といった部分がロルト由来であることにがっかり来たものだ。


■ 引き写しの本もある

 もっと酷いものだと、元の本をほぼ引き写した本に当たることもある。

 例えば、小磯国昭について調べた時だ。あまりにアレなので題名まで覚えている。『怒り宰相小磯国昭』を閲覧したところ、本人の自伝『葛山鴻爪』にソックリ、少なくとも構造や事実関係の記述はそのままであったためだ。

 また、比較的最近に出た掃海関係の市販本をみて「『航路啓開史』の文体を変えただけじゃないか」といったこともあった。ちなみに去年増補版がでているがいい面の皮だとおもったものだ。

 『アメリカ職人の仕事史』はともかく、後二者のような本を出すヤツの気が知れないものだ。書いた本人の発見や主張はどこにもない。さらにオリジナルを読んだ読者には馬鹿にされるためだ。

 読者はオリジナルの本を読んだことがないと信じられるのか不思議なものである。


■ 同人にも多い

 同人にも多い。調べましたといって古い本や洋書の記述をそのままパクる例がそれだ。例えば、軍事史としてチュートニック・オーダーの同人をつくるとしよう。その中身の逐一が『北の十字軍』の引き写しであったとすればどうなるだろうか? 

 その場合、大空のさむらい他のゼロ戦戦記をまとめたお涙頂戴を自分で傑作といって恥じないハゲに似た図々しさを感じるだろう。馬鹿にされてしかるべきだろう。

 引き写し元の本が増やしても意味もない。著者の新しい発見や主張がなければ結局はコピペだからだ。酷いのになると二種類の本から引き写した結果、一ヶ所では五インチ砲と書いてありながら片方は一二.七センチ砲と書いて気づかない例がある。両者は違う大砲だとでも思ったのだろう。

 さらに創作が交じると愉快なものとなる。塩野七生あたりを読んで参考文献として古代ローマ軍事史でございに近いものとなれば爆笑だ。例えば、仮に例示したドイツ・カソリシズムの東方進出であれば、ジェームズ・ミッチェナーの『ポーランド』での歴史記述やエイゼンシュテインの『アレクサンドル・ネフスキー』でのチュード湖の戦いを真似るようなものであるためだ。
2016.12
07
CM:6
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13:29
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 新聞には序列がある。どう逆立ちしても産経は朝日に勝てない。その差は開くばかりであり、産経は朝日ほかに大きく引き離された第二集団以下となっている。冷戦集結により、自己規程していた「反共」の存在価値が失われたためだ。結果、カルト・ネトウヨ層シフトしたが、それで新聞としての価値を失った。歴史戦や宗教保守ヨイショはまともな新聞はやらないものだ。

 差異の拡大はタブロイドでも起きている。当然だが夕刊紙にも序列がある。夕刊フジは日刊ゲンダイに勝てない。部数に大差があることは周知のとおりだが、やはりそこにも理由がある。


■ 「いまさら竹中w」が書けないフジ

 最近の記事を比較すれば、次の記事が好例だ。

・ ゲンダイ「小池塾に『カネ返せ』の声…講師に竹中平蔵氏の時代錯誤」(12月5日)
・ フジ「小池知事、塾講師務める猪瀬直樹氏に『リアルな話聞ける。実りが多い』」(11月12日)

 タブロイドとして、落ち目の小池都知事を躊躇なく批判できるゲンダイと「保守だから擁護」回路で批判できないフジの差がそこにある。なによりもフジは「いまさら竹中w」が書けない。時代錯誤、ゴシップで小馬鹿にできるチャンスを政治信条から活かせない点で、プチ鹿島さんのいう「下世話なオヤジジャーナル」失格である。


■ タブロイドのくせに体制擁護

 そもそもタブロイドのくせに体制擁護を使命としているあたり、覚悟がない。いまだにカジノ法案を擁護しようとするあたりが、私設体制擁護庁機関紙でしかない。

・ フジ「カジノ整備は発想の転換を 経済効果を最大化するには統一的な規制法が必要」(12月7日 もちろん筆者は高橋洋一さん)

 タブロイドとしての売上を稼ぐ上で、あの醜悪醜態な法案推進をヨイショしてどうなるのだろうか?

 この手の記事は枚挙の限りもない。

 籾井失脚の記事も、愚劣会長として政権に捨てられた経緯やそいつを選んだ人を見る目もない盆暗は誰かを表に出すゲンダイと、マヌケが「残り任期を『全力を尽くしてやります』と語った」(フジ)しか書けないフジとの差は大きい。


■ エロ・ギャンブルも差があるのだろう

 おそらくはエロ記事やギャンブルにも差があるのだろう。これはWEB版には出てこない部分で確認できない。だが、扇情第一に徹せるか徹せないかの差はそこにも出てくる。

 政治以外の分野も夕刊フジはつまらないということだ。桜林美佐さんの単調な防衛産業ヨイショ記事にゲラゲラにしようと国会の新聞室で閲覧したときもそのような感じであった。

 特に城の連載記事の質が取り立てて低かった。中身は観光案内の抄訳以下で筆者をみると「日本李登輝友の会理事」だから仕方がない。その方面の研究者も「『名護屋城の正門が仙台に移設された』とか、発掘時のスパン測定で否定されたことをいまさら」と呆れていた。

 この点からすれば、フジが売れ残るのは当然といったものだ。深夜になってもフジはうづたかく積み上がっている。ゲンダイと東スポの比ではない。さらに、タブロイドの補充員もゲンダイだけしかみたことがない。本体の産経同様に滅びる新聞ということだ。

 読者層もアレ保守オヤジばかりなのだろう。反「反基地」やら「『日本死ね』は許さない」あたり、いい歳こいて『GATE』読んで喜ぶような頭の悪い連中だ。だが、フジの売れ行きからすれば、その数はさほどでもない。
2016.12
06
CM:3
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17:46
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 北海道は北極海詐欺に引っかかるのだろう。NHK北海道NEWS WEB「『北極海航路』道内で期待」(2016.11.30)を見るとそのような観想しか抱けない。

 北極海航路は既に死に体にある。

 大型船が使えるスエズ運河ルートへの負けが明らかなためだ。経済性追求でも専用の4000TEUしか使えない北極海周りは2万TEU超のコンテナ船を使える南回りに太刀打ちできない。

 その実績を見ても明らかである。東西トランジットの数字がそれを物語っている。門戸開放後、お試し航海がピークだった12年には273万トンの実績を上げたが、15年は4万トンに激減している。これはNIS調査月報の数字だが、記事中では一言で「風前の灯火」と評している。


■ 積み替えする馬鹿はいない

 その北極海航路に北海道経済界とやらはすがろうとしている。NHKの記事では次のように述べている。
ロシアの沿岸を航行してアジアとヨーロッパを結ぶ「北極海航路」の活用が進めば、道内でも関連産業の発展が見込めると関係者の期待が集まっています。[中略]この航路の航行は通常のコンテナ船では難しく、専用の船が必要です。
そこでさまざまな港から来たコンテナを1か所に集めて専用の船に積み替える方法が考えられていて、その拠点が北海道にできれば、関連する産業も発展するのではないかと期待が集まっています。
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20161130/4686031.html


 もともと北極海航路のコストは高い。

 さらに、その上で積み替え選択するフォワーダがいるのだろうか? 

 荷物の卸下搭載コストは高い。一回下ろしてもう一回積み込む載せ替えコストで輸送コストは五割増ともなるだろう。さらに時間ロスも大きい。

 そんなマヌケをするくらいなら南回りで一貫輸送する。広州や寧波周り便の始発・終点としての東京港を利用する。ちなみに、今は日本から欧州への直行便はない。

 さらに急ぐ荷物なら北海道なんかに揚げない。中国かロシアに上げてランドブリッジで輸送する。


■ 資源輸入は直行便を使う

 さらに、資源輸送の中継港といった画餅も書いている。
ロシア極東で開発が進む天然ガスや石油などの天然資源の輸入に便利です。

[コンテナ積替も含めて]道内の企業経営者などでつくる「北海道経済同友会」は、苫小牧港が拠点にふさわしいと提言しています。
荷物の積み替えに必要な広大な土地が港の周辺にあるからです。
北海道経済同友会の横内龍三代表幹事は「北海道の新しい産業の育成や雇用の創出につながる期待感が強い」と話しています。


 ヤマル天然ガスを苫小牧に上げてどうするのだろうか?

 LNGは鯖のようなものだ。足がはやく放置すれば蒸発してしまう。一定期間に使う分を消費地、あるいは消費地にパイプラインで繋がった港湾に挙げるのが本則である。北海道内しかリンクしない苫小牧に上げても何の意味もない。

 スポットのLNGも釜山に行くことが決まっている。ヤマル天然ガス開発の時期からのはなしであり、既に設備もできている。さらに日米韓台の需要国のいずれにも近い。この点でも北海道は場違いなのである。アジアのLNG取引からみても、どこに運ぶにしても蒸発損となってしまう。

 石炭も石油も同じである。石炭は大口需要者が自前の貯炭施設をもっており、それに合わせた輸入計画を立てる。石油も精製施設に合わせたタンクが準備されており、さらには能力に合わせた購入計画がある。

 それ以外の資源はロシアに積出港がない。北極海に木材を運び出す港湾はない。だいたい冬に使えず、荷集めをする鉄道も引かれていない港湾に意味はない。これは石炭も同じである。今から港を作るくらいなら、凍らず鉄道ともリンクしているワニノ(木材)やボストーチヌイ(石炭)を使う。


■ 詐欺としりつつ加担しているのではないか?

 この点、北海道経済同友会の発言は怪訝である。

 まずは北極海航路同様に北海道経済も風前の灯火である。そこで騙されたか、騙されたことを承知で公共事業や投資を呼ぼうとするものだろう。

 ちなみに、幹事の横内龍三さんは北洋銀行の親玉とのことだ。銀行は事業検討の仕組みを自分で持っているはずだが、それでありながらも乗っかっているあたりが奇妙なものに見える。

 おそらく横内さんは「北極海航路による北海道経済振作が欺瞞である」ことは気づいているのだろう。

 だか、関係先や取引先の夢を壊さないために黙っているのではないか。成功しても失敗しても銀行は金利を得られる。得しかないとみれば口を出さないのが上策。そう考えているようにも見えるものだ。
2016.12
05
CM:15
TB:0
16:04
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 神立尚紀さんが「ゼロ戦」に怒っている。面倒でも「零戦」と表記しろ、「レイ戦」と読めといった主張である。

ゼロ戦警察神立さん
神立尚紀@koudachinaoki 2時間2時間前
零戦を「ゼロ戦」と表記するのはやめて欲しいですね。これは戦後の戦記漫画ブームの頃から広がったインチキ表記ですから。
先人たちの底力 知恵泉「ゼロ戦開発の光と影~世界に通用する技術を生むには~」
https://twitter.com/koudachinaoki/status/805621784162598913

神立尚紀 @koudachinaoki
朝日新聞の表記は「零戦」で、漢字に「ゼロセン」とルビが振られている。搭乗員の間では一般には「レイセン」、一部部隊で「ゼロセン」と呼ぶ人もいたが「ゼロ戦」との表記はしていません。そこまで言わないといけませんか?私は「ゼロ戦」の表記について言っている。無用な揚げ足取りはやめてね。
https://twitter.com/koudachinaoki/status/805644321332432900


 だが、神立さんの主張は正しいのだろうか? 本当に「搭乗員の間では一般には「レイセン」、一部部隊で「ゼロセン」と呼ぶ人もいたが『ゼロ戦』との表記はしていません。」(神立)と言い切れるのだろうか? 軍隊内の表記に「0戦」や「ゼロ戦」があり、そのような読みがあったらどうするのか?

 というのも、手書きの時代の表記は適当だからだ。昔はパソコンもワープロもコピーもない。だから略字や略表記を使っていた。面倒な字を一々書いていられないからだ。


■ 筆記経済を無視した主張

 実際に旧海軍の表記を見てもさほど厳密ではなく「『ゼロ戦』との表記はしていません。」(神立)どころではないためだ。

 特に画数の多い字は省略される。

 例えば短艇の例はそれだ。旧海軍も海自も櫂漕型の短艇は普通にカッターで済ませている。書くのが面倒だからだ。普通に「カッター」と表記するし、あるいは「舟カ」といった略字も作っている。この字は『高松宮日記』に出てくる。

 さらに空母機動部隊をKDB等と筆記する例もそれだ。特にこれは従来の英語略字から作られたものではない。自然発生的な表記も受容したものだ。

 特に日常的に使う文字なら適当に略される。筆記上の経済性を追求するためだ。

 台湾が良い例だ。正式名称が大字の「臺灣」なのに「台湾」と略字で書き、台湾人はそれでも面倒と手書きでは漢字の中にTWとも書く。

 日本円や人民元も同じだ。金額を書くのにいちいち大字の「圓」なんて書いていられない。日本では崩して囗に人と書き、今ではさらに省略して「円」と書いている。中国は同じ発音の「元」ですませている。

 この点からすれば「『ゼロ戦』との表記はしていません。」(神立)漢字筆記の経済性を無視した相当に怪しい発言だということだ。特にメモや写し文書、細密字を書きにくいガリ版で「0戦」や「ゼロ戦」が出て来ることは充分に予想できるし、その場合、主張は容易にひっくり返ってしまう。


■ 日本語は読みの規範がテキトー

 読みも同じだ。零をレイとだけ読ませるのには無理がある。「零落」といった例外を除けば、もともとが数字の「0」の意味に当てるために使われている字のためだ。難読訓同様にゼロと読んでも誤りではない。例えば「等」を「など」と読む人がいるのと同じことだ。

 そもそも、日本語での漢字の訓みは固定していない。人名漢字がいい例だが、誰がどう読んでも文句は言えない言語である。だから日本語学習者は困っている。

 さらに軍隊式の読みを国語で強制するのも無理がある。「零戦」を「レイセン」と読めと強要するのは、「一〇式戦車」を「ヒトマル式センシャ」と読めといっているようなものだ。軍隊内部は縛れてもシャバを縛れない。

 その軍隊内部での表記も揺れる。「一三年式機関銃」は「じゅうさんねん式機関銃」でもある。正式名称「三十八年式小銃」は用途から三八式歩兵銃と常に略称略記され、さらに「サンハチ」ではなく「サンパチ」と常訓されている。 

 この点からしても「レイセン」と読め、「ゼロ戦」は許さないは乱暴な主張であるということだ。


■ ゼロ戦警察神立さん

 では、なぜ神立さんはそのような主張をするのか?

 権威を示したいのだろう。「オレは一人者であり正しい表記、発音を知っている」といったものだ。零戦で衣食しているうちに、零戦の権威となって、俺が正解と決めたレイ戦以外は許さないといったゼロ戦警察となった。そのあたりだろう。

 だが、やっていることは「さいたま」警察と同じものだ。

 これは「さいたま市」の「さ」の字は「ち」を裏返した二画が正しい、三画は誤りとするものだ。マヌケなことに住所表記の漢字部分では二画「さいたま市」、そのふりがなでは三画「さいたまし」と書くのが正しいといっている連中である。

 これは教員に多い。他にも埼玉警察や薩摩警察もいる。埼玉の「埼」は山か立か、薩摩の「薩」は文か立かのゆれを許容せず、正しい表記を言い出してテストで◯☓をつける教員がそれだ。大きく見れば掛け算の順番警察と同じものだ。

 その伝から言えば神立さんの主張も、まずは小学校教員が掛け算の順番で正邪を言い立てているのと同じようなものである。

 そのような無意味な主張を崩すためにも、新聞等が普及しているゼロ戦を常用することはむしろ好ましいものでもあるだろう。
2016.12
04
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16:37
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 レースは必要がない危険だということだ。別段、やらなければならないことでもない。だが、それで人が怪我をして死ぬのは馬鹿馬鹿しいものだ。HNK「サーキット場でタイヤ直撃 重体だった女性が死亡 宇都宮」とある。これは無意味な危険で人死を出した例だ。


■ 場所を限らない迷惑、航空ショー

 もちろん愚行権もある。タバコを吸い酒を呑むのも、肥満で余命を縮めるのも勝手だ。

 その伝でいえばカーレースも同じだ。場所を限ればどんなスピードを出しても知ったことではない。

 だが、場所を限らないでやるレースの類は迷惑なものだ。先に千葉でやったレッドブルの曲乗りレースや、ブルーインパルスも同じだ。展示・観閲の飛行ならともかく、必要のない危険を撒き散らすのは迷惑の極みだ。

 まずは人家の近くでやるものではない。飛行機の運転手や、それで衣食している商売人が死ぬ、好きで見に行った観客が巻き込まれて死ぬのは構わない。だが、好きでもないのに自分の家に落ちるのは堪ったものではない。

 しかも、何の役にも立たない必要のない危険であればなおさらである。荷物も運ばず、防衛上の訓練にもならない飛行である。航空レースは航空ガソリン、ブルーインパルスもJp-4の無駄づかいで環境によろしくない。しかも騒音を出すわ無駄な人混みをもたらすわでロクなものではない。 そんなものは北海道の無人地帯か無人島上空でやってくれというものだ。

 それを持ち上げている連中は、まずもって余計なことをするものだ。
 

■ 萌カーレースを持ち上げる養分オタク

 これはカーレースも同じ。車券もない、金を賭けてもいないのによく見るもんだ。

 一番マヌケなのはそれに乗っかるオタク(自称)だけどね。萌えラッピングをしただけの「痛車でござい」にコスプレしたネーチャンが乗ってるのを応援する、自分たちでは何も作らず消費するだけの養分オタク。それで「自分たちの世界が世間に通用する」とか言い出すあたりは、まずはいいようにされているなと思うもんだ。

 西アフリカの棺桶みたいに、形そのものをキャラに変えた、ねぶた使用でレースにでるならともかくだが、その発想もないタダのラッピングの何が面白いものか。ママチャリ改造で自転車レースに勝つ、あるいは接戦に持ち込むような発想がないのが大概であるものだ。
2016.12
03
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12:07
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 前々から不思議に見えるものが、軍事趣味分野での写真の扱いだ。

 写真の著作権は撮影者が持つ。その写真実物の所有者ではない。それにもかかわらず所有者が権利者を名乗る。権利者面する姿は奇妙でもある。

 例えば、収集した旧軍兵器の写真を並べた写真集について、集めた人間が著者を名乗るのがその例である。

 また、あるいは自分がSNSとかその他の場所で公開した写真について権利を持つように語る例もそれだ。

 あるいは他人が撮った写真をアップする時に、自分が収集しましたといったスタンプや透かしを入れる例もそれである。


■ 撮影者が生きている可能性もある

 そもそも著作権が生きている可能性も高い。基本的には撮影者が死去してから五〇年間は権利は継続する。つまり1967年以前に亡くなった方の撮影でないかぎり、その写真の著作権は生きているのである。

 明治産まれもまだ絶えず、大正生まれもまだ生きている。その中で旧軍写真の所有者が権利を主張するのは強心臓というものだ。

 もちろん、親告罪といった理由もあるだろう。雑誌に掲載しても文句をつけてくる可能性は低い。

 だが、自分が著作権者として振る舞うのは下品なものだ。写真本体を所有しているだけで著作権者でござい、公開・出版致しますというのなら、その公表写真や写真集を買ったやつが複製海賊版を作ることに文句はいえないこととなる。


■ 所有しているかも怪しい

 さらにはその写真を保有しているか怪しい例もある。旧軍写真についてはヤフオクにかかることがある。その際のサンプル画像にスタンプや透かしを入れた例の話も聞くからだ。

 「あの写真はオレが落したのに、サンプル画像にスタンプ押して公開している奴がいる」といった話がある。買った御仁から直に聞いたものだ。

 さらには、他人が撮影した写真をその場でクレクレタコラして、自分のSNSで初公開とかもある。秋月の古澤鋼材で解体している護衛艦の写真や、買った本について写真を取って「この本15万円」とかやる奴だ。それらについてアップした本人は実物を持っていない。

 宴席で頼み込んで入手してそれを得として自分の発見であるように装うものだ。


■ 一番ひどいのは海賊版

 まあ、一番ひどいのは海賊版同人誌だけどね。買った洋書の一章をそのまま翻訳して同人誌として500円で売る奴がいる。ブックレットのパクリなんか表紙も同じままだ。

 ターヘル・アナトミアの時代なら許されるし意味もある。だが、権利を大事とし、しかも誰でも原書を買える時代でそれをやるのは犯罪者でしかない。

 あるいは、海外のWEB新聞の記事全訳もそうだ。マイナー国の軍事記事を丸パクリしてそれを恥じずに公表して偉そうな顔をするのもそれだ。なるほど、翻訳は自由だ。自分のパソコンの中に入れておくなら何の問題もない。だが、現記事の写真をつけてネットで公開する。それを常時継続するのは海賊版と何ら変わるものでもない。

 このあたりを翻訳するやつも買うやつも、さらには評価して紹介するやつも、毎日もれなく1000円札を落とす呪いにかかればよいものだが、神様はそれをしてくれない。もちろんいつか請求書を送られる羽目になる可能性が高いものだが。






 ほかにも、「引用許可」とかいった不思議なことばを発明する例もあるけどね。研究の中身はどうでもいい、こっちも興味もない。だが、研究のやり方や発表のやり方くらいは勉強した方がいいと思うもんだ。
2016.12
01
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15:32
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 何でカジノを急ぐのかね?

 切実な理由はない。国家にとってカジノを作るメリットも、作らなければならない理由もありはしない。

 確かにカジノを作れば胴元は儲かる。パチンコ三競オートが下火な当節、「誰が行くのか」とは思うが、大王製紙みたいな盆内蔵助を捕まえれば1人から100億はかっぱげる。


■ 周辺も自治体も潤わない

 だが、周りは迷惑しかかからない。推進側は産業起爆剤という。周辺地域も潤うという。だが、そんなものはありはしない。これはトリクルダウンと同じだ。日本で一番下品な鉄火場としては競艇があるが、周囲に「おかげで潤っている」といった地域はない。

 テラ銭も稼げないので自治体財政の得にもならない。

 なぜなら、テラ銭を安くしないと博客は日本に来ないからだ。そうしなければ中国人は来ない。マカオに行く。マカオが1-2割なら日本は5分-1割にしなければならない。

 だが、そうすれば上納金は減る。施設の償却、経費、利潤を抜いて、その上で自治体に収める上納金は作れない。面倒事を処理し、パチンコ利権を奪った補償としての警察OB雇用も無理だろう。


■ 大阪・維新救済策

 結局は大阪と維新の救済策にすぎない。大阪の土地余剰と維新の抱き込みのための法案だ。これは、正味は大阪方面の地方新聞にすぎない産経だけが必死でヨイショしているあたりでも窺える。

・ 「カジノ法案審議入り 誘致目指す大阪府、万博との相乗効果狙う 松井知事『やっと審議できる状況に』」(産経 2016.11.30 22:05)
・ 「『カジノ法案』審議入り 万博誘致の関西、ベイエリア開発へ期待高まる」(産経 2016.11.30 23:07)
・ 「『カジノ=悪』ではない 期待される多くのメリット カジノ法案は観光立国の観点で国会審議を」(産経 2016.12.1 07:13)


■ 抜けた親玉のマネッコ

 大阪の知事も維新も必死なのだろう。だが、その努力の方向性が「賭場」とするのは、明らかに間違っている。

 結局は、沈む船から一抜けした親玉の発想を模倣しているだけだ。以前に「在日米軍は売春を活用しろ」といっていた。その発想をただ延長しているだけに過ぎない。

 「売春活用」のあとに出てくるアイデアが「カジノ」というのは、そういうことだ。いずれは「大麻特区」や「銃器特区」、「アヘン工作・輸出特区」と言い出すだろう。

 維新には知恵者がいない。指導部の発想がこのままでは、先が危惧される。いずれは「教祖をが死んだカルト」あるいは「胴元が捕まったねずみ講」と揶揄されるような存在となってしまうかもしれない。






■ 高校野球と相撲は見たい(オマケ)

 国や自治体がマヌケから金をひっぱぐなら、高校野球と相撲じゃないかね。新設の施設はいらない。購入と払い戻しを現地ではなく、全国区でコンビニ・宝くじ売り場にすれば周辺地域もさほど迷惑しない。

 さらに今の地下経済から金を抜ける。会社の真剣勝負や東北の相撲予想サークルといった闇経済からも金を奪える。

 なによりも、あの気持ち悪いスポーツ礼賛調の放送から「偏差値35」や「金返せ」といった罵声が聞こえるなら愉悦である。頭の悪い棒球選手が、敬遠を選んだ時に「ぶっ◯す」野次や、相撲のパンナムみたいなトロフィー授与に時に「八百長」コールが飛ぶ。

 ドラマもあるだろうよ。無気力常連の力士がまた負けてヘラヘラ引き返すとき、何もかも失った男が駆け出し、出刃でもって太鼓腹にズドンと文部大臣を極め込む。でも分厚い脂肪層に阻まれ本懐を果たせず「何をしやがるこのオケラ野郎、オレに刃物が通用するか」と張り手を食らう。土俵際まで吹き飛ばされた五〇男の社長さんが「アイツのせいで工場も家も家族も失った」とオイオイ泣く。場内の同情する雰囲気に飲まれて、なとりやネクストサークルのモンゴル人も無理に捕まえられず、まずは必死になだめる。そういうシーンを見てみたいものだ。