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北海道は北極海詐欺に引っかかるのだろう。NHK北海道NEWS WEB「『北極海航路』道内で期待」(2016.11.30)を見るとそのような観想しか抱けない。
北極海航路は既に死に体にある。
大型船が使えるスエズ運河ルートへの負けが明らかなためだ。経済性追求でも専用の4000TEUしか使えない北極海周りは2万TEU超のコンテナ船を使える南回りに太刀打ちできない。
その実績を見ても明らかである。東西トランジットの数字がそれを物語っている。門戸開放後、お試し航海がピークだった12年には273万トンの実績を上げたが、15年は4万トンに激減している。これはNIS調査月報の数字だが、記事中では一言で「風前の灯火」と評している。
■ 積み替えする馬鹿はいない
その北極海航路に北海道経済界とやらはすがろうとしている。NHKの記事では次のように述べている。
もともと北極海航路のコストは高い。
さらに、その上で積み替え選択するフォワーダがいるのだろうか?
荷物の卸下搭載コストは高い。一回下ろしてもう一回積み込む載せ替えコストで輸送コストは五割増ともなるだろう。さらに時間ロスも大きい。
そんなマヌケをするくらいなら南回りで一貫輸送する。広州や寧波周り便の始発・終点としての東京港を利用する。ちなみに、今は日本から欧州への直行便はない。
さらに急ぐ荷物なら北海道なんかに揚げない。中国かロシアに上げてランドブリッジで輸送する。
■ 資源輸入は直行便を使う
さらに、資源輸送の中継港といった画餅も書いている。
ヤマル天然ガスを苫小牧に上げてどうするのだろうか?
LNGは鯖のようなものだ。足がはやく放置すれば蒸発してしまう。一定期間に使う分を消費地、あるいは消費地にパイプラインで繋がった港湾に挙げるのが本則である。北海道内しかリンクしない苫小牧に上げても何の意味もない。
スポットのLNGも釜山に行くことが決まっている。ヤマル天然ガス開発の時期からのはなしであり、既に設備もできている。さらに日米韓台の需要国のいずれにも近い。この点でも北海道は場違いなのである。アジアのLNG取引からみても、どこに運ぶにしても蒸発損となってしまう。
石炭も石油も同じである。石炭は大口需要者が自前の貯炭施設をもっており、それに合わせた輸入計画を立てる。石油も精製施設に合わせたタンクが準備されており、さらには能力に合わせた購入計画がある。
それ以外の資源はロシアに積出港がない。北極海に木材を運び出す港湾はない。だいたい冬に使えず、荷集めをする鉄道も引かれていない港湾に意味はない。これは石炭も同じである。今から港を作るくらいなら、凍らず鉄道ともリンクしているワニノ(木材)やボストーチヌイ(石炭)を使う。
■ 詐欺としりつつ加担しているのではないか?
この点、北海道経済同友会の発言は怪訝である。
まずは北極海航路同様に北海道経済も風前の灯火である。そこで騙されたか、騙されたことを承知で公共事業や投資を呼ぼうとするものだろう。
ちなみに、幹事の横内龍三さんは北洋銀行の親玉とのことだ。銀行は事業検討の仕組みを自分で持っているはずだが、それでありながらも乗っかっているあたりが奇妙なものに見える。
おそらく横内さんは「北極海航路による北海道経済振作が欺瞞である」ことは気づいているのだろう。
だか、関係先や取引先の夢を壊さないために黙っているのではないか。成功しても失敗しても銀行は金利を得られる。得しかないとみれば口を出さないのが上策。そう考えているようにも見えるものだ。
北極海航路は既に死に体にある。
大型船が使えるスエズ運河ルートへの負けが明らかなためだ。経済性追求でも専用の4000TEUしか使えない北極海周りは2万TEU超のコンテナ船を使える南回りに太刀打ちできない。
その実績を見ても明らかである。東西トランジットの数字がそれを物語っている。門戸開放後、お試し航海がピークだった12年には273万トンの実績を上げたが、15年は4万トンに激減している。これはNIS調査月報の数字だが、記事中では一言で「風前の灯火」と評している。
■ 積み替えする馬鹿はいない
その北極海航路に北海道経済界とやらはすがろうとしている。NHKの記事では次のように述べている。
ロシアの沿岸を航行してアジアとヨーロッパを結ぶ「北極海航路」の活用が進めば、道内でも関連産業の発展が見込めると関係者の期待が集まっています。[中略]この航路の航行は通常のコンテナ船では難しく、専用の船が必要です。
そこでさまざまな港から来たコンテナを1か所に集めて専用の船に積み替える方法が考えられていて、その拠点が北海道にできれば、関連する産業も発展するのではないかと期待が集まっています。
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20161130/4686031.html
もともと北極海航路のコストは高い。
さらに、その上で積み替え選択するフォワーダがいるのだろうか?
荷物の卸下搭載コストは高い。一回下ろしてもう一回積み込む載せ替えコストで輸送コストは五割増ともなるだろう。さらに時間ロスも大きい。
そんなマヌケをするくらいなら南回りで一貫輸送する。広州や寧波周り便の始発・終点としての東京港を利用する。ちなみに、今は日本から欧州への直行便はない。
さらに急ぐ荷物なら北海道なんかに揚げない。中国かロシアに上げてランドブリッジで輸送する。
■ 資源輸入は直行便を使う
さらに、資源輸送の中継港といった画餅も書いている。
ロシア極東で開発が進む天然ガスや石油などの天然資源の輸入に便利です。
(同)
[コンテナ積替も含めて]道内の企業経営者などでつくる「北海道経済同友会」は、苫小牧港が拠点にふさわしいと提言しています。
荷物の積み替えに必要な広大な土地が港の周辺にあるからです。
北海道経済同友会の横内龍三代表幹事は「北海道の新しい産業の育成や雇用の創出につながる期待感が強い」と話しています。
(同)
ヤマル天然ガスを苫小牧に上げてどうするのだろうか?
LNGは鯖のようなものだ。足がはやく放置すれば蒸発してしまう。一定期間に使う分を消費地、あるいは消費地にパイプラインで繋がった港湾に挙げるのが本則である。北海道内しかリンクしない苫小牧に上げても何の意味もない。
スポットのLNGも釜山に行くことが決まっている。ヤマル天然ガス開発の時期からのはなしであり、既に設備もできている。さらに日米韓台の需要国のいずれにも近い。この点でも北海道は場違いなのである。アジアのLNG取引からみても、どこに運ぶにしても蒸発損となってしまう。
石炭も石油も同じである。石炭は大口需要者が自前の貯炭施設をもっており、それに合わせた輸入計画を立てる。石油も精製施設に合わせたタンクが準備されており、さらには能力に合わせた購入計画がある。
それ以外の資源はロシアに積出港がない。北極海に木材を運び出す港湾はない。だいたい冬に使えず、荷集めをする鉄道も引かれていない港湾に意味はない。これは石炭も同じである。今から港を作るくらいなら、凍らず鉄道ともリンクしているワニノ(木材)やボストーチヌイ(石炭)を使う。
■ 詐欺としりつつ加担しているのではないか?
この点、北海道経済同友会の発言は怪訝である。
まずは北極海航路同様に北海道経済も風前の灯火である。そこで騙されたか、騙されたことを承知で公共事業や投資を呼ぼうとするものだろう。
ちなみに、幹事の横内龍三さんは北洋銀行の親玉とのことだ。銀行は事業検討の仕組みを自分で持っているはずだが、それでありながらも乗っかっているあたりが奇妙なものに見える。
おそらく横内さんは「北極海航路による北海道経済振作が欺瞞である」ことは気づいているのだろう。
だか、関係先や取引先の夢を壊さないために黙っているのではないか。成功しても失敗しても銀行は金利を得られる。得しかないとみれば口を出さないのが上策。そう考えているようにも見えるものだ。
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