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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2017.02
21
CM:14
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08:08
Category : 未分類
 CHINさんが筆者記事にご不満らしい。



chin‏@chin_1stLT
輸送機といえば、とある雑誌でとあるライターがXC-2を「国内での仕様が優先で大きさも中途半端」とdisっていたのだが、もともと空自の需要は国内がメインターゲットだしC-1やC-130と比べたら海外への運行も比較的柔軟に運用できるんだけどなぁ
https://twitter.com/chin_1stLT/status/833685461457448961


chin@chin_1stLT
@chin_1stLT なにより記事でイチ押ししていたC-17にも備わっていない民航機と同じ速度で飛行可能というXC-2最大のセールスポイントはガン無視w
https://twitter.com/chin_1stLT/status/833685672460365825
 


■ いまさら国内輸送といいだす

 いまさらC-2が「国内輸送に向いている」といいだしてどうするのかね?

 自衛隊に求められる役割は変化している。冷戦終結以降、国内防衛での所要はさほどのものではない。それに対し、日本の海外権益保護や国際協調といった役割が求められている。

 輸送機はその最たるものだ。存在価値は国際貢献が目的であり、国内輸送の所要はほとんどない。硫黄島と沖縄をのぞけば、平時国内輸送はどうでもよい。その例外の硫黄島と沖縄もC-130で足りている。

 この状況でC-2が国内輸送に向いていると力説されても困惑するしかない。C-2は20年前にさらに20年前の輸送需要を参考に性能を決めたものだ。この時代遅れの要求性能と同じようなものでしかない。

 まずは、今後の航空輸送がどうなるか見えていない。00年代までは小規模PKOへの連絡程度で良かった。だが、00年以降のイラク派遣、輸送ヘリや土木重機を運ぶ必要がある大規模HA/DRにも対応しなければならない。その点でC-2は既に能力不足に陥っている。


■ 軍用機は脇に避ければいいよ

 そして、そのうえ国内輸送でしか役立たないメリットを強調している。「民航機と同じ速度で飛行可能というXC-2最大のセールスポイントはガン無視w」(CHIN)といったものだ。

 だが、軍用輸送機が民航機と同じ速度で飛ぶ必要があるのだろうか?

 海外までの航空展開で50kt、100ktの差は大差はない。シンガポールまで8時間かかるか、10時間かかるかの差でしかない。

 国内輸送も同じだ。別に軍用機が航空路を飛ぶ必要はない。民用機の邪魔にならないように遠回りすればいいだけの話だ。

 ちなみに、これもC-2へのヨイショで出て来るテンプレだ。おそらくご本人が考え出したものではない。だが、そういえばボクの大事なC-2が肯定されると考えていたのだろう。

 くりかえすが、そもそも国内輸送ならC-130で事足りる。今でも空気を運んでいるようなものだ。今のHをJにすればよい。そこに大型輸送機を入れる必要はない。


■ C-17を避けた結果

 本来は、C-17を買えばよかった話だ。2000年ころまで趣味誌、業界誌には広告がでていたように、その頭はあった。

 だが、防衛産業を儲けさせるために国産にした。そのためには競合機のC-17とC-130Jと競合しない性能、ほぼ中間に設定された。

 それがC-2の中途半端な点だ。

 C-17は現用戦略輸送輸送機の下限にある。それ以下のC-2は到底それに耐えない。これは本格的な戦略輸送で他国のC-17と比較されたときに気づくだろう。

 本番で輸送力は足りず、しかも海外でエンコした時に米国製ではないので米軍から部品も貸して貰えない。C-2はそのような気の毒な飛行機になるということだ。



 まー、答えを考えるんじゃなくて、出来合いの答えを探すとこんなもんだろうね。ご趣味も「浦和レッズ、ヒコーキ、ミリ、モータースポーツ(主にラリー)、バイクにアニメ漫画系」と受動的なものがお好みのようだ。おそらくミリ知識も防衛省オフィシャルのコレクションでご満足なさっているのだろう。
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2017.02
20
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21:40
Category : 未分類
 野口裕之さんが中身も示さずに、数字だけだしてシミュレーションだと言っている。

 まずは常識はずれなものだ。普通は簡単な形でも記事中でモデルを示す。さらに細部を付表か注か別記事で示すものだからだ。


■ モデルも示さずにシュミレーション

 だが、野口さんにはそれがない。

 野口裕之「米中戦争の確率は「70%以上」 そのとき日本はどうすべきか」がそれ。
小欄は過日、駐留米軍撤退に伴うわが国の防衛予算の在り方について、安全保障関係者と共にシミュレーションを試みた。後述するが、予想通り、結果は「激増」であった。
http://www.sankei.com/premium/news/170220/prm1702200006-n1.html


議論の一助として、現行の年間防衛予算5兆円が米軍撤退後、どう変わるのか…小欄らのシミュレーション結果を一部掲載しておく。

 《防衛予算は3~4倍の15~20兆円に。内訳は、陸上自衛隊の2~3倍/海上自衛隊と航空自衛隊は3~4倍にせざるを得ない》

 防衛予算は、米軍が本土&ハワイ&グアムより来援するまで、侵略目的で押し寄せる現時点での中国人民解放軍戦力を迎え撃つために必要な兵器の種類や戦闘員数を基にはじき出した。米軍来援には、軍種・作戦にもよるが、準備と移動で数週間~半年以上かかる。
 以上は、人民解放軍のみとの戦闘に伴う防衛予算増で、北朝鮮やロシアへの備えも担保すれば、4~6倍の20~30兆円に膨らむ。
http://www.sankei.com/premium/news/170220/prm1702200006-n3.html


 そこには結果しかない。どの状態ような態勢でどれくらいの戦力が来るかは一切書いていない。


■ 三正面同時熱戦:野口式国家戦略は最初から破綻

 そもそも、前提条件が相当にオカしい。

 まず、対中国全面戦争と北朝鮮・ロシアとの全面戦争をやる想定である。「以上は、人民解放軍のみとの戦闘に伴う防衛予算増で、北朝鮮やロシアへの備えも担保すれば、4~6倍の20~30兆円に膨らむ。」(野口)とある。野口式国家戦略は三国と徹底敵対し、同時三正面の戦争を行うつもりなのだろう。

 だが、そのような事態に陥るのは、アレすぎる野口式の外交戦略でもしなければ起きることではない。太平洋戦争でも米中ソ三正面作戦などやっていない。


■ 中国軍上陸まで来援しない

 また、隠されたモデルも相当ヘンテコである。なんで対中熱戦で米軍来援までを凌ぐのに「陸上自衛隊の2~3倍」(野口)が必要なのか? 

 制空権を掌握され、制海権を失い、上陸されるまで米国は放置するといった見通しを立てているのだろう。それでなければ陸上戦力なぞ使いみちもない。

 だが、実際にそのような事がありえるのだろうか? 

 米国は制空・制海権喪失まで待ち、わざわざそれを回復して来援してくるような手間をかけるだろうか?

 それなら、最初から足の早い海空戦力を増援して中国に制空・制海権を確立させない。そちらのほうが簡単であり人死も少ない。

 逆に、中国が即時に制海・制空権を打ち立て、まったく在日米軍の行動も許さない状況を作り出せるほど強力なら何をやってもダメだ。一旦喪失した制海・制空権を日本近海でそれを回復できない。競合状態は作り出せても、A2ADで海上輸送による増援は無理だからだ。

 さらにいえばそこまで中国が強く米国が弱いなら、日米安保なんか捨てて中国と安保条約結んだほうがマシだということになる。


■ アルバニア式国防論

 野口さんの発想は、結局は宗教的な国難思想でしかないということだ。

 そこには恐怖心があり、それを煽るだけでリアルはなにもない。そもそも、中露鮮の三カ国全てに熱戦対応する発想や、三カ国が同時に日本と戦争するだろう発想が全く神仏基のカルト国難思想そのものに近い。

 その主張はアルバニア式国防論でしかない。日本は強力な敵に囲まれている。だから国民生活や経済安定を無視して国防に備えろという。それで周辺国との経済交流も利敵行為とし、喧嘩腰の対応しかしない。

 その理想を実現すれば、無駄なトーチカを抱えた経済破綻国家が生まれるだろう。

 まず、日本の本土決戦論者とは大概こんなものだけどね。



■ オマケ:野口式精神が膾炙しないのは素晴らしいものだよ

 つーか、米国がアテにならないなら中国、北朝鮮と関係改善すればいいんじゃないかね。
 ただ、駐留米軍撤退の有無にかかわらず、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の占領を狙い、北朝鮮が核開発を進め、弾道ミサイルを乱射する…わが国を取り巻く危機的環境を直視すれば、自衛隊が使えるヒト・モノ・カネの数量は圧倒的に不足している。当然、日本の国会は、軍事膨張路線をひた走る敵性国家に対する「備え」を議論しなければならない。
http://www.sankei.com/premium/news/170220/prm1702200006-n1.html


 どっちもどうとでもなると思うんだよね。ホント、アメリカがアテにならなくなっても、それなりのやりようはある。

 尖閣問題はやらずぶったくりのロシア式交渉で引き伸ばせばどうとでもなる。

 北朝鮮も在日米軍がいなくなれば、弾道ミサイルで特に狙うべき目標は日本になくなる。韓国を売る最悪の事態だけど「南北朝鮮問題には関与しない、両者よく話し合え、そのあと北にも戦時賠償する」とでも口約束しときゃどうとでもなる。もし弾道ミサイル打ち込んだら、中立の日本が敵になるからねえ。

 虎の威もなくなったのに、なんでその後も突っ張らなきゃならないかが不思議。滅びるまで戦う美学に酔ってるようにしかみえないものだ。
2017.02
18
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TB:0
20:50
Category : 未分類
 金曜日午前に仕事あけて、そっから丸一日寝ていたのだが。土曜朝に「これ以上寝られない」と、珍しくカタギの時間に起き出して、汽車乗って開場時間合わせで国立マンガ図書館にいった。

 「どんな話だったか」と『らんぽう』でも読もうと思ったが、2週間行けなかった分の調べ物で忙しくてマンガは読めず。

 で、昼前に横浜に移動して分隊の寄り合いに行った。97幹候の3分隊の20年ぶりの寄り合い。まあ、若い頃にハゲが進行しているかといった御仁はさほど進んでいない。白髪組はそれなりにゴマ塩だがねえ。

 ただ、艦長やったやつ曰く「老眼が始まって文書決済がねえ」とか言い出す。若い頃に文書起案して合議とって決済もらう時、「勿体つけて眼鏡なんか掛けやがって」と思ったが、ありゃ仕方がないものだと言っていたよ。

 あとはバルブが閉まらなくなる話。蛇口のコマが肥大してキレが悪いとまあ、そのような話。

 冷水だけの屋上シャワーとか、教務班を組む相手の4分隊はホント細かかったとか、某は婚活とやらで来やがらねえとか、奴さんは3回艦長やった羨ましいとか、そういった話。

 大概の結論というものでもないが、「あとからすればあの一年はラクだったねえ」といったもの。あとは艦長やったやつと不在の3回艦長やったやつと己が、延灯申請しないで9時45分に寝ていたとかそういった話。

 まあ、他所分隊の自殺とか脳腫瘍とか事故とか色々あった話もでたけどね。20年経つとそういうことも起きるのだろうよ。

 13時に初めて2ヶ所めまで行ったが、それでも4時半に終わった。そこから神保町いって一式ながめて、池袋まで歩って東上線で帰った。2週間ほどほとんど多出せずに7km歩いたので足がガクガクになったよ。
2017.02
12
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TB:0
04:51
Category : 未分類
 今月の軍事研究で「C-2は中途半端じゃね?」記事を書いたのだけれども。

 読んでいて思い出したが、最初は「C-2やめたあとについては、C-17、アントノフに加えて中国のY-20輸送機もアリじゃね」と書いて提出したのですよ。でも、編集部から「額面性能と実性能が差があるみたいだし、そのあたりを書くと助長で話が散漫になるんじゃないかな」といった意見を頂戴したので整理しました。

 まあ、悪くないと思うのですけどね。アンダーパワーや燃料消費率はポッドごとエンジン入れ替えればどーにかなるだろうし。

 もちろん、日本だから兵隊のくせに運転手が乗り心持に文句言うだろう。けど、そんなの「しょせんはトラックだから我慢しろ」でいいんじゃないかな。細かい操縦感覚やら、空中での些細な機動性の類はねえ「会社のトラックが日野だろうが日産ディーゼルだろうが文句いうな」で黙らせていいと思うんだよね。

 まー、C-2は乗り心地はいいけど、お店の現状にあってないから。国内輸送の所要はないし、それはC-130で済む。海外輸送だと能力不足、なんせ床面積はC-130のストレッチ型と同じだからねえ。

 ちなみにこの床面積の話、影響力を持っていてC-2に批判的な人に話したことがある。「エッそうなの?」とガッテンいただけたものだったよ。
2017.02
11
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17:08
Category : 未分類
 なんでそこまで積極的になれるかは疑問なものだ。アレ宰相がヨイショ外交にいそしんでいる。先のプーチン会談同様に無理してファーストネームで呼んでいるのだろう。まずは卑屈なものだ。

 もちろん米国に追従することは仕方がない。日本には張り合う力はない。安全保障面での中国との対立も抱えている。米国新政権と日本が衝突する選択肢はない。

 だが、追従は消極的で十分である。米新政権やその施策をヨイショする必要はない。そもそも、先も見えないのに余計なことをするものではない。トランプは選挙に勝ったが、今後もその支配が順調に続くかどうかはわからない。一年オーダーで見ても勝ち馬かどうかは疑問なものだ。


■ 「大統領が変わってもヨイショすればいいや」

 それがアレ宰相に見えているか疑問なものだ。もしひっくり返ったらどうするかの見通しもないのだろう。対米関係、外交といった日本の利益がどう変化するか、さらには自分自身の政治的指導力といった国内での影響はあまり考えていない。

 その時は新米政権にヨイショすればよいと考えているのだろう。まずは幇間外交としか言いようもない。バナナ・リパブリックの独裁者のように、米国の後楯があれば国内は何やっても安泰だといった頭だということだ。


■ おじいちゃんのように生きたい

 まあ「ジッチャンの名にかけて」が座右の銘だからね。「ボクは[CIAからお小遣いを貰っていた]おじいちゃんのようになるんだ」だから、ブレないといえばブレない。

 何を合意しても隠せるとも思っているだろう。「おじいちゃんの公文書は30年たっても公開されなかった、何を合意してもいいだろう」もあるだろう。

 そのジッチャンの最後をたどればいいのではないかね。右派にまで「岸を倒せ、岸を○せ」とまでいわれた御仁だ。いずれ飼い犬と思っていた右派に「安倍を倒せ、安倍を○せ」とかいわれんじゃないの。
2017.02
10
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TB:0
18:39
Category : 未分類
  「尖閣は安保条約の対象範囲」を信じているのはピュアにすぎるものだ。

 なぜなら、米国にその気はないからだ。その仔細は「『尖閣安保適用』は米のリップサービス」で述べたとおり。数日前にJapan in-depthに送った記事なのだが、今日公開となっている。

 その点、日本の政治的得点だと言い出すのはおめでたい。チョイチョイ調べてみると「すげえこれ引き出したのか日本政府」みたいな発言がある。

 まずは何も調べようといないのだろう。ここ10年で何回ほど同じ発言があったのか、日中の尖閣衝突で米国の取ったスタンス、米国が中国にどのような発言をしているか。そのあたりを雑にでも調べれば「暢気なことだ」としか言いようはない。


■ 中身を理解しようとしない

 表層部分だけを鵜呑みにしてその内実を見ないということだ。

 なんというのかね。アレ系の軍事マニアが旧東側世界の理解でロシア人のくびきだけを見て、その中にあった各国の温度差を全然見抜けないアレに近いものがある。

 昔で言うなら「コメコンの会議で東側の団結を謳ったから、東側は団結している」といった見方に近いものがある。

 実際には見巧者はそれを見抜いている。昭和30年代には新聞記事レベルでも「アイツらスタンスの差がある」「『率直的な発言』って喧嘩したってことだろ」とかあったのだけどね。

 だが軍クラの盆クラ連はそれができない。「ボクはWTOといえばワルシャワ条約機構なのですよ」と言ってるあたりは、まずは表面しか見ず、その背後は探らない。そういうものだ。
2017.02
08
CM:22
TB:0
21:57
Category : 未分類
 もう少しごまかしようがあるのではないか。南スーダンPKOの日誌隠匿問題で稲田防衛相の答弁のことだ。「法的意味での戦闘行為ではない」とは何事だろうか?

 NHK NEWSWEBによれば次のとおりだ。「日誌に戦闘と書いてあるだろう」といった質問への答弁として 「『一般的用語として『戦闘』という言葉が使われていることは書かれているとおりだが、法的意味の戦闘行為ではない』」(稲田)と述べたという。
(「南スーダン 防衛相『法的意味での戦闘行為なし』」『NHK NEWSWEB』(日本放送協会、2,017.2.8)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170208/k10010868691000.html)

■ 重慶爆撃も「法的意味での戦争ではない」(稲田)

 それなら「日華事変は戦争ではないか」と聞けば面白いことになるだろう。当時の政府が法的に戦争ではないとして事変としたものなのでそのように答えるからだ。

 その先で尋ねればよい。「『かつての南京攻略も重慶爆撃も、援蒋ルート切断のための海上封鎖や華南攻略、仏印進駐も全て法的意味での戦争行為ではない。つまり今の憲法とは矛盾しない』と解釈するのですね」と聞けば、愉快な答弁が返ってくるだろう。

 稲田理論なら「重慶を無差別に戦略爆撃しても憲法に違反しない」となるからだ。主張そのものはできないこともないだろうが、訴訟で負けるだろう。防衛相は弁護士で、靖国訴訟や名誉毀損といった法廷で争いごとを多くするという。一度、その勝敗の星取表を見てみたいものだ。


■ その答弁でヨシとする大臣もタイガイ

 もちろん、政府答弁で役人は鉄面皮な原稿を書く。それはそう書く立場にあるからだから仕方がない。パチンコ屋が「景品は換金できない」、女郎屋は「風呂場で自由恋愛」と主張するのと同じだ。それでメシを食っているのだからそう書く。

 だが、それをそのまま大臣に答えさせるヤツはどうかしている。普通なら、もう少し工夫させる。役人として一番いいのは言語明瞭、意味不明瞭にすること。あるいは、鉄面皮に徹するにしても、別の用語として例えば「銃撃戦を書き誤ったもの」と事実誤認をするものだ。それならミスで済む。だが、「法的意味の戦闘行為ではない」と解釈の誤りを出すと、あとで逃れられない。

 さらに、それでGoサインを出す大臣も、内閣もどうかしている。稲田防衛相がそれが通ると思っているなら盆暗もいいところである。特に防衛大臣は戦争を所管する。その気分で稲田式戦争指導をされれば次の戦争も負けるだろう。稲田式訴訟で靖国裁判や名誉毀損で負けたように。
2017.02
07
CM:0
TB:0
06:01
Category : 未分類
 産経ニュースのWEB編集チームが言いたいことは、「ウイグル会議代表は桜井誠のお仲間」ということなのだろう。記事「殺気立った沿道で、ウイグル人の男性は語った『こんなに素晴らしい国でこんなくだらないデモが…』」を読むとそうとしか読めないものだ。

[アパホテル抗議デモに対し]「行動する保守運動」を中心とした右派系グループら百数十人が陣取っていた。
 「20万人しかいなかった南京市で30万人の虐殺? ふざけたことを言うな」
 行動する保守運動代表の桜井誠氏(44)が声を張り上げる

桜井氏が1人の外国人男性にマイクを渡した。男性は中国・新疆ウイグル自治区出身[中略]トゥール・ムハメットさん。世界ウイグル会議日本全権代表


 つまり、世界ウイグル会議日本全権代表は桜井誠のお仲間であるということだ。


■ ウイグル弾圧があっても、アパ思想は正当化されない

 ちなみに、ムハメットさんの言うこともよくわからない。

 確かに「ウイグル人は弾圧されている」は事実かもしれない。本来は民族自治で国を作れたかもしれない立場にあった民族であり、さらに今の新中国の体制から独立する自由はないからだ。

 だが、それだからといってアパホテルが正しいことにはならない。仮に、ウイグル人が過酷な弾圧下にあるとしても、南京大虐殺はなかったことにはならないし、日本軍国主義の中国侵略は正当化されない。アパ思想は肯定されないからだ。

 ちなみに、世界ウイグル会議は言うことがあまりアテにならない。もちろんウイグルに反体制運動があり、漢族支配への反感もある。だが、独立運動への支持はあつまっていない。さらに会議はその代表とも言いがたい。ウイグル民族独立運動はバラバラでまとまっていないからだ。そして、功を焦ってか会議は都合の良いことばかり吹きまくる。その点でチベット亡命政権(亡命政権なのでこれも言うことは結構アレ)よりもさらにアテにならない。


■ なんで桜井とペアに報道したのか分からない

 さらになによりもわからないのは、なんで二つを一緒に報道したのかだ。

 産経精神で「中国憎し、アレは中国が援助した官製デモ」とポスト真実をするなら、世界ウイグル会議だけを抜き出して書くべきだからだ。ご本尊の発言の中身は矛盾したものだが、そう書けば少なくともキレイにそれっぽくまとまる。右派を容易に騙せる訴求力のあるポスト真実の記事となる。

 だが、桜井誠を出してガッチンコするのが怪訝だ。それだけで下品となり、胡散臭さの自乗となる。桜井誠からマイクを渡されたと書くだけで「コイツも仲間だろ」と感づかれてしまう。

 このあたりは普通は気付く。ポスト真実の立場なら、バカ正直に書かず、全く別個の事態であるように二つに分割するだろう。

 その点「このWEB編集チームとやらは桜井誠の別働隊なのかね?」と疑うものだ。桜井を出しても人気は出ると勘違いしている崇拝者、青林堂のジャパニズムそのものではないか。ちなみに、産経や夕刊フジは(PR)なしに宗教に記事として紙面を渡している。ソレくらいはやっても不思議はない。




■ オマケ:抵制APAはガツンとくる

 デモはアパ一味と日本人全体をわけて考えている。アパやその支持者はクズだが、それ以外の日本人・日本社会とは調和しようと訴えかけるものだ。極めて穏当であり、主張としても首肯できるものだ。

 そのあたり、まず官製デモじゃないだろう。大使館やら華僑はなんらかの援助したかもしれない。だが、中国政府が指導したデモとも見えない。それなら日本の歴史認識そのものに苦言を呈するだろうからだ。

 なかでも「抵制APA」はスゲー横断幕だと感心したものだ。APAが内外人問わずに忌避され、アパ利用者が馬鹿にされるようになれば素晴らしいことであるよ。

 ちなみに、産経やらアパ思想の大好きな台湾のしかもグリーン系の自由時報もデモに好意的(あたりまえだ)に書いている。「在日中國人新宿遊行 抗議APA酒店」がそれ。逆に言えば、味方は例のウイグル会議だけということだ。
2017.02
05
CM:11
TB:0
16:33
Category : 未分類
 芸として『太平記』を読み解きしているうちに、大楠公がのりうつって叛乱を起こす例がある。『太平記読みの可能性』で指摘された由比正雪がそれだ。

 これは軍事趣味分野も同じ。読み解きしている連中が自分を軍隊機構と同一視する。自分が想像した指揮官あたりの立場に忖度する。

 最近だと『GATE』が顕著だ。作者層も読者層もとっておきに頭が悪い。作者と読者の視点は国家指導層であり、そこで「ボクはうまく満州事変ができる」といった夢見心地に浸っている。

 軍隊機構への同一視も酷い。自衛隊と自己を同一視した上でさらに戦後は軍事軽視といったアレ右派の主張もそのまま取り込んでいる。なんというか、自衛隊に従順な兵隊上がり下士官上がりが自衛隊内の正解を世間で振り回すようなものだ。


■ 「『貴人に話しかけてはいけない』のは常識」

 例えば『Gate』のコミカライズをした御仁もそれだ。もともとアレだったからコミカライズしたか、コミカライズしたので病が重くなったのかはともかく、興味深い発言をしている。
ゲートのコミカライズ
竿尾 さを‏@niffysix
マティス国防長官に、いつものように不遜な態度で立ち振る舞った日本の記者らは、一国の大臣がどのような存在か思い知ったようで。記事で海外の記者が話してたけど、この国の記者はSPが銃持ってるの知らないようで。
https://twitter.com/niffysix/status/827887782882205696


 これは産経記事を受けたものだ。「『一言お願いします』と記者たちはマティス国防長官に突進していったが…マッチョなSPがブチ切れて」への反応である。
首相との会談を終えたマティス米国防長官が官邸を立ち去る際、数十人の記者がコメントを求めて殺到し、マッチョなSP(セキュリティーポリス)に哀れにもはね飛ばされてしまった
http://www.sankei.com/premium/news/170204/prm1702040036-n1.html

[SP(セキュリティーポリス)はママ、和製英語であり米側が連れてきたのだからSS(国防総省の雇ね)かSGだろう]


 竿尾さんによると「不遜な態度で立ち振る舞った日本の記者ら、一国の大臣がどのような存在か思い知った」(竿尾)そうだ。

 新聞は公人にコメントを求める権利がある。これは日本でも慣習として認められている。だから、記者は国防長官訪問した首相官邸への立ち入り、その帰りを待つことがゆるされている。

 それを求めた記者を米SPが跳ね除けた。それは日本において正当ではない行為だ。日本でのSPは阻止はするが、叩きつけることは不要と考えられているからだ。

 それを「一国の大臣がどのような存在か思い知った」(竿尾)という。まずは「『貴人に話しかけてはいけない』のは常識」といったもので江戸時代の発想だ。

 自己を軍隊機構と同一化しており、国防長官はエライから記者風情は接近するなといったものだからだ。


■ 「中の正解」を「世間の正解」と勘違いする下士官上がり

 まずは太平記読みが大楠公に取り込まれたようなものだ。自分が国防政策担当者にでもなった錯覚なのだろう。そのような発言は他にもいくらでもある。
竿尾 さを‏@niffysix
オスプレイ騒動の時の如く、F-35飛びだしたら役所の屋上や「市民」による対空監視が始まるか?オスプレイみたいにすぐわかる特徴ないから、機種識別できなくて誤報告だらけになるだろな。
https://twitter.com/niffysix/status/827552866248241153

竿尾 さを‏@niffysix
防衛力がなければ、進攻目標にならないと思ってるのがいることが驚き。想像力の欠如。いつものことだけど。
https://twitter.com/niffysix/status/826358823392681984


 いずれも80年代右派の左派批判、あるいは90年以降にそれを俗化リピートさせた『正論』のような主張だ。

 ちなみに当の防衛担当者は、あまりそんなことはいわない。90年代以降の現状はそうでないことをしっていること。さらにそれを言うと身内からも馬鹿だと思われること。さらに、モノが見えていない一部も、そう信じていても外で言えば面倒くさいことになるのは承知している。

 ちなみに、この種発言を外でするのはアレな連中だけ。自衛隊の中でしか通用しない甘やかされた「正解」を信じ切り、世間の差を知らない御仁だけだ。まずは20代の兵隊か若年下士官である。あるいはその種の下士官上がりの幹部だ。たまに後者には30代後半以降にそのようなことを言うのがいる。いい歳こいてどうしようもないものだ。


■ 理解も怪しい

 さらに、自分が得手と信じている軍事関係での理解も怪しい。自己同一視するほど軍隊機構を愛しているゆえに、その発表や主張を批判的に読めないためだろう。かつての太平記読みが太平記の内容を批判的に読めなかったように。

 これは竿尾さんにも、容易に看取ることができる。
竿尾 さを‏@niffysix
84年10月に北海道で実施された陸自初の対機甲戦闘演習。1時間は持ちこたえられるという想定が17分で赤軍に突破されたそうで…
https://twitter.com/niffysix/status/825873648342822919

竿尾 さを ‏@niffysix
@niffysix 73式改造BMPや74式改造シルカとか凝ってるw演習参加部隊の編成はこんな感じ。防御側には75式の支援あり。赤軍戦車半数撃破するも、まぁあっと言う間に突破されるわなぁ。
https://twitter.com/niffysix/status/825875339632971778


 だが、これは当時から陸自の予算取りのための演習といわれていたものだ。「平地に単線陣地を作って17分で突破された。」「だから戦車と対戦車戦能力に予算をくれ」といった出来レース。ディテールばかりをみてそれを批判的に見られないあたりは、やはり理解も怪しいものなのだろう。

 実際に写真他をみても、模型とモデルガンや無可動が上がっている。まあ、航空写真はないものの、写真と模型と軍装の軍事マニアは表層しか見ず、批判的な読み解きができないことの証拠ともなるだろう。
2017.02
04
CM:3
TB:0
00:55
Category : 未分類
■ 紙が足りないのはMDやってない陸自だけ

 桜林美佐さんは「自衛隊でトイレットペーパーがない理由はミサイル・ディフェンスをやっているから」と説明している。



 不思議な話だ。その当のMDをやっている海空自にはトイレットペーパーは満ち溢れている。足りないのはMDをやらない陸自だけだ。

 隊員の不自由は、陸自が庁費や雑運営費、営舎維持費をケチっているだけだ。MDとは何の関係もない。

 だが、桜林さんは防衛省・自衛隊ヨイショで食っている。

 だから、自衛隊内部のヘンテコな金の使いみちは絶対批判しない。それをお涙ギブミーとして「防衛予算が足りない」に持っていくだけ。


■ 福利厚生よりも制服制帽国産のほうが大事

 桜林さんの主張そのものも矛盾に満ちている。そこで本当に予算の有効活用やそれによる隊員の福利厚生を主張するなら、ご本人が以前やっていた防衛産業ヨイショとも衝突する。

 実際には隊員の福利厚生なんか全然考えていない御仁だ。割高な「なんでも兵器国産化」をやめればいいのだけどね。国産制帽やら国産の木製弾薬梱包まで褒めていたほどアレなオバちゃんである。そんなもの輸入にすれば陸がケツ拭く紙くらい幾らでも買える。

 防衛産業の擁護で衣食している方だからしかたがない。そのようなオバちゃんにフォローしているネトウヨもそうとうにアレだなあと思うけどねえ。


■ オマケ

 なんでこのオバちゃんが嫌いかというと何でもかんでもおんぶにだっこだから
私が陸・海・空の広報の皆さんに、写真のキャプションの確認などをしなければいけないのですが、ぜんぜんできていないからでありまーす!
http://ameblo.jp/misakura2670/entry-11873179896.html

自分の出す本の中身も自分でチェックできない、自分の責任で出せないで役所に任せてんだよねえ。
2017.02
02
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Category : 未分類
 岩波ホールだから仕方がない。それは覚悟して金と時間を払うものだ。

 今、上演している『皆さま、ごきげんよう』がそれ。ようやく暇ができて見てきたのだがそうだった。『汽車はふたたび故郷へ』のオタール・イオセリアーニ監督とのことで、それほどヘンテコではないかなと思っていたが、果たしてヘンテコだった。



 話の筋がないのが困る。最初にフランス革命と断頭台のシーンがある。そしてそれはほぼ回収されない。グルジアでの紛争と略奪もあるが、これも回収されない。さらに家の立ち退きの話もあるが、さらにこれも回収されない。

 爺ィ二人と国家憲兵だかパリ市警だかのオッサンが対立する話に整理すれば分かり易い。パリのテロ対策徹底を契機といった話にすればそうなるのだろうが。

 だが、それはされていない。とにかく散漫で困る。最近五年だと『風にそよぐ草』よりも散漫としている。まあ、酷いことをするやつはいるものだが、悪い目にあっても明るく生きようよがテーマと言えばテーマなんだがね。


■ 次の次はアタりっぽい



 ただ次の次、パキスタン映画『娘よ』はあたりっぽい。部族間トラブル解決で10歳の娘を相手の酋長に嫁がせる話で、15の時に嫁がされたおっ母さんが娘は勘弁してくれと逃げ出す話。

https://www.iwanami-hall.com/movie/%E5%A8%98%E3%82%88