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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2017.02
05
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16:33
Category : 未分類
 芸として『太平記』を読み解きしているうちに、大楠公がのりうつって叛乱を起こす例がある。『太平記読みの可能性』で指摘された由比正雪がそれだ。

 これは軍事趣味分野も同じ。読み解きしている連中が自分を軍隊機構と同一視する。自分が想像した指揮官あたりの立場に忖度する。

 最近だと『GATE』が顕著だ。作者層も読者層もとっておきに頭が悪い。作者と読者の視点は国家指導層であり、そこで「ボクはうまく満州事変ができる」といった夢見心地に浸っている。

 軍隊機構への同一視も酷い。自衛隊と自己を同一視した上でさらに戦後は軍事軽視といったアレ右派の主張もそのまま取り込んでいる。なんというか、自衛隊に従順な兵隊上がり下士官上がりが自衛隊内の正解を世間で振り回すようなものだ。


■ 「『貴人に話しかけてはいけない』のは常識」

 例えば『Gate』のコミカライズをした御仁もそれだ。もともとアレだったからコミカライズしたか、コミカライズしたので病が重くなったのかはともかく、興味深い発言をしている。
ゲートのコミカライズ
竿尾 さを‏@niffysix
マティス国防長官に、いつものように不遜な態度で立ち振る舞った日本の記者らは、一国の大臣がどのような存在か思い知ったようで。記事で海外の記者が話してたけど、この国の記者はSPが銃持ってるの知らないようで。
https://twitter.com/niffysix/status/827887782882205696


 これは産経記事を受けたものだ。「『一言お願いします』と記者たちはマティス国防長官に突進していったが…マッチョなSPがブチ切れて」への反応である。
首相との会談を終えたマティス米国防長官が官邸を立ち去る際、数十人の記者がコメントを求めて殺到し、マッチョなSP(セキュリティーポリス)に哀れにもはね飛ばされてしまった
http://www.sankei.com/premium/news/170204/prm1702040036-n1.html

[SP(セキュリティーポリス)はママ、和製英語であり米側が連れてきたのだからSS(国防総省の雇ね)かSGだろう]


 竿尾さんによると「不遜な態度で立ち振る舞った日本の記者ら、一国の大臣がどのような存在か思い知った」(竿尾)そうだ。

 新聞は公人にコメントを求める権利がある。これは日本でも慣習として認められている。だから、記者は国防長官訪問した首相官邸への立ち入り、その帰りを待つことがゆるされている。

 それを求めた記者を米SPが跳ね除けた。それは日本において正当ではない行為だ。日本でのSPは阻止はするが、叩きつけることは不要と考えられているからだ。

 それを「一国の大臣がどのような存在か思い知った」(竿尾)という。まずは「『貴人に話しかけてはいけない』のは常識」といったもので江戸時代の発想だ。

 自己を軍隊機構と同一化しており、国防長官はエライから記者風情は接近するなといったものだからだ。


■ 「中の正解」を「世間の正解」と勘違いする下士官上がり

 まずは太平記読みが大楠公に取り込まれたようなものだ。自分が国防政策担当者にでもなった錯覚なのだろう。そのような発言は他にもいくらでもある。
竿尾 さを‏@niffysix
オスプレイ騒動の時の如く、F-35飛びだしたら役所の屋上や「市民」による対空監視が始まるか?オスプレイみたいにすぐわかる特徴ないから、機種識別できなくて誤報告だらけになるだろな。
https://twitter.com/niffysix/status/827552866248241153

竿尾 さを‏@niffysix
防衛力がなければ、進攻目標にならないと思ってるのがいることが驚き。想像力の欠如。いつものことだけど。
https://twitter.com/niffysix/status/826358823392681984


 いずれも80年代右派の左派批判、あるいは90年以降にそれを俗化リピートさせた『正論』のような主張だ。

 ちなみに当の防衛担当者は、あまりそんなことはいわない。90年代以降の現状はそうでないことをしっていること。さらにそれを言うと身内からも馬鹿だと思われること。さらに、モノが見えていない一部も、そう信じていても外で言えば面倒くさいことになるのは承知している。

 ちなみに、この種発言を外でするのはアレな連中だけ。自衛隊の中でしか通用しない甘やかされた「正解」を信じ切り、世間の差を知らない御仁だけだ。まずは20代の兵隊か若年下士官である。あるいはその種の下士官上がりの幹部だ。たまに後者には30代後半以降にそのようなことを言うのがいる。いい歳こいてどうしようもないものだ。


■ 理解も怪しい

 さらに、自分が得手と信じている軍事関係での理解も怪しい。自己同一視するほど軍隊機構を愛しているゆえに、その発表や主張を批判的に読めないためだろう。かつての太平記読みが太平記の内容を批判的に読めなかったように。

 これは竿尾さんにも、容易に看取ることができる。
竿尾 さを‏@niffysix
84年10月に北海道で実施された陸自初の対機甲戦闘演習。1時間は持ちこたえられるという想定が17分で赤軍に突破されたそうで…
https://twitter.com/niffysix/status/825873648342822919

竿尾 さを ‏@niffysix
@niffysix 73式改造BMPや74式改造シルカとか凝ってるw演習参加部隊の編成はこんな感じ。防御側には75式の支援あり。赤軍戦車半数撃破するも、まぁあっと言う間に突破されるわなぁ。
https://twitter.com/niffysix/status/825875339632971778


 だが、これは当時から陸自の予算取りのための演習といわれていたものだ。「平地に単線陣地を作って17分で突破された。」「だから戦車と対戦車戦能力に予算をくれ」といった出来レース。ディテールばかりをみてそれを批判的に見られないあたりは、やはり理解も怪しいものなのだろう。

 実際に写真他をみても、模型とモデルガンや無可動が上がっている。まあ、航空写真はないものの、写真と模型と軍装の軍事マニアは表層しか見ず、批判的な読み解きができないことの証拠ともなるだろう。
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