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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2017.06
15
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06:37
Category : 未分類
「自衛隊の建物はボロい、かわいそうだから予算をつけてやれ」はだいたい誤解だ

 たとえばHoundさんが指摘する「ハットメントがボロい問題」「予算がつかない問題」はそれである。
 
 なぜならハットメントは正規の倉庫ではない。駐留米軍が残したかまぼこ隊舎とも俗称される建築物だが、あれは本来はあるべき建物ではない。施設整備のルールでは取り壊すものを、部隊の都合で残しているだけだ。

 正規倉庫ではないから予算がつかないだけだ。

 だが、一般にはそれはすべて混同される。結果、「駐屯地のとある倉庫はこんな感じで古く、それを大事に使ってる状況。ほんとお疲れ様です」(Hound)といった発言となるである。

Hound@C92土曜 東ミ-17a‏ @Hound_7
第11旅団。NBC偵察車や師団等指揮システムなど新しい装備が来ているから「予算も装備も足りている」と思われる方も居ると思いますが、そんな事はなく。駐屯地のとある倉庫はこんな感じで古く、それを大事に使ってる状況。ほんとお疲れ様です(ただし重要な物は頑丈な倉庫に入れているようです)
https://twitter.com/Hound_7/status/874998325308674048



■ ハットメントは幽霊物件

 そもそもハットメントは一種の幽霊のようなものだ。

 自衛隊は昭和30-50年代ころに「オンボロのハットメントでは困る」と隊舎や倉庫を新設した。

 その整備は、本来は既存ハットメントの解体を含むものとなるはずだった。ハットメントにいた人員物資を新しい建物に移すことが目的だからだ。

 だが「何かに使えるだろう」と部隊側が「解体はしない」と決めた。解体予算も浮くので安くなる、別に使えるという色気もあった。ちなみにその際には、自衛隊の施設整備サイドは「不要な建物だから維持費はつかないよ」と念をおしている。

 そしてそのまま今日に至った。本来死ぬはずだったものが生きていると言った意味で幽霊である。一応は国有財産に含めるものであり、実際に台帳に乗せているが維持費用はつかない。

 つまり部隊側が泣き言をいうのは筋違いである。そのだいたい平成初期ころから残置したハットメントや旧軍の木造建築物についての不満がでてきた。さらにそれに乗っかって自衛隊の建物はボロい、防衛予算を増やせといった応援団の発言もでてきたが、そういうことだ。


■ 施設整備関連者しかしらない

 だが、この事情を知るのは施設整備関係者だけだ。末端の兵隊どころかそれに従事しない幹部も知らない。これは仕方がない話だ。

 結果、次のような会話が生まれる。
Hound@C92土曜 東ミ-17a‏ @Hound_7
どの駐屯地に言っても、倉庫などの建物に関しては
「予算ないのですか?」と質問すると、けものフレンズのアルパカさんみたいに「無いね~、全然無いね~」なので涙
ちなみに人員も同じ状況(来ないね~全然来ないね~)
https://twitter.com/Hound_7/status/874999133676781568


 この話は互いに誤解した問答である。仕方ない話だが、事情をしらない同士の話だからだ。

 ハットメントの維持整備は上からお金が降ってくるわけではない。本来は部隊が自分で面倒をみるものだ。資材を調達して自分たちでトントン屋さんをやるのが本来である。それができないなら隊力で壊すだけだ。

 ちなみに海自八戸や下総は営繕や施設員の隊力出直している。さほどボロくはない

 逆に、本来の庁舎や隊舎、格納庫、車庫、倉庫には金がついている。仕組みが違うので相互転用できないが、宿舎予算も同じ。予算はないということはない。
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