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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2017.07
22
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14:40
Category : 未分類
 確たる図画も描けないものに「できる」といって金をかっぱぐ詐欺がある。核燃料サイクル、中でも高速増殖炉はそれであった。今でも核融合はそれだ。現段階ではエネルギーを回収する方法はない。原子力以外でも経済的にペイしない計画に金をつぎ込む詐欺もある。リニアモーターカーも似たようなものだし、国産ロケット開発や航空機開発もそれだ。

 フクシマをいつか廃炉できるといった見込みもその伝だろう。崩壊核燃料の位置はわかった。だが、それを回収する具体的な絵はない。金をぶっこめばできるかもしれないが、できないかもしれない。膠着状態からこそぎ起こして持ち上げられても、原子炉外に持ち出し、安全に収納するまでもっていけるかわからない。当然ながら、そのコストは全くわからない。コスト的に現実味がない可能性もある。


■ 「取り出す方法は言えないが金を支払え」

 それが「できる」前提で話を進めるのは不思議なものだ。例えば松浦晋也さんの発言だ。朝日新聞の記事にが苦言を呈してたものだ。だが、それはできるかどうかもわからないものを「できる」として、人の金を突っ込む態勢を無条件に、楽天的に肯定するものである。

 具体的には次の発言だ。
松浦晋也@ShinyaMatsuura
現時点で取出方法が見えないのは当たり前。得られた画像を使って、これから取出方法を考えるのだ。「溶融核燃料らしきものが見えた!」ってのは大成果だと思うよ。 溶けた核燃料か、取り出し方法は見えず 福島第一3号機:朝日新聞デジタル
https://twitter.com/ShinyaMatsuura/status/888561104653361152


 要は「これから取出方法を考える」(松浦)といった噴飯に金を突っ込むことを肯定しているのである。

 不健全な支出に対してなかなか言えることではない。回収法はやり方がわからないもの、あるいはできるかどうか見当もつかないもの、さらにはいくら掛かるかわからないものに金をブッ込むことを応援するものだからだ。


■ 盗人に追い銭

 しかも、その金は電力会社の金ではない。

 本来は原子力に乗っかった経営上の失敗である。本来であれば、その被害は破産するまで会社が負うべき性格のものだ。

 だが、実際に支払っている金は電力会社や投資家の金ではない。独占事業で巻き上げる電気代であり、あるいは国の予算である。

 そして、この状況でも電力会社は儲けている。本来なら100%減資されるはずだった株式への配当に回し、事故を引き起こした当の従業員たちに平均以上の給与を支払っている。


■ 原子力への甘やかし

 このような背景があるにも関わらず「取り出し方法は見えず」を批判する点は不思議なものだ。

 途方もない甘やかしといってもよい。原子力を適当に扱い事故を起こした。それで国民や国が面倒みなければならない状況に追い込まれた。その状況にありながら「回収の絵はないです、でもやらないと迷惑でしょ、金ください」といっているものだからだ。

 だが理系カルトはそれを肯定する。メカミリ、あるいは航空宇宙クラスタ、SFマニアといった科学技術大好きっ子はたいていそうだ。連中は理系的価値観以外に関しては全く考慮できない。あるいは選択的に盲目となる。ミクロの技術には詳しいが、マクロとして実用になるか、経済的にペイするかは意図して見ようとしない。

 そして、その理系カルト視点でしか政策施策を語れない。科学技術しか見ないし、科学技術での効用しか考えない。事故を起こしたあとの原子力への未練もそうであるし、事業化の見込みもない日本のロケット打ち上げやどう見てもモノにならない航空機開発をヨイショするのもそれだ。科学技術への盲目的信仰であり、それ以外の価値観が欠如している点で全くカルトだ。
 
 それの表出の一つが松浦さんの発言だということだ。「現時点で取出方法が見えないのは当たり前。得られた画像を使って、これから取出方法を考えるのだ。」(松浦)である。

 本人には無邪気であり罪はないかもしれない。

 だが、結果としては無自覚にも「できるできる」詐欺を幇助している。高速増殖炉の無駄遣いを援護したのも、核燃料リサイクルを継続させたのも、経済や社会を見ない、理系カルト的な科学だけの合理性の宣伝であった。これは同じ国家的詐欺のロケット開発や航空機開発も同じだ。
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