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C-2をUAEに売る話がニュースになった。
これについては清谷さんが「わざわざ買うほどのヒコーキではない」「あいつらホントに買うかわからない」と言っている。おそらくそうだろう。
その上に付け加えるべき疑問もある。
UAEに売ってよいか? である。
それというのも、少なくとも売って良い国には見えないためだ。まずUAEは戦闘行為に参加していること。つぎに兵器産業での応用で攻撃手段に変化するおそれもあること。さらにUAEはイランとの対立体制にあることだ。
■ イエメン介入の主力
まずは、交戦中の国であり武器売却には不適切な点だ。
UAEはイエメン介入の主力である。汎スンニ連合の一員であり、サウジと並ぶ首魁と目されている。このためイエメン内戦にもサウジに次ぐ兵力を派出し、積極的な作戦行動をとっている。
もともと対外行動も積極的に行っている。湾岸戦争以降も機会を見て派兵しているだけでなく、特殊部隊もスンニ派諸国で活動している気配もある。
この点、何も考えないで武器を売却して良い国ではない。
■ UAEは武器製造国
つぎに攻撃的運用をされる可能性もある。この点も売却先として不適切な点だ。
UAEは地域屈指の武器産業がある。UAEは経済的理由と政治的理由から武器製造を進めている。前者は石油頼みの経済からの脱却であり、後者は自国分の武器生産とスンニ派同盟国への輸出供与を目的としている。
その国に輸送機を売るとどう使うかわかったものではない。機体を改造しないまでも、アムルスのような武器運用機構を搭載されて爆撃機的運用をされる可能性もある。攻撃機化されればA・B段階整備を断るオプションもあるだろうが、貨物室内部に独立した武装を施されると文句はいい難くなるだろう。
■ 日本-イラン関係への影響
さらにイランを刺激する可能性である。これもUAEへの輸送機売却が不適切な点だ。
UAEはイランと対立している。これもサウジと連携して反イラン政策をとっており、その軍事力もイランとの対抗を目的としたものである。ちなみに今年のカタール断交も反イラン政策の側面もある。
そのUAEに日本が武器を売るとなると、イランは不機嫌になる。
それを甘受できるかということだ。
ちなみに、イラン経済解除は間近である。そして今までの日本-イラン関係からすれば日本はそこでの権益に与れる可能性がある。だが、今まで武器輸出したことのない日本が初めてUAEに武器を輸出したとなれば、その話がどうなるかはわからない。
■ 豪州やNZとは違う
これらの点からすれば、UAEは輸送機売却に適した国ではない。その点で安心して売れるオーストラリアやニュージランドとは異なる。
イランが不快感を示してきたら実際にポシャるだろう。仮に国内でイエメン介入や攻撃運用の問題についてコンセンサスを形成できてもそうなる。
イランもUAEの邪魔をするため日本に釘を指すくらいはする。UAEが日本から武器を買うことはイランにとって失点でありUAEにとって得点となりえる。小火器やらソフトスキンやらの小規模武器の売却ならともかく、軍用輸送機のような大物は見逃し難い。
そして日本はそれに抵抗できるかは厳しい。日本は英仏とは異なる。今まで武器を輸出してきた経緯はない。その点で既得権的な権利を持っていない。
また、イランが日本向けの権益供与とバータする構造を作れば、日本は輸送機輸出よりもそちらを優先するだろう。なお、湾岸で天然ガス生産の余力があり、LNG輸出の可能性がある国はカタールとイランだけだ。激安かつ安定供給を約束すれば、常にエネルギー飢餓感を持つ日本は転ぶ可能性は高い。
これについては清谷さんが「わざわざ買うほどのヒコーキではない」「あいつらホントに買うかわからない」と言っている。おそらくそうだろう。
その上に付け加えるべき疑問もある。
UAEに売ってよいか? である。
それというのも、少なくとも売って良い国には見えないためだ。まずUAEは戦闘行為に参加していること。つぎに兵器産業での応用で攻撃手段に変化するおそれもあること。さらにUAEはイランとの対立体制にあることだ。
■ イエメン介入の主力
まずは、交戦中の国であり武器売却には不適切な点だ。
UAEはイエメン介入の主力である。汎スンニ連合の一員であり、サウジと並ぶ首魁と目されている。このためイエメン内戦にもサウジに次ぐ兵力を派出し、積極的な作戦行動をとっている。
もともと対外行動も積極的に行っている。湾岸戦争以降も機会を見て派兵しているだけでなく、特殊部隊もスンニ派諸国で活動している気配もある。
この点、何も考えないで武器を売却して良い国ではない。
■ UAEは武器製造国
つぎに攻撃的運用をされる可能性もある。この点も売却先として不適切な点だ。
UAEは地域屈指の武器産業がある。UAEは経済的理由と政治的理由から武器製造を進めている。前者は石油頼みの経済からの脱却であり、後者は自国分の武器生産とスンニ派同盟国への輸出供与を目的としている。
その国に輸送機を売るとどう使うかわかったものではない。機体を改造しないまでも、アムルスのような武器運用機構を搭載されて爆撃機的運用をされる可能性もある。攻撃機化されればA・B段階整備を断るオプションもあるだろうが、貨物室内部に独立した武装を施されると文句はいい難くなるだろう。
■ 日本-イラン関係への影響
さらにイランを刺激する可能性である。これもUAEへの輸送機売却が不適切な点だ。
UAEはイランと対立している。これもサウジと連携して反イラン政策をとっており、その軍事力もイランとの対抗を目的としたものである。ちなみに今年のカタール断交も反イラン政策の側面もある。
そのUAEに日本が武器を売るとなると、イランは不機嫌になる。
それを甘受できるかということだ。
ちなみに、イラン経済解除は間近である。そして今までの日本-イラン関係からすれば日本はそこでの権益に与れる可能性がある。だが、今まで武器輸出したことのない日本が初めてUAEに武器を輸出したとなれば、その話がどうなるかはわからない。
■ 豪州やNZとは違う
これらの点からすれば、UAEは輸送機売却に適した国ではない。その点で安心して売れるオーストラリアやニュージランドとは異なる。
イランが不快感を示してきたら実際にポシャるだろう。仮に国内でイエメン介入や攻撃運用の問題についてコンセンサスを形成できてもそうなる。
イランもUAEの邪魔をするため日本に釘を指すくらいはする。UAEが日本から武器を買うことはイランにとって失点でありUAEにとって得点となりえる。小火器やらソフトスキンやらの小規模武器の売却ならともかく、軍用輸送機のような大物は見逃し難い。
そして日本はそれに抵抗できるかは厳しい。日本は英仏とは異なる。今まで武器を輸出してきた経緯はない。その点で既得権的な権利を持っていない。
また、イランが日本向けの権益供与とバータする構造を作れば、日本は輸送機輸出よりもそちらを優先するだろう。なお、湾岸で天然ガス生産の余力があり、LNG輸出の可能性がある国はカタールとイランだけだ。激安かつ安定供給を約束すれば、常にエネルギー飢餓感を持つ日本は転ぶ可能性は高い。
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